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心に残った音楽♪

おすすめCDの紹介のほか、本や映画の感想などを (*^ー゜)v

 

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『Barbara / La Fleur D'Amour』

Barbara La Fleur DAmour 1972年にフランスの歌手バルバラが発表したアルバムです。しかしこのジャケット写真、カッコいいですね。モデル並みのルックスにスタイルにファッションセンスだからこそ作れるジャケット。フォトジェニックだなあ。
まずは音で少し安心。70年発表の『MADAME』と『l’aigle noir』の2枚のアルバムがペラッペラな音だったんですが、このアルバムはずいぶん良くて(それでも音が細い…)、少なくとも「音楽はいいのに録音が残念で聴く気になれない」という事がありませんでした(^^)。

 そして、音楽です。大まかに分ければフレンチ・ポップに入るアルバムだと思いましたが、1曲目がモントゥーノのきいたラテン調、2曲目がジャズ的なテンションを混ぜ、3曲目でシャンソン調…と、バラエティ豊かでした。
 そして、バルバラの歌がいい!こういう表現に富んだ歌を支えるには8ビートやエレキベースでは無理ですね(^^;)。歌がニュアンスを変えていくのに、ビートにしても音色にしてもベタっとひとつしか出せないと、歌を支えるどころか歌にまるで届かない、みたいな。このアルバムは前半が売れ選狙いフレンチ・ポップス、後半がモダン化シャンソンみたいな作りでしたが、歌の表現を支えられている6曲目以降がすごく良かったです。

 フィリップスと契約以降のバルバラは、3作目あたりから文芸シャンソンよりフレンチ・ポップの色を強めていった感があります。これはバルバラだけでなく、フランスのポピュラー音楽業界の変化もあったのかも。僕のバルバラ推しは65年までのアルバム群ですが、70年代の中ではこのアルバムが一番好きです。よく考えたら、バルバラが日本でどのへんの位置に来るかというと、松任谷由実とかそのへんなのかな…だとしたら、フランスは音楽的にも文化的にもレベル高いです。戦争でも文化が完全にリセットされなかったのが大きいんだろうなあ。


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『Barbara / l'aigle noir』

barbara laigle noir バルバラでいちばん有名な曲というと、このアルバムタイトルにもなっている「l’aigle noir」(黒いワシ)かも知れません。バルバラの自伝のサブタイトルにもなっている曲ですからね。『MADAME』と同じ70年発表のアルバムです!
 ピアノ伴奏(弾き語り?)をベースに、弦やアコーディオンといった何らかの生楽器が曲ごとにかぶさって、曲の半分はクラシックと大衆歌が折り重なった古き良きシャンソンを感じる内容でした。2曲目の弦だけを残す中間部のアレンジはすばらしかった。あとは、ミュゼットっぽい曲(「Hop La」)とか、フレンチポップっぽい曲とか。

 バルバラのレチタティーヴォ気味なシャンソンな歌唱が素晴らしい!1曲目「A Peine」も2曲目「Quand Ceux Qui Vont」も、ルバート気味の短調曲で、ものすごい表現力で語るように歌っていました、やっぱりバルバラはすごいわ。
 これだけエスプレッシーヴォな歌唱となると、セリフがムチャクチャ重要と思うんですが、僕はフランス語が分からない。。有名な「黒い鷲」の詞の内容だけは、未成年の頃に自分をレイプした父親が両手を広げて自分に覆いかぶさってきた形を「黒いワシ」と表現した、とバルバラの自伝に書いてあったので知ってました。いやあ、それを歌にして歌っちゃうところがすごいよな…。まあ、どう見ても世界有数のエスプリな都市で、むちゃくちゃハイセンスな女性ですから、お父さんがクラクラ来た理由も分からなくはないですけどね。

 しかし、アルバム『MADAME』に引き続いてミックスがひどかったです。例えばピアノですが、高い音ばっかり入っていて低音がまるでないので、まるで安いシンセのプリセットピアノかステージピアノを聴いているみたいです。こんなの楽器の音じゃないだろ…。
同じことが弦にも言えて、せっかくいい音楽っぽいのにまるで打ち込みで作ったみたいに安っぽい音でした。代表曲「黒い鷲」のドラムに至っては、シンバルにフランジャーかけてあるし、本当にmidi音源なんじゃないかというほどのチープさ。そういえば、80年代のフランス映画の劇伴も、こういう「なんだこりゃ」みたいに安っぽいのに出会う事がけっこうあったな。。

 僕的には、最初の2曲と、最後に爽やかに終わるワルツ「Le Zinzin」がすべてのアルバムでした。アルバム『MADAME』もそうでしたが、曲もアレンジもパフォーマンスもいい感じなのに、ポストプロに問題がある気が…。


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『Barbara / MADAME』

Barbara MADAME 1970年にフランスのシャンソンを代表する歌手のひとりであるバルバラが発表したアルバムで、同年にパリで上演された戯曲「マダム」の音楽集です。戯曲「マダム」はフランス領であったアフリカにあったある娼館のマダムが主人公。8つの歌曲と、4つのインストで出来ている組曲が入っていました。

 アレンジが見事。ピアノをベースにチェロやアコーディオンやマリンバといった楽器を使い、テンポを自在に変化させていく実に音楽的な室内楽調のアレンジは、クラシックとパリのアングラ・シャンソン文化の両方を吸収しているよう。アレンジの傾向もポップスの中にちょっとだけアヴァンギャルドな要素が入っていて、無菌室で育ったいい子ちゃんな音楽に終わらせていませんでした。これはバルバラも見事なら、彼女の音楽や詩の傾向を捉えたアレンジャーも見事ではないかと。また、コンセプトアルバムのように音楽が次々に繋がっていって、そこも面白かったです。

 ただ、いい所ばかりではなく、戯曲の作品だけにそれぞれの曲があるストーリーのワンシーンといった感じで、1曲1曲のインパクトが弱く、そこが残念。チャイコフスキーの「白鳥の湖」なんかもそうですが、舞台ありきの音楽の場合、音楽があるシーンの印象を作ることに集中し過ぎて、音楽自体の構造や主体性が弱くなるときがあるんですよね。
 それ以上に残念だったのが、録音でした。スタジオ録音の音はものすごくぶっきらぼうで、演奏に立体感が全然ありませんでした。ただ楽器を横に並べてリヴァーブかけただけ、みたいな。

 曲中でテンポが変わり、無伴奏レチタティーヴォになる所があり…と、ポストプロダクション次第ではかなり良い作品になった気がしますが、ミックスのせいで産業ポップスっぽく聴こえてしまったのはちょっと残念…でも、もしミックスが良かったとしても、やっぱりデビュー当時のあの凄さは感じなかったかも。このアルバム、物語を追って聴ければ、何倍もいいものに感じるんでしょうね。僕はフランス語が分からないくせにフランス盤で聴いてしまったもんで、フランス語が分かる人か、何らかの形で役を読める状態で聴いた方が良いかも知れません。


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『Barbara / le soleil noir』

barbara le soleil noir シャンソンのバルバラ、1968年の作品です。このアルバムも有名な曲がそれなりに入っていて、「Le Soleil Noir」(黒い太陽)、「Mes Hommes」(私の恋人たち)、「Mon Enfance」(私の幼い頃)、「Du Bout Des Levres」(くちびるの端に)、「Joyeux Noel」(楽しいクリスマス)あたりは、シャンソンに疎い僕でも知ってるぐらいに有名な曲でした。

 前作の67年盤の方の『Barbara』で、「あら?エンターテイメントか職業音楽家になっちゃったか?」と思ってしまったバルバラでしたが、このアルバムはけっこう実験的なものも入ってました。一方で、これでもかというぐらいに粗製乱造な歌謡曲になっちゃったように聴こえたものもありました。なんでこう両極端なんだろうか…要するに、クラシックの歌曲の伝統を活かしていた初期のアルバムの頃から、徐々にジャズやロックの要素を取り込んだ結果がこういう事なのかも。セルジュ・ゲンスブールなんかもそういう所があるので、バルバラに限らずフランスのポピュラー音楽全体の傾向だったのかも。

 実験的で新しい音楽になった代表例が「Le Soleil Noir」(黒い太陽)じゃないかと。途中でリズムフィギュア自体が変わったりするのは古き良きシャンソン的でもあるけど、これがオルガンやジャズベースと組み合わされると、なんとも実験的に感じて面白かったです。このアルバムでいいと思ったのは、僕はこの曲でした。でも、まだ完成までは行ってない感じかな?それはブリジット・フォンテーヌの登場待ちですね(^^)。

 一方で、ロックや英米ポップスを取り入れた事でつまらなくなったと感じたものもありました。クラシックから英米ロックへの変更って、言いかえるとリズムやデュナーミクが固定されてしまうという事で、こうなると「あれ?演歌かな?」みたいに感じちゃうという新たな発見が(゚∀゚*)。なるほど、シャンソンや演歌みたいな湿っぽい音楽からオケの表現を奪うとこうなっちゃうんだな。

 時代的に仕方がないんでしょうが、フランスの大衆音楽がまだロックや英米ポップスを取り入れたばかりの時期みたいで、まだ成熟してなかったという事なのかも。「くちびるの端に」あたりは、初期の編成で演奏したらすごくいい曲に聴こえる気がするんですが、インテンポで演奏すると味気なくなっちゃうんだな、みたいな。そうそう、電子オルガンの使用も目立つんですが、これって同時代の日本の音楽もこうだったので、やっぱり日本の歌謡音楽ってフランスからの影響も少なくなかったんじゃないかと…今では見る影もないですが、60年代は日本でもシャンソンが聴かれていたそうですしね。


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『山田流筝曲名曲集』 ビクター邦楽名曲選18

Yamadaryuu souyoku meikyokushuu Victor18 現存する筝曲の二大流派と言えば生田流と山田流。でも、僕の知り合いに生田流の方はいても、山田流はいないんですよね…。山田流は関東中心というから、そういう事なのかな。というわけで、これは山田流筝曲のCDです。全6曲、共通しているのは全曲に中能島欣一という方が箏で参加、編成は曲によってまちまちでした。

「六段調」「乱輪舌」 筝
「臼の声」「さらし」 歌、筝、筝、三弦
「都の春」歌&箏、箏、三弦、尺八
「岡康砧」 歌&箏、箏(本手)、箏(第1替手)*2、箏(第2替手)、三弦、尺八

 ん?あれ?もしかして生田流より山田流の方が洗練されてる?これは特に歌に感じた事で、筝曲ってヴォーカルがあまりに技芸がないと思っていましたが、生田流より山田流の方が歌が良いと思ってしまいました。詩句のある曲は1曲を除いて中能島慶子というかたが歌っていましたが、音程がふらついて音痴だけど(高齢なのかな?)、能楽っぽく音を引っ張るところに技芸を感じました。
 筝の演奏も山田流の方が圧倒的に音楽的な表現や音の表情がある気が…。まず出音が深い!音って出てから消えるまでの音の変化や、出た音のきれいさやその逆の情報量の多さとか、そういう所がものすごく大事じゃないですか。まずはそこが素晴らしかったです。
 そして演奏も表現や表情をかんじるものでした。平らな演奏じゃなくて歌う演奏って、すごく大事じゃないですか。「臼の声」でのアッチェルもカッコいいし、「都の春」「岡康砧」などの三曲のアンサンブルは迫力があって見事!!いやあ、これは僕が聴いて来たほかの筝曲のCDではなかなか聴く事のできない所でした。もっと単純なところで言うと、僕が聴いて来た生田流の演奏の多くは「お稽古ごと」っぽい平たい演奏が多かったんですが、この山田流はまさに器楽。インスト「乱輪舌」なんてまさにソロ・リサイタルそのもので見事な演奏でした!

 とかいって、この差は流派の差じゃなくて個人の差かもしれませんけど(^^;)。もしそうだとしたら、僕みたいな素人には生田流と山田流の差は曲の差ぐらいなのかも知れませんが(でも「六段」などの八橋検校の曲はどちらの流派も演奏してましたが)、それにしたってこのCDの演奏は見事。オムニバスみたいなタイトルや安っぽいジャケットにせず、ちゃんと中能島欣一さんという筝曲家の作品として発表すれば良かったのに。。


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Bach Bach

Author:Bach Bach
狭いながらも居心地のいい宿で、奥さんとペット数匹と仲良く暮らしている音楽好きです。若いころに音楽を学びましたが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたレコード/CDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度のものですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば嬉しく思います(ノ^-^)ノ

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ロシアとウクライナがほぼ戦争状態に入りましたが、僕はソ連解体後のウクライナについて本当に無知…。これは2016年にオリバー・ストーン監督が作ったウクライナのドキュメンタリー映画。日本語字幕版が出たらぜひ観たい このブログをYoutube にアップしようか迷い中。するなら作業効率としては早いほど良いんですよね。。その時にはVOICEROIDに話してもらおうかと思ってるけど、誰の声がいいのか考え中
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