初聴きディスクレポート |
2016年6月に初聴きした作品のディスクレポートです。
★★★★★ 年間ベスト20位以内クラス*
★★★★☆ すばらしい
★★★☆☆ 標準レベルの良作
★★☆☆☆ 若干気になる部分あり・もっと聴きこみ必要
★☆☆☆☆ 期待ハズレ
☆☆☆☆☆ 全然ダメでした
*今年リリースでない場合、旧譜のみの年間ベスト20位以内クラス
6月のALBUM OF THE MONTHはこちら。
■ALBUM OF THE MONTH■
水曜日のカンパネラ / UMA (2016)
★★★★★
Mステ出演に米オースティンのSXSWへの出演など、ここ最近は話題に事欠かない3人組によるメジャーデビュー・アルバム。
メジャーということで、よりお茶の間への浸透を狙うべく持ち前のポップ・センスを如何なく発揮させるのかと思いきや、予想外な方向に進んでいて面食らった。クラブ・ミュージック的側面とJポップ的側面の絶妙なさじ加減により非常にわかりやすい内容だった前作『ジパング』のブレイクで獲得したファンをまるで置き去りにするかのように、本作はドープでサイケでぶっ飛んだ内容になっている。
最初の2曲(「チュパカブラ」「ツチノコ」)こそ、前作路線を踏襲したケンモチヒデフミ流サウンドだが、MUST DIE!が手掛けたM3「雪男イエティ」はMajor Lazor「Lean On」的ビートをオリエンタル・テイストに仕立てたような曲だし、続くM5「フェニックス」はフレンチ・エレクトロのプロデューサーMydによるサンバを取り入れた曲(なぜか「チョコレートは明治」のメロディが頭に浮かんでしまう)で、いずれも「楽しさやポップさ」というよりは「ダークさ・不穏さ」を醸し出しており、ケンモチヒデフミによる楽曲とはかなり毛色が異なる。
中でも最も驚かされたのがMatthewdavidによるM6「バク」で、終盤に向けてどんどんサイケ度が増し、カオスにまみれていく。さらにラストの「クラーケン」も、つかみどころのないフワフワとしたメロディが不思議なトリップ感をもたらすサイケ曲。どこまで意図的なのかは不明だが、「ポップで踊れる曲にユーモラスなリリックの舌足らずな女子ラップが~」みたいなパブリック・イメージをあえて覆すかのような、かなり挑戦的かつ刺激に溢れた内容と言える。
David Bowie / Diamond Dogs (ダイアモンドの犬)
(1974)
★★★★☆
ジョージ・オーウェルの小説『1984年』(これ、最近一番読みたいと思ってる小説なんだけど面白いんでしょうか)をモチーフにしたというコンセプト作。
ボウイ自身によるバリトン(?)サックスがとても印象的で、全体的にグラマラスで華やかでありながら退廃的なムードもある。「Sweet Thing」や「Rock'N Roll With Me」といったミュージカル向きな楽曲からは映画「ヘドウィグ・アンド・アングリー・インチ」に与えた影響の大きさも感じられた。
TOTO / TOTO (宇宙の騎士) (1978)
★★★★☆
TOTOのデビュー・アルバム。M83の新譜『Junk』を聴いて以来AOR的な音にハマり、とりあえず家にあった妻のCDを拝借。
柔らかな音の質感、クリアな電子ピアノの音など、確かに音はアダルティで洗練されているのだけど、アレンジはプログレッシヴ・ロックにも近いぐらいに凝っていてエネルギッシュ。演奏テクニックに長けたスタジオ・ミュージシャンたちが集ったバンドなので当然といえば当然だけど、緻密で計算しつくされた演奏の中にも親しみやすさやポップさがある。オープニングを飾る「Child's Anthem」とそれに続く「I'll Supply The Love」は至極名曲。
Laura Nyro / Christmas and the Beads of Sweat
(1970)
[from Original Album Classic (2010)]
★★★☆☆
最近毎月一枚ずつ聴き進めているLaura Nyro。前作『New York Tendaberry』はどうもあまり響かなかったけど、本作は再び彼女らしい輝きを取り戻している。優しいピアノはもちろん、ホーンやフルートの音色もとても美しい。
Red Hot Chili Peppers / Getaway (2016)
★★★☆☆
レッチリの11作目。本作の評価はとても難しい。ジョンに代わってジョシュ・クリングホッファーが加入した前作『I'm with You』は、「ジョンのいない穴をいかにして違和感なく埋めるか」という試行錯誤が随所に感じられる作品だった。と同時に、ジョンの穴を埋める存在としてジョシュほどの適役はいない、ジョシュよく頑張った!とも思っていた。
ただ、限りなくジョンに近いスタイルを取ることで「一見ジョンのようだけど、ジョンではない」という喪失感を逆に与えてしまっていたのも確か。そのことによってむしろ「ジョンの不在」を痛烈に感じてしまったのだ。
本作はそんな前作に比べると、明確な「過去との決別」、言い換えれば「ジョンとの決別」が見て取れる。ジョシュはジョンの背中を追うのではなくしっかりと「ジョシュらしさ」を発揮させているし、さらにバンドは『Blood Sugar Sex Magik』以来20年にわたる関係となるプロデューサー、リック・ルービンからも離れて新たにDanger Mouseをプロデューサーに、ナイジェル・ゴドリッチをミキシング・エンジニアに迎えている。
この新機軸とも言える転換はバンドにとって大きな決断だっただろうし、必要でもあったのだろうけど、それは結果的に大成功だったと思う。すでに30年以上のキャリアを重ねた彼らなりのほどよい円熟味がありながらも、以前より表現に豊かさが増していてとても新鮮。90年代までのレッチリをレッチリたらしめていた暑苦しさはなくなったかもしれないが、今の彼らには心地よい温もりがある。何より『By the Way』以降は作風が確立されてしまってややマンネリ気味だっただけに、再び新鮮な気持ちでこの新作を楽しめた。
だけど…。やっぱり、ヤンチャでハチャメチャ、ねっとりファンキーなレッチリも聴きたい。とても複雑な気分だ。
彼らは確実に前を向いていて、進化していると思う。しかし自分も前を向いているのに、片足は沼地につっこんだまま前に進めないでいるかのようだ。99年に『Californication』と出会って以来、自分は彼らのアツく激しくファンキーな楽曲とパフォーマンスに魅せられてきた。その「過去」にとらわれながらも、前を向いているポジティブなレッチリの姿を素直に喜ばしく思う自分もいる。この作品をしっかりと評価するにはもう少し時間が必要かもしれない。
Siouxsie and the Banshees / Nocturne (1983)
[from Classic Album Selection Vol.1 (2016)]
★★★☆☆
6枚組のBOX SETより、1983年のロイヤル・アルバート・ホール公演を収録したライブ盤。76分というフル・ヴォリュームで全16曲が収録されている。
同BOX SETの内容である1st~5thからシングルや人気曲を中心に構成されていて、ほぼベストな選曲。パンキッシュでヒリヒリしたライブのムードがとても表れているけど、同時に彼らがポップ・バンドであるという認識も不思議と強まった。
TOTO / Tambu (1995)
★★★☆☆
『TOTO (宇宙の騎士)』に続いて視聴(こちらも妻所有のもの)。ジェフ・ポーカロが亡くなり、代わってスティーヴ・ルカサーがメインでリードボーカルを務めたほか女性シンガーによるゲスト・ヴォーカル曲などもあるが、全体的に一貫して言えるのはとてもソウルフルでノスタルジックだということ。
一聴してサイモン・フィリップスとわかる豪快かつ繊細なドラムが聴ける「Dave's Gone Skiing」のような曲もあれば、打ち込みを用いたしっとりAORな曲、ブルージーな曲もあり、どこまでもクリアな音の質感からは80年代の青春映画のサントラを想起させる。また、いくつかの曲はヴォーカルだけ変えればBrandon Flowers (The Killersのフロントマン)の昨年リリースのソロ『The Desired Effect』に収録されていても違和感ないようにも思えた。
【以下、初聴きではないため★評価なし】
The Smashing Pumpkins / Gish [Remaster]
(1991/1994)
スマパンの記念すべきデビュー・アルバム。これまでオリジナル盤をMDで所有していたのみだったのでリマスター盤を再入手。
UNICORN / ヒゲとボイン (1991)、ケダモノの嵐 (1990)
UNICORNは、小学生の時にTM NETWORK、B'zに次いで三番目にファンになったバンド。2009年の再結成時に音源を再度集めたものの、この2枚のデータがHD破損によって永らく失われていたので再入手。とりわけ「ケダモノの嵐」はやはり彼らの中で最もヘンで最も好きな作品だし、90年代の日本のロックにおいても名盤だと思う。
Red Hot Chili Peppers /
One Hot Minute (1995)
Mother's Milk (1989)
The Uplift Mofo Party Plan (1987)
Freaky Styley (1985)
The Red Hot Chili Peppers (1984)
新譜リリースとフジロックに向けて、これまであまり聴き込んでいなかった過去作を聴き直し。『Californication』から入りジョン色に染められた身としては、これらを初めて聴いた時はいずれもあまりピンと来ず(これらの中で唯一『Mother's Milk』はジョンが参加しているが、ジョンの個性が強く出ているとは言いがたい)、聴く機会は非常に少なかった。
今回あらためて聴き直してみて、全体的に以前とは全く異なる印象を抱いた。特に『Freaky Styley』と『One Hot Minute』は大興奮してしまうほどかっこよく新鮮に聞こえ、しばらく聴かないうちに自分の趣味嗜好もだいぶ変わったのだなあと感じた。
こうして彼らのディスコグラフィを順に追ってみると、何も『The Getaway』で突然作風が変わったのではなく、彼らはこれまでも時代ごとに、そしてギタリストごとに幾度も音楽性の変遷を経てきたというのがあらためてわかる。しかもそれは気まぐれだったり唐突だったりするのではなく、極めて筋の通った必然的な変化を遂げてきたと思う。『One Hot Minute』は唯一デイヴ・ナヴァロが参加したアルバムでファンの間でも賛否がわかれているようだけど、彼らの作品中最も各パートの音の輪郭がクリアで、全パートの演奏にキレがあって(というよりもむしろキレ気味なくらい暴れ放題)、そしてズシズシ・バキバキしたへヴィな質感も最高にかっこよく、最近は新作以上にヘビロテしている。
【次月予告】※購入済みや予約済みでまだ聴けていないタイトル
Radiohead / A Moon Shaped Pool (2016)
Puro Instinct / Autodrama (2016)
Let's Eat Grandma / I, Gemini (2016)
Minor Victories / Minor Victories (2016)
LUH / Spiritual Songs for Lovers to Sing (2016)
Bat for Lashes / The Bride (2016)
The Avalanches / Wildflower (2016)
Yung / Youthful Dream (2016)
Bully / Feels Like (2015)
Big Grams / Big Grams EP (2015)
ACO / Valentine (2015)
AKB48 / ここがロドスだ、ここで跳べ! [Type A] (2015)
中森明菜 / オールタイム・ベスト -オリジナル- (2014)
Justin Bieber / Believe (2012)
L'Arc~en~Ciel / BUTTERFLY (2012)
Fergie / The Dutches [完結版] (2008)
The Clash / Live at Shea Stadium (2008)
ゆらゆら帝国 / 空洞です (2007)
L'Arc~en~Ciel / KISS (2007)
L'Arc~en~Ciel / AWAKE (2005)
L'Arc~en~Ciel / SMILE (2004)
中森明菜 / シングルス27 '82-91 (1994)
Nav Katze / うわのそら (1994)
UNICORN / SPRINGMAN (1993)
Daryl Hall & John Oates / Big Bam Boom (1984)
Prince / 1999 (1982)
TOTO / TOTO IV (聖なる剣) (1982)
Daryl Hall & John Oates / H2O (1982)
Daryl Hall & John Oates / Private Eye (1981)
David Bowie / Scary Monsters (And Super Creeps) (1980)
David Bowie / Lodger (1979)
Cheap Trick / Cheap Trick at Budokan (1978)
David Bowie / ”Heroes" (1977) *
David Bowie / Low (1977) *
David Bowie / Station To Station (1976)
Laura Nyro / Smile (1976)
David Bowie / Young Americans (1975)
サディスティック・ミカ・バンド / 黒船 (1974)
はちみつぱい / センチメンタル通り (1973)
Mott the Hoople / All the Young Dudes (すべての若き野郎ども) (1972)
Laura Nyro / Gonna Take a Miracle (1971)
* 再購入
水曜日のカンパネラ / UMA (2016)
★★★★★
Mステ出演に米オースティンのSXSWへの出演など、ここ最近は話題に事欠かない3人組によるメジャーデビュー・アルバム。
メジャーということで、よりお茶の間への浸透を狙うべく持ち前のポップ・センスを如何なく発揮させるのかと思いきや、予想外な方向に進んでいて面食らった。クラブ・ミュージック的側面とJポップ的側面の絶妙なさじ加減により非常にわかりやすい内容だった前作『ジパング』のブレイクで獲得したファンをまるで置き去りにするかのように、本作はドープでサイケでぶっ飛んだ内容になっている。
最初の2曲(「チュパカブラ」「ツチノコ」)こそ、前作路線を踏襲したケンモチヒデフミ流サウンドだが、MUST DIE!が手掛けたM3「雪男イエティ」はMajor Lazor「Lean On」的ビートをオリエンタル・テイストに仕立てたような曲だし、続くM5「フェニックス」はフレンチ・エレクトロのプロデューサーMydによるサンバを取り入れた曲(なぜか「チョコレートは明治」のメロディが頭に浮かんでしまう)で、いずれも「楽しさやポップさ」というよりは「ダークさ・不穏さ」を醸し出しており、ケンモチヒデフミによる楽曲とはかなり毛色が異なる。
中でも最も驚かされたのがMatthewdavidによるM6「バク」で、終盤に向けてどんどんサイケ度が増し、カオスにまみれていく。さらにラストの「クラーケン」も、つかみどころのないフワフワとしたメロディが不思議なトリップ感をもたらすサイケ曲。どこまで意図的なのかは不明だが、「ポップで踊れる曲にユーモラスなリリックの舌足らずな女子ラップが~」みたいなパブリック・イメージをあえて覆すかのような、かなり挑戦的かつ刺激に溢れた内容と言える。
David Bowie / Diamond Dogs (ダイアモンドの犬)
(1974)
★★★★☆
ジョージ・オーウェルの小説『1984年』(これ、最近一番読みたいと思ってる小説なんだけど面白いんでしょうか)をモチーフにしたというコンセプト作。
ボウイ自身によるバリトン(?)サックスがとても印象的で、全体的にグラマラスで華やかでありながら退廃的なムードもある。「Sweet Thing」や「Rock'N Roll With Me」といったミュージカル向きな楽曲からは映画「ヘドウィグ・アンド・アングリー・インチ」に与えた影響の大きさも感じられた。
TOTO / TOTO (宇宙の騎士) (1978)
★★★★☆
TOTOのデビュー・アルバム。M83の新譜『Junk』を聴いて以来AOR的な音にハマり、とりあえず家にあった妻のCDを拝借。
柔らかな音の質感、クリアな電子ピアノの音など、確かに音はアダルティで洗練されているのだけど、アレンジはプログレッシヴ・ロックにも近いぐらいに凝っていてエネルギッシュ。演奏テクニックに長けたスタジオ・ミュージシャンたちが集ったバンドなので当然といえば当然だけど、緻密で計算しつくされた演奏の中にも親しみやすさやポップさがある。オープニングを飾る「Child's Anthem」とそれに続く「I'll Supply The Love」は至極名曲。
Laura Nyro / Christmas and the Beads of Sweat
(1970)
[from Original Album Classic (2010)]
★★★☆☆
最近毎月一枚ずつ聴き進めているLaura Nyro。前作『New York Tendaberry』はどうもあまり響かなかったけど、本作は再び彼女らしい輝きを取り戻している。優しいピアノはもちろん、ホーンやフルートの音色もとても美しい。
Red Hot Chili Peppers / Getaway (2016)
★★★☆☆
レッチリの11作目。本作の評価はとても難しい。ジョンに代わってジョシュ・クリングホッファーが加入した前作『I'm with You』は、「ジョンのいない穴をいかにして違和感なく埋めるか」という試行錯誤が随所に感じられる作品だった。と同時に、ジョンの穴を埋める存在としてジョシュほどの適役はいない、ジョシュよく頑張った!とも思っていた。
ただ、限りなくジョンに近いスタイルを取ることで「一見ジョンのようだけど、ジョンではない」という喪失感を逆に与えてしまっていたのも確か。そのことによってむしろ「ジョンの不在」を痛烈に感じてしまったのだ。
本作はそんな前作に比べると、明確な「過去との決別」、言い換えれば「ジョンとの決別」が見て取れる。ジョシュはジョンの背中を追うのではなくしっかりと「ジョシュらしさ」を発揮させているし、さらにバンドは『Blood Sugar Sex Magik』以来20年にわたる関係となるプロデューサー、リック・ルービンからも離れて新たにDanger Mouseをプロデューサーに、ナイジェル・ゴドリッチをミキシング・エンジニアに迎えている。
この新機軸とも言える転換はバンドにとって大きな決断だっただろうし、必要でもあったのだろうけど、それは結果的に大成功だったと思う。すでに30年以上のキャリアを重ねた彼らなりのほどよい円熟味がありながらも、以前より表現に豊かさが増していてとても新鮮。90年代までのレッチリをレッチリたらしめていた暑苦しさはなくなったかもしれないが、今の彼らには心地よい温もりがある。何より『By the Way』以降は作風が確立されてしまってややマンネリ気味だっただけに、再び新鮮な気持ちでこの新作を楽しめた。
だけど…。やっぱり、ヤンチャでハチャメチャ、ねっとりファンキーなレッチリも聴きたい。とても複雑な気分だ。
彼らは確実に前を向いていて、進化していると思う。しかし自分も前を向いているのに、片足は沼地につっこんだまま前に進めないでいるかのようだ。99年に『Californication』と出会って以来、自分は彼らのアツく激しくファンキーな楽曲とパフォーマンスに魅せられてきた。その「過去」にとらわれながらも、前を向いているポジティブなレッチリの姿を素直に喜ばしく思う自分もいる。この作品をしっかりと評価するにはもう少し時間が必要かもしれない。
Siouxsie and the Banshees / Nocturne (1983)
[from Classic Album Selection Vol.1 (2016)]
★★★☆☆
6枚組のBOX SETより、1983年のロイヤル・アルバート・ホール公演を収録したライブ盤。76分というフル・ヴォリュームで全16曲が収録されている。
同BOX SETの内容である1st~5thからシングルや人気曲を中心に構成されていて、ほぼベストな選曲。パンキッシュでヒリヒリしたライブのムードがとても表れているけど、同時に彼らがポップ・バンドであるという認識も不思議と強まった。
TOTO / Tambu (1995)
★★★☆☆
『TOTO (宇宙の騎士)』に続いて視聴(こちらも妻所有のもの)。ジェフ・ポーカロが亡くなり、代わってスティーヴ・ルカサーがメインでリードボーカルを務めたほか女性シンガーによるゲスト・ヴォーカル曲などもあるが、全体的に一貫して言えるのはとてもソウルフルでノスタルジックだということ。
一聴してサイモン・フィリップスとわかる豪快かつ繊細なドラムが聴ける「Dave's Gone Skiing」のような曲もあれば、打ち込みを用いたしっとりAORな曲、ブルージーな曲もあり、どこまでもクリアな音の質感からは80年代の青春映画のサントラを想起させる。また、いくつかの曲はヴォーカルだけ変えればBrandon Flowers (The Killersのフロントマン)の昨年リリースのソロ『The Desired Effect』に収録されていても違和感ないようにも思えた。
【以下、初聴きではないため★評価なし】
The Smashing Pumpkins / Gish [Remaster]
(1991/1994)
スマパンの記念すべきデビュー・アルバム。これまでオリジナル盤をMDで所有していたのみだったのでリマスター盤を再入手。
UNICORN / ヒゲとボイン (1991)、ケダモノの嵐 (1990)
UNICORNは、小学生の時にTM NETWORK、B'zに次いで三番目にファンになったバンド。2009年の再結成時に音源を再度集めたものの、この2枚のデータがHD破損によって永らく失われていたので再入手。とりわけ「ケダモノの嵐」はやはり彼らの中で最もヘンで最も好きな作品だし、90年代の日本のロックにおいても名盤だと思う。
Red Hot Chili Peppers /
One Hot Minute (1995)
Mother's Milk (1989)
The Uplift Mofo Party Plan (1987)
Freaky Styley (1985)
The Red Hot Chili Peppers (1984)
新譜リリースとフジロックに向けて、これまであまり聴き込んでいなかった過去作を聴き直し。『Californication』から入りジョン色に染められた身としては、これらを初めて聴いた時はいずれもあまりピンと来ず(これらの中で唯一『Mother's Milk』はジョンが参加しているが、ジョンの個性が強く出ているとは言いがたい)、聴く機会は非常に少なかった。
今回あらためて聴き直してみて、全体的に以前とは全く異なる印象を抱いた。特に『Freaky Styley』と『One Hot Minute』は大興奮してしまうほどかっこよく新鮮に聞こえ、しばらく聴かないうちに自分の趣味嗜好もだいぶ変わったのだなあと感じた。
こうして彼らのディスコグラフィを順に追ってみると、何も『The Getaway』で突然作風が変わったのではなく、彼らはこれまでも時代ごとに、そしてギタリストごとに幾度も音楽性の変遷を経てきたというのがあらためてわかる。しかもそれは気まぐれだったり唐突だったりするのではなく、極めて筋の通った必然的な変化を遂げてきたと思う。『One Hot Minute』は唯一デイヴ・ナヴァロが参加したアルバムでファンの間でも賛否がわかれているようだけど、彼らの作品中最も各パートの音の輪郭がクリアで、全パートの演奏にキレがあって(というよりもむしろキレ気味なくらい暴れ放題)、そしてズシズシ・バキバキしたへヴィな質感も最高にかっこよく、最近は新作以上にヘビロテしている。
【次月予告】※購入済みや予約済みでまだ聴けていないタイトル
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Yung / Youthful Dream (2016)
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ACO / Valentine (2015)
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Justin Bieber / Believe (2012)
L'Arc~en~Ciel / BUTTERFLY (2012)
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The Clash / Live at Shea Stadium (2008)
ゆらゆら帝国 / 空洞です (2007)
L'Arc~en~Ciel / KISS (2007)
L'Arc~en~Ciel / AWAKE (2005)
L'Arc~en~Ciel / SMILE (2004)
中森明菜 / シングルス27 '82-91 (1994)
Nav Katze / うわのそら (1994)
UNICORN / SPRINGMAN (1993)
Daryl Hall & John Oates / Big Bam Boom (1984)
Prince / 1999 (1982)
TOTO / TOTO IV (聖なる剣) (1982)
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Daryl Hall & John Oates / Private Eye (1981)
David Bowie / Scary Monsters (And Super Creeps) (1980)
David Bowie / Lodger (1979)
Cheap Trick / Cheap Trick at Budokan (1978)
David Bowie / ”Heroes" (1977) *
David Bowie / Low (1977) *
David Bowie / Station To Station (1976)
Laura Nyro / Smile (1976)
David Bowie / Young Americans (1975)
サディスティック・ミカ・バンド / 黒船 (1974)
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