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心に残った音楽♪

おすすめCDの紹介のほか、本や映画の感想などを (*^ー゜)v

 

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『Tito Puente‎ and His Orchestra / Cuban Carnival』

Tito Puente‎ Cuban Carnival マンボと言えばペレス・プラードをイメージする僕ですが、サルサと言えば真っ先に思い浮かべるのがこの人ティト・プエンテです!このアルバムは、名盤『ダンス・マニア』に先んじる1956年発表。ティト・プエンテって1951年からTico というレーベルから10インチレコードやフルアルバムをリリースしていましたが。56年に超がつくメジャー・レーベルのRCA に移籍。その第一弾がこのアルバムというわけです。すでに人気があったからこその移籍でしょうが、全国区での流通となった第一弾アルバムで、これだけのクオリティのものを作られたら、そりゃ人気だって全国区になっちゃいますよね(^^)。

 ラテン・ビッグバンド編成で、音楽はキューバ系音楽を扱ったサルサといった感じ。サルサ風にアレンジされたとはいえ、このキューバ縛りがアルバムの強力なコンセプトになっていて、そこがダンス音楽を扱った『ダンス・マニア』との大きな差と感じました。といったって、チャチャチャとかもやってるんですけど、なんというか…エンターテイメントではあるんだけど、それ以上にアフロ・キューバンなグルーヴを強く感じるんですよね。アンサンブル隊は楽しげで心地よい音楽をやってるのに、リズム隊は狂喜乱舞、みたいな。この打楽器チームにあらわれたキューバ色の強さが、エンターテイメントといってその質に影響を与えているように思いました。熱気で人を魅了するようなアプローチの音楽が多かったんですよ!

 その熱気って、つまりはティト・プエンテ楽団の演奏の凄みやレベルの高さという事なんじゃないかと。M6「Yambeque」みたいな楽しげな曲ですら、打楽器隊がとんでもなく熱く凄まじい演奏をしてるもんで、「楽しい」より先に「すごい」ってところに意識が行っちゃいます。いやあ、軽そうなジャケットや、ぼんやり聴いてると「ラテン音楽だね」というだけで通り過ぎてもおかしくない音楽だというのに、集中して聴くと、ものの見事にプレイの壮絶さに体ごと持っていかれてしまいます。思いっきりアフロ・キューバンなM3「Pa Los Rumberos」の高速でグルーヴしまくる打楽器陣のカッコよさなんてヤバすぎ、なかでも御大ティト・プエンテのティンバレスがすごすぎる、神かよ…。
 また、すごい演奏をしているのはティンバレスのプエンテ御大だけじゃなくて、パーカッションチーム全体がすごいです。クレジットを眺めていると、しれっとモンゴ・サンタマリアにウィリー・ボボと、とんでもない人まで入ってました。こんなのずるい。それにしても、モンゴ・サンタマリアってペレス・プラード楽団にもティト・プエンテ楽団にも参加して、のちにチャランガのバンドまで結成しちゃうんだから、50~60年代のラテン音楽隆盛の影のキーマンという感じがしますネ。。

 プレイだけでなく、アレンジや作曲面でもチラリと本物を感じるものがありました。冒頭曲「Elegua Chango」なんて、構成は組曲で、いきなりインストです。楽しげなショー・バンドのくせして最初にこれを持ってくるか…。エンターテイメントの裏でチラチラと実力をちらつかせてくるあたり、カッコいいなあ。

 ラテン音楽の50年代のプロ楽団って、ペレス・プラード楽団にしてもティト・プエンテ楽団にしても、あるいはアルゼンチンの並み居るタンゴ楽団にしても、フォークロアや学生バンドではなく、レベルの高いプレーヤー揃いのプロ楽団なんですよね。だから、やっている事が仮にエンターテイメントであったにしても、演奏が正真正銘のプロフェッショナル。音楽好きが始めた程度の60年代英米ロックやポップスとはスタートラインが違いすぎます。ここがプレスリー登場以前と以降のアメリカ世界のエンターテイメント音楽の大きな差ではないかと。
 このアルバム、ニコニコとエンターテイメントをやりながら演奏もアレンジも超プロ級のバンドがたまらなくカッコよく見えてしまった夏の午後でした(^^)。そうそう、ティト・プエンテって、陽気で熱いサルサばかりの人かというとそうでもなくて、もっとパーカッション自体を追求したような硬派なアルバムも作ってまして…その話はまたいつか(^^)。


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『Tito Puente / Dance Mania』

Tito Puente Dance Mania 1958年リリース(57年録音)、サルサ界の王者ティト・プエンテ楽団最大のヒット・アルバムです!いや~とにかく陽気なラテン・ダンス・ミュージック、聴いているだけで体が動いてしまいます( ゚∀゚)アハハ!ループする打楽器陣を聴いているだけで体が動いてきて、管楽器隊のトゥッティで踊り始めて、モントゥーノで気持ちがホッコリして…こんなの、嫌でも気分が良くなってしまいますってば。
 楽団はラテン・ビッグバンド編成で、リード・ヴォーカル1にコーラス2、ラテン・パーカッション隊4(ティト・プエンテは主にティンバレス)、ピアノ、ベース、そしてトランペット7にサックス4 でした。でかい。

 打楽器群やピアノはループに近く、これが踊りたくなる独特のグルーヴを生み出していました。ジャズでいうテーマ部分は管楽器隊のソリやトゥッティで出来ていて、これに対置されているのがコーラス・パート。歌はメイン・ヴォーカルの独唱だったりコーラスだったり、双方のモントゥーノだったり。これらの間にソリストの見せ場を作ってある曲もあって、それはティト・プエンテ本人のヴィブラフォン、ピアノ、トランペットなど。ソリストの見せ場がある場合でもダンス・ミュージックである事を相当に意識しているようで、ジャズみたいにソリストのスタンドプレーを堪能するというより、あくまで主役は踊っているお客さん、みたいに感じました。いやあ、徹してますねぇ。。

 そしてとにかくラテン系のダンス・ナンバーのオンパレード!でもご陽気なラテンのダンス・チューン満載というだけでなく、リズムひとつをとっても多様。ラテン音楽ってリズムを基準に名前が変わってくるじゃないですか。ルンバもハバネラもマンボも、リズムで名前がついてます。このアルバム、マンボでもチャチャチャでも何でもありで、バラードはムード歌謡的なものが1曲だけ(「Estoy Siempre Junto a Ti」)、短調も2曲ぐらいあっただけで(「Hong Kong Mambo」と「Agua Limpia Todo」ぐらい…でもマイナーのダンスチューンって、独特の雰囲気があっていいですね^^)あとはみんな長調。テンポはどの曲もbpm120~180ぐらい、スローナンバーなんてありません。かようにして同じものオンパレードと感じてもおかしくないはずなのに、曲によってリズムを変えてくるから、イケイケでグイグイ来るのに飽きないんですよね。う~ん、ご陽気C調だからといって考えてないわけではないんですよね、むしろ考え抜かれてると言ってもいいぐらい。

 このアルバムの作曲は12曲中7曲がティト・プエンテで、編曲も(クレジットを信じるなら)ティト・プエンテでした。ティト・プエンテって、ラテン音楽のうえにティンバレス奏者、マチートの楽団の打楽器奏者のトラに入ったのがプロデビューのきっかけという事もあって、あくまでプレーヤーであって、こと作編曲面では誰かに任せていた…な~んて思っちゃうじゃないですか。ジャズのアート・ブレイキーやエルヴィン・ジョーンズという打楽器奏者のリーダー・グループがそうであるように。ところがプエンテおじさんって、ジュリアード音楽院で指揮やオーケストレーションを専攻した人なんですよね。そこまで難しいヴォイシングを使っているわけではないにせよ、それでも管アレンジ出来るだけでも僕は尊敬しちゃいます。移調楽器のアンサンブル・スコアを書くだけでもけっこううんざりですから。。ご陽気ラテン音楽の打楽器奏者だからといって舐めちゃいけない、やってる仕事は見事にプロでした。

 ペレス・プラード楽団もそうでしたが、こういう陽気なラテン音楽って、本当に気分がスカッとして最高です!若い頃は「ご陽気」という事自体がすでに許せなかったんですが、いやいや明るくあるってすごく重要だと思います。気分が下がっている時にあげていくって、なかなか大変な事だと思いませんか?合衆国や中米のヒスパニック系の人たちの生活が楽天的なはずがありません。中米なんて世界最大の犯罪地域で死者が絶えないし、合衆国でもマイノリティです。それを明るく物事を考えるのって、ある種の宗教だと思うんですよね。同じように厳しい世界はロシアなんかもそうですが、あっちの方ってけっこうシリアスに考えちゃって、たしか世界最大の自殺大国ってリトアニアとかあのへんでしたよね。明るくいるってそれぐらい重要。
 ティト・プエンテ楽団の50年代は、躍動感は60年代以上。特にサンタナのあの曲にこだわりがないようでしたら、最初に聴くティト・プエンテ楽団の音楽なら、間違いなくこれ一択じゃないかと!…あ、サンタナが好きで入った人はちょっと違うか(^^;)>。


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『Tito Puente‎ / El Rey Bravo』

Tito Puente‎ El Rey Bravo サルサの代表格と言えばいいのかニューヨーク・マンボの王様と言えばいいのか分かりませんが、そのぐらい凄い超大物ティンバレス奏者にしてバンド・リーダーがティト・プエンテです。これは1962年発表のリーダー・アルバムです。
 フリージャズや現代音楽が好きだった若い頃の僕は、サルサやマンボといったダンス系の陽気なラテン音楽は、肌に合いませんでした。だから超大物のティト・プエンテですら名前と音楽が一致しない状態(^^;)。アメリカで売れたラテン系ミュージシャンって、とにかく大量にアルバムを出している人が多いので、どれから聴いていいか分からなかったという事もありました。そんな僕がティト・プエンテに手を出すきっかけになったのが、ロック・バンドのサンタナ。彼らがアルバム『天の守護神』で、ティト・プエンテの「Oye Como Va」をカバーして、メッチャカッコよく演奏していたんですよね。あの曲のオリジナルを聴きたいと思ってたどり着いたのが、このアルバムがでした。

 ティト・プエンテの両親はプエルトリコ出身だそうですが、プエンテ本人はニューヨーク育ち。サルサって、キューバ音楽をプエルトリカンがニューヨークでジャズとミックスさせて作ったもの、というイメージを僕は持っていますが、ティト・プエンテの出自を見るとまさにそんな感じがします。

 編成はラテン・ビッグバンドで、アフロ・キューバン調のものもあればマンボ調のものもあり、ラテンジャズ的でもありルンバ的なものももあるんだな…といった具合で、エンターテイメントに味付けされた汎ラテン音楽と感じました。とかいって、ティト・プエンテ楽団はヒスパニック系のバンドとはいえ、れっきとしたアメリカのバンドなんですけどね。
 というわけで、イメージしていた通りの陽気で元気なダンス・ラテン音楽ではあったんですが、それだけで終わる代物ではありませんでした。テンションや演奏レベルの高さといったらもう!いやあ、明るいだけなんてものじゃない、超プロフェッショナルですやん。
 管楽器セクションがキレッキレ、トゥッティのシンクロ具合は、スイング時代の名門ジャズ・ビッグバンドを凌駕するレベル。さらに凄かったのは打楽器セクションで、ポリリズム、ものすごい手数、フォルテの圧力や激しさ…とんでもない凄さでした。そういえば、チャーリー・パーカーディジー・ガレスピーといったモダン・ジャズの創始者たちも、ティト・プエンテが参加したマチート楽団から影響されまくったと言われてますよね…なんかその意味が分かった気がしました。あ、そういえばガレスピーのアルバム『Afro』にはマチートが参加してませんでしたっけ?

 というわけで、僕のティト・プエンテ初体験はこのアルバム。いい出会いから始まったわけですが、実はティト・プエンテってもっと先鋭的な音楽も、逆に土着的な音楽もやってたり、ダンス音楽系では50年代がさらに強烈だったりと、これですらほんの入り口に過ぎなかったのでした。では50年代のティト・プエンテ楽団がどれぐらい凄かったのかというと…その話はまた次回!


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YouTube チャンネル 第5回【ジェフ・ベックについて知った気になれる動画】を公開しました

Jeff Beck_ThumbNail 自分にとって未整理のまま放置していたデルタ・ブルースのレコードをまとめて聴いていたら、絡んでいた糸がスルスルと解けていく感じがしたもので、この機会にまとめておこう…な~んて思っていたら止まらなくなったのが2023年7月…このままでは今夏がブルースまみれになってしまいます。まあ、それも悪くないですが。

 というわけで、週一ペースで更新しているYouTube チャンネルですが、ちょっと目先をロック方面に変え、ジェフ・ベックのまとめ動画を作ってみました。僕が聴いてきたジェフ・ベックのアルバムのブログへの感想文掲載もほぼ終わりましたし、いい頃合いかな、と思いまして。
 ジェフ・ベックは当たりはずれの多い、ある意味で実にロックなギタリストですが、当たった時のカッコよさは尋常じゃないですね。すごい。そうそう、ジェフ・ベックも著作権が切れていないので、今回は自分でプログラミングしてBGMを作ってみました。曲はスターサイクルです!いや~あのクラヴィのパターンをピアノで打ちこむの、メッチャ面白かったです。ギターも弾こうかと思いましたが、そこまでやってたら、時間がいくらあっても足りない…。

 どのジャンルでも、プロの演奏を聴いていると痛感するのが、音色の素晴らしさと表現力の高さ、このふたつです。アマチュアって、音程(音の高さ)や音価(音の長さ)を正しく出すので精一杯で、いい音なんて気にしてない、表現に至っては、音楽に表現というものがある事すら知らなそうなものだらけ…自分のことですけどね(^^;)>。
 この音色や表現の部分で、ロックってかなり特殊なジャンルだと思っています。音色は美しさより迫力や刺激を優先、表現は過剰で過激が当たり前。問題はこの「過剰」や「過激」という部分で、やろうと思ってもなかなか出来るものじゃないのですよね。ここにすら技術が必要…ですが、それと同じぐらい感性というか人間性がモノを言うような気がします。
 人間って、全力疾走をする時も大声を出すときも、壊れてしまわないように無意識にブレーキを踏むシステムが備わっているそうですが、こういうリミッターをいとも容易く外してしまう感性…これをロックと呼ばずして何と呼ぶのでしょう。そういう「ロックのロックたる部分」を、僕はジェフ・ベックに強く感じます。音楽は変化していきましたが、この部分は、ヤードバーズ時代からずっと一貫してるんですよね。燃えるぜ。

 YouTube に掲載する動画は、知っている人も知らない人も楽しめるようにすることを心がけていますが、あとから見ると、音楽部分の説明が、楽器をやってない人にはまどろっこしい説明になっているというか、分かりやすくしようとして逆に分かりにくくなっているというか…反省です。
 過去最長の動画になってしまいましたが、ぜひ最後までお楽しみいただければ幸いです…あ、デルタ・ブルースも、いちばん大事なチャーリー・パットンを放置したままなので、近いうちにすぐ戻ってきますね。

https://www.youtube.com/@BachBach246


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コミック『ビー・バップ・ハイスクール』 きうちかずひろ

BeBopHighSchool_vol2.jpg 1983年から2003年という、なんと20年にもわたって週刊ヤングマガジンに掲載され、僕が中学・高校の時に大流行した漫画です!これと『柔道部物語』のふたつがあったもので、友人間で週刊漫画雑誌といえばヤングマガジンが定番になったのでした(^^)。不良高校生のケンカ武勇伝が中心の学園ものコミックでした。全48巻。

 主人公はトオルとヒロシというふたりの高校生で、どちらも中学時代から名の知られた不良。不良と言っても強面一辺倒ではなく愛嬌もあって、ドジを踏んだり女に振り回されたり。でもいざ喧嘩になると緊張感ある展開になって、それがまた自分たちの実生活と当らずとも遠からずなもんだから、リアルに感じてました。同じ高校生に恐喝されるとか、他校で怖いと言われてる学校があるとか、寄りたくない駅やゲーセンがあるとか、他校と揉め事になるとか、実際にありましたよね…。いろんな噂を聞いてけっこうビビってたなあ(^^;)。

 この漫画、最初の方は1話読み切りの短編、途中から数話ワンセットのユニット形式になり、後半からはあまり喧嘩をしなくなります。面白いのはユニット形式になってからしばらくで、僕的に面白く感じていたのはコミックで言うと3巻から14巻あたりまで。面白いと思ったエピソードでいうと、テルのボンタン狩り、中学生リョウとの抗争、ヤクザ並みの迫力のキクりんをトップにした立花商業との抗争、高校を退学になった柴田たちとの抗争、中学時代の先輩ゲンさんとの揉め事など。どれも緊張感があって面白かったです。白山方面との抗争あたりからはマンネリに感じ始め、詐欺師みたいな親父が出てくるようになった時には飽きて読まなくなってしまったので、最後はどうやって終わったのか知らないのです。噂では打ち切りっぽい終わり方だったらしいですが…まあ20年も連載してたらそうなりますよね(^^;)。

 僕の世代は、暴力団問題や暴走族問題が一段落したあとで、本当におっかない時代は避ける事が出来ましたが、それでもやっぱり「準備だけはしとかないと恐喝や喧嘩に巻き込まれる」という緊張感はありました。今もそうなのかな…知りませんが、まったくゼロではないでしょうしね。それを防ぐためもあって、ハッタリでボンタンを履くぐらいはレギュレーションでした。長ランやドカンは古くて、短ランやボンタンが今風、ボンタンの太もも幅は42センチを超えるとちょっと気合入ってる感じだったかな?そういうファッションの教科書は、僕たちの場合は間違いなくこの漫画でした。そうそう、この漫画に影響されて警棒を買うやつもいました…昔は中学生でも銃刀法違反にならずに買えたんですよね。
 というわけで、僕的には3巻から14巻あたりまでが推薦。懐かしいなあ。。


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映画『暴力教室』 松田優作・舘ひろし主演

BouryokuKyousitsu.jpg 1976年公開の暴力映画です。暴走族や校内暴力が社会問題になっていた時代の映画で、テレビドラマ版「愛と誠」と同じ匂い…ここまで来ると非行ではなく広域暴〇団です(^^;)。そのへんはやくざ映画の東映制作映画という事でしょうし、その他突っ込みどころは多いですが、意外や意外、そういう荒唐無稽さをはねのける面白さでした!

 暴力が問題になっている高校に、元プロボクサーである教師・溝口(松田優作)が赴任。教え子であるますみは学校の理事長の娘で、父や校長らの横領を知てしまいます。溝口と不良グループは対立しますが、その過程で溝口の妹が死んでしまいます。しかしその死は不良グループの犯行に見せかけた生徒会によるもので、生徒会を陰で操っていたのは…


 この映画、僕は松田優作の映画にハマっていた頃に、レンタルビデオ屋で借りました。教師の松田優作と不良生徒の舘ひろしのバトルものな気がして、いまいち面白そうに思えず、松田優作主演映画の中で見るのをかなり後に回してたんです。序盤はその予想が的中、ちょっとつまらない上に子どもが見たらトラウマになるぐらい暴走族の蛮行が凄惨に描かれているんですが、でも中盤からストーリーが意外な方向に向かい始め、そこからが面白かったです。最後はほとんどやくざ映画のような結末でしたけどね(^^;)。

 いま見ると(いや、当時だってそうか^^;)、不良や校内暴力や暴走族の描写が荒唐無稽に見えましたが、兄が非行に走って家がひどい状況になった経験が僕にはありまして、それを知っている人間として言うと、70年代のこの描写は当たらずとも遠からず。いま見ると日本の1970年代の世相を感じる貴重な資料という面も出てきた気がしますね。


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『ワーグナー:舞台神聖祭典劇《パルジファル》全曲 レヴァイン指揮、メトロポリタン歌劇場管弦楽団・合唱団』

Wagner_Parsifal_Levin.jpg ワーグナーの有名作といえば『ニーベルングの指輪』4部作だと思うのですが、僕にとっては『トリスタンとイゾルデ』が最高傑作、次いで『パルジファル』と思っています。これは、ジェイムズ・レヴァイン&メトロポリタン歌劇場管弦楽団による『パルジファル』の録音です。レヴァインはバイロイト音楽祭で『パルジファル』の棒を振ったことがあるので、それを自分が常任指揮者となっているメトロポリタンに持って帰って演奏したという事かな?素晴らしい録音と演奏で、テンポが少しゆっくりなので最初は「大丈夫かな?」と思ったんですが、第1部の場面転換以降はあまりの音の迫力に魅了されてしまいました。

 パルジファルは、ワーグナー最後の作品で、題材が宗教的です。というわけで、オラトリオみたいに厳かな宗教音楽的な楽劇が聴けそう…と思いきや、音楽も物語も意外といつものワーグナーに近いロマン派テイストでした。物語も、宗教的とはいっても「聖なる王や騎士たちがエロい魔物に誘惑されてエッチしちゃって、いっしょうけんめい守っている聖杯を奪われそうになる」みたいな話ですし(^^;)。宗教というより、生と死と救済というキリスト教圏にあるロマン派の普遍的なテーマを扱った楽劇なんじゃないかと感じました。

 音楽部分で好きなのは、第1幕では前奏曲(ちょっと厳か)、舞台転換の音楽(鐘の音のクレッシェンドはぞわっとくる!)とそれ以降の合唱部分。以降しばらくは強烈に素晴らしくて、背筋がゾクゾク来る音楽が続いて、「わが肉を取れ」の合唱部分に抜けた瞬間は鳥肌もの。でも、第2幕と3幕には、僕が好きだと思う音楽はなかった(^^;)。。

 そして、パルジファル自体について。若い頃、ワーグナーの楽劇は、はっきり言ってつまらないと思いました(^^;)。だいたい、オペラもロマン主義も肌に合わないのに、その両方の極めつけのようなワーグナーを面白いと感じた方がうそですよね。でもそれって、音楽や物語だけでは、ワーグナーのこういう総合舞台みたいなものは理解できないという事だったのかも。久々に聴いて感じたのは、パルジファルは物語だけでも音楽だけでもダメで、テーマ自体が重要なんじゃないかという事でした。
 この物語を要約すると、命を長らえる聖杯をめぐる話で、王や聖なる騎士はこれを守ろうとし、邪の者はこれを奪おうとします。で、エロスに翻弄されて聖者側は翻弄されます。そこに現れたのがパルジファルで、かれはこの色仕掛けに打ち勝ち、最終的には悪の側のものまでを含んだすべてのものが救済されます。これをさらにまとめると、生と死と救済がテーマ…ですよね?知らんけど。
 というわけで、生とは、死とは、そしていずれ死にゆく俺たちにとっての救済とは、という所自体が問題なのだと思いました。だから、音楽や物語はあくまでこの大テーマに対するワーグナーの見解を表現するツールにしか過ぎないんじゃないかと。重要なのは、テーマそのものと、それに対するワーグナーの見解なんじゃないかと。

 ただ、この見解を現代人が共有できるかというと、それはまた別問題なんでしょう。そこを分かったうえで、やっぱり僕にとっては、ワーグナーの「音楽」として、これはトリスタンと双璧を成す傑作じゃないかと思っています。プラシド・ドミンゴとかジェシ・ノーマンとか、錚々たる出演者に目が行きがちですが、本当にヤバいのは合唱…こんなの感動しちゃうって(^^)。


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『ワーグナー:楽劇《ニュルンベルクのマイスタージンガー》 サヴァリッシュ指揮、バイエルン国立歌劇場管弦楽団、バイエルン国立歌劇場合唱団』

Wagner Nurunberg no Meistersinger_Sawallish ワーグナーの楽劇は聴くまでが大変。DVDだと映画2~3本分を一気に見るぐらいの覚悟が必要、CDで楽しむにしても4枚組ぐらい当たり前で、週末に「よーし今度の土曜日曜はワーグナーのあれを聴くぞ!」ぐらいの気合いがなければターンテーブルに載せる気にすらなれません(^^;)。とはいってもロマン派のオペラですから面白いどころか娯楽性もそれなりにあって、観賞しはじめてしまえばあっという間。しかも、「ニュルンベルクのマイスタージンガー」は、ワーグナーの楽劇の中では珍しく明るく楽しい話なので、比較的聴きやすい作品だと思います。

 僕がこのCDに手を出したのは、実はワーグナーやこの作品への興味ではなく、マイスタージンガーについて知りたかったからでした。ドイツはギルドや専門職化の進んだ国で、マイスターはスペシャリストのトップ。日本の「親方」みたいな感覚だそうです。このマイスター文化の中で、親方たちが歌を競うという文化が生まれて、マイスタージンガーはそこで用いられるマイスターの称号。この楽劇に出てくるハンス・ザックスは実在したマイスタージンガーで、本職は靴屋。マイスタージンガーの中でも有名な存在で、何千という歌を作ったと言われてます…本職より趣味に走る人ですね(^^)。そして彼らの音楽のルーツがドイツの吟遊詩人ミンネゼンガーにあるということで、僕はマイスタージンガーの歌を聴いてみたかったのです(^^)。

 金細工師の娘エヴァにひと目ぼれした騎士階級のヴァルターは、彼女に求婚できるのは、ある祭りの歌合戦に優勝したものという事を知ります。しかしその歌合戦に参加する資格があるのはマイスタージンガーだけ。歌の素人のヴァルターですが、知人を辿って歌の作法を身につけ、いざマイスタージンガーの試験にトライ。しかし…まあこんな感じで色々あって、最終的にヴァルターがマイスタージンガーの称号を得てエヴァと結ばれハッピーエンド。ワーグナーの楽劇とは思えないほど大衆的、しかもおめでたいお話です(^^)。

 僕が持ってるのは、サヴァリッシュ指揮、バイエルン国立歌劇場の専属オケの演奏、93年録音の日本盤なのですが、エヴァ役のシェリル・ステューダーのソプラノがめちゃくちゃすごい!エヴァの出番はそんなに多くないんですが、このソプラノを聴くだけに買ってもお釣りがくるほど素晴らしい!!いや~まったく考えてもいなかった所に感動させられてしまいました。。
 オケは劇場つきのオケですが、さすが名門、こなれてる感じで、これもそこまで期待してなかったのになかなかでした。バイエルンにある歌劇場だと地元の英雄ワーグナーなんて何十回も演奏しているんだろうし、十八番なのかな(^^)。ただ、オケピットに入ってるのか、音が明瞭でなく、金管が小さいなどのバランスの悪さも感じました。これはオケじゃなくて録音の問題なんでしょうね。スコアは、物語の喜劇性も影響しているのでしょうが、全体が長調系で優雅。「ワルキューレ」や「トリスタンとイゾルデ」とはかなり雰囲気が違って、「これ、ワーグナーじゃなくてリヒャルト・シュトラウスのオペラだよ」と言われたら信じてしまいそう。ワーグナー的なものを聴きたい場合は、最初に「マイスタージンガー」を選ぶのは避けた方がいいかも。
 このCD、アマゾンだと輸入盤しか無いんですね…この曲の録音の中では名盤扱いされてきた名演のひとつと思うので、ちょっと残念。でも僕が持ってるのは、すべてのドイツ語歌詞&日本語訳がついている日本盤ですので、日本語訳のついている盤がないわけではありません。ドイツ語が分からない人は、日本語訳つきの日本盤の入手をお薦めします。いかに名作と言えど、4時間も内容が分からなかったら絶対に面白くないと思うので(^^)。


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『Jaco Pastorius / Word of Mouth』

Jaco Pastorius Word of Mouth これはすばらしい!フュージョンが苦手な僕ですら「すげえ」と驚かされ、スケールの大きさやイマジネーションの豊かさに感動したアルバムです!僕的なジャコ・パストリアス最高傑作はこれ、1981年発表の『ワード・オブ・マウス』です!!

 1曲目が、ドラムとベースだけがひたすら高速にリズムをキープして、あとはフリーというフリージャズ的な音楽で、めちゃカッコいい!しかも、ただフリーで終わるのじゃなくて、要所でホーンセクションのトゥッティが入って、全体の構造が崩れないのがいいです。イマジネーションとして機能和声とインテンポの奴隷のような狭い世界に閉じていたように思えたフュージョン的な世界が、いきなりこれでぶっ壊せたのが素晴らしかったです。
 そして、おそらく多くの人が感動しただろう「3 Views of a Secret」は、創造力の塊。よくこんな音楽をイメージできたものです。ブラジル音楽をビッグバンドで演奏したような、そしてそこにフュージョンの作りあげた透明感あるエレクトリックな音が混じります。いやあ、1曲目との対比も素晴らしくて、ゾクッと来ました。僕的には、夭逝してしまったジャコパス生涯最高の成果は、「3 Views of a Secret」を生み出した事だと思っています。
 他にも、エレベで演奏できるとは思えないバッハのフレーズを演奏している「Chromatic City」などなど、ロック的なフュージョンのうしろにビッグバンドアレンジやクラシック、はてはチマチマしがちなフュージョンのなかでスケールもビートもアウトしていくフリージャズのようなセンスも要所に見えました。いや~これは素晴らしい、素晴らしすぎるよ。。

 フュージョンやクラシックのギタリストにありがちな指先だけのオタク・プレーヤーになってもおかしくなかったジャコ・パスさんの内側で、こんなに壮大で幅広い音楽が鳴っていたなんて、感動です。こんなに素晴らしいアルバムを作ってくれて本当に有難う!でもジャコパスさん、泥酔状態で乱闘事件を起こして意識不明、そして帰らぬ人になってしまいました。これだけ素晴らしいアルバムを作りながら、生前のジャコパスさんが作ったリーダー作はたった2枚。1枚目から2枚目のステップアップ幅がすごかっただけに、生きていたらどれぐらい素晴らしい音楽を聴かせてくれたのかと思わざるを得ませんでした。麻薬よくない、やめるヨロシ。これは必聴、ジャズとかフュージョンとかそういう概念を超えた、素晴らしい音楽でした!


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『Jaco Pastorius』

Jaco Pastorius フュージョン時代のエレキベースギター奏者ジャコ・パストリアスのデビュー作です。76年発表…80年代発表かと思ってましたが、意外とはやいんですね。ジャコパスって、パット・メセニー・グループやウェザー・リポートに参加していたし、ベースギターにいろんなエフェクターをかけて演奏していたので、聴く前はフュージョンの人というイメージが強く、自分からはなかなか興味が持てずにいました。でもベーシストの先輩が「好きとか嫌いじゃなくて、ジャコパスぐらい聴いとけよ」と、このアルバムを貸してくれたのでした。

 ベースのアドリブ大フィーチャーの曲が何曲か入っていて、そこでベースを演奏しまくるんですが、そのアドリブというヤツが…デュナーミクもテンポも常に一定で、ピアノもフォルテもなし。3連を挟む事もシンコペーションを作ることもないのでリズムが死ぬほど単調。エフェクターかけすぎてどうやって演奏しても音色がぜんぶ同じなので、音色面での表現は出来ない。和声はクソみたいに単純…僕がフュージョンでいやだなと思う面が全部入っていました(^^;)。スケールに合わせて16分音符をひたすら弾いてれば「おおっ!」と思ってくれるアマ・プレイヤーご用達の音楽って感じでした。

 やってる音楽も、サム&デイブがヴォーカルを取ってたり、ブラザーズ・ジョンソンあたりのディスコ系ファンクみたいな曲が入ってたり。これってジャズどころかフュージョン以前の産業ポップスじゃないか…。フュージョンの人って、こういう所でガキくさく感じちゃう人が多いんですよね。「ドラえもんにもいい話がある」と力説する大学生みたいな精神年齢の低さとを感じるというか。

 ところが、ジャコパスに対するこの良くない印象は、『ワード・オブ・マウス』というアルバムで僕は完全に吹き飛ばされたんですが、その話はまた次回!


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書籍『グスタフ・マーラー 全作品解説事典』 長木誠司

GustavMahler_ZensakuhinKaisetujiten_ChoukiSeiji.jpg クラシックの音楽学者の長木誠司さんが書いたマーラーの作品解説書です。ハードカバーのA5判、譜例も多く、マーラーの楽曲自体のアナリーゼの参考書にするならうってつけの本ではないでしょうか!

 音響の構造分析は、これまで僕が読んできたマーラー本の中では最強クラス…いやあ、作曲家でない人にここまできちんとアナリーゼされると、敬服してしまいます。。形式のアナリーゼ、譜例を用いた主題などの明示など、本当に参考になりました!すげえ。
 また、各楽曲の創作背景なども実に詳しく書かれていました。他の作曲家や詩人などとの関連は脚注を用意してビッシリ書き込まれていて、マーラーの音楽を聴くなら、この本を片手に聴けばかなり理解が深まりそうです。あ~もう少しこの本に早く出会いたかったな。。
 一方で、村井翔さんや柴田南雄さんの本のような、独創的な踏み込みはありませんでした。これは学術本に近いものにするために、正しいとは言い切れない独創的な推論には踏み込めないのかも知れませんね。

 いやあ、これはすごい…現代音楽方面の書籍で僕は長木さんにずいぶんお世話になったことがありますが、長木さんっていったい何者なんでしょうね。マーラーが好きな人は、ぜひ持っておきたい本ではないでしょうか。いやあ、マジでもう少し早くこの本に出会いたかったな…。


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書籍『グスタフ・マーラー ~現代音楽への道~』 柴田南雄

GustavMahler Gendaiongaku heno Michi_SibataMinao これもマーラーについての本で、著者は作曲家の柴田南雄さんです!最初に現代(と言ってもこの本が書かれたのは1984年)のマーラー・ブームと、マーラーの簡単な略歴が書かれ、以降は作品の解題という内容でした。

 さすがは作曲家さんだけあって、きちんとアナリーゼされた作品論でした。そのうえで、音楽を学んでいない人でも理解できるよう解説を平易に書いてあるので、すごく読みやすかったです。

 またそのアナリーゼが音響内の構造だけではなく、マーラーの思想や意図との繋がりにまで踏み込んでいるのが素晴らしかったです。村井翔さんのマーラー本もそうですが、こういう所は推測を含むので絶対にはなれないと思いますが、でも知性ある人の考えって、読んでいるだけで「なるほど~」って思わされるものがあります。こういう本をいっぱい読んでたら、自分も引き上げてもらえるんだろうなぁ…。

 クラシックって、演奏する時は最初に作曲家やその作品について調べてから取り組むんですが、若いころにこの本を読んだ時は、それをどうやればいいのかよく分かっていなかったもので、すごく勉強になりました(^^)。ページ数は少ないけど内容が深い、実にいい本でした!



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書籍『マーラー(作曲家・人と作品シリーズ)』 村井翔

Mahler_MuraiShou.jpg 作曲家マーラーについての本です。前半がその生涯を追っていて、後半が作品についての筆者の作品評となっていました。筆者の村井翔さんは早稲田大学文学部教授で、専門は20世紀オーストリア文学などだそうです。

 前半の生涯編は、読みやすいながらもかなり深く踏み込んでいて、これを読むだけでかなりのマーラー通になれた気分 (^^)。フロイトとの関係も、アルマ・マーラー(マーラー夫人です)の事もよく知らなかったもので、なるほどそういう関係だったんだなあ、みたいな。
 特に面白かったのは後半の作品評でした。楽曲のアナリーゼではなく、その作品の背景について述べられていました。たとえば、「マーラーの全作品は一人の人間の人生の軌跡をそのままたどっている」(p.172)とか、シンフォニー3番は永遠回帰がモティーフになっているとか、そういう事を論考を積み上げて書きあげている感じ。いわば標題音楽としての文学的な読み解きでしたが、このへんは筆者さんが音楽家ではなく文学部の教授先生である事によるのでしょうね。
 ただ、この作品論は、僕とは反りが合いませんでした。だって僕が好きなマーラーのシンフォニーは2番と8番なのに、そのふたつを論外としてますからね(^^;)。このへんは、後期ロマン派音楽を文学的に眺める人にはそう映るという事かな、なんて思ったりして。

 高くもなく、大きさもコンパクトな本でしたが、内容はかなり濃かったです!いかにも音楽家じゃない人の音楽論でしたが、そういう人じゃないと見えてこないものもいっぱいあるんだ、と思わされました。ただし文化脈絡的な読み解きメインなので、多かれ少なかれ異論反論を感じる類の本と思いますが、仮に自分とは違う意見であったとしても、きちんと論考を積み上げて書かれた本って面白いですよね。素晴らしい本でした!
 

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YouTube チャンネル サン・ハウス第2弾をアップしました!

Son House_The Legendary 1941-1942 Recordings_ThumbNail おかげさまで「心に残った音楽」YouTube版も第4回。とか言って、始まって以来デルタ・ブルースしか取りあげてませんが。。今回はサン・ハウスの第2回です。このブログですでに書いたものですが、やっぱり音と絵が使えるのはいいですね。ご笑覧いただけると有難いです。
 あ、またギターを弾くのは面相くさかったもので、BGM は前回の流用…一応サン・ハウスの曲という事でご容赦のほどを。。

 原稿自体はすでにブログに書いたものなので、これぐらいシンプルな動画ならもっとサックリ作れると思ってたんですよね。僕、YouTube 用の動画制作の仕事もたまに請け負っているんですが(仕事の依頼ください^^)、仕事ではさすがに丁寧に作りこむので、たしかにすごく時間はかかるんです。でもこれぐらいシンプルなものでもこんなにかかるようだと、本当に週1ペースで精いっぱいかも…。それでも、今回から全編にわたって語り部の葵ちゃんと茜ちゃんがまばたきする仕様にしました。めんどくさくて、イントロ部分でしかまばたきさせてなかったんですよね。面倒くさがらず、気づいた事から少しずつでも改善していかないと。。

 金曜の夜8時アップが定番になってきましたが、そのタイミングって僕的には思い出深いからいいかも知れません。だって、ワールド・プロレスリングの放送時間帯でしたからね。猪木ばんざい!あ、もし楽しんでいただけたようでしたら、チャンネル登録いただけると有難いですm(_ _)m。。

https://www.youtube.com/@BachBach246


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『サザンオールスターズ / バラッド ‘77~’82』

SouthernAllStars_Ballad.jpg サザンオールスターズが発表した初期のベスト盤で、バラードを集めた2枚組です。これを最後にレーベルがInvitation からタイシタレーベル(大したレーベルって^^;…もちろんサザンのレーベルです)に移るので、Invitation 時代の総決算という意味があったのではないかと。まあ、移籍といったってどちらもビクター内レーベルなので、部署転換ぐらいなニュアンスなんでしょうけど。

 なんで初期の総決算となるベスト盤をバラッド限定にしたのでしょうか。僕の勝手な想像ですが、サザンのリーダーである桑田佳祐さんがユーモアたっぷりな人だし、またそのユーモアを前面に出した曲もヒットしていたので、下手したら夏のイベントバンドかコミックバンドぐらいに思われてもおかしくなかったバンドだと思うんですよね。それを「サザンっていい音楽だよね」という方向に引き寄せるには、いわゆるいい音楽を押す必要があったんじゃないかと。僕が学生の頃、友人たちはみんなこのアルバムを聴いていて、誰も彼も「サザンの曲っていいよね」と思うようになってたんですよ!でもよくよく考えてみれば、「勝手にシンドバッド」でデビューした頃は「桑田佳祐って面白いよね」でした。というわけで、もし音楽面でのアドバンテージを伝えたいのであれば、たしかに「バラッド」効果はあったんじゃないかと。

 久々にこのアルバムを聴いて感じたのは、70年代後半から80年代初頭ぐらいにあった日本の若者文化の匂いがどこかに感じられる曲がけっこうある事でした。恋愛観ひとつとってもそうで、僕はそういうサザンが好き。大学生たちが部屋に集まってインスタントラーメン食べながら麻雀するとか、深夜のラジオ放送を聴きながら勉強するとか、デートした帰りに別れがたくてマクドナルドに立ち寄ってずっと一緒にいるとか、部活で汗流して帰りにみんなでいつまでも話してるとか、そういう日常の中にしみ出した当時の日本に染みついていた若者文化、みたいな。「ラチエン通りのシスター」については以前に書いたとおりですが、「恋の女のストーリー」「別れ話は最後に」「恋はお熱く」あたりにも、そういうことを感じました。僕が好きなサザンって、きたない部屋にたむろして未来を夢見てる若者が作った音楽であって、バブル期の洒落たサウンドや、スタジオでこねくり回したニューウェーブ的なものじゃないんですよね。

 初期のサザンに関しては、ある音楽ディレクターさんが話していた言葉が耳に残っています。「新人バンドをどうやって売り出すか」みたいな話の流れで、その方が「なんだかんだ言っても、サザンオールスターズみたいなバンドですら、初期にバーニングが関わってなかったらあそこまでメディアに露出できたかどうかは怪しい」みたいに話されていたんです。僕は単なるプレーヤーだったもんで、そういう芸能界チックな話に疎かったんですが、なるほどそういう話ってゴシップ週刊誌ネタじゃなくて、今自分が働いている世界で実際に起きてることなんだなあ、なんて思った若い頃の僕でした。アミューズやサザンがここまで長生き出来た理由って、早い段階でそっち系と手を切ったところもあったのかも知れません。悪習を引きずったまま力でどうにかしようとしていると、ジャニー…いやいや、この話はこのへんで。。


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『サザンオールスターズ / タイニイ・バブルス』

SouthernAllStars_Tiny Bubbles 1980年発表、サザンオールスターズのサード・アルバムです。このアルバム、裏ジャケットに猫の顔が5つ写っていて、それぞれの下に「Keisuke Kuwata」とか「Yuko Hara」とか書いてあるんですよ(^^)。こういうユーモアが最高に面白いのと同時に、このユーモアがコミックバンドすれすれのところにバンドを追いやった要因のひとつでもあったんじゃないかと…いやいや、そのユーモアを含めサザンですね!

 ただ、なんでこういう事をやったのか、なんとなくわかる気もしました。桑田さん自身がそういうユーモアにあふれる人だったというのは勿論あるんだろうけど、やらないわけにはいかなかった事情もあったんだろうな、みたいな。やっぱり演奏のうまいバンドじゃないんですよね。それは音楽も…このアルバム、「涙のアベニュー」という素晴らしいバラードが入ってますが、アレンジにしても何にしてもフィフティーズそのままでもあります。こうした「○○風」という傾向は他の曲にも言えて、常に何かの真似に聴こえました。

 ロックやポップスが好きで、サークルに入って、好きな音楽をカバーして、自分でも曲を書いてみて…みたいなバンドがいたとしたら、好きだったバンドや曲のコピーは自然だと思うんです。でもそれってアマチュアのうちはいいけど、自分の名前を出して金をとるプロの側に回ったら、「○○風」はだんだん通らなくなっていくじゃないですか。それが顕著になってきたのがこのアルバムなのかも。ボブ・ディランビートルズも、最初は他の人の曲をたくさんやっていましたが、サード・アルバムでは全曲オリジナルになっていましたよね。それはカバーでないという事でなく、自分なりバンドなりのアイデンティティが確立された瞬間である、という意味です。そう考えると、ロックやポップスのグループのサード・アルバムって、アイデンティティの確立が迫られる頃合いなのかも知れません。

SouthernAllStars_Tiny Bubbles_Ura 口でいうのは簡単ですが、でも物真似から脱する何かがないとしたら、何か他のところに自分を求めに行かざるを得ないんじゃないかと。このアルバムには「恋するマンスリー・デイ」なんていうレゲエのビートを真似た曲も入ってましたが、レゲエ的な何かがこのバンドの内側から出てくるはずもなくて、形だけ似せて取り繕ってるだけに聴こえました。そういうのって真面目にやればやるほどボロが出るというか。
 
 セカンド・アルバムまではバンドの一体感みたいなものを感じたんですが、このアルバムになると悪い意味で慣れてきたというか、変な意味でお仕事になってきたというか、リーダーに言われた事をやっておしまい、みたいな演奏に感じました。それがうまければまだいいんですけど、うまくないからもう…。サザンには「音楽が好きで好きでたまらない」といういい意味でのアマチュアイズムを失って欲しくなかったと思ってしまったのがこのアルバムで、サザンってバンドとしてはセカンドまでだったのではないかと感じます。
 このアルバムで僕がいいと思ったのは「涙のアベニュー」と「C調言葉にご用心」の2曲でしたが、この2曲だけだったらベスト盤『バラッド』にも入っているし、このアルバムはもうお役御免かな…。


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『サザンオールスターズ / 10ナンバーズ・からっと』

SouthernAllStars_10Numbers carat 1979年発表、サザンオールスターズのセカンド・アルバムです。「いとしのエリー」が入っているアルバムで、「勝手にシンドバッド」で話題をさらったサザンオールスターズの人気を決定づけたのは、「いとしのエリー」とこのアルバムだったんじゃないでしょうか

 のちに出たオムニバスやテレビやラジオから聴こえてくる曲を聴く限りで言うと、僕はバンドとしてのサザンは初期が好きです。サザンって演奏がちょっとアレですが、初期はその弱点を補って余りある熱気、勢い、一体感を感じるんですよね。デビュー曲「勝手にシンドバッド」なんてその最たる例ですが、このアルバムのラテン調の曲「気分次第で責めないで」や「思い過ごしも恋のうち」、黒っぽいリズム隊がカッコイイ「奥歯を食いしばれ」にも同じことを感じます。演奏が熱いんですよ!

 僕がサザンオールスターズの曲の中でも特に好きな曲「ラチエン通りのシスター」が入っているのも、このアルバム。ミドルバラードのこの曲、音楽的にはサビのメインメロはコーラスに任せてフロントのヴォーカルがフェイクを入れるという構成。この男女ヴォーカルが入れ替わるのはサザンの得意パターンでもあるんですが、それ以上に歌い始めの「呼べばすぐに会える、でも見つめるだけでもう…」のメロディと詞が抜群。どう聴いても心の底から出た嘘のない言葉、こんなの胸に響いちゃうって…。なんでもこの曲、桑田さんが昔つきあっていて、将来は結婚したいとすら思っていた彼女のことを思い浮かべて書いた曲だそうです。実際に、そういう思いが伝わってくるいい詩だと思います(^^)。
 バラードという意味で言うと、「いとしのエリー」は極めつけ。79年ごろで言えば、矢沢永吉「チャイナタウン」とこの曲は、なんていい曲なんだろうと思って、ドーナツ盤で何度も聴いていたものでした。どちらも兄が買ってきたんですけどね(^^)。小3ぐらいだったかな、耳コピして学校のピアノを勝手に使って弾いてたなあ。。

 カレッジバンドみたいな言い方をしましたが、多くのロックバンドって元々そういうものだったと思うんですよね。ビートルズビーチボーイズだって似たようなものだったろうし、技術ではプロにかなわないアマチュア・バンドの良さって、好きで好きでたまらない人たちが音楽をやっているというハートの部分だと思います。それが演奏のまずさを補って余りある表現とか一体感になって出てくるというか。それが初期サザンの良さなのだと、僕は思っています。絶対にこの人たちはロックやポップスが大好きだったのだろうし、またそれを楽しんでいましたよね(^^)。


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『サザンオールスターズ / 熱い胸さわぎ』

SouthernAllStars_AtsuiMunasawagi.jpg 1978年発表、日本の夏バンドの代表格・サザンオールスターズのデビュー・アルバムです!デビューシングルとなった「勝手にシンドバッド」のほか、ボッサ調のAメロが印象的な「別れ話は最後に」などを収録

 聴いた瞬間に、この曲が流行った頃がフラッシュバックして涙が出そうになったのが、デビュー曲「勝手にシンドバッド」。当時僕はまだ小学校低学年で、この曲の「いま何時?」というのが面白くて、友人間で流行ったんです。もうね、そろそろ遊びから帰らなくちゃいけない時間になると、間違いなくこの歌の調子で誰かが「いま何時?」と訊くんですよ(^^)。もちろん、「そ~ね大体ね~」と返すのがお約束で、マジメに答える奴がいると「サザンしらね~の?」みたいな。あの頃は何もかも楽しかったな。。

 でもって、「勝手にシンドバッド」の頃のサザンオールスターズって、70年代から80年代に入っていくあたりで起きた、ちょっと浮かれたような悪ふざけな若者文化の匂いがしていたんですよね。ろくに大学も行かずに麻雀ばかりやっている大学生、ユーモアたっぷりの刑事ドラマ『探偵物語』、客をすらいじり倒すビートたけしの毒舌漫才、「まらさきむんこ」のスネークマンショー…大人から切り離された独特の心地よい居場所で生きて、友達とバカ騒ぎしてゲラゲラ笑うような楽しさ、その中の大事なワンピースがサザンでした。こうした悪ふざけの楽しさって、「女呼んで抱いて揉んでいい気持ち」の「女呼んでブギ」が典型的。「揉んで」って。。

 こうしたユーモアが面白いだけに、サザンって下手したらコミックバンドに終わってもおかしくなかったと思うんですが、そうならなかっただけの豊かな音楽が、このアルバムには入っていました。バラード以外の曲は、深く追求したというより、ポピュラー音楽が大好きで聴きまくって演奏しまくっていたんじゃないかと思ったり。音楽が好きでたまらない学生バンドをやっていた人は、みんな似た経験をしていると思うんですよね。自分の個性とかなんとかじゃなく、とにかく好きな音楽をやって楽しむ、みたいな。この頃のサザンも、コードやメロディを一から自分で作ったというより、フィフティーズならフィフティーズ、ラテンならラテンみたいに、先に真似する元ネタを想定して曲を書いていたと思うんですよね。そのへんにカレッジバンドの楽しさを感じましたし、自分たちが楽しんでいるのが演奏にも曲にもあらわれている、みたいな。

 良くも悪くも、バンドとしてのサザンオールスターズって、アルバムで言うと最初の2枚だったと思っています。以降もいい曲はいっぱい生まれましたが、バンドというよりもスタジオワークになってしまったり、桑田佳祐プロジェクトになってしまったり、大仕掛けの舞台演出を施したエンターテイメント・ショーになったり。そうこうしているうちに、バンドの命運を決定づけるようになった「いとしのエリー」が飛び出して…その話はまた次回(^^)。


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『Jeff Beck Group』

Jeff Beck Group 1972年発表、第2期ジェフ・ベック・グループが発表した2枚目のスタジオ・アルバムです。この手のバンド名だけが冠されたアルバムって、あとからあだ名がついたりしますが、このアルバムの場合はジャケットにオレンジが写っていることから、『オレンジ・アルバム』なんて呼ばれることがあります。メンバーチェンジはまったくなし。それだけ信用していたメンバーだったのかも知れません。

 それにしても、このアルバムの1曲目を聴いて、コジー・パウエルって本気で叩くとメッチャうまいと思いました。こういうドカドカ系のドラムでいえば、ジョン・ボーナムすら凌駕してるんじゃないか、みたいな。

 このアルバム、カッコいい曲や演奏もあるけど、シンプルなロックンロールやったり、アトランティック・ソウルっぽいのをやったり(これ、誰が書いてるんだろう…なんとボブ・ディランでした^^;)、前作ほどにはディレクションがはっきりしていないと感じました。音楽やギターから判断するに、ジェフ・ベックって、そこまで物事を練りあげず、勢いでやっちゃうタイプの人だと思うんですが、それをやるといい方に出る事もあるだろうけど裏目もありそう。
 このアルバムの場合、バンドがまだいい演奏をできるレベルまで来ていない音楽に手を出してしまい、裏目に出たって感じですかね(^^;)。ロックが足りない、朗々と歌ってないで、もっととんがって弾きまくって欲しいと思ってしまったのは、ファンのわがままでしょうか。。

 アルバムの半分がカバー曲、うち曲か演奏のどちらかが面白いと思った曲は9曲中4曲…う~ん、これはジェフ・ベック贔屓な人ならオッケーな数字かも知れないけど、そうでない人にとっては、「ちょっと物足りないな」と感じてしまう数字かも。このアルバムのあと、ジェフ・ベックはバンドを解散して、翌年に自分がずっと切望していたティム・ボガートとカーマイン・アピスと組んだグループ「ベック・ボガート&アピス」を結成するので、もしかすると心ここに有らずだったんじゃないかな…。というわけで、第2期ジェフ・ベック・グループを聴くなら『Rough and Ready』が優先かな(^^;)。


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『Jeff Beck Group / Rough and Ready』

Jeff Beck Group Rough and Ready 1971年発表、メンバーを総入れ替えして生まれ変わった第2期ジェフ・ベック・グループの最初のアルバムです。目立った有名プレーヤーはドラムのコージー・パウエルですが、彼に限らず演奏がみんな素晴らしかったです!あいかわらずヴォーカルはいるけど、このアルバムから古いロックの匂いが消え(僕の主観ですけどね^^;)、音楽がかなりインスト・フュージョン時代のジェフ・ベックに近づいて、ここがカッコよかったです!

 ワウを噛ませたカッティング・ギターや、転調を絡めたソング・ライティングに、ファンクやモータウンやニューソウル、そしてフュージョンといった同時代のブラック・ミュージックの匂いを感じました。このアルバムがリリースされた71年って、フュージョンの世界では、ジョン・マクラフリン擁するマハビシュヌ・オーケストラや、ウェイン・ショーターやジョー・ザヴィヌル擁するウェザー・リポートがデビューした年です。チック・コリアが『リターン・トゥ・フォーエヴァー』を発表したのも翌72年なので、エレクトリック・マイルスのような尖鋭的なエレクトリック・ジャズではなく、ロックな弾きまくり系フュージョンが全盛になった時期でもあったんですよね。
 このフュージョンのブームは、ソウルをはじめとしたブラック・ミュージックにも影響していて、フュージョン系のミュージシャンを起用していました。スティーヴィー・ワンダー『トーキング・ブック』のリリースは翌72年だけど、プレイヤーにはデヴィッド・サンボーンをはじめフュージョン系のミュージシャンの名前がありますし、。ロバータ・フラックがいよいよ注目され始めた71年のアルバム『クヮイエット・ファイア』は、ビルボード誌ではR&B部門だけじゃなくてジャズ部門にもはいっていました。

 ジェフ・ベックはこのアルバムから、そういう音楽にも反応しはじめて、ジャズやフュージョンで使われていた作編曲技法の導入は、このアルバムにも大々的に取り入れられていました。特に部分転調を多彩に織り込むソング・ライティングはかなりイケていて、60年代までのロックとは隔世の感。これらの曲の書いているのは、そのほとんどがジェフ・ベック自身でした。へえ、ペンタトニックを多用するギタースタイルなのに、そういうスタイルだとなかなか演奏が難しそうな曲を自分で書いちゃうんですね。そういうクリエイティブなところ、素晴らしいです。

 そして、こういう音楽なのに同時代のブラック・ミュージックのコピーバンドに聴こえないのは、ジェフ・ベックのギターの個性ゆえと感じました。たとえば、これでギタリストがナイル・ロジャースやカーティス・メイフィールドだったら、真っ黒な音楽に感じたと思うんですよね。
 ジェフ・ベックって、タッピングをするときも綺麗に整えるのではなくて、1音1音が立つようバシバシとタップするし、トレモロアームを使う時も綺麗なヴィブラートをかけるのではなく、リッチー・ブラックモアもビックリなほど極端に振幅を大きくするじゃないですか。ベンドにしたって、やっぱりそうです。うまさよりもインパクトを優先するからこうなると思うんですけど、これこそジェフ・ベックのセンスだと思うんですよね。ギターをえげつなく弾くもんだから、良い意味ですごくロック、クソカッコいいです…ジェフ・ベックって本当に素晴らしいなあ。。

 ジェフ・ベックを聴いていると、ロック・バンドのフロントマンは、うまく演奏するより強烈なインパクトを与える事の方がだんぜん重要なんだと思わされます。このバンドだって相当うまくて(ヴォーカルのボブ・テンチが弱いって言う人をたまに見かけますが、声質を含め素晴らしいと思うんだけどなあ)、もしかするとジェフ・ベックが一番下手なんじゃないかとすら思うんですが、でももしこのバンドのギタリストがトミー・ボーリンあたりだったらどうだったかと考えると、普通すぎてフックのない平均点の音楽になっていた気がします。フュージョン時代のジェフ・ベックのアルバムがあまりに素晴らしすぎて目立たない時期ですが、いやいや素晴らしいアルバムでした!


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『Jeff Beck / Beck-Ola』

Jeff Beck Beck-Ola 1969年発表、ジェフ・ベックのセカンド・アルバムです。メンバーはファースト・アルバム『Truth』とほぼ同じで、ヴォーカルのロッド・スチュワートは健在。違うのは、ドラマーが入れ替わった事と、ゲスト扱いだったピアノのニッキー・ホプキンスがメンバーに昇格した事でした。

 ファーストとセカンド時代のバンドは、第1期ジェフ・ベック・グループなんて呼ばれていますが、そう呼ばれるだけあってファーストとセカンドは同種の音楽でした。しいて言えば、セカンドの方が一貫性が強く、そしてややハードロック的かも。その中でも屈指の曲であり演奏と思ったのが、「Spanish Boots」とインストの「Rice Pudding」でした。「Spanish Boots」はジェフ・ベック、ロッド・スチュワート、ロン・ウッドの共作となってましたが、平歌部分の強烈な個性は絶対にジェフ・ベックだと思います。だって、ジェフ・ベックって、ギターソロでこういう事よくやりますからね (^^)。それはやっぱり共作の「Rice Pudding」も同じで、曲のフックになっている部分はジェフ・ベックが作ったんだろうと思います。それ例外の曲では、「The Hangman's Knee」も重心の低いヘヴィ・ロックという感じでカッコよかったです。
 また、「監獄ロック」なんていう微妙にミスマッチかもしれない曲もやってましたが、これがジェフ・ベックがギターを弾くと独特な音楽になるからすごいです。ジェフ・ベックのギターって、かなりアヴァンギャルドに攻めるときあるじゃないですか。アーミングが凄くてアウトも平然と決めて。あれ、めっちゃくちゃカッコいいです(^^)。

 ただ、ピアノはこんなに要らなかったかな、みたいな(^^;)。特に下手なわけでも馴染んでないわけでもないんですが、強烈な個性のギターが凄いもんだから、どうしても耳がそっちに引っ張られるんですが、ピアノがちょっと邪魔なんですよね。。

 というわけで、ファースト・アルバム同様、これも若い時に聴いた時には「ジェフ・ベックはフュージョン期からだな」と思ったものでしたが、あらためて聴いたら、粗や古さを感じる所はあるものの、そんなものを帳消しにするぐらいにカッコよかったです!いやあ、売ってしまわずに取っておいて良かったです (^^)。


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『Jeff Beck / Truth』

Jeff Beck Truth 1968年発表、ヤードバーズを脱退したジェフ・ベックの発表したファースト・アルバムです。僕はジェフ・ベックに熱狂した青春を送りましたが、僕にとってのジェフ・ベックと言えば、まずは1975年発表『Blow By Blow』以降のカッコよすぎるインスト・フュージョン路線。ところがソロになりたての頃のジェフ・ベックの音楽は、あのインスト路線とはまるで違っていて、強化版ヤードバーズとでもいうようなヴォーカル入りの音楽をやっていました。そんなわけで、若い頃の僕にとってはインストの「Beck’s Bolero」だけがちょっとだけ面白いアルバムと感じたんですが、いま聴くとまるで違う聴こえ方をしたのはちょっとした驚きでした。カッコよかったんですよ!

 メンバーは、ジェフ・ベック(g)、ロッド・スチュワート(vo)、ロン・ウッド(eb)、ミッキー・ウォーカー(dr)。このメンバーだと生粋のバンド・ロックをイメージしてしまいそうなものですが、ピアノやバグパイプが入ったり、方向性の違う曲を色々とカバーしたりするもんで、幅広く色々な音楽を集めたように聴こえました。だって、ヤードバーズの「Shapes of Things」をやったかと思えば、「グリーンスリーヴス」をやったりするんですよ。これを方向が定まっていないと言わずして何というのか…というのが若い時に聴いた印象。
 ところがいま聴くと、曲単体で聴くとめっちゃくちゃカッコよく感じるものが多くて驚きました。特に、余計なダビングをせずにエレキギター・エレキベース・ドラム・ヴォーカルの4人でやった音楽は相当にカッコいいと感じました。なにせロッド・スチュワートのヴォーカルはハスキーでソウルフルでカッコいいし、その歌に絡みまくるジェフ・ベックのギターはアイデアを含め、同時代のロック・ギタリストとしては明らかに抜きん出ていると感じました。サウンドもアプローチも、えらく尖ってるんですよね。特にアプローチの斬新さはフュージョン時代をすでに予見させるもので、ブルース曲ですらブルース・ロックに聴こえないオリジナリティの強さ。なるほどヴォーカル入りのバンドだけど確かにジェフ・ベックのグループだわ、みたいな。

 このアルバム、変なスタジオ・オーケストラやダビングしただろう効果音的なバグパイプやティンパニを入れず、バンドで押し通した方が良かったんじゃないかと思ってしまいました。まあまあバンドに馴染んでいたピアノですら、これがいなければ強烈に個性的なギターがもっと引き立ったのではないかと思えたほど。のちの素晴らしいジェフ・ベックを知っていればギターの素晴らしい部分に注目出来るけど、そうでなければいろんな音に埋もれて、この音楽の核心に気づけないまま終わってしまう事もありえたかも。というわけで、バンド演奏での素晴らしい一体感、特に素晴らしいヴォーカルとそれに強烈な個性で絡むギターに注目すれば、かなりのアルバムじゃないかと。そうそう、このアルバムって、スタジオ・オーケストラが演奏した曲や、ジェフ・ベック自身がヴォーカルを取った曲がボーナスで入っている盤もありますが、それを聴いちゃうと余計に統一感がなく感じられてしまうかと思うので気をつけましょう…若い時の僕なんですけどね(^^;)>。


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YouTubeチャンネル、第3回配信です!

Son House_Father Of Folk Blues_screenshot おかげさまで、このブログと連動させたYouTubeでの動画配信、なんとか第3回も無事アップする事が出ました。しばらくデルタ・ブルースのネタを続けますが、今回はボトルネックの雄サン・ハウスの名盤『Father Of Folk Blues』特集です。内容は以前(先週かな?)にブログに書いたものとほぼ同じですが、写真や音楽に触れられる点は、動画のメリットですね。

 そうそう、サン・ハウスの音楽は著作権が切れていないもので、音源を使うことが出来ませんでした。そこで今回は、自分でサン・ハウスの曲を演奏してみました。ボトルネックをマジメに演奏したのは人生初でしたが、演奏していて面白い!ブルーススケールでボトルネックをキュイーンッて演奏するだけで、戦前の南部アメリカにタイムスリップしてしまう気分でした(^^)。弾いていて嵌まりますね…。弾きやすいように自己流オープン・チューニングで演奏しましたが(そうしないとボトルネックを使った演奏はできないんです)、なるほど馬鹿テクと思っていたデルタ・ブルースの秘密が分かった気がしました。ところで、著作権が切れていない音楽になるたびに、自分でピアノやギターを演奏していたら大変なことになってしまいますね。何か策を考えないと…。。

 休日返上で作り上げたもので、完成した時にはもうヘトヘト。僕のまわりには「ブルースは苦手」って人がけっこういますが、この動画を通して、少しでもデルタ・ブルースに興味を持っていただけたらな…。とにかく、ご笑覧いただければ幸いですm(_ _)m。

https://www.youtube.com/@BachBach246


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『チャンピオンレーサー』 LSIゲーム バンダイ

ChampionRacer.jpg 「スピードレース」や「モナコGP」系のゲームで、卓上ゲームをひとつ。モナコGPと同じ1979年発売…やっぱり意識してますよね(^^)。
これはいわゆるLSI ゲームですが、それまではボードゲームや将棋やトランプだった室内遊戯に、LSI ゲームというまったく新しい遊びが入り込んで、ワクワクしていた頃でした。
 このゲームは、LSI ゲームの中でもサイズが小さかったです。時代はだんだんゲームウォッチに近づいていったんですね。そしてこのゲーム、どう見たって面白そうじゃないですか!僕はこのゲームを持っていたんですが、買ってもらった時の嬉しさったらありませんでした。安くないおもちゃでしたが、両親には感謝の言葉しかありません。宝物でしたね。

 「チャンピオンレーサー」は、電源を入れた瞬間にもうゲームが始まってます(^^;)。で、制限時間内にたくさん走って、スコアを伸ばす、みたいな。側道から本車線に出て、高速で敵車を抜いて…完全にモナコGPです。そして、点数があがるだけで、はっきりした勝ち負けがないんです。せいぜい「やった、72キロも走った」とか、そんな感じ。そしてたくさん走るためには速度をあげなくてはならず、しかし速度をあげると他の車と接触するリスクも上がる、みたいな。
ChampionRacer_pic1.jpg
 極端な事を言うとですね、最高速度の5速で走ったら、車をよけるのは人間の反射神経では絶対に不可能。4速だって敵車が高速で突っ込んで来たら衝突不可避。YouTube で素晴らしいプレイを見る事が出来ますけど、あんなの100回も200回もやってたまたま成功したものをアップしただけでしょう(^^)。70キロを走破するぐらいなら実力勝負ですが、100キロ以上を走るとなると、完全に運ゲーです。だから、ゲームが始まった瞬間に一気に5速で走って、15秒ぐらい天に運を任せて突っ走り、うまくいったらプレイ続行、死んだら即リセットでやり直し、というのがデフォでした。スマヌス。

 このゲーム、他の車をかわしながら走る部分は、面白く出来てたと思うんです。でも、ゲーム性が低かったのが痛かった…目標がないんですよね。例えば、ステージ1は30キロ走ったらクリア、ステージ2は50キロ走ったらクリア…みたいに、何らかの方法で目標を持たせてゲーム性を高めてくれたら、何倍も面白くなったと思うのです。そういうゲームを予算内で作るのは難しかったのかな…。まだ「電卓すげえ」なんて言っていた頃でしたしね。このゲームから3年もしないうちに、家庭でモナコGPが遊べるようになってしまったので、家庭用電子ゲームの過渡期に作られた、忘れられた名作といった所でしょうか。それにしても懐かしい、涙が出そうです。。


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『モナコGP』 セガSG-1000 ゲーム

MonacoGP_SG1000.jpg アーケード版から4年が経過した1983年、あのモナコGPがコンシューマー器であるセガSG-1000 に移植されました!これ、友人のS君が持っていたんですよね。Sの家に4~5人で遊びに行って、順番で遊ばせてもらった事はいい思い出です(^^)。ひとり一機とか、ハウスルールを作って遊んでましたねえ。それにしてもS って羽振りが良かったなあ。彼はセガ筐体の他にインテレビジョンも持っていて、ソフトも数十本も持っていて、どんだけ金持ちなんだよと思ってました。僕なんて、ゲーム機どころかビデオデッキも家にありませんでしたからね…。

 アーケードのモナコGPの高速スクロールって、画面が縦長だから出来る技であって、横長の家庭用テレビの画面だと敵車が画面に出てきたとたんにあっという間に距離が詰まって避けられないんじゃないの?と思うじゃないですか。そこをセガはある工夫をして回避していたのでした。車をSD化して丸っこくして、縮尺を変えたのでした(^^)。こうする事で見た目は全然変わったゲームになったのですが、これはこれで充分面白いゲームに仕上がっていました。トンネルもあればウェットな路面もあり、あの細い橋も、うしろから追い抜いてくる救急車もいたので、なかなかの再現度。いやあ、そうそう、このゲームのオーナーだったS から必殺技をひとつ教わったんですよね。視界の悪くなるトンネルが鬼門のひとつだったんですが、「トンネルは右端を走ってれば敵車に当たらない」との事。マジか、安全地帯があるのか…。。

 そしてこのゲーム、子どもが遊べるように難易度を下げるためか、はたまたギミックを増やすためか、車がジャンプできるという新機能を追加してしまっているのでした。けっこう先まで進むと、道が二股に分かれていて、片方を選ぶとバリケードで道が封鎖されている!さらに先に行くと、道が途中で切れてる!どういうモナコだよ…これ、ジャンプでとびこさないといけないんですよね。
 まあでもこの部分はゲームとしては面白かったからいいんですけど、通常走行時もジャンプが使えちゃうんです。だから、敵車にぶつかりそうになると、ハンドリングで避けるんじゃなくてジャンプで回避できちゃうんですよね。これがゲーム性をえらく損なっていたもんで、S君宅では「バリケードと切れた道をとび越える時以外のジャンプ禁止」というハウスルールが適用されたのでした。

 ゲーム内容は至ってシンプル、でも面白さは最高のゲームでした。S が持っていた大量のテレビゲームの中で、これがいちばん人気でしたしね。でもそれって友達とワイワイやりながらだったから、余計に楽しかったのかも。小学生時代の思い出に乾杯!!


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『モナコGP』 アーケードゲーム

MonacoGP_Arcade.jpg 1979年に発表された、特殊筐体のアーケードゲームです。これ、立ったままやる筐体と、座って遊ぶコクピット型の筐体がありましたが、僕の実家の近所のゲームセンターにあったのは後者。操作もハンドルとギアとアクセルだったので、コクピットに座ってるだけで、レーシング・ドライバーになったような気分。それだけ子供だったという事でしょうが、特殊筐体ならではのスペシャル感があるゲームでした。

 画面は見降ろし視点。ライバル車を抜きながら、高速でスクロールしていくコースを疾走していきます。ゲームは時間制限制ですが、制限時間内に一定の点数を取る(距離を走る?一定数の車を抜き去る?)と延長となり…ここまで来ると、タイトーが先行して開発したゲーム「スピードレース」(74年)のパクリですよね(^^;)。でもさすが後発だけあって、ギミックの増加や演出の進化が素晴らしかったんですよ!同じようなゲームだったにもかかわらず、このゲームを初めて目にした時は「おおっ!!」ってなりましたからね。。

 道はウェットになればスリップしやすくなり、トンネルに入れば自車のヘッドライトが照らしている範囲以外が見えなくなります。さらに標識が出た直後に極細の2車線道路になり、救急車がうしろから追い抜いてきて…F1より速い救急車ってなんだ(^^;)。そうそう、「スピードレース」にもウェット路面のギミックはあったんですが、トンネルや救急車やごく狭コースというギミックは「モナコGP」独自のもの。こういう細かい変更で、素晴らしいゲームに思えたんですよね。美は細部に宿るというヤツです。

 しかもこのゲーム、高速スクロールしていくスピード感がすごくて、じっくり考えながら遊ぶだけの余裕がないです。考えるな、感じろの世界です(^^)。車を抜き去る時の音をはじめとした音の臨場感や、ギミック満載のコースを超高速で走るアドレナリン大爆発のスピード感など、とにかくレベル違い。1ゲームが終わると動体視力を含めた神経が疲弊しまくってグッタリするほどので、それってアドレナリン出まくりということでもあって、運動をした後のような爽快感がありました。

 ある時期まで、ビデオゲームでのレースゲームと言ったら俯瞰視点2Dのゲームの事で、その天下はけっこう長く続いていたと思います。そしてこのゲーム、数年後にとうとうコンシューマ機に委嘱され…その話はまた次回!


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『レーシング112』 コンシューマーゲーム

Racong112.jpg 1978年発表、任天堂が制作した家庭用ビデオゲームで、なんとレーシングゲーム専用機!ファミコンが登場する前となる70年代後半って、特定のビデオゲーム専用機が売っていました。これのほかには、テニスゲームとかブロック崩しもあったような‥。そしてこのゲーム機、筐体にハンドルとギアがついていて、対戦も出来て、実に面白そうでした!これは「スピードレース」の家庭移植をもくろんだものだったのでは…メーカーはタイトーではなく任天堂でしたが(^^;)。

 僕がこのゲームを遊んだのは、小学校低学年だったある1日だけ。よく一緒に遊んでいた友人の家にあって、遊ばせてもらったんです。え、自宅でこんなゲームが出来るのか…と、驚きました。面白いかどうかなんてまったく覚えておらず、ただ見た事もないゲームの進化に驚き。任天堂って、花札屋からいきなりファミコンを生み出したんじゃなくて、こういうステップを踏んで成りあがったんですね。。
 で、すごいと思うのは、今回この回想録を書くにあたって色々調べたんです。だいたい、ゲームの名称すら知りませんでしたからね。。すると、ゲーム画面を見れば「あ、こんな感じだった」、2人プレイをするときのコントローラーを見ると「思い出した、こんなだったよ」と、記憶がよみがえるんですよ!もう45年ほど前に1度だけ見たものの記憶がよみがえるんだから、人間の記憶って凄いですね。でもって、それがもうたまらなく懐かしい…。

 このゲームとは関係ない話ですが…僕が「レーシング112」を遊ばせてもらった友人Iは、お金持ちでもなければインドア派でもなく、あまり裕福でない生粋の体育会系野球少年でした。このゲームを遊ばせてもらった場所は、男の子3人の子供部屋で、3人分の布団がひきっぱなしだわ部屋中に破れかけた野球選手のポスターが貼ってあるわ、ドカベンをはじめとした漫画本は散乱しているわで、とにかく男臭い部屋でした(^^)。その家は階段が直線で、布団を尻に敷いて階段を滑り降りる遊びをしたり、子供部屋の窓から移動できる瓦屋根の上に乗って鬼ごっこしたりと、とにかくやんちゃの極み。決して裕福とは言えず、また体育系系の極みのようなI兄弟がなぜ、こんな高価なおもちゃを持っていたんでしょうか…きっと、兄弟3人全員がお年玉を出し合って買ったとか、そんな感じなんでしょうね。少子化&過保護な現代では信じられない話かもしれませんが、70年代の子供って大なり小なり皆こんな感じでした…僕のまわりだけかな(^^;)。。


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『スピードレース』 『スピードレースデラックス』 アーケードゲーム

SpeedRaceDX.jpg ビデオゲーム黎明期に、タイトーが制作したレースゲームです。「スピードレース」が1974年、そのアップグレード版となる「スピードレースデラックス」が75年発表。まともなレースゲームの元祖って、これじゃないでしょうか!見降ろし視点で、他のレーシングカーを高速で抜き去っていきます。そのスピード差たるや一般車とF1マシンレベルで、敵車が弾丸のように飛んできます(^^)。

 走っていると得点が加算され、敵車と接触すると爆発して車が止まり、得点の加算もストップします。ゲームは持ち時間制ですが、時間内に目標となる得点(2000、4000、6000点)を稼ぐと延長プレイ。普通に遊べば1回は延長できると思うんですが、問題はそのあと。そもそも、前から敵車がかっとんでくるのに、スピードをあげると自車が前に出て行ってしまって、もう避けられる代物じゃなくなっちゃうんですよね。。

 ふたつのゲームの差は、弱冠のバージョンアップがある事みたいです。シフトレバーが装備されたり、コースにウェット路面が追加されたり、コース幅が変化したり。僕の記憶では、シフトレバーがついていて、画面が緑がかったモノトーンだったと記憶しているので、「スピードレースデラックス」だったと思います。動画配信サイトで見るとカラーのものも…ああ~『スーパースピードレース』(1977)、『TTスピードレース』(78)、『スピードレースCL5』(79)と、後発のバリエーションがいっぱいあるんですね!

 なにせ僕が幼児の頃のゲームなので、リアルタイムでは体験しておらず、デパートの屋上にあった古ぼけたゲームコーナーなどで、「すごい古そうなゲームだな」と見かけるのがせいぜいでした。そういえばデパートの屋上って楽しかったですよね。あの感覚って今の若い人には分からないんだろうな…。
 僕がこのゲームを遊んだのは、どこかの温泉宿に遭った古ぼけたゲームコーナーでの事。親から300円ぐらい貰って、姉と一緒に遊んだんですが、どういうわけか姉がこのゲームが異常にうまかったんですよね。もう、とにかく敵の車に当たらず、制限時間を2回ぐらい延長してました。初プレイでこれってすごくないですか?ゲーム自体は僕のほうが好きなのに、うまいのは姉…悔しかったです。というか、2歳上の姉には、小学校低学年の頃までは何をやっても負けてたなあ。。
 でもってその時の悔しさ。このゲームって、敵車と少しでも接触すると爆発して側道から再スタートなんですが、場合によっては数秒で何度もクラッシュする事も当たり前なほどの死にゲーだったもんで、とにかくイライラしました(^^;)。でも数年後に、このゲームのブラッシュアップ版とでもいうべきゲームをセガがリリース、そのゲームバランスと演出力の高さに僕は衝撃を受けまして…その話はまた改めまして(^^)。


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『Son House And The Great Delta Singers / Complete Recorded Works 1928 -1930』

Son House and great delta singers_1928 1930 タイトルだけを見ると「Son House And The Great Delta Singers」というグループ名にも見えますがそうではなく、サン・ハウスをはじめとしたデルタ・ブルースの歌手のオムニバスレコードです。録音が1928年から30年ということは…そうです、伝説のサン・ハウスの初期録音が入っているのです!1930年って、パラマウント・レコードがチャーリー・パットンを中心にデルタ・ブルースのミュージシャンを集めた録音セッションを行っていて、その録音を中心に編んだコンピレーションがこのアルバム、という事だと思います。チャーリー・パットン自体は大物なので、別途パットンだけの録音を集めていて、結果サン・ハウスが最大の大物になった、みたいな。
 このCDの内訳は、サン・ハウスの弾き語り6曲(3曲が各前後半で合計6)、サン・ハウスとウィリー・ブラウンのデュオ1曲、ウィリー・ブラウン2曲、キッド・ベイリー2曲、サン・ハウスが参考にしたというルービィ・レイシー2曲、ブラインド・ジョー・レイノルズ4曲、ガーフィールド・エイカーズ4曲、ジョー・カリコット2曲、ジム・トンプキンス1曲。ちなみに、ウィリー・ブラウンという人は、当時のデルタ・ブルースきってのサポート・ギタリストで、彼の歌や演奏を聴けるのも、このコンピレーションの大きな魅力です。

■1928年から30年のデルタ・ブルースは…
 全体の印象は、1928年から30年までのデルタ・ブルースは、影や深みのあるタイプのブルースよりも、白人のフォークロアやカントリーにも繋がるのほほんとした音楽が多かったのだな、と感じました。それこそ「カントリー・ブルース」という言葉がピッタリ。
 基本はギター弾き語りで、ギターは前奏が済むと、あとは基本的にループ・ミュージック。そのループがバスとコードのひとり二重奏となっている、みたいな。語られる物語があくまでメインなんでしょうが、このギターの技も大道芸的なセールス・ポイントだったんでしょうね。若い頃、ロック・ギタリストのジミ・ヘンドリックスの演奏を聴いて、「ギターだけでもすごいのに、これを歌いながら弾いてるのか」と驚いたことがありましたが、そういうジミヘンのスタイルってベースにアコースティック・ブルースがあったんじゃないか、と思ったりして。
 曲もワンコーラスが12小節と決まっているわけではなく、またスリーコードどころかトニックとサブドミナントだけ、なんてものも普通にありました。

■サン・ハウス初録音!
 サン・ハウスは1930年に行われたこの録音が初レコーディングです。ちなみにこのセッションに参加したのはパットンとハウスのほか、ウィリー・ブラウンとルイーズ・ジョンソン。サン・ハウスは9曲を録音したと言われていますが、このレコードに入っていないあと2曲が現存するのかは不明です。
 そしてサン・ハウスのパフォーマンスですが、ダミ声を張り上げるようなヴォーカルと、ループするギター伴奏のコンビネーションがカッコイイです!これはもうほとんど浄瑠璃の世界、語りものといった方が近い音楽だと思いました。
 サン・ハウスの有名セッションを挙げると、初録音となったこれ、41~42年にアメリカ議会図書館のために録音されたもの、戦後サン・ハウスの再発見となった65年『Father Of Folk Blues』の3つでしょうが、ギターのテクニックこそ65年録音の『Father Of Folk Blues』に軍配を上げたいですが、ヴォーカルは間違いなく30年録音が圧倒的だと思いました。すごい。
WillieBrown.png
■デルタ・ブルースのギター実力1位?!ウィリー・ブラウン
 そして、サン・ハウスとのセッションにも1曲参加したウィリー・ブラウン。ウィリー・ブラウンはサイドマンとしての活躍で知られたギタリストで、チャーリー・パットン、サン・ハウス、ロバート・ジョンソンにサポートを任された凄腕。このレコードではヴォーカルも取った弾き語りを2曲披露していますが、それがまた絶品で、サポートじゃなくて自分がフロントでいいじゃないかと思いました。私の趣味だけでいえば、サン・ハウスやチャーリー・パットンより好きなヴォーカルで、ハスキーで叫ぶその声に、味も迫力もあるんですよ!いやあ、名前しか知らなかったんですが、ウィリー・ブラウンを聴けるだけでも価値があるレコードだと思いました。

■散弾銃で眼球を吹き飛ばされた脱獄囚 ブラインド・ジョー・レイノルズ
 ブラインド・ジョー・レイノルズ。名前からして目が不自由と分かりますが、そうなった理由は顔面に散弾が炸裂したため。だから、レイノルズは目が不自由どころか、眼球自体がありません。そこまでひどいと、顔に散弾が当たったのに命を落とさなくて良かったと思えてしまいますね。数センチずれていたら命はなかったかも知れないです。
Blind Joe Reynols 実際の音もやさぐれた不良感ただようもので、メッチャカッコよかったです!ただ、この人の歌って詞が現在のポリコレ的な感覚で言うとちょっとヤバくて、このレコードに入っている4曲のうち「Outside Woman Blues」と「B Third Street Woman Blues」は、ちょっと女性蔑視が…まあでも、時代の違うものですからね。そういう風潮を知ることが出来る資料という価値もあるかも知れません。そうそう、「Outside Woman Blues」は、ロック・バンドのクリームがカバーしています。クリームでのエリック・クラプトンの演奏以上に、レイノルズの演奏がカッコイイと私は感じました。歌の合いの手に入れるフレーズのやさぐれ感がすごいんですよ!
 レイノルズは実際の品行も良くなかったらしく、子供のころから懲役刑を喰らい、偽名を使って警察から逃げ、脱獄した事もあったそうです。彼が戦前に発表したレコードには「ブラインド・ウィリー・レイノルズ」を名乗っているものもありますが、この改名も警察を逃れてのものだったのかも知れません。こういう事を擁護するつもりはありませんが、たしかにそういう不良っぽさが音に滲み出てるんですよね。
 彼は、このレコードに入っている人の中では、汎的なブルースのイメージに一番近い音楽をやっていると感じましたが、ハスキー・ヴォイスや畳みかけるように弾くギターのやさぐれ感がすごいので、ブルースを通り越してひとりR&BやR&Rとすら感じてしまいました。う~ん、こと音響面では本当に素晴らしかったです。

■28~30年のデルタには実力者しかいないのか?!すごい
 他の人たちも、お世辞ぬきでで素晴らしくて、聞き惚れてしまいました。以下、特に印象に強く残った人について、簡単に触れておきます。

 キッド・ベイリー。20年代から50年代に活躍した人と言われていますが、詳細は分かっていません。現存する録音も、このアルバムに入っている2曲がすべて。
 ところがそれが良く無い音楽かというとまったくそんなことはなく、曲もヴォーカルを含めた演奏も(でもギターは本人でないという説もあるみたいです)、サン・ハウスやウィリー・ブラウンに比べると牧歌的。でもそこが長所で、いつまでも聴いていたいと思ってしまう魅力を感じました。こういう音楽もいいですねえ。

 1曲だけ入っていたジム・トンプキンス。デチューンするようにコードがずり落ちてくるボトルネックの味わいは強烈、一度は聴くべし。声も美しく歌い回しも調子が良くて、良かったです。なんで1曲なんだろ、良かっただけにもっと聴きたかったです。

■というわけで
 全員は書ききれませんでしたが、書かなかった他の人も、ギターや歌が下手な人なんてひとりりもいませんでした。さすがは流しでお金を貰っていた人たち、プロは違いますね。ダメなら下ろされるだけだろうし、変なステマが聞かない世界で強く生き延びた人なだけありました。
 デルタ・ブルースというとチャーリー・パットン、サン・ハウス、ロバート・ジョンソンが御三家かと思いますが、それに付け加えて、こういうコンピレーションをひとつ聴いておくと、デルタ・ブルースへの理解がより深まると思いました。私はコンピレーションやベスト盤って好きではない方なんですが、こういうものはコンピレーション以外の形にするのが難しいでしょうから、話は別。実にいいレコードでした!デルタ・ブルースのファンの方は必聴じゃないかと!


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『Son House / The Legendary 1941-1942 Recordings In Chronological Sequence』

Son House_ Legendary 1941-1942 Recordings In Chronological Sequence デルタ・ブルースの雄サン・ハウスの泣く子も黙る大名盤『Father Of Folk Blues』に、僕はなかなか手を出せませんでした。だって60年代の録音だったので、ロバート・ジョンソンよりも先輩という戦前ブルースマンの全盛期の録音とは思えなかったんです。
 サン・ハウスには1930年にパラマウントで吹き込まれた有名な録音もあるのですが、数曲しか吹込みがないもので、だいたいは色々なミュージシャンの録音と一緒になったオムニバス盤しか見つけることが出来ず、レコードやCDはアーティストごとに集めたい私は、二の足を踏んでいました。つまりサン・ハウスはどのレコードから聴けばよいのか、むずかしかったんですよね。
 そんなある時、中古レコード屋で、ついにこのレコードと出会ってしまったのでした。41~42年録音という所に惹かれ、しかもジャケットがカッコイイ!というわけで、これがどんなレコードもよく分からないまま、勢いで買いました。若いころって小遣いのほとんどすべてを音楽に充てていたんですよね。昼食代を浮かせてレコードを買うなんて、ほとんど日課でした。あ、だから体が細かったのか…レコード・ダイエット、今こそやるべきかも。

■明るいブルースって、聴いたことがありますか?
 18歳ではじめて聴いたときの印象は、「ブルースとは思えないほど明るい音楽だな」というものでした。僕、アコースティック・ブルースって、スリーピー・ジョン・エステスの「Rat in my kitchen」のようなレイドバック感の凄いものか、アラジンやゴールドスターに録音したライトニン・ホプキンス初期録音「Down baby」みたいな、ディープでダークな憂いあるスロー・ブルースが好きだったんです。
 でもブルースって、深堀りしていくと決して暗いばかりの音楽じゃないんですよね。テキサス・ブルースの重鎮ブラインド・レモン・ジェファーソンですら明るい曲がありますし。若い頃は、このアルバムに入っていた音楽のそういう類いの明るさかと思ってたんですが、久々に聴き直したら、理由は違うところにあるんじゃないかと思えてきたのでした。

■この明るさの正体は…
 このアルバムの明るさの半分は、実際の曲の明るさ。ブルースも演奏しているんですが、白人のカントリー・ミュージックじゃないのかと疑いたくなるような音楽も演奏しているんですよね。「American Defence」なんて思いっきり長調だし。サイドBの前半は、「え、本当にサン・ハウスのレコードなの?」と思うほどです。
 もうひとつは、ヴォーカルとギターの演奏の軽やかさです。ちょっとつま弾いてサラッとうたったようなパフォーマンスなんですよね。曲によっては、どう聴いても流して弾き語っていました。たしかに、30年の録音とかになると、サン・ハウスってもっとだみ声で叫ぶように歌うし、65年の『Father Of Folk Blues』もドブロ・ギターをスライドさせてギターがギュンギュン鳴って迫力でした。それに比べると、この録音はボトルネックも多くはないし、ヴォーカルも叫ぶというにはほど遠い。たしかに軽さを感じるんです。だから、1930年の録音や、逆に1965年の録音に比べると、サン・ハウスの別な側面が見える音楽にも感じるのが、このレコード。

 あくまで推論ですが、このレコードの裏ジャケットに書いてあるクレジットにヒントがあるのかも知れません。「Recorded by Alan Lomax for the Library of Congress.」と書いてあるんですが、これを直訳すると「アメリカ議会図書館のために録音したもの」という事。喋っているトラックもあるし、チューニングまで録音されてるし、アメリカの音楽文化の調査資料としての録音だったのかも知れません。そういう意味で言うと、ブルースマンとしてのサン・ハウスが演奏してきた音楽の王道ではなく、サン・ハウスが知っている古いアメリカ音楽を幅広く演奏してもらったもの、というのがこのレコードの正体なのかも。

 というわけで、このレコードをサン・ハウスの音楽のど真ん中と思わない方がいいかも知れません。そういう意味で言うと、最初の1枚にはふさわしくないかも。でもつまらないかというとそんな事はなく、アメリカのアーリータイム・ミュージックの実態に触れるものとして、すごく面白い音楽だと思いました。なにより、ブルースマンがこういう白人っぽい音楽を演奏するのが驚き。黒人酒場で演奏する時はブルースを演奏していただろうけど、多数派の白人の前で演奏する事もあっただろうし、そういう時にはそういう音楽のレパートリーも持っていたのかも知れません。あ、でもミシシッピ・ジョン・ハートみたいな人もいるか。。
 そして、これが戦中録音、『Father Of Folk Blues』が戦後だとすれば、サン・ハウスには有名な戦前の録音がありまして…その話はまた今度させていただきます!

07 2023 « »
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Bach Bach

Author:Bach Bach
狭いながらも居心地のいい宿で、奥さんとペット数匹と仲良く暮らしている音楽好きです。若いころに音楽を学びましたが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたレコード/CDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度のものですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば嬉しく思います(ノ^-^)ノ

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