「ずいぶん頑丈な車だなぁ」という印象しか残らないという、微妙な最終回でした。 GUNSLINGER GIRL -IL TEATRINO- 第13話 「そしてピノッキオは人間に」のレビューと総評です。
ガンスリは、「義体」という大嘘はついているけれど、それ以外は、比較的リアル志向の特殊部隊もの(カウンターテロもの)だと思っていました。しかし最終回の展開は無理無理でしたね。冷静なテロリストだと思っていたフランカたちの無茶すぎる行動。その連中を取り逃がすという、あんまりな特殊部隊。
フランコ・フランカは、裏の主役といってよいくらいフィーチャーされていたので、死に際にいろいろドラマがあるのだろうと思っていましたが、あっけない最後でした。あるいはまだ生きてるとか? だとしたら中途半端だと言えます。彼らは死ぬべきです。「テロリストに明日は無い」がテーマのはずだから。
テーマといえば、結局のところ、”義体と担当官との絆(恋)”について描きたかったのかな? ラストはそんな感じでした。それはちょっと違うと思えるのですが・・・
最終回なので総評をやります。1話がダメで、その後持ち直したのですが、ラスト2話はハチャメチャであり、これまで引っ張ってきた話は何だったのかという気持ちになりました。なので印象が悪いのですが、大半は面白かったので、ストーリーの評価は4点にします。
キャラクタは、テロリスト側はよく描き込まれていたと思うのですが、義体のほうはいまいち、持ち味を出せていなかった気がします。 キャラデザも、大人キャラは良かったけれど、義体は萌え絵すぎで好みではなく。
音楽は、マンドリンやストリングスを使ったアコースティックな曲は良かったですが、一方で妙に合わなくて「あれ?」と思う曲もありました。OP は良いと思えます。 作画や演出は、やや残念。 後半持ち直しましたが。
この物語の基本にあるのは、悲劇だと思うのですね。小林秀雄が言うところの、終末へと向かう美しさです。義体という歪んだ存在。テロとの戦いの空しさ。憎しみのために殺しあう大人たち。 1話と終盤を除けば、そういう雰囲気は出ており、かなり良かったと思っています。
総合は3点です。11話までなら4点でした。ラスト2話の悪印象で、全体がスポイルされた感は否めず。この結末って原作通りなんですかね? 1期のように短編ストーリーをつないだ方が良かったのでは。 ともあれ、それ以外は楽しめた佳作だったと思います。
ストーリー | ☆☆☆☆_ |
キャラクタ | ☆☆☆__ |
音楽 | ☆☆☆__ |
作画 ・演出 | ☆☆___ |
悲劇 | ☆☆☆☆_ |
総合 | ☆☆☆__ |
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義体たちよりも、ピノッキオを中心に描かれています。「戦う人形」というサブタイトルは、むしろピノッキオのことを意味しているのでしょうか。 GUNSLINGER GIRL -IL TEATRINO- 第12話のレビューです。
ただ、ピノッキオのエピソードには、あまり心が動かないんですよね。ここまで延々とと引っ張られて、だいたい底が分かってしまった気がして。彼がどういう最期を遂げるかには、興味がありますが。
フランコ・フランカの出番は、これで終わりでしょうか。周到に準備したわりには、しょぼい結果になってしまいましたが。 何のために彼女らはテロに走ったか、それには意味があったのか、答えが出るような結末を期待しています。
クリスティアーノの館を攻略するために、作戦を立てたり、見張り所を襲撃したりするシーンは良かった。キビキビした、やることを心得たプロフェッショナルの動き、という感じが良いですね。
ただ、館に突入してからは頂けない。敵のアジトを一人でウロウロするなんて、CQB(近接戦闘)の戦術を完全に無視しています。3~4人組で援護し合い、部屋に突入するときにはまず閃光手榴弾を投げ込んで、といった手順を踏まないと、命がいくつあっても足りません。義体だから無茶してもオーケーなのかもしれませんが… ちなみに、フルメタふもっふの量産型ボン太君のエピソードが、CQBのお手本的な動きです。
ピノッキオとトリエラの対決がクライマックスなのだろうと思っていましたが、意外と早く来ましたね。1回では決着がつかないのかもしれませんが。 ここまで雰囲気は悪くないと思うので、どうまとめてくれるのか楽しみにしています。
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「彼女たちは、眠りながら涙を流す」 普通の女の子だったときの記憶が、麻酔で眠っているときには夢となってよみがえるのでしょうか。 GUNSLINGER GIRL -IL TEATRINO- 第10話 「善意の花」 のレビューです。
あまり面白くない流れだと思って見ていました。 ヒルシャーの過去を描くエピソードとして必要なのだろうけど、やや展開が安っぽいというか、無茶しすぎで共感できないところがあり。
でも、ラストで全部許せる気持ちになりましたよ。ラシェルは、「世の中捨てたもんじゃない」と言って死にましたが、彼女は確かに、トリエラに素晴らしい贈り物をしました。彼女があげた「母親の記憶」は、戦闘マシーンになってしまったトリエラにとって、唯一の「優しい記憶」かもしれないから。
トリエラの表情など演出も良かったと思いますが、ちょっと残念なのは、音楽とのシンクロがもう一つなところです。マンドリンによる物悲しい調べはとても良いので、トリエラが「お母さん」の話をするところで、音楽の方もぐっと盛り上げてくれたら、感動が5割増しだったろうにと思うのですが。
あの医者も、さりげなく良かったんじゃないでしょうか。普段はトリエラたちを、「義体」というモノとして冷徹に扱っているけれど、涙を見たときには「彼女たち」と呼びました。 そして、目が覚めたときに話を聞いてあげるために、そばで待っていたのでしょう。話を聞くのはヒルシャーではなく、あの医者である必要がありました。 ヒルシャーには、あんな無防備なところは見せないだろうから。
二期のクライマックスは、トリエラとピノッキオの対決であることは明らかですが、それに向けて盛り上がってきました。トリエラを掘り下げるエピソードとして良かったと思います。ヒルシャーの掘り下げは、やや微妙だけれども。
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オペラとテロの対比が、美しくも血なまぐさいストーリーでした。GUNSLINGER GIRL -IL TEATRINO- 第9話 「賢い蛇 純真な鳩」 のレビューです。
オペラといえばイタリアですよ。オペラのアリアを耳にする機会は多いと思いますが(CMやBGMとかでも)、ほとんどがイタリア語です。モーツァルトはオーストリアの人ですが、オペラはもっぱらイタリア語で書いてたりします。イタリア語の響きがオペラに合うのでしょうね。
ビーチェが爆薬を匂いで見つけていましたが、実際に軍用爆薬には匂い(爆発物マーカー)がつけてあります。 テロなどで使われても発見しやすくするためですね。 空港には、そのための探知機や犬がいます。ビーチェは犬みたいなやつだな。
あのテロリストが隠していたのは、プラスチック爆薬のセムテックスでした。ジャンは「軍でしか入手できないはず」とか言ってましたが、実際にはセムテックスは入手しやすいのでテロリストの愛用品です。軍の横流し品であれば「C-4」とかにしておいたほうがリアルだったと思いますね。
以上、うんちく終わり。
担当官は総じて、義体に対して恋愛感情を持っていないようで、それはこの作品のいいところです。ジョゼは、亡くなった?妹に対する贖罪の気持ちで、ヘンリエッタと接しているようですね。 それは不誠実なんじゃないか、と思い始めたジョゼだけれど、「蛇のように打算的な行動であっても、鳩のように純真な真心から出たものであれば、それでかまわない」という言葉に救われたようです。
テロとの戦いのむなしさ、がこの作品を貫くテーマですね。タイムリーだとは言えます。「一人のテロリストを殺すと百人のテロリストを生む」、と言いますが、かといって、爆弾テロ犯を放置するわけにもいかないし、難しいところですよ。 ジャンやジョゼも、憎しみの連鎖に囚われてしまっているようです。
戦闘シーンが3回もあり、それなりではありましたが、もうちょっと動きが欲しいな。 倒した敵を振り返りもせずに去っていくヘンリエッタのカットは、良かったと思います。
そろそろ、本筋のピノッキオ編の戻るのでしょうか。あの連中が好きなので、じっくり描いて欲しいところです。
クラエスの境遇を描いた回ですが、1期の5話で既にやっているので、いまさら感があります。かといって、1期を見ていない人のためにしては、これだけ見ても意味が分からないのでは。 GUNSLINGER GIRL -IL TEATRINO- 第8話 「クラエスの一日」 のレビューです。
スタッフロールによると、スカボロフェアってイングランド民謡だったのですね。てっきりサイモン&ガーファンクルの曲だと思っていました。サイモン&ガーファンクル版は、ベトナム戦争のころに反戦歌として流行しました。戦争に行って帰ってこない恋人を待つ歌、と解釈されたのですね。
クラエスがこの曲にこだわっているのは、彼女の記憶の奥底で眠っている、ラバロを待つ気持ちに響くからなのでしょう。ラバロの趣味であった土いじりと、スカボロフェアの歌詞(パスレイ セージ ローズマリー アンド タイム)と、その裏側にある意味。まぁ、やや象徴的すぎる感があるけど、悪くない話だと思えます。
しかし、メソシデライトを持ってきたのは、よくわからんですね。スカボロフェアとは繋がらないし。これのおかげで話の焦点がボケた気がしますが、なにか僕の気づいていない意味があるのでしょうか?
まぁ、なにやらぼんやりした締まらない話という印象です。クラエスファンへのサービスなのかな。1期のクラエス回は、すごく切なくていい話なのだけど、比べるとキリがないので止めておきます。
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このアニメは基本的に、救いのない悲劇ですが、今回は一段と救いが無かった。「復讐の円環」というベタなタイトルそのままでした。GUNSLINGER GIRL -IL TEATRINO- 第7話 「カテリーナ 復讐の円環」 のレビューです。
戦いに踊る人形、復讐に駆られた大人たち―――廻る舞台。(イル・テアトリーノ)
DVDのキャッチフレーズですが、秀逸だと思うんですよ。 大人たちは復讐のために人を殺し、それがまた復讐を生む。哀れな人形は、そんな大人たちに操られて踊るだけで、そこには意味なんて無い。
「これで少しは気が晴れた」 というフランカのセリフが、救いの無さを強調しています。ここで人情味のあるセリフでも吐けば、話の後味としては良くなっただろうけど、それではダメなのでしょう。
普通の大学生が、なにかのきっかけでテロリストになるというのは、現代の日本に住んでいる私たちには理解しがたいですが、かつては日本にもそういう時代がありました。いわゆる全共闘時代で、藤原伊織の”テロリストのパラソル”などを読むと、その時代の空気がわかるかもしれません。カッコいい話なのでオススメですよ。
というか、テロリストのパラソルの影響は受けている気がしますね。爆弾テロの話だし、フランコが島村圭介に、フランカが松下塔子に被ります。出会いのシーンでは酔いつぶれていたり・・・
つまり、この話はハードボイルドなんだな。絵がそういう感じではないので違和感はあるけれども。
今回からOPアニメが変わってますね。本編使いまわしが多いけれど、ヘンリエッタが倒れながらマシンピストルを撃つシーンなどはカッコよいと思いました。本編でもカッコいい戦闘シーンを見せてくださいよ。
OPのラストは、ピノッキオとトリエラのシーンでした。この二人の対決が、このストーリーの軸なのでしょうか。引き続き楽しみです。
まず、カウンターテロものとして楽しめました。万全の準備で罠を張り、テロリストを一網打尽に。ヘンリエッタのアクションも良く、スカっとできましたね。
子供と思わせて敵に油断させるという、正しい義体の使い方でもありました。
チベタンテリアことニノに焦点を当てて、テロリストの空しい生き様を描き出し、フランカに迷いを抱かせるエピソードでした。構成は完璧だと思います。あと台詞回しもいい。「諧謔のわかりそうな男性だったから」とか、味があるなぁ。
「こんな距離で2発も使うな」とは厳しい。ヘッドショットしかダメですか。
ヘンリエッタがバイオリンを弾くシーンは、かなりよく描けていたけれど、惜しいのはバイオリンのサイズが、ヘンリエッタの体格にしては大きすぎることですね。バイオリンは1/16から4/4まで7種類のサイズがあり、体格にあった大きさのものを使います。ヘンリエッタなら1/2くらいじゃないかな。まぁ、細かい話。
作画についてはもうとやかく言いません。ヘンリエッタが顔赤らめすぎだろとかも、もういいです。話の内容と雰囲気は文句無く、楽しんで観れていますから。1話で切らなくてよかったなぁ。そういえば、1話の万華鏡がここの伏線だったわけですね。
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でも1期か原作を見てないと、話がわからないでしょうね。パスタの国の王子様とか。ネタバレでも知りたい方は、wikipediaのマルコーやパトリツィアの項目を見ると載っています。
マルコーは依然として、アンジェリカの担当官であることに徒労感や罪悪感を感じているようですね。1期のラストは無かったことになってる? 公社に来たばかりのアンジェリカを、みんなで一喜一憂しながら育てていた時期は楽しかったけれど、あの日々はもう戻らないと諦めているようです。
一方でプリシッラは、あのアンジェリカは戻らないと分かっているけれど、今のアンジェリカの支えになりたいと思っているのでしょう。 でも、ここにさらっと”パスタの国の王子様”を持ってきますか。1期では・・・
訓練シーンや戦闘シーンでの、アンジェリカのメリハリのきいた動きは良かったのでは。尺が短くて、もっと見たかったですけど。
トリエラについて一般兵士がうわさしているシーンや、記者が公社について調べるシーンなどで、”公社や義体が周囲からどう見られているか”が丁寧に描写されていて、物語に深みを与えていると思います。
しかし、ストーリーそのものはあまり進まなくて、いろんなことが雑多につめこまれている感もあります。ま、こういう回も必要なのでしょう。次回にも期待。
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1期よりも萌え萌えした絵になったので、グロテスク感がさらに増しており、ある意味、成功していると言えるのかもしれません。
銃の描写は、今回は良かったと思います。”冷たい銃器を人形のような少女が扱う”というグロテスクさを際立たせるには、リアルな銃の描写は不可欠でしょう。
戦闘シーンも、待ち伏せするところの緊迫感が良かったですね。作画は可もなく不可もなくでしたが。クルマの動きにもっと迫力があると良かったな。
ヘンリエッタは、ヘリからスコープ付きライフルで狙撃するのか。ゴルゴ並みだな。なんとなく、リコがスナイパー(支援)でヘンリエッタがポイントマン(前衛)という役割分担だと思っていたのですが、今回は逆でした。
アバンの家庭的なシーンと、ラストの”大破した車の中で、少女に銃を向けられる”シーンとの対比が印象的でした。「ふざけた世の中だ」という台詞は、悪事で家族を養っていた自分自身にも向けられたものなのでしょう。
ガンスリらしい、いい回だったと思います。作画がもうちょっと良ければな、とは思いますが。
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テロリスト側の視点を丹念に描いているのが興味深いこのシナリオ、どういう展開になるのか楽しみですね。ピノキオの本をトリエラが読むエピソードも良かった。
作画はぎりぎりなんとかってレベルですか。背景は綺麗だけれど。
戦闘シーンは、スローモーションを多様していて気持ちはわかるのだけれど、動きにシャープさが無くモッサリと感じてしまいます。1期は良かったのになぁと、やはり思ってしまう。
冒頭の、銃を手入れする描写は力が入っていましたね。でもそのわりに、シーンによっては拳銃が小さすぎたりするのが気になります。おもちゃの水鉄砲じゃないんだから。
なかなか先行き不安ですが、ストーリーは面白いので視聴継続するつもりです。来週のアンジェリカも楽しみだな。
世間で叩かれてるほど悪くない、と思う方はポチっと↓
およよ!? いいじゃないですか。 最初からこれをやれよ!
この物憂げな雰囲気は、まさに僕のイメージするガンスリです。ガチャガチャデレデレの1話とは別物。絵の違和感はまだあるけれど、それも許容範囲に思えてきました。
作画や演出に特筆すべきところは無いけれど、フランコがピノッキオに銃を向けるシーンの緊張感は良かったな。声優さんが好演しています。
テロリストたちの描き方が、なかなか複雑ですね。一人の人間として描いてもいるけれど、何を考えているかわからない不安定な存在としても扱っている。しょせんテロリストだし、あまり報われるとは思えませんが、どういう結末になるのか楽しみになってきました。というわけで次回も観ます。
なんスかこりわ? あの独特の雰囲気はどこにいったんだー!
2期は、ロリ萌えキャラが銃をぱんぱん撃って大立ち回りする話になっていました。安いギャルゲーの雰囲気です。雰囲気だけじゃなく、作画や脚本のクオリティも非常に低い。いまどきこれは・・・
どうしてこんなことになっちゃったんでしょうね。。1期と同じスタッフで作ることはできなかったんだろうか? 1期のDVDは海外でよく売れたそうですが、これじゃ海外ではますます売れないでしょう。悲しいけど、見込みが無いので視聴は打ち切ります。