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心に残った音楽♪

おすすめCDの紹介のほか、本や映画の感想などを (*^ー゜)v

 

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『Lester Young and The Kansas City 6 -The Complete Commodore Recordings-』

LesterYoungKansasCity6.jpg 『THE JAZZ GIANTS '59』のレスター・ヤングの音楽にすっかり骨抜きにされたボクは、レスター・ヤング全盛期に録音されたというこのレコードに飛びついたのでした。いま考えると、渋すぎる高校生だな(^^;)。。ただ、これが本当にジャズのガイド本によく載ってるあの名盤かどうかは分からないです。というのは…僕が買ったのは、「KANSAS CITY 6」というやつなんですが、名盤ガイドによく出てるヤツは、ジャケット写真もデザインもそっくりなんですが、よく見ると「KANSAS CITY 5」だったりして(゚m^;)ヤッチャッタカ。。ちなみに、「Kansas Citx ○○」というバンドは、カウント・ベイシー楽団の在籍メンバー数人で作ったコンボにつけられたバンド名だそうです。録音は1938年と1944年、僕が持っているのは日本盤の2枚組LPボックスセットで、これに入っている録音でレスター・ヤングがコモドアというレーベルに残した録音はすべてだそうで。コモドアと言えばビリー・ホリデイのアレですが、バップ直前ぐらいのスウィング・ジャズのレコードが多いレーベルなのかなあ…ゴメンナサイ、モダンジャズ以前は好きではあるんだけどぜんぜん詳しくないんです(^^;)。。そうそう、「コンプリート・レコーディング」というわけで、NGテイクがギッチリ詰まってるんですが、NGと言っても演奏がパッとしないからNGにしたんじゃなさそうで、同じ曲でもテンポが全然違ったり、長調と短調を入れ替えてる曲まであって、聴いてていろいろ楽しい(^^)。

 テディ・ウイルソンとの59年のレコードに比べると、いちばん違うのはリズムじゃないかと思います。特に38年の録音は、「ズンッ、チャッ、ズンッ、チャッ…」の2ビートがほとんど。ドラムもハイハットとスネアぐらいしか聴こえません。確かにスウィング・ジャズではあるんですが、匂いがビバップよりも、ジャズ寄りブルースとか古いアメリカのテレビや映画の音楽に近い感じ。それに比べると44年は格段の進歩で、もう共演者のレベルが全然違います…といっても、38年も名の知れたプレイヤーばかりなので、この6年でジャズが大進歩を遂げたという事なのかも。44年の録音は、音楽性がビバップと重なっている所もあって、セッション自体は相変わらずリラックスムードなんですが、サックスのアドリブが飛ばしてる感じ。バリバリ吹くんじゃなくって、気分良く乗りまくってます(^^)。アドリブで使ってる音も増えてるので、このあたりはチャーリー・パーカーあたりと比較して研究したら、ジャズのソロアドリブの発展にかんする発見がいろいろ見つかるかも(やりませんが^_^)。

というわけで、レスター・ヤングの演奏や音楽といえば、実際にはテディ・ウィルソンとの『JAZZ GIANTS '59』あたりよりも、こっちの方がメジャーなんでしょうね。59年の完成されたスムース・ジャズとはまた違って、発展途上にあった頃のジャズの古くて優雅な雰囲気がいい味になっている、古き良きレコードだと思います(^^)。


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『Lester Young / THE JAZZ GIANTS '56』

JazzGiants56.jpg モダンジャズというのは、チャーリー・パーカーというとんでもないサックス奏者が登場したビバップという音楽以降を言うんじゃないかと勝手に思ってるんですが(^^)、チャーリー・パーカーが登場する前にサックスのスタープレイヤーがいなかったかというと、そんな事はなかったみたい。モダンジャズ直前はビッグバンドの全盛期で、その時期はビッグバンドの中で華麗なアドリブソロを演奏する管楽器奏者がスターだったみたい。ベン・ウェブスター、コールマン・ホーキンス、そしてこのアルバムの主人公のレスター・ヤングあたりは、その時期の音楽にうとい僕でも知ってるぐらい有名。どちらもカウント・ベイシー楽団という名門ビッグバンドの花形プレイヤーだったそうで。

 モダンジャズ以降しか聴いていなかった高校生の頃の僕が、はじめて聴いたレスター・ヤングの演奏がこれ。でも、ビバップですらちょっと古臭い、ましてビッグバンドなんてダサい極致だと信じて疑わなかった当時の僕にとって、レスター・ヤングは有名だから1回ぐらいは聴いておこうか・・・というていどの人。そんな僕にとって、ビッグバンドでなくコンボのこのレコードは都合が良かったのです。そして…うわあああああ気持ちよすぎる!!モダンジャズとは全然違うリラックスした雰囲気、メッチャ癒されてしまいました(*´▽`*)。。僕が子供のころに持ってたジャズのイメージって、お酒を飲みながら聴く静かな大人の音楽…みたいな感じだったんですが、これはまさにそれ(^^)。タイトル通り、このレコードはプレイヤーがLESTER YOUNG(ts)、VIC DICKENSON(tb)、ROY ELDRIDGE(tp)、TEDDY WILSON(p)、FREDDIE GREEN(g)、GENE RAMEY(b)、JO JONES(ds) と、有名人ばかり。レスター・ヤングはパーカー以前の人ですから、59年なんていったら全盛期はとっくに過ぎてるはずですが、こういう味のある音楽となると、指先のテクニックとかよりムードの方が大事。もう、虜になっちゃいました。

 レスター・ヤングと言ってこのレコードを真っ先に挙げる人はあんまりいないかも知れませんが、でもこのレコードを悪く言う人も聴いた事がありません。古き良きジャズのクラシックでリラックスした響きを楽しみたい方には断然おすすめの1枚!あと、モダンジャズ以降しか聴いた事のないけど、古いジャズを聴いてみたいという人にも、超おススメです(^^)。



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映画『ブラック・レイン』

BlackRain.jpg リドリー・スコット監督の映画をもうひとつ。松田優作の遺作として話題を呼んだ映画「BLACK RAIN」!この映画、学生の頃に見て、めっちゃくちゃにはまりました!同じ監督の映画としては、僕的には、ブレードランナーの3倍、エイリアンの10倍は好き(^^)。

 映画の内容は、こんな感じ。少しあらすじを書きますので、白字にしておきます。読んでも問題ない程度に留めたつもりですが、読みたくない人は見ないでくださいね。

海外で起きた日本のやくざ同士の抗争現場にたまたま居合わせたふたりのアメリカ人刑事(ミッキー・ローク&アンディ・ガルシア)が、殺人犯佐藤(松田優作)を逮捕。その日本送還中、日本の空港で逃げられる。逃げた佐藤は、自分を捕まえた二人のアメリカ人刑事を狙い、ひとりを刀で首を切り落として殺害。残されたもうひとりの刑事は次第に事件の真相に近づいていき、佐藤と対立するやくざ組織の組長(若山富三郎)に接触。そこで組長から語られたのは、アメリカが日本に落とした原爆によって破壊されたのは町だけではなく、それが佐藤のような人間を生んだと語る。

 さてこの映画、背景にあるテーマは、さっきあらすじのところに書いた、敵親分役の若山富三郎さんが語ったセリフと思います。「佐藤が信じるのはアメリカ人と同じで、金だ」「お前らアメリカは自分たちの価値を押し付け、俺たちは自分を見失った。そして、佐藤のような人間がたくさん生まれた」異文化衝突や価値の押し付けによって破壊された欧米以外の国々の正義や価値観。それを比喩的にひと言であらわすと、原爆が降らせた黒い雨「ブラックレイン」なんでしょうね。このテーマ、日本とアメリカの関係に限らず、二十世紀の世界大戦から現在までの世界情勢の根底にあるものと思うので、実は重要なテーマだと思います。娯楽映画ではありますが、しかし背後にあるテーマはなかなかヘビー(^^;)。
Black Rain 1 でもテーマ以上に、ぼくがこの映画にグッと来たのは、松田優作さんの迫真の演技です!この映画、松田さんのための映画といっても過言じゃないぐらいに松田さんがスゴイ。松田さんが凄すぎて、主役のマイケル・ダグラスがかすみまくり(^^;)。ここまで役者がすべてを持っていってしまう映画って、なかなかないんじゃないかと。松田さんは、やくざ連中も震え上がる恐怖の人物を演じているんですが、サングラスを取る仕草や車から降りる仕草など、演技のどこをとっても、見ていて震え上がってしまいます。いやあ、これはすごい…。松田さん、この撮影中に病気だったそうですが、しかし撮影のために入院を拒絶して撮影を続け、そして他界してしまいました。でも、どれだけ演技を作りこんでいたかは、この映画を見るとよく分かります。演技の迫力が段違いですから。あと、松田さんまでは届かないですが、若山さんの演技もすごい。日本の俳優陣が、ハリウッド俳優を完全に食ってしまった映画なんて、ちょっと他には思いつきません。

そんなわけで、あくまで娯楽ハリウッド映画という枠内なので、芸術映画や作家映画と比較出来るような映画じゃないですが、その枠中では大好きな映画のひとつ。ハリウッド映画って、巷でいわれるほど馬鹿に出来ないというか、どこまで深く見るかという段階があるように見える作品がそれなりにありますよね。この映画だって、犯人逮捕の刑事ドラマとか、アクション映画という見方で留めても十分面白いですが、「どうせ娯楽映画だろ」なんて軽くいえないところがあって、深く見たい人には、それはそれでテーマ部分がちゃんと作りこまれてると思います。見たことのない方はぜひ!



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ラリー・コリエル 逝去

Larry Coryell フュージョン・ギタリストのラリー・コリエルさんが、2/19の日曜日に亡くなったそうです。享年73歳。ホテルで寝ていて、そのまま息を引き取ったそうです。

ラリー・コリエルさん、僕も何枚かレコードを聴きました。いちばんよく覚えてるのは、イレブンス・ハウスというかなりロック色の強いバンドのレコード。あの時代、ジョン・マクラフリンさんとか渡辺香津美さんとか、ロックに限りなく近いフュージョン・ギタリストというのが一世を風靡していて、コリエルさんはその中心人物のひとりだったと思います。

あらためて、ご冥福をお祈りいたします。


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映画『ブレードランナー』

BladeRunner flyer 1982年制作、リドリー・スコット監督の近未来SF作品…といいたいところなのですが、この映画の時代設定は2019年、もうすぐなんですね。空飛ぶタクシーや電飾ギラギラの飛行船広告などは間に合いそうもありませんが、人工頭脳や遺伝子操作によるクローン技術は2017年時点でもう追いついているぐらい(すごい!)、この映画の未来予想って、おおむね当たっていたのかも。

 大ヒットしたこの映画は、遺伝子工学によって人間が生み出しだした人造人間の話。この人造人間たちは宇宙で危険な仕事を任されています。つまり人間扱いされていません。彼らの寿命は4年で、それを知って脱走した彼ら数人が地球に舞い戻って人間の中に紛れ込むというもの。ブレードランナーというのは、紛れ込んだ人造人間を探し出して抹殺する雇われハンターみたいな存在です。この映画、大傑作とは思わないのに、一度見ると何回も何回も見ちゃうんです。なんでこんなにひきつけられるんでしょうか。自分なりに考えてみたんですが、その理由は…

 まず、ストーリーのひねりと、その見せ方がいい!一例を挙げると、人造人間の人数。地球に舞い戻った人造人間は6人なのですが、映画に登場する人数と合いません。また、主人公のブレードランナーは、雇い主の使い走りからお目こぼししてもらうんですが、そこには馬の折り紙が。最初見た時、この意味が全く分からなかったんですが、映画の中で、主人公が見た白昼夢の中に馬が一度登場しています。これらを解釈しようとすると、では人造人間のもうひとりは…みたいな。いや~、何でもかんでもセリフやナレーションで説明してしまわずに、映像や脈絡の流れで把握させるというのは、映画にしか出来ない表現方法なので、「おおっ!」と思っちゃいます。こんなふうにして視聴者の想像力をかきたてるところが、先を見たくなる要因かも。ゴダールやポランスキーの映画にも似た感覚があるので、もしかすると映画術としては王道のテクニックなのかも知れません。7割ぐらい分かったつもりでも、後の3割が分からないので、「あれ、どういうことなんだろう」と、また見ちゃう(^^)。

 次に、人造人間のリーダー役のルドガー・ハウアーさんの演技が素晴らしい!この映画の主役はブレードランナー役のハリソン・フォードさんなんですが、敵役のルドガーさんが素晴らしすぎて、完全に主役を食ってる(^^)。このせいで、主人公と人造人間の闘い&人造人間との道ならぬ恋の話だったはずが、死に行く運命にある人造人間の苦悩の話になっちゃってます(^^)。でも結果オーライというか、話としてはそっちの方が全然深いものになったんじゃないかと。敵の首領の最後の言葉、「オリオン座の近くで燃えつきる宇宙船、タンホイザー・ゲートのオーロラ、そうしたものを俺はこの目で見てきた。そうした記憶もやがて消える」は、映画史に残る名セリフのひとつと思います。それにしても、ブラックレイン松田優作さんといいい、リドリー・スコット監督さんの映画って、敵役が主役を食っちゃうものが多いですね。。

BladeRunner_photo.jpg  美術では、サイバーパンクな雰囲気漂う近未来の描写がいいです!超ハイテクで綺麗な超高層ビルもあれば、その下に広がるスラム街も妙に説得力あって、すばらしい!!この映画の美術監督は秀逸!マンガの「AKIRA」とか、テレビゲームなんかに出てくるサイバーパンクな描写って、この映画に出てきた美術にそっくりですが、やっぱりこのルーツって、この映画じゃないかなあ。

 最後に、たぶんここが一番重要で、映画が現実と繋がっているのがすばらしいです。映画って、謎の超巨大生物と必死に戦うみたいな現実にはありえない設定だと、その必死に戦っている演技やら映画そのもの自体がこっけいに見えてきちゃう、僕の場合。でも、このブレードランナーに描かれた「人造人間の苦悩」は、人工頭脳やクローンの問題が思いっきり現実味を帯びてきた現在に見ると、80年代当時見た時とは見え方が全然違ってきて、「人造人間を作ると、彼らにも心があっても同等の人とは見做さない」とか「人造人間自体が人間より優秀になる」とか、今人間が直面している問題そのもので、とても映画の中だけにある観賞用の虚構には思えません。まさに今人類が突き当たっている問題なんですよね。いや~、これは考えさせられるなあ。

 というわけで、そこまで傑作とは思わないのに、すごく引き込まれちゃう映画。間違いなくSF映画の好作でひとつと思うので、見てない人は、一度は見てもいいんじゃないかと!あ、でも、けっこう頭使いますよ。僕は3回目でなんとなくようやくが分かった気になれた感じでした(^^)。そうそう、この映画って、最初に劇場公開されたもののほかに、ディレクターズカット版とか最終版とか色々あるので、全部まとめて見れるBlu-ray版はおススメです(^^)。



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『Hop Wilson / Houston Ghetto Blues』

HopWilson_HoustonGhetto.jpg 日本にPヴァインというインディー系のレーベルがありまして、昔ここはブルースのレコードばかり出してました。しかも、アメリカですら出されないような発掘音源とか廃盤レコードも出すほどのマニアックぶり。ネットの普及していない80年代、アメリカ本国ですら手に入らないタイトルの宝庫なものだから、ブルース好きのアメリカ人は日本に来たがった人も多かったそうです。ZZトップなんて、来日時にPヴァインのレコードを大量に買い込んでいったそうで。

 Pヴァインのレコードの中でも、「これは聴いてみたい」と痛切に思ったのがこれ。もともとはテキサスにあったアイヴォリーというレーベルから出たレコードに、完全テイクや未発表テイクを加えてリリースされたものです。僕がどこに喰いついたかというと、まずは、このホップ・ウイルソンという人の演奏スタイル。ジャケットから想像するに、ブルースなのに、平置きにしたスティール・ギターをボトルネック奏法で演奏していたのです。普通のギターをボトルネックで演奏するブルースは聴いていたのですが、こういうハワイアンみたいなスタイルは見た事が無かったので興味津々。もうひとつは、レコードのタイトルとキャッチコピー。アルバムタイトルの「ヒューストン・ゲットーのブルース」、これにヤラれました。ブルースといえばまずは南部だと思うんですが、僕のイメージでは泥道、遮断機のない踏切、古い南部の木造りの酒場とか、そういうイメージ。そして、レコードの帯に書いてあったコピーが凄かった。「ブルース史上、最もブルーな凍りつくブルースを歌ったひとり」「怒りと悲痛さが見え隠れするスティール・ギター」。う~ん、ブルース好きなら、ここまで書かれたら聴くしかないじゃないですか!
 1曲目は"Black Cat Bone" か、たしかヴードゥーや南部では、猫の骨を呪いに使うんだよな。そんなかんじでワクワクしながら針を落とすと…うわあ、陽気なバンドブルースが次々出てきた_| ̄|○。勝手にしゃがれた渋いうなり声を想像していた僕は、ちょっとがっかり。そりゃそうですよね、「もっとも凍てつくブルース」と書いてあったのに、どう聴いてもご陽気なアップテンポのブルース・セッションが出てくるんだから…。スライド・スティール・ギターも、言われなければ普通のギターのスライドと見分けがつかないようなサウンドで、肩透かしを食った気分(;_;)。
 でも、気を持ち直して好意的に捉えると、レコードB面は、たしかにヘヴィー系のバンド・ブルースとして、けっこうカッコよかった曲が入ってました。"I Done Got Over" はスローブルースで、ブルース独特のフワーッとした憂鬱さがいい感じ。いちばん良かったのは、ふたつのテイクが入っていたピアノ入りのスローブルース"Merry Christmas Darling" 、これはいい!グッときました。ただしテイク2はホップ・ウイルソンのソロに入ったところでフェードアウト(^^;)…途中で誰かが落ちちゃったのかな?そうそう、このレコードの編成はスライドギター、ギター、ピアノ、ベース、ドラムです。そして、スローブルースはどれもピアノが素晴らしい!!ピアノブルースって、悲しいようなすがすがしいような独特の味わいがあって、ツボに入るとたまらんです(^^)。
 というわけで、「ブルース史上、最もブルーな凍りつくブルース」とか、そういう言葉に踊らされると肩透かしを食うかも。でも、「アップもあればスローもあるヒューストンのゲットーのバーで演奏されていたバンドブルースを聴いてみたい」ぐらいの感じで捉えれば、いいレコードかも(o^ー^o)b。。



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『Mississippi John Hurt / Avalon Blues -Complete 1928 Okeh Recordings-』

Misissippi John Hurt Avalon ミシシッピ・ジョン・ハートさんにハマってしまって、最近アマゾンでポチッてしまったのが、このCD(^^;)。それにしてもアメリカの古いブルースの録音ってすごいですね、1928年の録音なんて、第2次どころか第1次世界大戦の方が近いじゃないですか。しかもそんなに古い録音なのに、このCDは音がいいです。パチパチという音があまり入ってません(入ってるけど)。昔買った戦前のブルースのレコードの中には、音楽よりもパチパチというノイズの方が大きくて、音楽がぜんぜん聴こえなかったものがありました。

 そして音楽ですが、60年代以降のジョン・ハートさんの音楽がむっちゃくちゃレイドバックしたムードなのに対して、若い頃のこの録音はかなりテクニカル。けっこうアップテンポで、「ズン・チャ・ズン・チャ」というリズムを刻みながら旋律も同時演奏します。いや~、すごいなあ。ゆったり演奏するんじゃなくってテンポよくガシガシ行って、けっこうテクニカルな所を見せに行く所は、なるほどプロのブルースマンという感じ。戦前のブルースって、フォークロアではなくて、酒場で聴かせるプロミュージシャンの音楽なので、けっこうテクニシャンが多いんですよね。まさにそれです。う~ん、これだけ歌もギターもうまければ、今でも通用するんじゃないでしょうか。アメリカのこういう音楽って、100年近くたった今と、あんまり変わらないんですね。あと、言葉も今とあんまり変わってないのはちょっとした驚きでした。

 1920年代のアメリカというとジャズエイジのイメージでしたが、ミシシッピのような黒人奴隷労働者が数多く働いていた農場では、こういう音楽が普通だったのかも。100年近くまえのアメリカ南部にタイムスリップできるこのCD、すごく良かったです!実は、正月明けにちょっと落ち込む事件があって、しばらく気分が晴れなかったのですが、ジョン・ハートさんの音楽をいっぱい聴いていたら、癒されてしまいました。元気が出てきた、これは本当に感謝です(^^)。



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『Mississippi John Hurt / The Immortal』

Mississippi John Hurt The Immortal ひとつ前の記事で、ミシシッピ・ジョン・ハートさんの『TODAY!』というアルバムを30年ぶりぐらいに聴いたと書きましたが、なんでそこに手が伸びたかというと、あまり行った事のない出先の町に中古レコード屋さんがありまして、そこでこのレコードを買ったから。「あ、なんか良さそうだな」と思って買ったんです、ジョン・ハートさんのCDを別に持っていた事なんか、思いっきり忘れていて。それで、ブルースを期待しまくって聴いてみたら、思いっきりフォークっぽい。それで、「あ、この人か!」と思い出したというわけです(^^)。それで、このレコードをターンテーブルに載せて聴いてみたら…メッチャよかった!!レイドバックとはこの事、心の傷なんて、こういう音楽を聴いていたらあっという間に癒えてしまいます。。

 アルバムによって違う事をやるような音楽ではないので、この人の音楽を聴きたいのであれば、とりあえず1枚あればいいんじゃないかと思います。って、僕は2枚しか聴いてないんですが(゚∀゚*)エヘヘ。そんでもって、もし他の人に「TODAY!」とこっちのどちらかを推薦するとしたら、僕ならこちらです。こっちの方がレイドバック度が強くって、「ギターうまいなあ、ゆったりしてるなあ、フォークギターっていいなあ」と思ってしまいました。若い頃は退屈に感じてあんなに苦手だったアメリカン・ルーツ・ミュージックですが、40歳を過ぎたあたりから心に染みてたまりません。心を落ちつかせたい時、嫌な事があってやるせない気持ちになった時など、「今の俺には癒しが必要だ!」という方は、ぜひ!!最高のレイドバック・ミュージックです!!



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『Mississippi John Hurt / Today!』

mississippi john hurt today ひとつ前の日記で紹介したエリザベス・コットンさんみたいに、アメリカ黒人のギター弾き語りなのでブルースといわれる事もあるんだけど、 実際には白人のカントリーミュージックみたいなアルベジオ主体のアコースティック・ギター音楽です。ミシシッピ・ジョン・ハートさんです。このレコード、僕は若い頃にはすっごくつまらなくって、それでも貧乏なのに買ったもんだから何度も何度も繰り返し聴いて良さを分かろうとして、それでもダメだったという、僕にとってはいわくつきのCDです。そしてこの前、30年ぶりぐらいに聴いたら…よかった(^^;)!!いや~、売らずに取っておいてよかったです。。

 このレコード、ヴァンガードというアメリカのフォーク系のレーベルから出た一枚で、フォークリバイバルの波に乗って、久々にジョン・ハートさんに注目が集まった時に出されたみたい。レーベルの色そのままの内容で、ブルースというイメージとは全然違って、すごく落ち着いていて、心地よいギター弾き語りのアメリカン・ルーツ・ミュージック的なフォーク。エリザベス・コットンさんみたいな超絶なギターじゃないけど、歌はジョン・ハートさんのほうがいいなあ。歌も叫んだり張ったりする事がなくって、すごく落ち着いていて気持ちいい。。牧歌的、レイドバック、リラックス系。あと、詞も飾ってなくっていいです。歌って、やっぱり舞台や商売のために言葉の上っ面ばかり体裁を整えたものじゃなくって、洗練されてなくても大した話題じゃなくっても、人が本当に考えたり思ったりしたと思えるようなことを歌ってくれる方が心に響くなあ。
 でも、なんで若い頃の僕が、これを良いと感じなかったのかも、なんとなくわかります。当時はブルースにハマっていたので、ブルースのあのアクの強さを求めてしまっていたんでしょうね。ジョン・リー・フッカーの唸り声&ガツガツ刻むギターとか、ライトニン・ホプキンスの酒やけした声&独特のタメとか、ハウリン・ウルフのだみ声とか。そういう強烈さといぶし銀の混じったようなブルースを期待して買ったものだから、このあまりにも牧歌的な音楽に「これはブルースじゃない!」と思っちゃったんでしょう、きっと。あと、まだ英語がよく分からなかったのも痛かったかも。ほら、ウディ・ガスリーとかもそうですけど、フォークって、詞が分からないと魅力半減じゃないですか。そんなわけで、ブルースと思って聴くと外すかもしれませんが、牧歌的なアメリカン・ルーツミュージックと思って聴くと、とつぜん魅力ある1枚に感じるんじゃないかと(^^)。



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『Elizabeth Cotten / Freight Train and Other North Carolina Folk Songs and Tunes』

ElizabethCotten_Folksongs.jpg 趣味で「ギターを演奏できるようになりたいな」と思いつつ、ギターがいつまでたってもうまくならない僕からすると(仕事に追われて練習しないのが悪い- -*)、ベースラインとメロディラインをひとり同時演奏するフォーク系のギターはあこがれ。以前、カントリーのカーター・ファミリーのメイベル・アディントン・カーターのギターを紹介しましたが、ああいうのに弱いんです(^^)。ギターの一人多重奏は、他の楽器からすると超絶技巧のオンパレードといっていいんじゃないかと思うんですが、なかでもフォーク系のミュージシャンは、それがテクニックだけになっていなくって、すごくハートウォーミングな、聴いていて「ああ、すごく気持ちいいな~」ってなる人が多い所が好きです(^^)。ジャズやクラシックだと、技術を習得したい人が多くって、その披露大会みたいに思えちゃうものとなると、音楽として楽しめなかったりして(^^;)。

 ブルースにも、こういうフォーク系の要素の混じったものがありますが(ミシシッピ・ジョン・ハートとか)、エリザベス・コットンおばあさんは、どちらかというとこれ系でしょうか(すみません、詳しくないのでウソかも)。そして、ベース&メロディのアルペジオ系の一人多重奏がメッチャうまいうえに、すごくハートがあって聴いていてホッコリしてしまいます。これは必聴!!昔、日本盤はこれが唯一出ているものでしたが、もうすごいです。ジャケットを見ると分かりますが、左利き。驚くのは、右利き用のギターを、弦を逆に張り替えずにそのまま左で演奏するんですよ!!つまり、親指でメロディ、その他の指でベースや和声を作るんですね。これ、YouTubeなんかでわずかに演奏動画が残っていたりしますが、もうびっくり。こんなの見た事ないっす。こんなにまったり気持ちい音楽なのに、やっている事は超絶。エリザベス・コットンおばあちゃんのギターテクは、ボブ・ディランもあこがれ続けたそうです。
 コットンおばあちゃん、デビューは60歳。公民権運動以前のノースカロライナで過ごした黒人さんで、仕事はメイド。プロうんぬんじゃなくって、生活の癒しとして音楽を楽しんでいたから、テクニックがあっても歌心が失われなかったのかも。この「仕事の為じゃない」というところが、今の音楽に欠けている所な気がするんですよねえ…。日本だとあまり知られていない人かもしれませんが、この人は必聴。聴いた事のない方は、ぜひ!!



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Bach Bach

Author:Bach Bach
狭いながらも居心地のいい宿で、奥さんとペット数匹と仲良く暮らしている音楽好きです。若いころに音楽を学びましたが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたレコード/CDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度のものですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば嬉しく思います(ノ^-^)ノ

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ロシアとウクライナがほぼ戦争状態に入りましたが、僕はソ連解体後のウクライナについて本当に無知…。これは2016年にオリバー・ストーン監督が作ったウクライナのドキュメンタリー映画。日本語字幕版が出たらぜひ観たい このブログをYoutube にアップしようか迷い中。するなら作業効率としては早いほど良いんですよね。。その時にはVOICEROIDに話してもらおうかと思ってるけど、誰の声がいいのか考え中
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