ライブレポート |
3月30日、Fountains of Wayneジャパンツアーの東京公演1日目に行ってきました。
ゲットしたセトリ(アンコールは載ってませんでした)
ゲットしたセトリ(アンコールは載ってませんでした)
2ヶ月前に同じハコに来た時とは、客の入りも客層も会場の熱気も違っていたけど、まあその時は今をときめくFoster The Peopleだったのだからしょうがない。とは言え、90年代半ばのデビュー時期からずっとFOWを見守ってきた世代から、ここ数年でFOWを知ったと思しきハタチそこそこの若者まで幅広い客層がフロアに集まった。さすが世代を超えて愛されるバンドだ。
19時、まずはオープニングアクトのMike Violaが登場。実はお恥ずかしながら、彼については全く知らなかった…(FOWとは古くから馴染みが深い人らしく、FOWファンからも怒られるな…)。でもオープニングアクトが発表されてから今日まで、敢えて事前に調べたりもしなかった。会場で初めてその音に触れた方が、音楽がより鮮明に印象に残るし、純粋な気持ちでライブ観れると思ったので。去年Friendly Firesの前座でChad Valley観た時も、それが功を奏して見事にChad Valleyにハマったし。
Mike Violaは、ルックス的にはウィーザーのリヴァース・クオモ、もしくはパルプのジャーヴィス・コッカーと同じ系統と言えそうな、やせ形で神経質そうなメガネ男子(といっても45歳)。しかしピアノを弾きながら、大量のツバを飛ばしつつもの凄くエネルギッシュに歌っていて、ルックスからのイメージとの違いにビックリ。3曲目ぐらいには楽器をギターに持ち変え、細い体をくねらせて高めのトーンでねちっこく歌い上げる姿は…おお、まさに若き日のコステロ!メガネだし。実際コステロをリスペクトしてるんじゃないかと思ったけど、どうなんだろう。
途中でFOWのアダムがベースとコーラスで参加して、トム・ハンクス主演の映画「すべてをあなたに」のメインテーマ「That Thing You Do!」をプレイ。映画が未見なもので、実はこの曲も初めて聴いたんだけど、これなんかはまんまコステロ(例えば「Oliver's Army」辺り)を彷彿させるキャッチーなパワーポップナンバー。FOWと親しいだけあって音の親和性もバッチリ。オープニングアクトとしても最適、というよりもむしろ過剰サービスなほどだ。ぜひ彼の音源もチェックしたいと思った。
さて、セットチェンジの後いよいよFOWの4人がステージに。クリスは青いチェックのネルシャツに帽子姿、アダムはさっきも見たけど、いつも通りの黒系のシャツ。横を向くと結構お腹が出てきており、軽くおっさん化していた(でもなんかかわいらしいんだな、アダムは)。ジョディは酒焼けっぽく赤くなった胸をはだけさせたシャツにタイトなパンツ、大きなバックルの付いたベルトというロックスター然としたいでたちで、ボディが透明のギターを抱えて登場。ブライアンは去年のフジの時と比べ、長いアゴ髭はカットされたものの代わりに頬髭が増量、二の腕やお腹周りも増量!いや太ったな絶対。頬髭はアゴのたるみ隠しだろうか(笑)。しかし、さすがに彼らもデビューから16年経っているのでルックスが劣化するのも当然ではあるが、彼らは太っても老けても、精神的な若さや瑞々しさは全く変わっていないのがすごい。
ライブは傑作サード「Welcome Interstate Managers」収録の「Little Red Light」からスタート。ギターがギャンギャンとドライブする疾走ギターロックで、最初からオーディエンスをグイグイ盛り上げていく。2曲目には傑作4th「Traffic And Weather」から、四つ打ちのダンスナンバー「Someone To Love」。この曲の最大のフックである「オッオーオッオーオー オッオーオッオーオー オッオーオッオー イェーエエー イェーエエー」のパートではもちろんオーディエンス一丸となってシンガロング。さらに傑作セカンドから「Denise」を矢継ぎ早に繰り出し、やはりこの曲でも強力なフック「オー ドゥヤドゥヤ」コーラス+ハンドクラップで、場内には一体感が生まれていた。やはりキャッチーなメロディ、誰でも歌えるフックを持つバンドというのは、ライブでのこの一体感が最高だと思う。
次は個人的に彼らの中で最も好きな曲の一つである超絶名曲「Mexican Wine」、さらにライブ定番曲だが今回も絶対に演ってほしかった疾走ナンバー「Survival Car」と、すでに冒頭の5曲で完全に自分含むオーディエンスのハートをホンワカと温めたところで、クリスはギターをリゾネイター(金属の共鳴板)付きのギターにチェンジし、アコースティック度高めの最新作(これも傑作)から2曲と、翌日の東京公演2日目では演らなかったという超絶名曲「Troubled Times」をプレイ。さらにオーディエンスを3人ステージに上げてそれぞれにパーカッションを持たせ「Hey Julie」を演奏したのだが、この曲の持つハッピーなヴァイヴがこうした演出により一層引き立ったものになっていた。ステージ上のファンもそれを見守るフロアも、皆自然と笑顔が溢れていた。
後半には、傑作(しつこい)ファーストから「Leave The Biker」「Radiation Vibe」と、古くからのファンにも嬉しい選曲で、全体的に見ても各アルバムから万遍なくセレクトされたセットリストだった。特に「Radiation~」では、途中で70年代のヒットソング(あんまり元ネタがわかりませんでしたが、パワーポップやハードロック系)を数曲挿入するという遊び心も見せた。
それにしてもこの日の主役はギターのジョディだろう。ライブ中ほとんど笑顔になることなく、どこかトロンとした無気力な表情を終始浮かべているのだが、ギターを弾く姿はまさに往年のギターヒーローそのもの。「Bought For A Song」に至ってはピート・タウンゼントばりにウィンドミル奏法(腕をブン回してプレイするアレ)を繰り出し、さらにスライディングまで決めるという派手なステージング。いやあ、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の中の「Johnny B. Goode」のシーンを思い出しましたよ。しかしジョディはそんなステージアクション中もやはり無表情。煙草をくわえながら演奏したりと、やたらナルシスト全開なんだけど、ずっと内股気味だったのもなんだか憎めない。さらには透明なボディーのギターを顔の位置まで持ち上げて、ギター越しに客席を凝視というよくわからない行動も(笑)。ギターを大きく振り上げて弾く度に腹毛を晒していたし、もはやクールなんだかどうなんだかよくわからない。まあでもそんな「ちょっと駄目な感じ」で、カッコつけきれてないところがジョディの愛されるポイントなのだと思う。
アクティブなジョディやファンのステージ上げなど、いくつかの驚きがありながらも本編ライブが終了し、アンコールで再びメンバーが登場すると、実はライブ開始前からアンプの上に置いてあった花束について紹介。ドラムのブライアンの誕生日を祝福してファンが送ったものだという。ステージにずっと飾っておくというのも、ファンを大切にする彼らしさが感じられた。
アンコール一曲目は、アダムがキーボードでジョディがベースという、アコースティックセット以外ではあまり見ない編成で「Cemetery Guns」と「I-95」をプレイ。この2曲は個人的に大好きな曲であるものの、ライブではあまり演らないものだと勝手に思っていただけにとても嬉しかった。ラストは「Stacy's Mom」、「Sink To The Bottom」という人気の定番曲でシメた。
彼らのファーストアルバムのジャケット裏側に見られるデビュー当時の写真をあらためて見返すと、実際彼らは年を取ったし、最新作は円熟味も感じさせるややレイドバックしたサウンドだった。でも、彼らはあの頃からずっと変わらずにただ「いい曲」を書き、ティーンエイジャーのような心情を綴った歌詞に乗せて普遍的なメロディをプレイし続けている。この日ステージにいたのは紛れもなく、少年の純粋な心(そう、親友のステイシーのママに恋しちゃう男の子みたいな)を持った大人たちだった。そしてフロアにいる私達もまた、世代に関係なく瞳をキラキラさせながら一緒に歌っていた。FOWはそうさせてくれるバンドだ。FOWを聴き続けたら、年を取らないんじゃないかっていう気がしてくるほどに。これからも息長く作品をリリースし続け、その度に来日してほしいと思う。
■2012/3/30 恵比寿LIQUIDROOM set list
Little Red Light
Someone To Love
Denise
Mexican Wine
Survival Car
Summer Place
Richie And Ruben
Troubled Times
Hey Julie
Hackensack
Dip In The Ocean
Leave The Biker
Bought For A Song
Radiation Vibe
-encore-
Cemetery Guns
I-95
Stacy's Mom
Sink To The Bottom
一番好きな曲貼っておきます。
アンコールのラストにプレイされたのはこの曲。
19時、まずはオープニングアクトのMike Violaが登場。実はお恥ずかしながら、彼については全く知らなかった…(FOWとは古くから馴染みが深い人らしく、FOWファンからも怒られるな…)。でもオープニングアクトが発表されてから今日まで、敢えて事前に調べたりもしなかった。会場で初めてその音に触れた方が、音楽がより鮮明に印象に残るし、純粋な気持ちでライブ観れると思ったので。去年Friendly Firesの前座でChad Valley観た時も、それが功を奏して見事にChad Valleyにハマったし。
Mike Violaは、ルックス的にはウィーザーのリヴァース・クオモ、もしくはパルプのジャーヴィス・コッカーと同じ系統と言えそうな、やせ形で神経質そうなメガネ男子(といっても45歳)。しかしピアノを弾きながら、大量のツバを飛ばしつつもの凄くエネルギッシュに歌っていて、ルックスからのイメージとの違いにビックリ。3曲目ぐらいには楽器をギターに持ち変え、細い体をくねらせて高めのトーンでねちっこく歌い上げる姿は…おお、まさに若き日のコステロ!メガネだし。実際コステロをリスペクトしてるんじゃないかと思ったけど、どうなんだろう。
途中でFOWのアダムがベースとコーラスで参加して、トム・ハンクス主演の映画「すべてをあなたに」のメインテーマ「That Thing You Do!」をプレイ。映画が未見なもので、実はこの曲も初めて聴いたんだけど、これなんかはまんまコステロ(例えば「Oliver's Army」辺り)を彷彿させるキャッチーなパワーポップナンバー。FOWと親しいだけあって音の親和性もバッチリ。オープニングアクトとしても最適、というよりもむしろ過剰サービスなほどだ。ぜひ彼の音源もチェックしたいと思った。
さて、セットチェンジの後いよいよFOWの4人がステージに。クリスは青いチェックのネルシャツに帽子姿、アダムはさっきも見たけど、いつも通りの黒系のシャツ。横を向くと結構お腹が出てきており、軽くおっさん化していた(でもなんかかわいらしいんだな、アダムは)。ジョディは酒焼けっぽく赤くなった胸をはだけさせたシャツにタイトなパンツ、大きなバックルの付いたベルトというロックスター然としたいでたちで、ボディが透明のギターを抱えて登場。ブライアンは去年のフジの時と比べ、長いアゴ髭はカットされたものの代わりに頬髭が増量、二の腕やお腹周りも増量!いや太ったな絶対。頬髭はアゴのたるみ隠しだろうか(笑)。しかし、さすがに彼らもデビューから16年経っているのでルックスが劣化するのも当然ではあるが、彼らは太っても老けても、精神的な若さや瑞々しさは全く変わっていないのがすごい。
ライブは傑作サード「Welcome Interstate Managers」収録の「Little Red Light」からスタート。ギターがギャンギャンとドライブする疾走ギターロックで、最初からオーディエンスをグイグイ盛り上げていく。2曲目には傑作4th「Traffic And Weather」から、四つ打ちのダンスナンバー「Someone To Love」。この曲の最大のフックである「オッオーオッオーオー オッオーオッオーオー オッオーオッオー イェーエエー イェーエエー」のパートではもちろんオーディエンス一丸となってシンガロング。さらに傑作セカンドから「Denise」を矢継ぎ早に繰り出し、やはりこの曲でも強力なフック「オー ドゥヤドゥヤ」コーラス+ハンドクラップで、場内には一体感が生まれていた。やはりキャッチーなメロディ、誰でも歌えるフックを持つバンドというのは、ライブでのこの一体感が最高だと思う。
次は個人的に彼らの中で最も好きな曲の一つである超絶名曲「Mexican Wine」、さらにライブ定番曲だが今回も絶対に演ってほしかった疾走ナンバー「Survival Car」と、すでに冒頭の5曲で完全に自分含むオーディエンスのハートをホンワカと温めたところで、クリスはギターをリゾネイター(金属の共鳴板)付きのギターにチェンジし、アコースティック度高めの最新作(これも傑作)から2曲と、翌日の東京公演2日目では演らなかったという超絶名曲「Troubled Times」をプレイ。さらにオーディエンスを3人ステージに上げてそれぞれにパーカッションを持たせ「Hey Julie」を演奏したのだが、この曲の持つハッピーなヴァイヴがこうした演出により一層引き立ったものになっていた。ステージ上のファンもそれを見守るフロアも、皆自然と笑顔が溢れていた。
後半には、傑作(しつこい)ファーストから「Leave The Biker」「Radiation Vibe」と、古くからのファンにも嬉しい選曲で、全体的に見ても各アルバムから万遍なくセレクトされたセットリストだった。特に「Radiation~」では、途中で70年代のヒットソング(あんまり元ネタがわかりませんでしたが、パワーポップやハードロック系)を数曲挿入するという遊び心も見せた。
それにしてもこの日の主役はギターのジョディだろう。ライブ中ほとんど笑顔になることなく、どこかトロンとした無気力な表情を終始浮かべているのだが、ギターを弾く姿はまさに往年のギターヒーローそのもの。「Bought For A Song」に至ってはピート・タウンゼントばりにウィンドミル奏法(腕をブン回してプレイするアレ)を繰り出し、さらにスライディングまで決めるという派手なステージング。いやあ、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の中の「Johnny B. Goode」のシーンを思い出しましたよ。しかしジョディはそんなステージアクション中もやはり無表情。煙草をくわえながら演奏したりと、やたらナルシスト全開なんだけど、ずっと内股気味だったのもなんだか憎めない。さらには透明なボディーのギターを顔の位置まで持ち上げて、ギター越しに客席を凝視というよくわからない行動も(笑)。ギターを大きく振り上げて弾く度に腹毛を晒していたし、もはやクールなんだかどうなんだかよくわからない。まあでもそんな「ちょっと駄目な感じ」で、カッコつけきれてないところがジョディの愛されるポイントなのだと思う。
アクティブなジョディやファンのステージ上げなど、いくつかの驚きがありながらも本編ライブが終了し、アンコールで再びメンバーが登場すると、実はライブ開始前からアンプの上に置いてあった花束について紹介。ドラムのブライアンの誕生日を祝福してファンが送ったものだという。ステージにずっと飾っておくというのも、ファンを大切にする彼らしさが感じられた。
アンコール一曲目は、アダムがキーボードでジョディがベースという、アコースティックセット以外ではあまり見ない編成で「Cemetery Guns」と「I-95」をプレイ。この2曲は個人的に大好きな曲であるものの、ライブではあまり演らないものだと勝手に思っていただけにとても嬉しかった。ラストは「Stacy's Mom」、「Sink To The Bottom」という人気の定番曲でシメた。
彼らのファーストアルバムのジャケット裏側に見られるデビュー当時の写真をあらためて見返すと、実際彼らは年を取ったし、最新作は円熟味も感じさせるややレイドバックしたサウンドだった。でも、彼らはあの頃からずっと変わらずにただ「いい曲」を書き、ティーンエイジャーのような心情を綴った歌詞に乗せて普遍的なメロディをプレイし続けている。この日ステージにいたのは紛れもなく、少年の純粋な心(そう、親友のステイシーのママに恋しちゃう男の子みたいな)を持った大人たちだった。そしてフロアにいる私達もまた、世代に関係なく瞳をキラキラさせながら一緒に歌っていた。FOWはそうさせてくれるバンドだ。FOWを聴き続けたら、年を取らないんじゃないかっていう気がしてくるほどに。これからも息長く作品をリリースし続け、その度に来日してほしいと思う。
■2012/3/30 恵比寿LIQUIDROOM set list
Little Red Light
Someone To Love
Denise
Mexican Wine
Survival Car
Summer Place
Richie And Ruben
Troubled Times
Hey Julie
Hackensack
Dip In The Ocean
Leave The Biker
Bought For A Song
Radiation Vibe
-encore-
Cemetery Guns
I-95
Stacy's Mom
Sink To The Bottom
一番好きな曲貼っておきます。
アンコールのラストにプレイされたのはこの曲。
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