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公開:2017-07/03
更新:2022-06/29 一部加筆・修正
関連:準1級合格談 / 語彙 / 読解 - キーワード / ライティング - 書き方のコツ / リスニング / 2次試験4コマ - 4つの質問
学生時代、僕は英文を読むのがすごく苦手でした。センター試験では文法はそこそこ解けましたが、英文はほとんど読めませんでした。
ですが社会人になってから、TOEICで【 精読 】した英文を【 通読 】で繰り返し読んできたことで、徐々に速く&正確に読めるようになり、リーディングは450点前後(495点満点中)まできました。
英検準1級は、お陰様で2016年第2回に合格できました。語彙やリスニングはけっこう間違えましたが、読解は1問間違いでした。
準1級の過去問は24回分解いたのですが、読解問題は最終的には1~3問間違いになりました。個人的には英検の読解は解きやすいと感じています。
そんなわけで、その読解の勉強のやり方とコツをこの記事ではまとめてみました。参考になれば幸いです(・∀・)/
準1級での勉強は1級の下準備になる
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最初にお伝えしたように、僕は準1級の過去問を24回分(8年分)やりました。ただ、元々の英語力があれば、6回分で合格することも十分可能だと思います。
僕がなぜ24回分もやったかと言うと、単純に楽しかったのもありますが、1級の読解がラクになると思ったからです。
実は2015年に一度、英検1級の勉強を始めたのですが、語彙問題だけでなく、リスニングや読解問題ですら知らない語彙が多すぎて、精読にものすごく時間がかかり、非効率だと感じたんです。
それで試しに準1級を解いてみたら、ちょうどいい難易度だったんですね。
【参考】英検1級の前に準1級で勉強してもいいかもしれない4つの理由
英検のトピックってかなり幅広いです。
24回分やっても、次から次へと知らない語彙やトピックが出てくるんです。過去問を解いていて、読解で満点が取れたのは、2014年度第1回だけでした。
● 準1級の読解問題の単語は、1級の語彙問題に出る件
例えば、準1級の2013年第3回の読解問題の「Harvest Silk」に「extract」、「Braille vs. Speech」に「impair」が出てきます。パス単にも載っています。準1級の語彙問題、読解問題、リスニングパートに出てくる難易度の高めの語彙は、1級の語彙問題にもわりと出てくるんですよ。
なので、準1級の勉強は1級の下準備になり、準1級で勉強すればするほど、1級の勉強はラクになってくるんです。
勉強の進め方 9 Steps
僕の読解の勉強のやり方は、基本的にはTOEICのリーディングパートと同じです。
Step 2:時間を測らずにじっくり解き直す
Step 3:答え合わせ、選択肢の言い換えチェック
Step 4:不正解の選択肢のチェック
Step 5:キーワードをチェック
Step 6:精読(英文解釈)
Step 7:スロー音読
Step 8:音読
Step 9:速音読
詳しく説明していきますね。
Step 1:時間を測って問題を解く
まずは時間を測って問題を解きます。普段から時間を測って解いておかないと、本番のタイムマネジメントで失敗するからです。
また、問題を解くときは、過去問に付属している、マークシートも使います。普段からマークシートを使って解いてないと、本番でひどいマークミスをするからです。
TOEICを43回受け、何度も失敗してきた経験上、普段から時間を測ることとマークシートを使うことは必須だと感じています。
筆記の時間配分の目安
10:00 語彙 No. 1-25(13分)
10:13 読解(語句補充) No. 26-28(6分)
10:19 読解(語句補充) No. 29-31(6分)
10:25 読解(内容一致) No. 32-34(8分)
10:33 読解(内容一致) No. 35-37(10分)
10:43 読解(内容一致) No. 38-41(12分)
10:55 英作文(エッセイ) (30分)
10:25 リスニングパート先読み(5分)
筆記の方は、僕は1日で全部解かず、1日1~2題のペースで解いていました。読解(語句補充)は英文が250 wordsと比較的短いので、1日に2題解いてました。
Step 2:時間を測らずにじっくり解き直す
まだ答え合わせはせずに、今度は時間を測らずに、もう一度問題を解き直します。「Step 1」で時間を測って解くと、
● 自信がなくてテキトーにマークして飛ばした問題
● 時間内に解けなかった問題
が出てくると思います。
これらの、読み飛ばした文や解いてない問題をそのままにして、いきなり答え合わせをするのは、自分の英語力を試すテストとしてモッタイナイので、「Step 2」で、そういった英文や問題を今一度、時間をかけて読んで&解いていきます。
このStep 2をやらない人は、問題を解くスキルが身につきにくいです。なので、読解が苦手なうちは必ずやって下さい。
Step 3:答え合わせ、選択肢の言い換えチェック
答え合わせした後は、正解の選択肢の言い換え(パラフレーズ)をチェックしていきましょう。正解の選択肢は、基本的には本文中の単語やフレーズを「言い換え」たものを使って作られています。
例えば、2014年第2回の大問3「Endangered Barns」のQ33であれば、本文2段落目の最後の「funds / assist」が、選択肢では「financial aid」に言い換えられてあります。
こんな感じで、言い換えを常にチェックしていると、言い換えのストックがたまってくる → 言い換えを見抜きやすくなる → 速く正確に解けるようになるというメリットがあります。
また、言い換えのバリエーションが増えてくると、スピーキングやライティングで、同じ言葉を繰り返すのを避けるためにパラフレーズするときにも役立ちます。
ちなみに、僕は「言い換え」は赤色で下線を引いてチェックしています。
Step 4:不正解の選択肢のチェック
「不正解の選択肢は、どこが間違っているのか?」をチェックしていきます。不正解だった問題はもちろんですが、Step 1で解いたときに例え正解を選べていたとしても、「なんでこれが不正解なんだろう?」と疑問に感じる不正解の選択肢も出てくるはずです。
そこで、不正解の選択肢が不正解になる理由を常にチェックしていると、不正解になるパターンのストックが増えてくる → 不正解の選択肢を瞬時に正確に見抜けるようになってきます。
不正解の選択肢のパターンは主に3つあります。
(2) 正反対
(3) 言い過ぎ
まず「(1) 本文にない」パターン。本文のどこにも書いていないんだけど、有り得そうな選択肢が作られていることはよくあります。
次に「(2) 正反対」のパターン。「否定語/準否定語」をきちんと読み取れてないと選んでしまう不正解の選択肢です。
最後は「(3) 言い過ぎ」のパターン。「all / every」が入っていたり、「only」で限定しすぎていたりするパターンです。
Step 5:キーワードをチェック
選択肢のチェックが終わったら、「読解問題によく出るキーワード」をチェックしていきます。英検の読解問題の英文には、頻繁に使われるキーワードがありまして、その意味と使う状況を知っていると、
(2) 正確に読めるようになる
(3) 正解の選択肢、不正解の選択肢を見極められる
ようになります。
最初は特に、ディスコースマーカーを入念にチェックして下さい。
ディスコースマーカーというのは、「but / however / although / while / as a result」といった、英文と英文をつなぐ役割を果たす語句です。
このディスコースマーカーを正確に処理できるようになってくると、
(1) ディスコースマーカー前後の内容と関係性が理解しやすくなる
(2) 筆記大問2の空所補充に強くなる
(3) 選択肢も正確に読めるようになる
というメリットがあります。
読解問題によく出るキーワード、ディスコースマーカーは次の記事でまとめてあるのでぜひ(・∀・)b
【参考】英検 読解問題で高得点を取るためのキーワード200
Step 6:精読(英文解釈)
今度は精読(英文解釈)で、本文・設問・選択肢において、不明な語彙や文法、文構造をチェックしていきます。【参考】リーディング苦手な人は「精読」で道が開ける!効果・やり方
精読を丁寧にやっておくことで、正確に英文を読めるようになり、選択肢の読み間違いも減らすことができるようになります。
(1) 発音・アクセント
(2) 語彙の意味・品詞
(3) 文構造
(4) 文法・構文
(1) 発音・アクセントをチェックするのは、間違った発音・アクセントで覚えてしまうと、二次試験や英会話できちんと通じなくなり、それに気づいたときに矯正するのが大変だからです。
【参考】やらない人は損してる!発音を学ぶことで得られる4つの効果
(2) 語彙の意味だけでなく、品詞もチェックするのは、自分が知ってるのとは違う品詞・用法で使われることがあるからです。例えば「double」が名詞だけでなく、「~を2倍にする」という動詞でも使われることがあったりします。
(3) 文構造は、主語(S)・動詞(V)・目的語(O)・補語(C)・修飾句をチェックすることで、英文を正確に読めるようになるからです。特に複雑な文構造の英文においては、主語と動詞を把握することが非常に重要になります。
(4) 苦手な文法・構文は、一億人の英文法・Forestなどの文法書で調べるようにしましょう。
応用言語学者の白井恭弘教授の著書『外国語習得の科学』に次のようなことが書かれてありました。
ピッツバーグ(アメリカのペンシルバニア州南西部にある都市)周辺のハンガリー人のコミュニティで自然に英語を習得した人々の英語力と、文法分析能力の適正の関係を調べました。
結果は、十六歳以降にアメリカに移住した人については適性テストの得点が高い人だけ、つまり文法分析能力の高い人だけが英語ネイティブに近いレベルまで達した(P.63)
僕が読解に比較的強い理由の1つは、TOEICで徹底的に文法をやったからです。
精読するときは次の記事でご紹介しているサイトを使うと勉強が捗りますよ(・∀・)b
【参考】英語学習で重宝するオンライン辞書&便利サイトまとめ
Step 7:スロー音読(5日)
Step 7からは、精読で理解した英文を音読していきます。2週間~1ヶ月かけて、毎日音読すると、
(2) 読解問題によく出る話の流れのパターンが身につく
(3) リスニングPart 2で聞き取れる割合も増える
というメリットがあります。
その音読のやり方ですが、「返り読み」をしてしまう方、英文を読むのが苦手な方は、最初は早く読んではいけません。
返り読みしてしまうのは、自分の処理スピードを超えた速さで読んでしまうからです。最初から速いスピードで読んでしまうと正確さが犠牲になってしまうのです。
【研究】科学研究「初めてやる練習は”速さ”よりも”正確さ”を重視しよう」
そんなわけで、最初は100 wpm以下から読み始めることをお勧めします。「VOAニュース」のナレーターがだいたい100wpmくらいなので、このスピードを目安にするといいです。
重要なのは、返り読みせずに、十分理解できるスピードで読んでいくことです。
そして、1日1~2回読むのを、5日間連続で毎日やって下さい。
なぜ毎日やるのかということ、今日勉強したことは、翌日になるとけっこう忘れているのと(笑)、毎日読むことで、英文を読む際の処理スピードが上がる&語彙の定着期間が伸びるからです。
【研究】言語学者「勉強スケジュールは分散したほうが効果的やで」分散学習
Step 8:音読(5~10日)
100 wpmで問題なく読めるようになってきたら、返り読みせずに理解できる範囲内で、徐々に速く読んでいきます。音読する日数は目安です。「この英文は読みやすいな」と感じたら、すぐにスピードを上げていってもOKです。
Step 9:速音読(5~10日)
最終的に、準1級の読解の英文の音読は、150 wpmくらいで読めるまでできたら理想的ですが、始めたばかりの頃は厳しいかもしれないので、120~130 wpmくらいでもOKです。速いスピードで音読できるようになってくると、次の5つの効果があります。
(2) 黙読スピードはさらに速くなる
(3) 速く発話(発音)できるようになる
(4) 英会話レッスンの密度が濃くなる
(5) 繰り返し読むことが苦痛でなくなる
(6) 速い英語に対する抵抗が薄れる
詳しくは次の記事をお読み下さい。
【参考】速音読トレーニングの効果・やり方
読解でよくある質問・悩み
「準1級の読解が難し過ぎる!どうしたらいい?」
「2級」の読解問題から始めることをお勧めします。【参考】英検2級の過去問・対策
2級の、過去問3回分の読解問題を解いてみて、満点近い点数が取れないようであれば、語彙が弱いというよりも、英文自体を正確に読めていない可能性が高いです。
その場合は、2級は受験しなくてもいいので、まずは「2級の英文ならスラスラ読める&問題も解ける」というレベルになるまでトレーニングしていくことをお勧めします。
読解だけなら、この読解問題だけを扱った問題集がお勧めです。
もし「準1級の読解だけでなく、リスニングも難しすぎる!」と感じるようであれば、次の2級の過去問集でトレーニングしたほうがいいかもしれません。
僕は準1級から始めたわけですが、実は2級から始めたほうがよかったと後悔しています。
今、1級の過去問で勉強しているのですが、1級レベルの語彙だけでなく、2級にも出てくるような、けっこう簡単な語彙が正確に読み取れていなかったり、聞き取れていなかったりするんですよね。
数学で例えるなら、加減乗除がまだマスターできていないのに、二次方程式を習っているような感覚です。
なので、「もっと易しい素材で練習しておきたかったな」と感じています。ですが、さすがに今から2級をメインにすると、難易度の高い語彙に出会う頻度が下がってしまうので断念しました。
上述したように、英検は取り扱うジャンルが非常に幅広いです。
準1級の過去問の最後の24回目を解いたときも、まだまだ知らない語彙、うろ覚えの語彙がたくさんありました。
準1級24回分でも足りなかったので、2級から始めておけば、1級の勉強はもっとラクになっていただろうなと思うんですよ。
「音読じゃなくて黙読はダメ?」
「音読すると内容が入ってこないんですよ」という質問をよくいただきます。僕も最初はそうでした。きちんと発音することに意識がいくと、理解することがおろそかになるんですよね(^_^ゞ
それでも、音読することをお勧めします。理由は2つあります。
まず1つめ。毎日同じ素材を音読していると、発音に慣れてきます。そうすると脳の処理リソースに余裕が生まれてくるので、音読しながら意味を理解できるようになってきます。
2つめ。本気で英語上級者をめざすのであれば、最低でも200 wpmくらいのスピードで音読できるレベルに到達する必要があるからです。
次の動画のSharlaさんがだいたい200 wpm前後で話されています。
この動画のSharlaさんは、比較的ゆっくり話されているほうですが、日本人にとってはかなり速く感じるはずです。
そして、このスピードに到達するためには、毎日音読しないと不可能なんですよ。毎日やることで、口や舌が慣れて、滑らかに動くようになってくるからです。
僕は今まで9000時間勉強してきましたが、おそらく音読や【 オーバーラッピング&シャドウイング 】に1000時間は費やしていると思います。
「音読より黙読のほうが速いのでは?」
確かに、音読よりも黙読のほうが速く読めます。ですが、音読スピードが速くなればなるほど、黙読のスピードはさらに速くなるんですよ。なので、音読でスピードを上げていくことを重視したほうがいいです。
普段のトレーニングで黙読しかしていないと、将来後悔します。
● 2016年合格/英語学習 継続のコツ
【 語彙・読解・英作文 】
● 語彙:対策と勉強法
● 読解:対策と勉強法/キーワード200
● 精読/速音読
● 英作文:対策と勉強法/エッセイの書き方のコツ
【 リスニング 】
● 対策と勉強法 - Part別注意点
● 発音/音の連結・消失/ディクテーション
● シャドウイング/リピーティング
● 瞬間英作文/暗唱/速聴
【 二次試験 】
● 「4コマ漫画ナレーション」対策/「4つの質問」対策
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