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00年代ベストアルバム

Back To 00's - 「00年代の名盤」を1年ごとに振り返る(2003年編)

僕が初めてリアルタイムに実体験したディケイド、2000年から2009年までの「00年代」のロック名盤を、1年ごとに振り返るこの企画。第四回目となる今回のテーマは「2003年」です。

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2003年の名盤 Best11
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01 The Postal Service - Give Up
02 Grandaddy - Sumday
03 Mew - Frengers
04 The Rapture - Echoes
05 Yeah Yeah Yeahs - Fever To Tell
06 Radiohead - Hail To The Thief
07 The Raveonettes - Chain Gang of Love
08 The Strokes - Room on Fire
09 The Mars Volta - De-loused In A Comatorium
10 Sketch Show - Loophole
11 Junior Senior - D-d-don't Don't Stop The Beat



2003年当時記録していた個人的な年間ベストを元に、当時リアルタイムで聴いていなかったものを足して決定しました。


個人的には、ここに挙げた11枚、特に上位5枚なんかは、本当に2000年代を代表する名盤で、僕の人生に大きな影響を及ぼしたといっても過言ではないかもしれません。この作品によって、いろんな価値観が変わったのですから。

まず1位のThe Postal Service。今やUSインディで最も成功しているバンドであるDeath Cab For Cutieのヴォーカル、Ben Gibbard(奥さんはZooey Deschanel)と、エレクトロニカアーティストのJimmy Tamborelloの2人組ユニット。日本語で言うところの「郵政」というユニット名の由来は、この2人がそれぞれ住むLAとシアトルとで、DATテープの郵送のやりとりで音楽を作っていったというところから。

稀代のメロディメーカーとしても知られるBenと、Jimmy Eat World作品などでもキラキラなサウンドを作り上げたJimmyにより、おそらくどの著名な音楽メディアがセレクトしても、エレクトロポップの名盤として必ず上位3位以内には入る作品を作り上げました。この特集記事の「2002年編」の1位はSupercarの「Highvision」でしたが、同じ流れを汲むもので、やはり「メロディアス」「ソフトな歌声」「ダンスビート」「シンセのリフレイン」と言うあたりが共通しています。当時、レコードショップでは「Supercar好きは必聴!」なんてPOPもよく目にしました。

まずは1曲聴いてもらいましょう。音の粒子が弾けながらも、スムースな歌により高揚感と多幸感がどんどん心に浸透していくサウンド。

"Such Great Heights" - The Postal Service



2位以下を見ていくと、特徴は大きく分けて2つ。甘美なメロディで流麗なサウンドを奏でるか、先鋭的かつパンキッシュなスタイルか、です。Grandaddyはすでにこの企画の第一回目「2000年編」で、前作が年間1位になっていますが、彼らの中ではこのアルバムが一番好き。

3位のMewは、人生に2回だけある「レコードショップで初めて聴いて、そのままその場で即買ったアルバム」のうちの1枚です。「スマパンmeetsマイブラ」の文字に踊らされ、試聴機に吸い込まれるように近づきPlayを押すと、もう何とも言えない感動に襲われ、気付くと購入していました。それほど、衝撃はデカかった(ちなみにもう1枚の「即買い」アルバムは、Bloc PartyのSilent Alarm)。

The Raveonettesはアルバム全編3分台以内、そしてBフラットメジャーのコードで作られた作品でありながら、リズムやアレンジの妙で同じコードとは思えないバラエティ豊かな作品。頭から終わりまで、ラモーンズかジザメリかってぐらいに激甘。男女ツインボーカルもツボなポイントです。

Sketch Showは、世界を代表するテクノポップバンドYellow Magic Orchestraの細野晴臣と高橋幸宏によるエレクトロニカ・ユニット。ほんとにこの人たちの音楽的な探究心は尽きないなーと、とにかく感嘆に尽きる美しい作品。しかも何という哀愁漂う泣きメロ!ライブ映像作品としても、音世界とライブ映像をうまくミックスしているこちらの映像がよくできています。

"Chronograph" - Sketch Show



先鋭的かつパンキッシュな方行ってみましょう。この年のそれ代表は、たぶん各主要メディア的に見てもThe RaptureとYeah Yeah Yeahsに尽きる。ニューヨーク臭がプンプンするアングラなポストパンクに、アートだったりダンスだったりをふんだんにまぶした作品。それでいて勢いだけで押し切るのではなく、ちゃんとアンセミックで普遍的なメロディとポップさを持ってるんですね。そこがすごい。彼らそれぞれの代表作を紹介。The Raptureはブリブリのファンキーなベースとパーカッション連打のリズミックなビートで、この年のフロアアンセムとなりました。当時、クラブでかかると一番盛り上がったロックの曲。

"House of Jealous Lovers" - The Rapture



YYYsを好きになったきっかけは、ヴォーカルのカレン・Oの当時お付き合いしていたSpike JonzeがPV監督を務めたこの曲でした(すみませんYoutubeにPVは上がってませんでした)。PVお見せできないのが残念。子供たちが、残酷グロ仮装大賞をする、みたいなグロかわいい作品だったんですけどね。

"Y Control" - Yeah Yeah Yeahs



あ、あと6位の「Hail To The Thief」、Radioheadの中ではあまり人気がないみたいですけど、僕は好きです。まあ彼らの作品を優劣付けるのは非常に難しい(その日の気分で変わるので)のですが、「In Rainbows」よりは上に行くと思います。


ちなみに11位以下のランク圏外には、Mando DiaoやThe Killsなど当時隆盛だったガレージ/ロックンロール勢がちらほら。さらにその下には、Linkin Parkなんかがありまして、この辺のUSのメジャーな音楽が、次回お届け予定の2004年編に大きく切り込んでいくこととなります。お楽しみに。

ラストは、2008年に解散してしまったデンマークの凸凹デュオ(ゲイ)、Junior Seniorのとびきりハッピーな曲で締めます。

"Take My Time" - Junior Senior



これに続く作品は、もう出さないとは本人の弁。

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