ライブレポート |
2月8日に新木場STUDIO COASTで開催されたMy Bloody Valentineの来日公演に行ってきました。
きれいに撮れた写真もあるけど、ここはあえてマイブラらしく「手ブレショット」を採用。
全公演ソールドアウト。それだけでも彼らの人気度や期待度の高さがうかがえるけど、さらに突然の新作までリリース。まだ数回しかプレイされていない新曲「New You」がここでも聴ける?もしかして今日ライブ初披露の曲もある?そんな思いを抱きながら、寒風吹きすさぶ新木場スタジオコーストへ。
大阪公演や前日(7日)の東京公演もそうだったみたいだけど、リハの時間が押して18時を過ぎてもなかなか開場しない。既にクロークに上着を預けて薄着の人たち(Tシャツ姿の人も)はガタガタ震えながら外で待たされることに。10分ほど遅れてようやく入場開始。入場時には噂の耳栓をゲット。
ラヴレスカラー。
耳栓に合わせ、こちらもラヴレスカラーという理由(後付けだけど)でカシオレを飲みつつ、右側マイク(ケヴィン側)正面の前から3、4人目くらいを確保。開演時刻を数分まわったところで、グロッケンシュピールの旋律とともにゆっくりと場内が暗転し、ケヴィン、ビリンダ、デビー、コルムの4人が登場。まずケヴィンの腹のぽっこり具合にビビる。ケヴィン以外の3人は確かに年は相応に感じるものの、凛とした佇まいがあってかっこいいのだけど、ケヴィンは完全にオッサン体系。あれじゃうつむいても腹ゲイザー。
ライブは「I Only Said」からスタート。どれだけ音がデカイのかと思ったけど、普通のライブ並みの音量だったので耳栓は装着せず。3曲目には新作「m b v」の中で唯一ライブ披露済みの「New You」。うん、まあいい曲ではあるんだけど淡々としていて、あまりライブ映えする曲ではないかな、というのが正直な感想。もちろんこの曲が新作の中で最もプレイしやすいから選曲されているのであり、今後は他の曲もレパートリーに加わっていく予定なのだろう。個人的にはライブの新しいハイライト曲として「Wonder 2」が加わってくれればうれしい。
ぽつぽつライブはやっていたとは言え、やはり20年近いブランクのためかまだライブは不慣れな感じが目立つ。「Honey Power」では途中でコルムのリズムが崩れ、それまで黙々とギターをプレイしていたケヴィンがパッとコルムの方を向く。これはドラムを見てリズムを掴むためであると同時に、コルムに対する「何やってんだよ!」の意味もあるのだろう。この曲のラスト、通常より少し短めにコルムが終わらせてしまったため、再びケヴィンがほとんど睨むようにコルムの方を向く。ケヴィンは相当不満だったようで、わざわざマイクのところで何かブツブツ文句を言いながらさりげなく「お手上げ」のポーズ。コルムも苦笑い。
「Nothing Much To Lose」ではコルムが高速でスネアを連打する部分が音源よりも長めで非常にリズムが取りずらいのだけど、それでも半ば強引に合わせてしまうところが4人のすごいところ。というか、コルムのドラムプレイが相変わらずかっこいい。あのつんのめり気味な高速フィルで、リズム的には正確ではないんだけど勢いで押しきってしまう。カウントもいちいちオーバーリアクションで、4人の中では最もエネルギッシュだった。デビーもステージのやや後方で控え目ではあるんだけど、足を大きく開いて体を前後に揺らしながらベースをプレイ。ケヴィンはときどきアンプの方にのそのそ移動しつつうつむいてプレイ。ビリンダは終始同じ場所に直立して(曲によってはギターを弾かずに)歌う姿が何とも可憐だった。この日ケヴィンはダークブラウンなシャツだった以外、他の3人は上下真っ黒な衣装で統一していた。
来日前に行われた韓国公演や、大阪公演では何度かやりなおした曲があったようだけど、この日のやりなおしは「Feed Me With Your Kiss」のみ。調子が上がってきたということだろうか。ラストはお決まりの「You Made Me Realise」で、ノイズ・ピット(ホロコースト・セクション)は約18分と彼らの中では短め。この時はさすがに耳栓がないと辛い状況で、ノイズを浴びたい気持ちを抑えつつ耳栓装着。耳は大事だものね。ぎゅっとはめるのではなく、頭振ったら外れるくらいに軽く付けるだけで高音域ノイズはカットできた。それでもブルブルとした振動が体中を揺らすほどの爆音は凄まじかった。
【音量注意】My Bloody Valentine - You Made Me Realise (with 30min 'holocaust' section)
感動の大きさで言えば、やはり初マイブラだったのと山の中というロケーションの力もあった2008年のフジロックには及ばなかった。新曲が聴けたということやフジであまりやらなかったEPの曲を多くやってくれたことを考慮しても及ばなかったし、音源を完璧に再現していたフジとは違って今回のライブでは粗い部分もややあった。ほとんどの曲は音源よりもテンポ速めだったし。それでもやはり、そういうことをチャラにしてくれるぐらいに楽しかったしエキサイトしたし、とりわけノイズ・ビットの18分間は恍惚のひとときだった。アンコールなしという潔さも彼ららしくていいと思う。「You Made Me Realise」は、完全燃焼のための曲なのだから。
それにしても、最後にセットリストを紙飛行機にして飛ばしていたスタッフのあんちゃん、楽しみすぎだろと思った。こちらも楽しませてもらったけど。
■2013/2/8 新木場TUDIO COAST set list
I Only Said
When You Sleep
New You
You Never Should
Honey Power
Cigarette In Your Bed
Come In Alone
Only Shallow
Thorn
Nothing Much To Lose
To Here Knows When
Slow
Soon
Feed Me With Your Kiss
You Made Me Realise
こないだ「My Bloody Valentineのマイ・フェイバリット・ソングBEST20」というのをやったのでこちらも合わせてどうぞ。
きれいに撮れた写真もあるけど、ここはあえてマイブラらしく「手ブレショット」を採用。
全公演ソールドアウト。それだけでも彼らの人気度や期待度の高さがうかがえるけど、さらに突然の新作までリリース。まだ数回しかプレイされていない新曲「New You」がここでも聴ける?もしかして今日ライブ初披露の曲もある?そんな思いを抱きながら、寒風吹きすさぶ新木場スタジオコーストへ。
大阪公演や前日(7日)の東京公演もそうだったみたいだけど、リハの時間が押して18時を過ぎてもなかなか開場しない。既にクロークに上着を預けて薄着の人たち(Tシャツ姿の人も)はガタガタ震えながら外で待たされることに。10分ほど遅れてようやく入場開始。入場時には噂の耳栓をゲット。
ラヴレスカラー。
耳栓に合わせ、こちらもラヴレスカラーという理由(後付けだけど)でカシオレを飲みつつ、右側マイク(ケヴィン側)正面の前から3、4人目くらいを確保。開演時刻を数分まわったところで、グロッケンシュピールの旋律とともにゆっくりと場内が暗転し、ケヴィン、ビリンダ、デビー、コルムの4人が登場。まずケヴィンの腹のぽっこり具合にビビる。ケヴィン以外の3人は確かに年は相応に感じるものの、凛とした佇まいがあってかっこいいのだけど、ケヴィンは完全にオッサン体系。あれじゃうつむいても腹ゲイザー。
ライブは「I Only Said」からスタート。どれだけ音がデカイのかと思ったけど、普通のライブ並みの音量だったので耳栓は装着せず。3曲目には新作「m b v」の中で唯一ライブ披露済みの「New You」。うん、まあいい曲ではあるんだけど淡々としていて、あまりライブ映えする曲ではないかな、というのが正直な感想。もちろんこの曲が新作の中で最もプレイしやすいから選曲されているのであり、今後は他の曲もレパートリーに加わっていく予定なのだろう。個人的にはライブの新しいハイライト曲として「Wonder 2」が加わってくれればうれしい。
ぽつぽつライブはやっていたとは言え、やはり20年近いブランクのためかまだライブは不慣れな感じが目立つ。「Honey Power」では途中でコルムのリズムが崩れ、それまで黙々とギターをプレイしていたケヴィンがパッとコルムの方を向く。これはドラムを見てリズムを掴むためであると同時に、コルムに対する「何やってんだよ!」の意味もあるのだろう。この曲のラスト、通常より少し短めにコルムが終わらせてしまったため、再びケヴィンがほとんど睨むようにコルムの方を向く。ケヴィンは相当不満だったようで、わざわざマイクのところで何かブツブツ文句を言いながらさりげなく「お手上げ」のポーズ。コルムも苦笑い。
「Nothing Much To Lose」ではコルムが高速でスネアを連打する部分が音源よりも長めで非常にリズムが取りずらいのだけど、それでも半ば強引に合わせてしまうところが4人のすごいところ。というか、コルムのドラムプレイが相変わらずかっこいい。あのつんのめり気味な高速フィルで、リズム的には正確ではないんだけど勢いで押しきってしまう。カウントもいちいちオーバーリアクションで、4人の中では最もエネルギッシュだった。デビーもステージのやや後方で控え目ではあるんだけど、足を大きく開いて体を前後に揺らしながらベースをプレイ。ケヴィンはときどきアンプの方にのそのそ移動しつつうつむいてプレイ。ビリンダは終始同じ場所に直立して(曲によってはギターを弾かずに)歌う姿が何とも可憐だった。この日ケヴィンはダークブラウンなシャツだった以外、他の3人は上下真っ黒な衣装で統一していた。
来日前に行われた韓国公演や、大阪公演では何度かやりなおした曲があったようだけど、この日のやりなおしは「Feed Me With Your Kiss」のみ。調子が上がってきたということだろうか。ラストはお決まりの「You Made Me Realise」で、ノイズ・ピット(ホロコースト・セクション)は約18分と彼らの中では短め。この時はさすがに耳栓がないと辛い状況で、ノイズを浴びたい気持ちを抑えつつ耳栓装着。耳は大事だものね。ぎゅっとはめるのではなく、頭振ったら外れるくらいに軽く付けるだけで高音域ノイズはカットできた。それでもブルブルとした振動が体中を揺らすほどの爆音は凄まじかった。
【音量注意】My Bloody Valentine - You Made Me Realise (with 30min 'holocaust' section)
感動の大きさで言えば、やはり初マイブラだったのと山の中というロケーションの力もあった2008年のフジロックには及ばなかった。新曲が聴けたということやフジであまりやらなかったEPの曲を多くやってくれたことを考慮しても及ばなかったし、音源を完璧に再現していたフジとは違って今回のライブでは粗い部分もややあった。ほとんどの曲は音源よりもテンポ速めだったし。それでもやはり、そういうことをチャラにしてくれるぐらいに楽しかったしエキサイトしたし、とりわけノイズ・ビットの18分間は恍惚のひとときだった。アンコールなしという潔さも彼ららしくていいと思う。「You Made Me Realise」は、完全燃焼のための曲なのだから。
それにしても、最後にセットリストを紙飛行機にして飛ばしていたスタッフのあんちゃん、楽しみすぎだろと思った。こちらも楽しませてもらったけど。
■2013/2/8 新木場TUDIO COAST set list
I Only Said
When You Sleep
New You
You Never Should
Honey Power
Cigarette In Your Bed
Come In Alone
Only Shallow
Thorn
Nothing Much To Lose
To Here Knows When
Slow
Soon
Feed Me With Your Kiss
You Made Me Realise
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