アーティスト別ベスト |
ひとつのアーティストの作品をじっくりと振り返り、個人的ベストソングを考えながら再評価をしていこうという不定期企画。今までは「BEST20」としつつも結局次点入れて30曲載せたりしていましたが、この度ついに「BEST30」になりました(笑)。今回は11月に開催されるフェス「tieemo」に2日連続出演することが決まったThe Get Up Kids(ザ・ゲット・アップ・キッズ、以下GUK)を取り上げたいと思います。
知らない人が彼らの写真見た際のパートの当てられなさは異常。左から2人目がボーカルです。
GUKと言えば、以前この企画で取り上げたJimmy Eat World(→Jimmy Eat Worldのマイ・フェイバリット・ソングBEST20)とともに90年代後半のエモ(エモコア)・シーンの代名詞的なバンドなのではないかと思います。この「エモ」とか「エモコア」といったジャンルについては僕自身そこまで詳しいわけではなく定義が曖昧なので説明は割愛しますが…。とにかく、パンクやメロコアのような疾走感とラウド感のある演奏に、胸を締め付けるようなセンチメンタルなメロディーを乗せ、さえない文系青年がときどきシャウトを交じえながらも感情をぶちまけながら歌う彼らのスタイルは、当時かなり衝撃を受けました。
GUKは1995年に米ミズーリ州カンザスシティで結成された5人組。キーボーディストが正規メンバーにいるあたりが普通のメロコアバンドとは異なっていたし、彼(キーボードのジェイムズ)が奏でるピアノやアナログシンセの音によって、GUKのサウンドが他のバンドとは一線を画していたと言っても過言ではないでしょう。粗削りでパンキッシュな1st、エモの名盤として誰もが認めるであろう2nd、温もりのある落ち着いたアコースティック・サウンドを聞かせる3rd、パワーポップやギターポップ的な色の濃い4th、そして解散・再結成を経て少し実験的なサウンドとひねくれたメロディーとなった5thと、似たようなアルバムが2つとないのも特徴として挙げられます。よって僕も、彼らの全てのアルバムに等しく愛情を注いでいるわけではなく、今回選んだ30曲は作品によってかなり偏ったものとなりました。
あと、毎度のごとくカバー曲は対象外としましたが、ニュー・オーダーの「Regret」のカバーがあまりに素晴らし過ぎるのでリンクだけ貼っておきます。
[Listen]The Get Up Kids - "Regret (New Order Cover)"
■The Get Up Kidsのマイ・フェイバリット・ソングBEST30
※カッコ内は収録作品
知らない人が彼らの写真見た際のパートの当てられなさは異常。左から2人目がボーカルです。
GUKと言えば、以前この企画で取り上げたJimmy Eat World(→Jimmy Eat Worldのマイ・フェイバリット・ソングBEST20)とともに90年代後半のエモ(エモコア)・シーンの代名詞的なバンドなのではないかと思います。この「エモ」とか「エモコア」といったジャンルについては僕自身そこまで詳しいわけではなく定義が曖昧なので説明は割愛しますが…。とにかく、パンクやメロコアのような疾走感とラウド感のある演奏に、胸を締め付けるようなセンチメンタルなメロディーを乗せ、さえない文系青年がときどきシャウトを交じえながらも感情をぶちまけながら歌う彼らのスタイルは、当時かなり衝撃を受けました。
GUKは1995年に米ミズーリ州カンザスシティで結成された5人組。キーボーディストが正規メンバーにいるあたりが普通のメロコアバンドとは異なっていたし、彼(キーボードのジェイムズ)が奏でるピアノやアナログシンセの音によって、GUKのサウンドが他のバンドとは一線を画していたと言っても過言ではないでしょう。粗削りでパンキッシュな1st、エモの名盤として誰もが認めるであろう2nd、温もりのある落ち着いたアコースティック・サウンドを聞かせる3rd、パワーポップやギターポップ的な色の濃い4th、そして解散・再結成を経て少し実験的なサウンドとひねくれたメロディーとなった5thと、似たようなアルバムが2つとないのも特徴として挙げられます。よって僕も、彼らの全てのアルバムに等しく愛情を注いでいるわけではなく、今回選んだ30曲は作品によってかなり偏ったものとなりました。
あと、毎度のごとくカバー曲は対象外としましたが、ニュー・オーダーの「Regret」のカバーがあまりに素晴らし過ぎるのでリンクだけ貼っておきます。
[Listen]The Get Up Kids - "Regret (New Order Cover)"
■The Get Up Kidsのマイ・フェイバリット・ソングBEST30
※カッコ内は収録作品
(1) 1st「Four Minute Mile」 1997年
(2) 2nd「Something to Write Home About」 1999年
(3) 3rd「On a Wire」 2002年
(4) 4th「Guilt Show」 2004年
(5) 5th「There Are Rules」 2011年 ※本作からはランクインなし
(6) EP「Woodson」 1997年
(7) EP「Red Letter Day」 1999年
(8) B面・レアトラック集「Eudora」 2001年
ではまずは30位から21位まで。
No.30 "Coming Clean" (1)
No.29 "Wish You Were Here" (3)
No.28 "Last Place You Look" (1)
No.27 "Shorty" (1)
No.26 "Hannah Hold On" (3)
No.25 "No Love" (1)
No.24 "Long Goodnight" (2)
No.23 "The Company Dime" (2)
No.22 "Forgive & Forget" (2)*1,(7),(8)
No.21 "The One You Want" (4)
*1 国内盤ボーナストラック
1stの曲が多くランクイン。しかし残念ながら1stからは以上です。1stはアルバム全体としては非常にエモーショナルで疾走感があってまさに「エモコア」といった感じなのですが、曲単位だと他と比べるとそこまで思い入れはなかったですね(ということに自分でも初めて気付きました)。続いては20位から11位。
No.20 "Woodson" (6)
No.19 "Red Letter Day" (2),(7)
No.18 "One Year Later" (7)
No.17 "Central Standard Time" (8)
No.16 "Anne Arbour" (7)
No.15 "My Apology" (2)
No.14 "Wouldn't Believe It" (4)
No.13 "I'll Catch You" (2)
No.12 "Ten Minutes" (2)
No.11 "I'm A Loner Dottie, A Rebel" (2)
やはり傑作2ndの曲が多いのと、「Red Letter Day」EPの曲が多くランクイン。20位の「Woodson」は初期のEPの曲ですが、ドラムのひしゃげた音も粗削りでかっこいいし、マットのしゃがれたボーカルもエモくて好きです。以下、10位からはそれぞれコメントとYouTube付きで紹介。もちろん全部名曲ですね。
No.10 "How Long Is Too Long" (4)
エモーショナルなメロディや歌声はそのままに、よりポップな作風となった4thから。もし「GUKはちょっとパンク過ぎる」というウィーザー、ワナダイズ、ファウンテインズ・オブ・ウェイン好きがいたら、4作目なら全く問題ないでしょう。
No.9 "Second Place" (6)
初期の2曲入りEP「Woodson」のB面。GUK史上最高の疾走感を持った曲だと思います。Aメロから既にエモメーター振り切れたような歌いっぷりが素敵です。
No.8 "Sympathy" (4)
4th「Guilt Show」の中で最もノスタルジックな雰囲気漂う曲なのでは。アップテンポなのにこの哀愁感はなかなかそこらのバンドでは出せません。
No.7 "Close To Home" (2)
出だしのギターの音がすごくキレイだし、そこからサビに向けての高揚感ある展開も大好きです。
No.6 "Martyr Me" (4)
「Martyr」は「迫害する」とか「苦しめる」という意味。そんなタイトルでこのポップなメロディー。サビは甘酸っぱさ全開で、これまでの彼らを特徴付けていたせつないメロディーとはまた違った趣があります。
No.5 "Out of Reach" (2)
ピアノとアコギが先導する三連リズムのバラード。「I've got pictures to prove I was there / But you don't care」(僕は自分がそこにいたことを証明する写真を手に入れた、でも君はそんなこと気にもしない」という歌詞が特に好きですね。
No.4 "Action & Action" (2)
僕にとってのエモいメロディーってつまりこれ。上手く説明できないけど(マイナーコードを随所に差し込んでくる辺りかな)。キーボードの音もいいアクセントになってます。
No.3 "Mass Pike" (7)
EPのみの収録曲ながらファンの間でも人気の高い曲。ピアノとグロッケンシュピールのかわいらしいイントロに打ち込みのビートが絡む素晴らしいイントロ、そしてラウドなドラムのままフェードアウトしていくアウトロともに素晴らしいです。
No.2 "Holiday" (2)
名盤2ndのオープニングを飾る曲。僕がGUKに出会った最初の曲であり、この曲の出だし10秒くらいで心を鷲掴みにされました。ドラムのドカドカ具合もたまらんです。
No.1 "Valentine" (2)
やはり1位はどう考えてもこれでしょうね。バラードなのにこんなにドラムの手数が多くていいのか!と思ってしまいますがそんなところも含めて好きです。GUKはアップテンポで激しめの曲も多いけど、この曲や「Out of Reach」「I'll Catch You」などバラード曲とのコントラストがまた素晴らしいですね。最後のたたみ掛けるコーラスも秀逸。
以上The Get Up KidsのBest30でした。やはりという感じですが2nd強しです。全12曲すべてランクインしました。
全30曲の中でみても1stから4曲、2ndから12曲(国内盤ボートラを考慮すると13曲)、3rdから2曲、4thから5曲、5thから0曲、その他6曲。これからGUKを聴いていくという人は僕の個人的な趣味からも、世間的な評価からも2ndを強くオススメします。このアルバムは以前このブログの記事「年代別・アルバム推定再生回数ランキング(1990年代編)」で7位にランクインしたほどに今まで何度も聴いてきたアルバム。上位4曲のうち3曲はこのアルバムの1、2、3曲目なので、もうこのアルバムの冒頭3曲で何も感じなかったらGUKはもうこれ以上聴かなくてもいいってくらいに思ってます。
11月9日・10日に開催される音楽フェスtieemoでは、9日は1st「Four Minute Mile」、10日は「Something to Write Home About」中心のセットリストとのこと。10日のみですが僕はもちろん行きます。数年前のフジロックでは時間の都合で最初の15分程度しか観られなかったけど、今度はしっかりとあのアルバムの名曲たちが聴けるなんて!あとはボーカルのマットがもう少し痩せてくれてたらと思います。最近ちょっと肥えすぎ…。
(2) 2nd「Something to Write Home About」 1999年
(3) 3rd「On a Wire」 2002年
(4) 4th「Guilt Show」 2004年
(5) 5th「There Are Rules」 2011年 ※本作からはランクインなし
(6) EP「Woodson」 1997年
(7) EP「Red Letter Day」 1999年
(8) B面・レアトラック集「Eudora」 2001年
ではまずは30位から21位まで。
No.30 "Coming Clean" (1)
No.29 "Wish You Were Here" (3)
No.28 "Last Place You Look" (1)
No.27 "Shorty" (1)
No.26 "Hannah Hold On" (3)
No.25 "No Love" (1)
No.24 "Long Goodnight" (2)
No.23 "The Company Dime" (2)
No.22 "Forgive & Forget" (2)*1,(7),(8)
No.21 "The One You Want" (4)
*1 国内盤ボーナストラック
1stの曲が多くランクイン。しかし残念ながら1stからは以上です。1stはアルバム全体としては非常にエモーショナルで疾走感があってまさに「エモコア」といった感じなのですが、曲単位だと他と比べるとそこまで思い入れはなかったですね(ということに自分でも初めて気付きました)。続いては20位から11位。
No.20 "Woodson" (6)
No.19 "Red Letter Day" (2),(7)
No.18 "One Year Later" (7)
No.17 "Central Standard Time" (8)
No.16 "Anne Arbour" (7)
No.15 "My Apology" (2)
No.14 "Wouldn't Believe It" (4)
No.13 "I'll Catch You" (2)
No.12 "Ten Minutes" (2)
No.11 "I'm A Loner Dottie, A Rebel" (2)
やはり傑作2ndの曲が多いのと、「Red Letter Day」EPの曲が多くランクイン。20位の「Woodson」は初期のEPの曲ですが、ドラムのひしゃげた音も粗削りでかっこいいし、マットのしゃがれたボーカルもエモくて好きです。以下、10位からはそれぞれコメントとYouTube付きで紹介。もちろん全部名曲ですね。
No.10 "How Long Is Too Long" (4)
エモーショナルなメロディや歌声はそのままに、よりポップな作風となった4thから。もし「GUKはちょっとパンク過ぎる」というウィーザー、ワナダイズ、ファウンテインズ・オブ・ウェイン好きがいたら、4作目なら全く問題ないでしょう。
No.9 "Second Place" (6)
初期の2曲入りEP「Woodson」のB面。GUK史上最高の疾走感を持った曲だと思います。Aメロから既にエモメーター振り切れたような歌いっぷりが素敵です。
No.8 "Sympathy" (4)
4th「Guilt Show」の中で最もノスタルジックな雰囲気漂う曲なのでは。アップテンポなのにこの哀愁感はなかなかそこらのバンドでは出せません。
No.7 "Close To Home" (2)
出だしのギターの音がすごくキレイだし、そこからサビに向けての高揚感ある展開も大好きです。
No.6 "Martyr Me" (4)
「Martyr」は「迫害する」とか「苦しめる」という意味。そんなタイトルでこのポップなメロディー。サビは甘酸っぱさ全開で、これまでの彼らを特徴付けていたせつないメロディーとはまた違った趣があります。
No.5 "Out of Reach" (2)
ピアノとアコギが先導する三連リズムのバラード。「I've got pictures to prove I was there / But you don't care」(僕は自分がそこにいたことを証明する写真を手に入れた、でも君はそんなこと気にもしない」という歌詞が特に好きですね。
No.4 "Action & Action" (2)
僕にとってのエモいメロディーってつまりこれ。上手く説明できないけど(マイナーコードを随所に差し込んでくる辺りかな)。キーボードの音もいいアクセントになってます。
No.3 "Mass Pike" (7)
EPのみの収録曲ながらファンの間でも人気の高い曲。ピアノとグロッケンシュピールのかわいらしいイントロに打ち込みのビートが絡む素晴らしいイントロ、そしてラウドなドラムのままフェードアウトしていくアウトロともに素晴らしいです。
No.2 "Holiday" (2)
名盤2ndのオープニングを飾る曲。僕がGUKに出会った最初の曲であり、この曲の出だし10秒くらいで心を鷲掴みにされました。ドラムのドカドカ具合もたまらんです。
No.1 "Valentine" (2)
やはり1位はどう考えてもこれでしょうね。バラードなのにこんなにドラムの手数が多くていいのか!と思ってしまいますがそんなところも含めて好きです。GUKはアップテンポで激しめの曲も多いけど、この曲や「Out of Reach」「I'll Catch You」などバラード曲とのコントラストがまた素晴らしいですね。最後のたたみ掛けるコーラスも秀逸。
以上The Get Up KidsのBest30でした。やはりという感じですが2nd強しです。全12曲すべてランクインしました。
全30曲の中でみても1stから4曲、2ndから12曲(国内盤ボートラを考慮すると13曲)、3rdから2曲、4thから5曲、5thから0曲、その他6曲。これからGUKを聴いていくという人は僕の個人的な趣味からも、世間的な評価からも2ndを強くオススメします。このアルバムは以前このブログの記事「年代別・アルバム推定再生回数ランキング(1990年代編)」で7位にランクインしたほどに今まで何度も聴いてきたアルバム。上位4曲のうち3曲はこのアルバムの1、2、3曲目なので、もうこのアルバムの冒頭3曲で何も感じなかったらGUKはもうこれ以上聴かなくてもいいってくらいに思ってます。
11月9日・10日に開催される音楽フェスtieemoでは、9日は1st「Four Minute Mile」、10日は「Something to Write Home About」中心のセットリストとのこと。10日のみですが僕はもちろん行きます。数年前のフジロックでは時間の都合で最初の15分程度しか観られなかったけど、今度はしっかりとあのアルバムの名曲たちが聴けるなんて!あとはボーカルのマットがもう少し痩せてくれてたらと思います。最近ちょっと肥えすぎ…。
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