ライブレポート |
11月24日に新宿LOFTにて行われたキノコホテルの単独実演会(ライブのことですね)、「サロン・ド・キノコ~秋の人間狩りリターンズ・歌舞伎町編」に行ってきました。
キノコホテルの実演会に行くのは、何だかんだでこの1年で3度目。ハッキリ言って同じバンドをこのペースで観ることは滅多にないんですが、彼女達はライブこそが真髄だし、観るたびにどんどんパフォーマンスもかっこよくなっていくし、それでいてエンターテインメント性もあって楽しめるライブなので、何回でも足を運びたくなる。
新宿LOFTは初めて行くハコだったんだけど、歌舞伎町という土地柄によく似合ういかがわしいムードたっぷりなところがいいですね。置いてあるフライヤーや壁のポスターも、80年代にタイムスリップしたかの如くアンダーグラウンド・カルチャーの香りがぷんぷん。
去年の東京キネマ倶楽部の時はそこまで満員という感じはしなかったけど(ハコのせいもあるけど)、この日のライブはほぼ満員な客入り。開演前には70sなガレージ(すいません、バンド名とか曲名までは詳しくわかりません)がガンガン流れる中、予定開演時刻を10分ほど過ぎたところで場内暗転。
ステージ前に張られたスクリーンにモノクロ+赤のB級ホラー的なムービーが流れ、この日のツアータイトル「サロン・ド・キノコ~秋の人間狩りリターンズ」がこれまた昭和のB級ホラームービーのような赤文字で浮かび上がる。
それからスクリーンが上がっていき、実演会スタート。初っ端からフルスロットルで、アッパーな曲を立て続けに演奏していく。「業火」に至ってはマリアンヌ東雲(歌と電気オルガン)が間奏後の歌の入る場所を間違ってしまい「まだ!?」と慌てるハプニングも。普段は女王様キャラなのにこの時はちょっと照れている感じで、貴重な姿が見れました。
途中でファービー(ドラムスのファビエンヌ猪苗代の愛称)コールが起きると、マリアンヌが機嫌を損ねたようにステージから退場。オーディエンスがすかさず「支配人ー!」「マリアンヌ様ー!」と機嫌を取り、しばらくしてようやく戻ってくるやマリアンヌがファビエンヌに蹴りを入れる素振りを見せるという、マジなのか寸劇なのかわからない(まあ、いつもの従業員いじめネタではありますが)演出。これもまたキノコホテルの実演会の面白いところ。
「マリアンヌの逆襲」の中でも一番好きな「すべて売り物」(アーント・サリーのカバー)が再び聴けたのもうれしかったのだけど、その後はしばらく知らない曲が続く。なんでも、来年リリースされるらしいニューアルバムに収録予定の新曲だそうだ。ポストパンク風のうねるベースラインがカッコいいい四つ打ち曲からツェッペリン風のギターがうねるヘビーな曲、軽快でキャッチーな曲まで、次回作もバラエティに富んだものになる予感。そう言えばデビュー当時よく言われてた「GS歌謡風」っていう形容は、もはや誰も言わなくなりましたね。彼女達は作品をリリースするごとにパンク度や凶暴性のようなものが増していて、今やストゥージズやゆらゆら帝国ファンも取り込めそうな感じだし、音楽性もハードコア・パンク、ポスト・パンク、ガレージ・サイケに近いと思う。
そんなわけで、もの凄い熱量とテンションのまま実演会は進行しお馴染みの「キノコホテル唱歌」で一旦ハケた後はアンコール。「静かな森」から始まったと思いきや、そこから次々と曲を繋ぎ「非情なる夜明け」で終わる全8曲のメドレー形式。なるほど、彼女たちもオリジナルアルバムを3枚、さらにカバー・ミニアルバムも入れるとだいぶレパートリーが増えてきて、ライブで削らなくてはいけない曲もどんどん出てくる。そうなるとオーディエンスの中でも「今回あの曲演らなかったー(泣)」みたいなのが出てくるわけで、そんなところも配慮してこのメドレー形式なんだろうか。いやマリアンヌ様に限って「配慮」なんてことは…。それにしても曲の繋ぎ方・切り替え方もすごくかっこよくて最高でした。
さらにこの後はダブルアンコールまで!ここでは「エレキでスイム」「真っ赤なゼリー」を披露。ラスト、マリアンヌが他のメンバーがステージを去った後も深々とお辞儀をしていたのが良かったなあ。
実演会は大盛り上がりだったし、相変わらずマリアンヌのMCと従業員とのカラミも最高。冒頭では今回のツアー名に触れ、「今回は『秋の人間狩りリターンズ』ってことでリターンズがついてるんだけど…前回はいつだったかしら?」(場内沈黙)「どうやら当時の胞子たち(ファンのこと)は全滅したようね」というMCも。あとどのタイミングだったか忘れてしまったけど「マリアンヌの秘湯」という入浴剤のグッズについて「値は張るしかさばるので売れ行きが悪いから来年はもう製造打ち切りにする」という自虐的な紹介にも笑った。
そういえば、1年前の東京キネマ倶楽部での実演会の時は、自分はまだほとんど曲を知らない状態だった。でもあれから音源を揃えて、気付けば今や新曲以外は全て一緒に歌ってしまうくらいになっている自分にも驚いた。とりあえず2014年にリリースされるアルバムが楽しみだし、リリース記念の実演会にはまたぜひ足を運びたいと思う。
キノコホテル - "キノコホテル唱歌"
キノコホテル - "真っ赤なゼリー"
■キノコホテル 2013/11/24 @新宿LOFT 演目
(オープニング)
球体関節
業火
ノイジー・ベイビー
(新曲)
悪魔巣取金愚
すべて売り物
愛と教育
(新曲)
Fの巡回(新曲)
バラバラ(新曲)
セクサロイドM
悪魔なファズ
キノコノトリコ
(新曲)~従業員紹介
キノコホテル唱歌
■encore 1
メドレー(以下8曲)
静かな森で
キノコホテル唱歌Ⅱ
人魚の恋
危険なうわさ
還らざる海
もえつきたいの
あたしのスナイパー
非情なる夜明け
■encore 2
エレキでスイム
真っ赤なゼリー
※Thanks to なっしー(@sprouse69)さん
新宿LOFTは初めて行くハコだったんだけど、歌舞伎町という土地柄によく似合ういかがわしいムードたっぷりなところがいいですね。置いてあるフライヤーや壁のポスターも、80年代にタイムスリップしたかの如くアンダーグラウンド・カルチャーの香りがぷんぷん。
去年の東京キネマ倶楽部の時はそこまで満員という感じはしなかったけど(ハコのせいもあるけど)、この日のライブはほぼ満員な客入り。開演前には70sなガレージ(すいません、バンド名とか曲名までは詳しくわかりません)がガンガン流れる中、予定開演時刻を10分ほど過ぎたところで場内暗転。
ステージ前に張られたスクリーンにモノクロ+赤のB級ホラー的なムービーが流れ、この日のツアータイトル「サロン・ド・キノコ~秋の人間狩りリターンズ」がこれまた昭和のB級ホラームービーのような赤文字で浮かび上がる。
それからスクリーンが上がっていき、実演会スタート。初っ端からフルスロットルで、アッパーな曲を立て続けに演奏していく。「業火」に至ってはマリアンヌ東雲(歌と電気オルガン)が間奏後の歌の入る場所を間違ってしまい「まだ!?」と慌てるハプニングも。普段は女王様キャラなのにこの時はちょっと照れている感じで、貴重な姿が見れました。
途中でファービー(ドラムスのファビエンヌ猪苗代の愛称)コールが起きると、マリアンヌが機嫌を損ねたようにステージから退場。オーディエンスがすかさず「支配人ー!」「マリアンヌ様ー!」と機嫌を取り、しばらくしてようやく戻ってくるやマリアンヌがファビエンヌに蹴りを入れる素振りを見せるという、マジなのか寸劇なのかわからない(まあ、いつもの従業員いじめネタではありますが)演出。これもまたキノコホテルの実演会の面白いところ。
「マリアンヌの逆襲」の中でも一番好きな「すべて売り物」(アーント・サリーのカバー)が再び聴けたのもうれしかったのだけど、その後はしばらく知らない曲が続く。なんでも、来年リリースされるらしいニューアルバムに収録予定の新曲だそうだ。ポストパンク風のうねるベースラインがカッコいいい四つ打ち曲からツェッペリン風のギターがうねるヘビーな曲、軽快でキャッチーな曲まで、次回作もバラエティに富んだものになる予感。そう言えばデビュー当時よく言われてた「GS歌謡風」っていう形容は、もはや誰も言わなくなりましたね。彼女達は作品をリリースするごとにパンク度や凶暴性のようなものが増していて、今やストゥージズやゆらゆら帝国ファンも取り込めそうな感じだし、音楽性もハードコア・パンク、ポスト・パンク、ガレージ・サイケに近いと思う。
そんなわけで、もの凄い熱量とテンションのまま実演会は進行しお馴染みの「キノコホテル唱歌」で一旦ハケた後はアンコール。「静かな森」から始まったと思いきや、そこから次々と曲を繋ぎ「非情なる夜明け」で終わる全8曲のメドレー形式。なるほど、彼女たちもオリジナルアルバムを3枚、さらにカバー・ミニアルバムも入れるとだいぶレパートリーが増えてきて、ライブで削らなくてはいけない曲もどんどん出てくる。そうなるとオーディエンスの中でも「今回あの曲演らなかったー(泣)」みたいなのが出てくるわけで、そんなところも配慮してこのメドレー形式なんだろうか。いやマリアンヌ様に限って「配慮」なんてことは…。それにしても曲の繋ぎ方・切り替え方もすごくかっこよくて最高でした。
さらにこの後はダブルアンコールまで!ここでは「エレキでスイム」「真っ赤なゼリー」を披露。ラスト、マリアンヌが他のメンバーがステージを去った後も深々とお辞儀をしていたのが良かったなあ。
実演会は大盛り上がりだったし、相変わらずマリアンヌのMCと従業員とのカラミも最高。冒頭では今回のツアー名に触れ、「今回は『秋の人間狩りリターンズ』ってことでリターンズがついてるんだけど…前回はいつだったかしら?」(場内沈黙)「どうやら当時の胞子たち(ファンのこと)は全滅したようね」というMCも。あとどのタイミングだったか忘れてしまったけど「マリアンヌの秘湯」という入浴剤のグッズについて「値は張るしかさばるので売れ行きが悪いから来年はもう製造打ち切りにする」という自虐的な紹介にも笑った。
そういえば、1年前の東京キネマ倶楽部での実演会の時は、自分はまだほとんど曲を知らない状態だった。でもあれから音源を揃えて、気付けば今や新曲以外は全て一緒に歌ってしまうくらいになっている自分にも驚いた。とりあえず2014年にリリースされるアルバムが楽しみだし、リリース記念の実演会にはまたぜひ足を運びたいと思う。
キノコホテル - "キノコホテル唱歌"
キノコホテル - "真っ赤なゼリー"
■キノコホテル 2013/11/24 @新宿LOFT 演目
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球体関節
業火
ノイジー・ベイビー
(新曲)
悪魔巣取金愚
すべて売り物
愛と教育
(新曲)
Fの巡回(新曲)
バラバラ(新曲)
セクサロイドM
悪魔なファズ
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■encore 1
メドレー(以下8曲)
静かな森で
キノコホテル唱歌Ⅱ
人魚の恋
危険なうわさ
還らざる海
もえつきたいの
あたしのスナイパー
非情なる夜明け
■encore 2
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真っ赤なゼリー
※Thanks to なっしー(@sprouse69)さん
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