初聴きディスクレポート |
6月に買った&借りたアルバムの、「一番最初に聴いたとき」の感想を紹介します。今月は星5つは1タイトルのみでしたが、総じてレベルは高かったです。ハズレみたいなのはナシ。
※5月のアルバム感想はこちら
※4月のアルバム感想はこちら。
※3月のアルバム感想はこちら。
※2月のアルバム感想はこちら。
※1月のアルバム感想はこちら。
<★の解説>----------------------
★★★★★今年の名盤上位20位以内確実!
★★★★☆すばらしい
★★★☆☆普通に良作
★★☆☆☆若干気になる部分もあり。もう少し聴きこみたい
★☆☆☆☆期待ハズレ
☆☆☆☆☆全然ダメでした
---------------------------
では今月も、さっそく「Album of The Month」からご紹介します!
【Album of The Month - Death Cab For Cutie / Codes And Keys】
★★★★★
現在米インディシーンでもっとも大きな成功を収めているバンド(Arcade Fireはカナダ出身です、念のため)の8枚目のアルバム、通称「囲盤」。今回はブライアン・イーノの「Another Green World」に影響を受けたということでギターよりも、浮遊感のあるキーボードの音を前面に押し出したサウンドが印象的。ベン・ギバードの透明で澄んだボーカルはまるで楽器のようにリズミカルに言葉を紡ぎ、音の数は最小限に絞られつつも、ひねくれた感じのドラムが新鮮さを添えています。これまでもメロディには定評があった彼らですが、曲の実験性に比例して難解になることなく、前作よりもさらにメロディアスになっています。捨て曲なし。
Acrylics / Lives And Treasure
★★★★☆
ブルックリン出身の男女デュオ。エレポップ調・フォーク調・Cocteau Twins風などアルバムの中で多様な面を見せつつ、全編クールかつノワールな世界観で構築されています。ウィスパーな男女ツインボーカルも儚げで、ちょっと影のあるメロディもセンスが光っています。
Cults / Cults
★★★★☆
フィル・スペクターがプロデュースしたかのような、激甘メロディと深いリヴァーヴに包まれたノスタルジックなサウンド。謎の多い男女2人組のデビューアルバムは、シュガーコーティングされた60'sメロディや牧歌的なチルアウトサウンドで独特の雰囲気を醸し出しています。チルウェイヴとシューゲイザーとオールディーズの完璧な蜜月。
Acid House Kings / Music Sounds Better With You
★★★★☆
スウェーデン出身の3人組さわやかギタポバンド。ストリングスやホーンなどの管弦楽器が加わったり、たまに少しノイジーなギターが入っていて、スウェディッシュポップとC86系ギタポとオーケストラルポップのいいとこ取りのようなサウンド。
Destroyer / Kaputt
★★★★☆
97年結成のカナダのベテランインディバンド、The New PornographersのメンバーDan Bejarによるソロユニット。エレクトリックなサウンドが基本なのに、ぬくもりのあるメロディ、ひたすらクールでダンサブルでファンキーでアダルティな雰囲気に溢れていて、Metronomyの最新作にも通じるものアリ。まさに電気仕掛けのAOR。全編に配されたトランペットの音がめちゃくちゃかっこいいです。
The Crookes / Chasing Them Ghosts
★★★★☆
最初聴いたときは、「モリッシー意識しすぎだろ!」と思ってしまったボーカルの声や歌い方ですが、曲調も少しThe Smithsっぽい抒情性たっぷりなネオアコサウンド。The Libertinesにも通じる性急なビート感もあり、今後の活躍が楽しみでもあります。
Foster The People / Torches
★★★☆☆
「Pumped Up Kicks」がアメリカのインディチャートでは1位を獲るほど売れまくっているニューカマー。80's風でファンキーなエレポップは、プリンスやカルチャー・クラブなんかを思い出させます。エレポップといってもシンセに頼り切らずに、人力のビートが前面に出ておりとてもバランス感が取れています。個人的には「Pumped~」よりも、その他の曲の方が好きで、ひねくれたメロディと反復ビートとうねるベースと風変りなシンセ音が彼らの魅力の重要な要素となっています。
Emmy The Great / Virtue
★★★☆☆
フォークをベースにしたシンプルなアコースティックサウンドながら、アコギで疾走感や哀愁感を表現するのが巧みな女性SSWの待望のセカンド。彼女のデビューアルバムは個人的に2009年の年間ベストアルバム1位だったので、今回の期待度も相当のものだったのですが、1stを超えられなかったという意味ではすごく残念。サウンドはややバンド寄りになって音の種類も増えているし、何やら言葉が多くてすごく密度の高い歌詞が乗っているけど、前作でのちょっと不安定で舌っ足らずなボーカルとシンプルな演奏が好きだったので、今回はちょっとそれらが失われてしまった印象も。でも相変わらずいい曲を書きますね。前作よりもダークな曲調が多いかも。
The Ronettes / Be My Baby - The Best of The Ronettes
★★★☆☆
フィル・スペクターがプロデュースした60年代の女性グループのベスト盤。「Be My Baby」があまりにも有名ですね(大好き!)。朝にぴったり、ハッピーな気分になれる音楽です。
Beyonce / 4
★★★☆☆
Diploがプロデュース(というかMajor Lazerの曲を使い回し)した先行シングル「Run The World(Girls)」が超絶ハイテンションなダンストラックだっただけに、ブリトニーやガガに対抗してどれだけ密度の高いダンスアルバムでディーヴァの威厳を発揮するかと思われましたが、完全肩すかし状態。スムースなリズムにシンプルなピアノやブラスのバックで、生音もたっぷり使った純粋なソウルアルバムを投下してきました。もはや余裕というか貫録さえ伺えます。「私は陳腐なシンセの入った4つ打ちエレクトロなんかに逃げないわ」という主張なのでしょうか。肩すかしは食らったものの、メロディアスでソウルフルなバラード群は間違いなくスルメ系。聴きこむほどに味が出る好盤。
Big Troubles / Worry
★★★☆☆
ローファイなジザメリとも言える、かなりフランジャーを利かせたギターとチープな打ち込みドラム、リヴァーヴのかかりまくったテンション低めのボーカル。そこにWeezerみたいなポップなメロディが乗って、激キャッチーなサウンドに。曲自体はすごくいいんだけど、アルバム通して聴くとバラエティ感がなくてちょっとつまらないかな。次作でロウファイのアプローチの仕方やドラムを改善したら非常にいいアルバムを出せそう。
Atari Teenage Riot / Is This Hyperreal?
★★☆☆☆
12年ぶりの復活アルバム。一聴した限りの感想は「おとなしい」。前作にあたる99年の「60 Seconds Wipeout」は超絶ノイズ作品だったので、今回のようにノイズがほとんどなく、バスドラもスネアも静かめな音色を使っていると物足りなさを感じてしまったのも事実。でも2回目聴いたときはそういう先入観も捨て去って聴けたので、徐々にこのアルバムなりのよさも感じられてきました。特にビートのない「Is This Hyperreal?」や、初のメロディアスな曲「Shadow Identity」など新機軸ありで楽しめます。
Seapony / Go With Me
★★☆☆☆
Transmittensのメンバーを中心としたロウファイギタポバンド。2011年にデビューアルバムが期待されるバンド10組の特集でもこのバンドを取り上げましたが、C86マナーにも則ったこのアルバムは、メロディアスなところやThe Drumsのような単音ギターフレーズによるシンプルな演奏など、曲単位だとすごく良いものの、やはりアルバム通して聴くと使っている音がどれも似ているので全体としては少しつまらない感じも。ある意味統一感のあるアルバムではありますが。
※5月のアルバム感想はこちら
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<★の解説>----------------------
★★★★★今年の名盤上位20位以内確実!
★★★★☆すばらしい
★★★☆☆普通に良作
★★☆☆☆若干気になる部分もあり。もう少し聴きこみたい
★☆☆☆☆期待ハズレ
☆☆☆☆☆全然ダメでした
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では今月も、さっそく「Album of The Month」からご紹介します!
【Album of The Month - Death Cab For Cutie / Codes And Keys】
★★★★★
現在米インディシーンでもっとも大きな成功を収めているバンド(Arcade Fireはカナダ出身です、念のため)の8枚目のアルバム、通称「囲盤」。今回はブライアン・イーノの「Another Green World」に影響を受けたということでギターよりも、浮遊感のあるキーボードの音を前面に押し出したサウンドが印象的。ベン・ギバードの透明で澄んだボーカルはまるで楽器のようにリズミカルに言葉を紡ぎ、音の数は最小限に絞られつつも、ひねくれた感じのドラムが新鮮さを添えています。これまでもメロディには定評があった彼らですが、曲の実験性に比例して難解になることなく、前作よりもさらにメロディアスになっています。捨て曲なし。
Acrylics / Lives And Treasure
★★★★☆
ブルックリン出身の男女デュオ。エレポップ調・フォーク調・Cocteau Twins風などアルバムの中で多様な面を見せつつ、全編クールかつノワールな世界観で構築されています。ウィスパーな男女ツインボーカルも儚げで、ちょっと影のあるメロディもセンスが光っています。
Cults / Cults
★★★★☆
フィル・スペクターがプロデュースしたかのような、激甘メロディと深いリヴァーヴに包まれたノスタルジックなサウンド。謎の多い男女2人組のデビューアルバムは、シュガーコーティングされた60'sメロディや牧歌的なチルアウトサウンドで独特の雰囲気を醸し出しています。チルウェイヴとシューゲイザーとオールディーズの完璧な蜜月。
Acid House Kings / Music Sounds Better With You
★★★★☆
スウェーデン出身の3人組さわやかギタポバンド。ストリングスやホーンなどの管弦楽器が加わったり、たまに少しノイジーなギターが入っていて、スウェディッシュポップとC86系ギタポとオーケストラルポップのいいとこ取りのようなサウンド。
Destroyer / Kaputt
★★★★☆
97年結成のカナダのベテランインディバンド、The New PornographersのメンバーDan Bejarによるソロユニット。エレクトリックなサウンドが基本なのに、ぬくもりのあるメロディ、ひたすらクールでダンサブルでファンキーでアダルティな雰囲気に溢れていて、Metronomyの最新作にも通じるものアリ。まさに電気仕掛けのAOR。全編に配されたトランペットの音がめちゃくちゃかっこいいです。
The Crookes / Chasing Them Ghosts
★★★★☆
最初聴いたときは、「モリッシー意識しすぎだろ!」と思ってしまったボーカルの声や歌い方ですが、曲調も少しThe Smithsっぽい抒情性たっぷりなネオアコサウンド。The Libertinesにも通じる性急なビート感もあり、今後の活躍が楽しみでもあります。
Foster The People / Torches
★★★☆☆
「Pumped Up Kicks」がアメリカのインディチャートでは1位を獲るほど売れまくっているニューカマー。80's風でファンキーなエレポップは、プリンスやカルチャー・クラブなんかを思い出させます。エレポップといってもシンセに頼り切らずに、人力のビートが前面に出ておりとてもバランス感が取れています。個人的には「Pumped~」よりも、その他の曲の方が好きで、ひねくれたメロディと反復ビートとうねるベースと風変りなシンセ音が彼らの魅力の重要な要素となっています。
Emmy The Great / Virtue
★★★☆☆
フォークをベースにしたシンプルなアコースティックサウンドながら、アコギで疾走感や哀愁感を表現するのが巧みな女性SSWの待望のセカンド。彼女のデビューアルバムは個人的に2009年の年間ベストアルバム1位だったので、今回の期待度も相当のものだったのですが、1stを超えられなかったという意味ではすごく残念。サウンドはややバンド寄りになって音の種類も増えているし、何やら言葉が多くてすごく密度の高い歌詞が乗っているけど、前作でのちょっと不安定で舌っ足らずなボーカルとシンプルな演奏が好きだったので、今回はちょっとそれらが失われてしまった印象も。でも相変わらずいい曲を書きますね。前作よりもダークな曲調が多いかも。
The Ronettes / Be My Baby - The Best of The Ronettes
★★★☆☆
フィル・スペクターがプロデュースした60年代の女性グループのベスト盤。「Be My Baby」があまりにも有名ですね(大好き!)。朝にぴったり、ハッピーな気分になれる音楽です。
Beyonce / 4
★★★☆☆
Diploがプロデュース(というかMajor Lazerの曲を使い回し)した先行シングル「Run The World(Girls)」が超絶ハイテンションなダンストラックだっただけに、ブリトニーやガガに対抗してどれだけ密度の高いダンスアルバムでディーヴァの威厳を発揮するかと思われましたが、完全肩すかし状態。スムースなリズムにシンプルなピアノやブラスのバックで、生音もたっぷり使った純粋なソウルアルバムを投下してきました。もはや余裕というか貫録さえ伺えます。「私は陳腐なシンセの入った4つ打ちエレクトロなんかに逃げないわ」という主張なのでしょうか。肩すかしは食らったものの、メロディアスでソウルフルなバラード群は間違いなくスルメ系。聴きこむほどに味が出る好盤。
Big Troubles / Worry
★★★☆☆
ローファイなジザメリとも言える、かなりフランジャーを利かせたギターとチープな打ち込みドラム、リヴァーヴのかかりまくったテンション低めのボーカル。そこにWeezerみたいなポップなメロディが乗って、激キャッチーなサウンドに。曲自体はすごくいいんだけど、アルバム通して聴くとバラエティ感がなくてちょっとつまらないかな。次作でロウファイのアプローチの仕方やドラムを改善したら非常にいいアルバムを出せそう。
Atari Teenage Riot / Is This Hyperreal?
★★☆☆☆
12年ぶりの復活アルバム。一聴した限りの感想は「おとなしい」。前作にあたる99年の「60 Seconds Wipeout」は超絶ノイズ作品だったので、今回のようにノイズがほとんどなく、バスドラもスネアも静かめな音色を使っていると物足りなさを感じてしまったのも事実。でも2回目聴いたときはそういう先入観も捨て去って聴けたので、徐々にこのアルバムなりのよさも感じられてきました。特にビートのない「Is This Hyperreal?」や、初のメロディアスな曲「Shadow Identity」など新機軸ありで楽しめます。
Seapony / Go With Me
★★☆☆☆
Transmittensのメンバーを中心としたロウファイギタポバンド。2011年にデビューアルバムが期待されるバンド10組の特集でもこのバンドを取り上げましたが、C86マナーにも則ったこのアルバムは、メロディアスなところやThe Drumsのような単音ギターフレーズによるシンプルな演奏など、曲単位だとすごく良いものの、やはりアルバム通して聴くと使っている音がどれも似ているので全体としては少しつまらない感じも。ある意味統一感のあるアルバムではありますが。
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