fc2ブログ

Albums of the Month

Albums of the Month (2024年1月)

metalicrouge.jpg

年始に、コロナ禍以降で初めて実家を訪問した。夕食のとき、父が「最近はどんな音楽聴いてるの?」と尋ねてきた。うちの父は音楽好きなので、会ったときには大抵、最近どんなアーティストが好きなのかとか今年のフジロックは誰が出るのかなど訊いてくるのだ。まあ、だいたいいつも答えた後の父の反応は「(そのアーティスト)知らないなー」なんだけど。


今回は「最近K-POPにめちゃくちゃハマっててさー」などと答えたのでそこからK-POPの話になった。数年前にBIGBANGにハマっていた母もカットインしてきたので「BIGBANGは第二世代で、今は第四世代のStray Kidsなんかが人気なんだよ」なんて話をしていたら、父が「それこないだ紅白に出てたグループ?」と。スキズ認知されてる!しかも「あのー何だっけ。にゅ…にゅ~じーんず?あの子たち凄いね」とか言い出した。NewJeansは年配男性ウケがいいという話を聞いたことはあるが、まさか今年75になる父もその気にさせてしまうとは、ニュジ恐るべし。


紅白の話の流れから、さらに驚かされたことがあった。父は最近キタニタツヤがお気に入りなのだという。紅白で観るよりも前に彼のラジオをたまたま聴いたらしく、具体的に何が刺さったのかよくわからないが「話す内容とか、音楽に対する考え方とかも凄いよ!大したもんだよ!」(←謎の上から目線)とか熱弁していた。


確かに父はこれまでも洋楽ではソウル、ジャズ、ファンク、ユーロビート、そしてロック系ではQUEENなど幅広く聴いてきた人だけど、邦楽は山下達郎や竹内まりや、スピッツやあいみょんがお気に入りといった感じだったし、前回会ったときはAdoをかろうじて「『うっせぇうっせぇ』って曲の人?」と認識している程度だったので、そこにキタニタツヤが加わるのはさすがに予想の斜め上すぎた…。


というわけで今月聴いた音源まとめ。2024年はこんな音楽からスタートした。






まずは今年リリースの新譜から。

由薫 / Brighter (2024)
★★★★☆
由薫 Brighter

昨年TVドラマ『星降る夜に』 主題歌に起用され大ヒットした「星月夜」を含むデビュー・フルアルバム。アコースティックとエレクトロ・ポップのハイブリッド型SSWだと思っていたけど、各曲のアレンジはなかなかバラエティに富んでいて中だるみしないのが良い。中盤に配置されたニュー・ジャック・スウィング曲「Rouge」が特に目を引く存在だけど、この曲については後ほどこの記事内でまた触れることにする。

由薫 - "Crystals"




yama / awake&build (2024)
★★★★☆
yama awakbuild

3作目のフルアルバム。CD自体は14曲が収録されているが本編としては全12曲で、キタニタツヤおよびぼっちぼろまるとのコラボ曲は「collaboration tracks」として分けられており、実質ボーナス・トラック扱いになっていることからも、コンセプトや方向性がしっかり練られた作品と見ることができると思う。序盤3曲はクラブ寄り、次の3曲はアップテンポで激しめのロック系、その後はバラード系が続いたりと、現時点でのyamaの集大成的な側面を感じられる作品。

yama - "偽顔"




ITZY / BORN TO BE (2024)
★★★☆☆
ITZY BORN TO BE

5人組ガールズ・グループによる韓国での2ndフルアルバム。休養中のリアは本作に伴う活動に参加しておらずフォトブックなどにも掲載されていないが、休養前に録音されたリアのソロ曲が収録されている。

ITZY - "Mr. Vampire"




EVNNE / Un: SEEN (2024)
★★★★☆
evnne.png

Mnet系列のグローバル・オーディション番組、ボイプラ(BOYS PLANET)から派生し結成、昨年9月に『TARGET: ME』でデビューした9人組ボーイズ・グループの初カムバ作品。リード曲「UGLY」をはじめ「SYRUP」や「Chase」などもアレンジとビートがかなりカッコよく、ヘッドフォンで聴くと音の立体感も凄い。

EVNNE - "UGLY"







旧譜は全てセブチ関連。

SEVENTEEN / FML (2023)
★★★★☆
SEVENTEEN FML

2015年デビューの13人組ボーイズ・グループの10thミニアルバム。昨年の年間ベスト・ソング(ストリーミング編)でも2位に選出した「Super」を収録。

SEVENTEEN - "Super"




SEVENTEEN / SEVENTEENTH HEAVEN (2023)
★★★★☆
SEVENTEEN SEVENTEENTH HEAVEN

こちらは11thミニアルバム。リード曲「God of Music」と、Marshmelloとコラボしたジャージー・クラブ曲「SOS」に目が行きがちだけど、本編ラストの「Headliner」がめちゃくちゃイイ曲。

SEVENTEEN - "God of Music"




BSS / SECOND WIND (2023)
★★★★☆
BSS SECOND WIND

セブチのホシ、ドギョム、スングァンによるチーム、ブソクスンによる3曲入りEP。唯一無二の声を持つラッパー、LEE YOUNGJIが参加した「Fighting」はとてもテンションの上がる曲。

SEVENTEEN - "Fighting Feat. LEE YOUNGJI"








■バクチク現象
昨年12月29日、BUCK-TICKの日本武道館公演「バクチク現象-2023-」に行ってきた。そのライブレポートなど書こうと思ってみたものの、様々な感情が入り乱れて全く筆が進まない。プロの方はどんな風に書いているのかしらん、といくつか読んだ中でOKMusicに掲載された大前多恵氏によるレポートは当日の私の思いを余すところなく書いてくださっていたので、記事の紹介をもって私の感想に代えたい。


所謂"お仕事"のライブレポートというのはめちゃくちゃ苦手だ。お仕事の、というのは「会場のボルテージは一気に~」とか「勢いはそのままに、アッパーなチューン『〇〇』へとなだれ込み~」みたいな定型文で書かれたレポートのこと。でも大前氏のレポートは、会場にいた多くのファンたちの「何とも言えない複雑な感情」をある程度言語化し、「印象的だった光景・言葉」をしっかりと記録してくれている。ありがたや。


正直このライブは、「櫻井敦司がこの空間に存在すること」と「櫻井敦司がこの世にもう存在しないこと」の両方を目の前に突き付けるようなものだった。だからこそ哀しみでも喜びでも興奮でもない、名前のない感情が沸き起こった。でも会場を出たあと、私の頭の中で最も大きな比重を占めていたのは、このレポートに書かれているようにバンドに対する「驚嘆」と「尊敬」の念だった。


1月28日からはYouTubeのBUCK-TICK公式チャンネルにて、「BUCK-TICK SUNDAY LIVE STREAMING」が6週連続で再びスタートし、第一回目は1992年の横浜アリーナ公演「CLIMAX TOGETHER」が配信された。私も大好きでこれまでに何度も観ている映像作品だが、本当に「伝説的パフォーマンス」と呼ぶに相応しいと思う。配信映像を観ながら、「バクチク現象-2023-」のときに今井寿が語っていた「生きていたということを、存在していたということを大事にしてください」という言葉を嚙み締めた。






■最近観ているアニメ
自分は「アニメ好き」と言えるほどアニメが好きなわけじゃなく、ただガンダム作品が好きなだけなので、今どんなアニメが放送されているかという情報にも疎い。それでもどこかしらで話題を目にし、その作品が気になったりということはある。


そんな中で昨年9月からオンエアされ現在も放送中の『葬送のフリーレン』が昨年末あたりから気になっていたのだが、ちょうど年明けから追っかけ再放送されていたので観始めた。第10話くらいまで観たけど、なんとも不思議な雰囲気を持つ作品だ。勇者や魔法使いが登場するアドベンチャーものであるはずなのに、「魔王」が倒され平和になった世界が舞台になっていて、派手なバトルもハラハラするような展開もなく淡々と物語が進む。


だけどその中で、人間とは思考も時間の感覚も異なるエルフのフリーレンが、過去の冒険の足跡を辿りながらかつての仲間たちとの体験を通じて人間の感情を理解していくというストーリーは、突き詰めれば「人間とは何なのか」「生きるとは何なのか」「時間とは」「記憶とは」などと哲学めいた方向に思考が向かい始めるような、非常に興味深いものになっている。おそらく賛否が分かれる作品だと思うが私は「賛」で、観た後にほんのりと淡い感動を覚えさせてくれるところが良い。原作コミックは読んでいないのでこの後どのような展開があるのかわからないけど、このままの感じで続いてほしい。


さて、話題のアニメに疎い私だけど、現在はもう一作品、『メタリックルージュ』をほぼリアタイで観ている。きっかけは先ほど書いた由薫のアルバム『Brighter』に収録された「Rouge」を気に入り、この曲について調べるうちに『メタリックルージュ』というSF/サイバーパンク・アニメのOP曲になっていることを知ったから。この曲は先ほども書いたように80年代後半から90年代前半にかけて海外で流行したR&Bの一種、ニュー・ジャック・スウィングを取り入れているのだけど、といっても洋楽のそれではなく、どちらかと言えばNJSを取り入れた90年代前半あたりのJ-POP風のアレンジ(*)になっている。ちなみに作曲と編曲はAdoのライブ・メンバーとしても馴染み深い高慶“CO-K”卓史が手掛けている(作曲は由薫と共作)。

由薫 - "Rouge"

*どれくらいの人に伝わるかわからないけど、例えばWANDSの2ndシングル「ふりむいて抱きしめて」やaccessの「PINK JUNKTION」、 渡辺美里の「POSITIVE DANCE」あたりと非常に近い雰囲気になっていると思う


アニメのプロモーション映像を観てみたら『ブレードランナー』および『ブレードランナー2049』、『未来世紀ブラジル』、『攻殻機動隊』といった作品のオマージュが感じられたし、原作・総監督はあの出渕裕さんじゃないですか!出渕氏と言えば私の大好きなMS「ケンプファー」「ハイゴッグ」「サザビー」「ナイチンゲール」のメカデザイナーであり、所謂「ブチ穴」を考案した偉大なお方。さらにアニメのED曲はダズビーが担当。私に「観ろ」という要素を次々と積み上げてくるので、観ないわけにいかないじゃないか。


アニメの内容自体は、SF作品特有の謎めいた部分がまだまだ多いが、これからどんどん面白くなりそう。あとナオミ・オルトマンのキャラがとても良くて、ルジュとの軽妙なやり取りもいちいち面白い。






■ルセラのカムバ
LE SSERAFIMが2月に3rdミニアルバム『EASY』でカムバックすることが発表された。日本2ndシングル「UNFORGIVEN」及び同名の1stアルバムでK-POP沼にハマったので、(配信シングル「Perfect Night」もあったものの)フィジカル・リリースとしては私にとって初カムバ体験となる。


トレイラーが公開されたが、力強さとカッコよさが前面に押し出され、収録曲の一部なのかは不明だがこれまでのイメージを吹き飛ばすようなロック系の音楽が使われていて、どんな作品になるのか非常に期待値が高まる内容になっている。

LE SSERAFIM (르세라핌) EASY TRAILER 'Good Bones'

▲0:32のユンジン、カッコよすぎるよ…






■今月観た映画
2024年一発目に相応しくない気がしなくもないが、『キャメラを止めるな!』を観た。これは『カメラを止めるな!』のフランス版リメイク作品で、本筋はオリジナルとだいたい一緒だが人種差別問題や「パール・ハーバー」ネタ、DJ担当者が効果音を加えるシーンなどが加えられている。オリジナルの方はもう5年以上経つので細かい部分を忘れかけていたこともあり、リメイクとはいえ「そういえばこんな話だったっけ」と割と新鮮な気持ちで観ることができた。


もう一本、『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』を公開初日に観に行った。作画はやはり素晴らしく、およそ20年前のTVシリーズとはまるで別物な迫力ある戦闘シーンは見もので、『閃光のハサウェイ』において描かれていた一般市民目線での市街地戦の恐怖感もうまく演出できていたと思う。後半はギャグみたいなシーンもあり、そこはあまり好みではなかったけど、作画及びストーリーのプロット、登場人物のキャラクター(人間性)の描き方含め全体的に満足度が高かった。






■今月のAdoさん
ロッテとのタイアップ曲「ショコラカタブラ」ショート・ムービーが公開され、楽曲フルVer.も31日に公開される予定。エレクトロ・ポップな楽曲ももちろん良いけど映像もなかなか魅力的。

ロッテ×Ado ショコラカタブラ篇 60秒



また、私も観に行った昨年のツアー千秋楽の横アリ公演の映像が公開された。

【LIVE映像】Ready Steady 横浜アリーナ 2023.9.17【Adoと吉乃と弱酸性】



これは本当にカッコよかったし、吉乃と弱酸性は初ステージとは思えないほど堂々としたパフォーマンスだったと思う。何やらこれが気に食わなかった人たちの発言が物議を醸したようだが、それに対してバシッと「想像力も優しさも配慮もない」と言えるAdoの勇気に敬意を表したい。




関連記事
Twitter RSSフィード iGoogleに追加 MyYahooに追加 はてなブックマークに追加
次のページ
新譜リリース情報(2024年2月)
新着
Hakoniwa Chart 2025/01/05
[PLAYLIST] K-POP MIX 2024
Exclusive Interview with moë - English Trans.
新譜リリース情報(2025年1月)
2024年 年間ベスト・アルバムTOP40
2024年 年間ベスト・ソングTOP100
2024年に観た映画 BEST10
Hakoniwa Chart's 2024 Best 100 Songs
2024年旧譜ベスト・アルバムTOP5
Interview : moë
タグ
由薫   yama   ITZY   EVENNE   セブチ   バクチク現象   葬送のフリーレン   メタリックルージュ   SEED FREEDOM   Ado  
プロフィール

PUBLIC IMAGE REPUBLIC

Author:PUBLIC IMAGE REPUBLIC
日々の音楽について書くブログ
Xアカウント

カテゴリ
Ado (1)
月別アーカイブ
QRコード

Page Top

Powered by FC2 Blog | | Template Design by スタンダード・デザインラボ