読了:約11分(6742字)
公開:2016-4/18
更新:2016-5/06「比較級」追記、他部分的に加筆・修正
関連:準1級合格談 / 語彙 / 読解 - キーワード / ライティング - 書き方のコツ / リスニング / 2次試験4コマ - 4つの質問
お陰様で2016年第2回に合格できました。
読解は1問間違い(15/16)でした。過去問を解いていても、語彙やリスニングは苦手で、常に微妙な正当率なのですが(笑)、読解には強くて、だいたい全問正解~2問間違いくらいです。
2015年から約1年かけて、過去問18回分のすべての読解問題を解き、英文を【 精読 】し、10~20回ずつ音読してきました。
【参考】英検準1級 読解で8~9割取るための対策と勉強法
その結果、TOEICのPart 3・4・7の【 キーワード 】同様に、英検準1級の読解問題(とリスニングPart 2)にも、理解度向上につながるキーワードがあることに気づいたので、まとめてみることにしました(・∀・)b
ちなみに、ここでご紹介しているキーワードは、英検「1級」の読解問題にも頻繁に出てきます。
読解とリスニングPart 2では「対比」をつかむ
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英検のリスニングPart 2(説明文問題)と読解問題の英文では、基本的に何かと何かが対比されている内容が多いです。
「ある業界の過去と現在」
「ある生物(出来事が以前は~と思われていたが実は~だった」
「ある分野の今までのやり方と最新のやり方」
「新しい商品(サービス)のメリットとデメリット」
「新しい法律の賛成派・反対派」
詳細を問う問題が多くを占めるTOEICと違って、英検では流れや大筋を理解できると正解できることが多く、こういった対比を頭の中で整理しながら読み進めていく(聞いていく)と、正解を選びやすくなると感じています。
そんなわけで、このエントリーでは、英文を正確に理解するためのキーワードと、対比を見抜くためのキーワードをまとめてみました。
また、これらのキーワードは言い換え(パラフレーズ)にもよく使われます。
TOEIC同様に、英文中では「concern」と表現されていたのが、選択肢では「worry」に言い換えられる、といった感じです。なぜかと言うと、言い換えられていないと正解の選択肢が簡単に選べてしまうからです。
なので、僕は時間を測って解いた後、【 精読 】時に下記のキーワードで自分が見落としがちなものに緑のマーカーを引き、言い換えには赤のマーカーを引いて、通読時に注意して読むようにしてきました。
【参考】英検準1級 読解で8~9割取るための対策と勉強法
否定語
否定語を見落とすと、まったく正反対の内容で捉えてしまうので、注意が必要です。慣れてきても見落としちゃいます。
nobody / no one / nothing / no longer
fail (to do) 失敗する、~できない、~し損ねる
failure (to do)
be unable to do ~できない
less likely / unlikely ~しそうにない、可能性は低い
less than ~よりもない
頭に付くと否定語に代わる接頭辞。
Ex: incomplete, inconvenient, inexpensive
見落としがちな「準否定語」関連。
little - less - least
few - fewer - fewest
rarely / seldom めったに~ない
hardly / scarcely ほとんど~ない
例えば「Fewer people eat rice at breakfast these days.」の「fewer」を処理し忘れると、「最近、朝にご飯を食べる人がいる。」と捉えてしまうことになります。
be動詞や助動詞につく否定語も要注意。特に短縮形は、初心者は発音が聞き取りにくいと思います。
can't / shouldn't / won't / couldn't
can only
次はヒッカケによく使われるキーワード。
rather than A Aではなく
other than A A以外の
unlike A Aとは違って
without A Aなしで、Aがなければ
without doing... ~することなく
unless SV, もしSがVでなければ、
although / though / even though SV, SがVであるにもかかわらず、SはVだが、
本文で「Aではない」と言っているにもかかわらず、選択肢には「Aが正しい」となっているヒッカケは、TOEIC同様に、英検にもよくあるパターンだなと。
比較級
上述したように、英検の読解とリスニングPart 2では、何かと何かが対比されることが多いので、比較級が出てきたら「何と何が比較されているか?」を正確に把握しないといけません。
比較級が使われているセンテンスを逆の内容で捉えてしまうと、不正解の選択肢にヒッカケられてしまいますし、その後の内容理解もハチャメチャになります。
比較級が苦手な方は、この機会に『一億人の英文法・Forest』などの鉄板文法書の「比較」の項目に目を通しておきましょう。「正確に読めるリーディング力 = 辞書・文法書を引いた回数」ですよ。
far more はるかに多い
much more / a lot more かなり多い
even more 今以上にさらに多い
less(+形容詞) より少ない(より~な)
※形容詞の前につくと反対の意味を表すので注意
not as 形容詞 as A Aほど~でない
「SがOを超える」系動詞
outweigh / outnumber / outmatch / excel / surpass
be superior to A Aよりも優れている
be inferior to A Aよりも劣っている
ディスコースマーカー+α
「discourse(会話) marker(標識)」と書くと分かりやすいかなと。話の流れを推測しやすくするために使われる標識的な表現です。
『一億人の英文法』をお持ちの方は、P611「Chapter 17 接続詞」を読んでおくといいと思います。
順接
「そして、そうして」という因果関係を表す場合に使われる語彙。therefore それゆえ
thereby それによって
逆接
逆接系の語彙の前後では、内容が変わるので、これも処理し忘れてはいけない語彙です。ちなみに、この中では「but」だけが接続詞で、他はすべて副詞(接続副詞)なので、ライティング時には注意です。
still / even so / yet / nevertheless / nonetheless それでも、にもかかわらず
次は「譲歩」系。
even though ~であるにもかかわらず
この4つの表現にマーカーを引いて、何度も英文を読んでいると、「これらが文頭に出てきたら、主節では反対の内容(筆者が主張したいこと)がくる」ということが推測できるようになります。
補足・追記・例
主張の根拠となる理由が複数あって、2つめ以降の理由を挙げる場合によく使います。理由のどちらかが選択肢の1つとして出てきたりします。besides / in addition 加えて
alternatively 代わりに
similarly / likewise 同様に
similar A 同じA
次は「例を挙げる系」。
for one thing 理由を1つ上げると
such as A / like A Aのような
原因・理由
※「as」が原因説明になってることはけっこう多いです。
because of A / due to A / thanks to A / owing to Aが原因で、Aによって
S blame A for B SはBの原因をAだと考えている
特にリスニングPart 2では、読解問題ほど長い文章にはできないので、原因や理由を1つだけ挙げることがよくあります。
The reason SV is that... SがVする理由は~
Another factor is that... 別の要因としては~
partly because ~という理由もある
partly due to A 一部Aという理由もあって
目的・結果
設問に「なぜ~するのか?」「~する目的は何か?」とあったら、次のキーワードがある英文に答えが書かれてあることが多いかなと。for A to do / in order for A to do Aが~するために
for the sake of A Aのために
so that S can V SがVできるように
in an effort(attempt) to do ~しようとして
hoping for A Aを期待して
the purpose of A / the goal of A / the aim of A Aの目的
in conclusion 結論として
finally / eventually / ultimately 最終的には
turned out (to be) A / proved (to be) A ~となった/~と判明した
end up doing ~する結果となる
A contribute to B / A bring about B
Aが原因でBとなる、AがBを引き起こす、AがBの要因となる
次のような分詞構文や関係詞で付け足されることも多いです。
, causing B to do /, leading to B
, which causes B /, which leads to B / , which results in B
次の「可能にする/妨げる」系も、「○○が■■を可能にした」という風に、原因理由と結果を表すことに使われるので、合わせて押さえておいて下さい。
S encourage A to do SはAが~するのを奨励している
S prevent(keep / stop) A from doing
S hinder(hamper / impede) A from doing
SはAが~するのを妨げる
discourage A from doing Aに~させなくする
obstruct ~を妨害する
intervene(intrude) in A / interfere with A Aに干渉する、邪魔する
disrupt / disturb 邪魔する
「過去・今まで」vs「現在・最新」
「過去と現在の対比」「今までと最近の傾向の違い」ということが問題によく出るので、過去・現在を表すキーワードをまとめておきます。
過去・昔・初期・今まで
at that time / at the time / in those days / during that time 当時は
once かつて
** years ago **年前に
in the 1960s 1960年代には
first / at first / in the beginning / at the beginning 初めに、最初は
initially / originally 当初は
S was thought(believed / considered) to do
※「最初の頃は/当時は、Sは~と考えられていたが、実際は~だった」となる場合が多い。
used to do 以前は~していた
previously / formerly 以前は
the former/previous A 前のA・以前のA
traditional way /conventional way 従来の方法
traditionally / conventionally 今までは
historically 歴史的に見て
early A / initial A 最初のA、初期のA
Ex: early way / initial attempt
past A 過去のA
ancient A 古代のA
old / outdated / out of date / obsolete 古い、時代遅れだ
今・現在
these days / nowadays 最近では(主に現在形で使用)
recently / lately 最近では(主に現在完了形・過去形で使用)
currently 現在
recent A 最近のA/ modern A 現代のA
in recent years / recent survey
current A 現在の
latest / new / modern 最新の・新しい・現代の
novelty 新しいこと
賛成 vs 反対
何かに賛成したり、支持したり、逆に反対したり、不満を持つ人々がよく出てきます。
彼らが賛成しているのはどういう理由か?反対しているのは?何に対して不満を持っているのか?が問われることが多いです。
賛成・支持
in favor of A / in support of A Aを支持して
S welcome A / S is pleased with A SはAを歓迎している
A is welcomed(acceptable) Aは歓迎されている・受け入れられいる
be willing to do 喜んで~する
supporters of A Aを支持する人たち
positive 肯定的な、前向きな(↔ negative)
advantage メリット・長所(↔ disadvantage)
good news いい知らせ、吉報
反対・消極的
reject A / deny A / refuse Aを否定する、拒む
critics 【名詞】批判的な立場の人たち、批評家
Ex: critics say(argue) that SV 批評家はSはVだと主張している
criticize for A / be critical of A Aに批判的だ
blame A for B / accuse A of B BのことでAを批判する
S attract criticism Sは批判を浴びる
S is dissatisfied(unhappy / uncomfortable) with A Sは、Aに不満である
be reluctant(unwilling) to do / be less willing to do ~するのに消極的だ、~したがらない
complain about A Aに不満を言う
S is concerned(worried) about A SはAを心配している
S is concerned that... / S worry that... Sは~であることを心配している
S alert(warn) A SはAに警告する
A face(encounter) opposition from B AはBからの抵抗に直面している
次は反対している人々、不満に感じている人々の感情を表す表現です。これらが出てきたら、「何に対して反対してるのかな?」とその理由を読み取っていきます。
A is unrealistic Aは非現実的だ
A is unthinkable(unimaginable) Aなんて考えられない
A is hard to accept 受け入れ難い
get(express) anger / get mad 怒る
S is angry(mad) Sは怒っている
S is upset(irritated / frustrated / annoyed) Sが苛立っている
S is furious / in a rage 激怒で
S is confused Sは困惑している
問題・障害
英検の読解問題では、何かのメリットや利点を最初に挙げて、その後にデメリットや問題点を列記するというパターンがよくあります。「What is the biggest concern...」「What is most worrying is...」などのように、もっとも心配されているものは何か?を問われることもあります。
本文には、ヒッカケとして「minor problem」「partly due to A」などの小さい理由があり、不正解の選択肢に入っていることがあるので要注意。
drawback / disadvantage 欠点
concern / worry / trouble 懸念、心配
shortage / lack / shortfall 不足
threat 脅威
danger 危険
「障害・困難」系
challenge / difficulty / hurdle / trouble / shortcoming / obstacle / damage
notorious 悪名高い
A is problematic(questionable / suspicious)
Aに問題がある、Aは疑わしい
S is skeptical about(of) ~に懐疑的だ
S is unconvinced that... Sは~に納得していない
question (the accuracy of) ~(の正確さ)を疑う
have difficulty(trouble) doing ~するのに苦労する
have a tough time doing / struggle to do ~するのに苦労する
devastation / destruction 破壊・破滅
その他
その他、読解やリスニングPart 2によく出てくる、内容理解に欠かせないキーワード群。
増える・減る・高い・低い
「市場は大きくなってきている」「利用している人は少ない」などの「数・量が増える減る」「高い・低い」「多い・少ない」も設問に絡むことが多いので、出てきた瞬間に理解できるようにしておきましょう。increase in A / rise in A Aの増加
on the rise / high 高い
decrease / decline / drop / fall / lower / shrink / diminish 減る・減らす
decrease in A / decline in A / drop in A / downturn in A
Aの減少 ※名詞でも使われる点に注意。
low 低い
「費用・値段が高いのでまだ導入できていない」、「安いので貧しい人でも買える」 といった話もよく出てきます。
high expenses 高い費用
S cost a lot Sは高くつく
raise costs コストを上げる
cheap / low / inexpensive / less expensive 安い
competitive 価格競争力のある(=安い)
economical 経済的な
affordable / reasonable / budget 値段が手頃な
人気がある・成功する vs 人気がない・うまくいかない
「人気が出てくる、人気がある、広まっている、成功している」というのもわりとよく問われます。common / be here to stay 普及している
widely spread 広まっている
widely available(used) 広く利用されている
used worldwide 世界中で利用されている
attract people 人を惹きつける
a big hit 大ヒットしている
succeed / become successful / thrive / prosper 成功する・栄える・繁栄する
popularity...decline 人気がなくなる
shrink 縮小する
downturn 低迷
a long way to go (before SV) (SがVするまでには)長い道のりがある
S was struggling. Sは悪戦苦闘していた。
fail (to do) 失敗する
重要・影響
「~が重要だ」とか、「~に影響を与える」という表現もよく出てくるので、論理性を理解する上ですごく大切です。significant 意味のある、意義深い
primary 主要な
play an important role in ~に重要な役割を果たす
※important の代わりに vital, significant, essential などが入ることもある。
次は「影響を与える」系。
have an effect/impact on A
Aに影響を与える、影響がある
adversely affect A / have a negative effect on A
Aに悪影響がある
「BよりもAを選ぶ、重視する」系。
would rather A than B
value A over B
put A before B
focus more on A than B
place more emphasis on A than B
普通 vs 特別
その文章でフィーチャーされているものと、普通の、通常の、平均的な何かとを比べることも多いです。usual いつもの
average 平均的な
typical 典型的な
common よくある
プロ vs アマ・初心者
experienced A / seasoned A / trained A 経験豊富なA
inexperienced A/ untrained A 経験の浅いA、未熟なA
beginner / novice 初心者
amateur アマチュア
「英検準1級 長文読解問題の英文を正確に読むためのキーワード200」は以上になります。参考になれば幸いです!
● 2016年合格/英語学習 継続のコツ
【 語彙・読解・英作文 】
● 語彙:対策と勉強法
● 読解:対策と勉強法/キーワード200
● 精読/速音読
● 英作文:対策と勉強法/エッセイの書き方のコツ
【 リスニング 】
● 対策と勉強法 - Part別注意点
● 発音/音の連結・消失/ディクテーション
● シャドウイング/リピーティング
● 瞬間英作文/暗唱/速聴
【 二次試験 】
● 「4コマ漫画ナレーション」対策/「4つの質問」対策
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