ライブレポート |
ダブステップ(※)界のみならずEDM界のニューヒーロー・Skrillexの初来日となるジャパンツアー東京公演(2012年11月14日)に行ってきました。
※彼のようなレイヴ系ダブステップはブローステップ(もしくはブロステップ=Brostep)と呼ばれ「ダブステップ」とは区別される傾向にありますが、この記事ではあえて「ダブステップ」という呼称を使います。混同されるのを気にされる方もいると思いますがご了承ください。
STUDIO COASTといえばお決まりの写真。
※彼のようなレイヴ系ダブステップはブローステップ(もしくはブロステップ=Brostep)と呼ばれ「ダブステップ」とは区別される傾向にありますが、この記事ではあえて「ダブステップ」という呼称を使います。混同されるのを気にされる方もいると思いますがご了承ください。
STUDIO COASTといえばお決まりの写真。
個人的にはサマソニ以来、そして単独としては3月のFountains of Wayne以来久々のライブということでかなり楽しみにしていました(FOWとSkrillexってなんか対極の音楽ですね…笑)。
とは言いつつ、音源を一つも持っていないので曲を詳しく知らないし予習のしようもなく、会場までの移動中はDeath Gripsの新作「No Love Deep Web」で無理やりテンション上げ。これが意外に効きました。曲をよく知らずにライブを観るというのは、フェスなんかでもそうだけど未知との遭遇みたいなワクワク感があったり、イメージと違った!みたいな新たな発見があって好きなのです。「曲を知らなくても楽しめるライブパフォーマンス」というのもそのアーティストの魅力だと思うし。だからフェスでよく見かける「この曲知らなーい」と棒立ちになっている人がどうも苦手。…と、話が逸れましたね。
開場から20分ほど過ぎて新木場STUDIO COASTに到着すると、まず凄まじい人の数に驚かされました。さすがSOLD OUTしてるだけあります。長蛇の列になって、もはやどこまでが列なのかわからないドリンクカウンターを尻目にフロアに入ると、すでにオープニングDJのALVIN RISKがバッキバキのエレクトロ・サウンドでフロアをガンガンに踊らせまくってて、オーディエンスも早くも熱狂モード。まあ、Skrillexの曲かけたりしたらそりゃ盛り上がりますよね、あれは反則。ひと踊りしたらノド乾いたので、仕方なくドリンクの列へ。まだごった返していて、ある女の子は人とぶつかって、買ったばかりの自分のビールかぶっていました。
水分(もちろんアルコール)補給して再びフロアに戻る頃には、DJは次の12TH PLANETにチェンジ。こちらも同様に大盛り上がりで、フロア前方もさっきより人がビッシリ。オープニングからこんなに盛り上がっててみんな(自分も含む)大丈夫なのか!?と心配になるほど。
両DJ合わせて2時間近くフロアを温め(というか沸騰させてましたね笑)しばしの転換を挟んだあとで、暗転ともにLEDスクリーン上にコンマ秒単位でカウントダウン開始。しかもそれが5:00:00からなもんで、場内から「なげーよ!」「あと5分もかよ!」とツッコミが飛ぶ事態に。しかしカウントダウンが進むにつれ、バックで流れるSEもだんだんと高揚して東京の夜景が流れたりして、結局5分間飽きさせることなく高まりっぱなし。
こちらが5分に亘る、登場までのカウントダウン。
カウントダウンがゼロになり、いよいよSkrillex登場。スモークも噴射され、レイヴィーな電子音がブイブイビヨビヨ飛び交い、重心の低いマッシヴなビートが鳴り響く。カットアップ/ベンドされたブリープ音やウォブル・ベースやビートが、拍単位でパターンを変えながら繰り出される様はまるでエイフェックス・ツインのようでもあり、クレイジーなぶ厚いシンセ音にぶっ飛ばされました。なにこれ…カッコよすぎる!!
実は先ほどオープニングDJのプレイ中は、Skrillex並みのダブステップDJ/クリエイターって案外たくさんいるんだなーと思ってました。でもいざSkrillexのライブを観てしまうと、やはりこのシーン(Brostep)のパイオニアは他とは格が違うと強く思わずにはいられないほど。シーン隆盛な今となっても、彼のサウンドを真似た他多数のアーティストの追随を許さない感じが00年代エレクトロ・ムーブメントの時のJusticeの立ち位置にも似ていますね。ダブステップを軸にR&B、ハウス、レゲエ、ドラムンベース、チルアウトとさまざまなビートを行ったり来たりしながら、一瞬もダレることなく常にハイテンションでオーディエンスを煽るさまはさすがロック畑出身のアーティスト。盛り上げ方をよくわかってます。この辺もやはりJusticeやProdigyがかつてやっていた、パンクやメタル的なアティテュードでダンスミュージックを鳴らすというのをうまく継承していると思いました。あとVJも、ドラゴンボールや千と千尋などの映像がノイズやモザイク交じりにマッシュアップされ、視覚的にも楽しめました。
それにしても、だんだんとフロア前方の人は踊るスペース確保のために後ろに下がってくるし、それでもどんどん人は流れ込んでくるしで次第に身動きも取れないほどの密着度+蒸し風呂状態に。さすがに自分も、前の人の髪の毛が口に入りそうなほどの密着状態になってしまったので退散。しかしこの退散も、10メートルもない距離を進むのに3分くらいかかるほど…。通るための人の隙間がない状態は初めて体験しました。足も踏まれました(痛)。
後方の高くなったところは割とスペースがあってそこまで暑くもなく、最初からここで観ればよかったなあと思ったけど、ここからは心おきなくその音に身を委ねてのダンスタイム。紙吹雪も舞うし、相変わらずスモークは噴射されまくり。ラストでSkrillexは卓の上に立って飛び降りたり、客席の方に降りたり、ステージ上で日の丸を掲げたりしつつ、オーディエンスに感謝の意と「また来るよ!」的なことを早口に捲し立て、拍手喝采に包まれる中去っていきました。約1時間半に及ぶハイパーなエレクトロニック・ダンス・ミュージック・パーティーはこれにて終了。
ものすごい人の数、そして密集度…。
長い間、日本のフェスのヘッドライナーを務めることができるダンスアクトは現れておらず、90年代からシーンを牽引しているケミカル・ブラザーズやダフト・パンク、アンダーワールド、ファットボーイ・スリムなどに頼ってきましたが、そろそろ世代交代があってもよい頃。Skrillexは長きに亘るダンスアクトの新世代ヒーロー不在の穴を埋めてくれる気がしてなりません。所謂ダブステップ以外の音楽も吸収してオリジナリティに溢れる楽曲に昇華させる才能も感じられ、シーンが終焉を迎えてもきっとエネルギッシュなエレクトロニック・ダンス・ミュージックを作り続けるはず。3年後くらいにはフジやサマソニでメインステージのヘッドライナーなんてことも…そんなことを強く感じさせるライブでした。
残念ながら今回のライブでは登場しなかったものの、特殊な三次元スクリーンと、Skrillexの動きと同期したモーションキャプチャを使ったVJもスゴイ。
とは言いつつ、音源を一つも持っていないので曲を詳しく知らないし予習のしようもなく、会場までの移動中はDeath Gripsの新作「No Love Deep Web」で無理やりテンション上げ。これが意外に効きました。曲をよく知らずにライブを観るというのは、フェスなんかでもそうだけど未知との遭遇みたいなワクワク感があったり、イメージと違った!みたいな新たな発見があって好きなのです。「曲を知らなくても楽しめるライブパフォーマンス」というのもそのアーティストの魅力だと思うし。だからフェスでよく見かける「この曲知らなーい」と棒立ちになっている人がどうも苦手。…と、話が逸れましたね。
開場から20分ほど過ぎて新木場STUDIO COASTに到着すると、まず凄まじい人の数に驚かされました。さすがSOLD OUTしてるだけあります。長蛇の列になって、もはやどこまでが列なのかわからないドリンクカウンターを尻目にフロアに入ると、すでにオープニングDJのALVIN RISKがバッキバキのエレクトロ・サウンドでフロアをガンガンに踊らせまくってて、オーディエンスも早くも熱狂モード。まあ、Skrillexの曲かけたりしたらそりゃ盛り上がりますよね、あれは反則。ひと踊りしたらノド乾いたので、仕方なくドリンクの列へ。まだごった返していて、ある女の子は人とぶつかって、買ったばかりの自分のビールかぶっていました。
水分(もちろんアルコール)補給して再びフロアに戻る頃には、DJは次の12TH PLANETにチェンジ。こちらも同様に大盛り上がりで、フロア前方もさっきより人がビッシリ。オープニングからこんなに盛り上がっててみんな(自分も含む)大丈夫なのか!?と心配になるほど。
両DJ合わせて2時間近くフロアを温め(というか沸騰させてましたね笑)しばしの転換を挟んだあとで、暗転ともにLEDスクリーン上にコンマ秒単位でカウントダウン開始。しかもそれが5:00:00からなもんで、場内から「なげーよ!」「あと5分もかよ!」とツッコミが飛ぶ事態に。しかしカウントダウンが進むにつれ、バックで流れるSEもだんだんと高揚して東京の夜景が流れたりして、結局5分間飽きさせることなく高まりっぱなし。
こちらが5分に亘る、登場までのカウントダウン。
カウントダウンがゼロになり、いよいよSkrillex登場。スモークも噴射され、レイヴィーな電子音がブイブイビヨビヨ飛び交い、重心の低いマッシヴなビートが鳴り響く。カットアップ/ベンドされたブリープ音やウォブル・ベースやビートが、拍単位でパターンを変えながら繰り出される様はまるでエイフェックス・ツインのようでもあり、クレイジーなぶ厚いシンセ音にぶっ飛ばされました。なにこれ…カッコよすぎる!!
実は先ほどオープニングDJのプレイ中は、Skrillex並みのダブステップDJ/クリエイターって案外たくさんいるんだなーと思ってました。でもいざSkrillexのライブを観てしまうと、やはりこのシーン(Brostep)のパイオニアは他とは格が違うと強く思わずにはいられないほど。シーン隆盛な今となっても、彼のサウンドを真似た他多数のアーティストの追随を許さない感じが00年代エレクトロ・ムーブメントの時のJusticeの立ち位置にも似ていますね。ダブステップを軸にR&B、ハウス、レゲエ、ドラムンベース、チルアウトとさまざまなビートを行ったり来たりしながら、一瞬もダレることなく常にハイテンションでオーディエンスを煽るさまはさすがロック畑出身のアーティスト。盛り上げ方をよくわかってます。この辺もやはりJusticeやProdigyがかつてやっていた、パンクやメタル的なアティテュードでダンスミュージックを鳴らすというのをうまく継承していると思いました。あとVJも、ドラゴンボールや千と千尋などの映像がノイズやモザイク交じりにマッシュアップされ、視覚的にも楽しめました。
それにしても、だんだんとフロア前方の人は踊るスペース確保のために後ろに下がってくるし、それでもどんどん人は流れ込んでくるしで次第に身動きも取れないほどの密着度+蒸し風呂状態に。さすがに自分も、前の人の髪の毛が口に入りそうなほどの密着状態になってしまったので退散。しかしこの退散も、10メートルもない距離を進むのに3分くらいかかるほど…。通るための人の隙間がない状態は初めて体験しました。足も踏まれました(痛)。
後方の高くなったところは割とスペースがあってそこまで暑くもなく、最初からここで観ればよかったなあと思ったけど、ここからは心おきなくその音に身を委ねてのダンスタイム。紙吹雪も舞うし、相変わらずスモークは噴射されまくり。ラストでSkrillexは卓の上に立って飛び降りたり、客席の方に降りたり、ステージ上で日の丸を掲げたりしつつ、オーディエンスに感謝の意と「また来るよ!」的なことを早口に捲し立て、拍手喝采に包まれる中去っていきました。約1時間半に及ぶハイパーなエレクトロニック・ダンス・ミュージック・パーティーはこれにて終了。
ものすごい人の数、そして密集度…。
長い間、日本のフェスのヘッドライナーを務めることができるダンスアクトは現れておらず、90年代からシーンを牽引しているケミカル・ブラザーズやダフト・パンク、アンダーワールド、ファットボーイ・スリムなどに頼ってきましたが、そろそろ世代交代があってもよい頃。Skrillexは長きに亘るダンスアクトの新世代ヒーロー不在の穴を埋めてくれる気がしてなりません。所謂ダブステップ以外の音楽も吸収してオリジナリティに溢れる楽曲に昇華させる才能も感じられ、シーンが終焉を迎えてもきっとエネルギッシュなエレクトロニック・ダンス・ミュージックを作り続けるはず。3年後くらいにはフジやサマソニでメインステージのヘッドライナーなんてことも…そんなことを強く感じさせるライブでした。
残念ながら今回のライブでは登場しなかったものの、特殊な三次元スクリーンと、Skrillexの動きと同期したモーションキャプチャを使ったVJもスゴイ。
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