うめと愉快な仲間達

うめから始まった、我が家の猫模様。
犬好きな私は、チワワの夢を見ながら、
今日も癖が強めの猫達に振り回される。

果報は寝て待て

2017å¹´04月30æ—¥ | æ—¥è¨˜

始まったんだ。

また、始まってしまったんだ。

 

おはようございます。

ゴールデンなウィークが始まった。

そんなの関係ねーやという方も、居られると思います。

我が家のおじさんも、連休とは無縁だ。

そんな中、私は9連休・・・・すまぬ。許して。

 

その代わりに、私は、楽しい事はしません。

楽しい予定など、いっさい有りません。

せめて、掃除くらい頑張りたいのだが、

私の予言によれば、

おそらく・・・

私は、この9日間を、ほとんど横になって過ごします!

 

金曜日の朝、私は父さんに高級デジカメを借りた。

連休の間、会えないから、撮影しておこうと思ったのだ。

会えない相手というのは、

数年前から会社で世話をしている、胡蝶蘭の事だ。

ちょうど咲き始めた、胡蝶蘭だ。

連休の間に、更に咲いているのだろう。

私が、ゴロゴロ寝ている間に。

 

さすが、父さんの高級カメラで撮るとちがうなぁ

と感心したが、

そんな私は、ブログを始めるまでは、カメラすら持っていなかった。

たまに、ガラケーのカメラで猫を撮影する程度だったが、

その中でも、私の好きな画像があるんだ。

たとえば・・・

「一緒に、お昼寝」

あやと、子猫のおたまだ。

おたまが来た時、あやは大変だった。

3日間飲まず食わずで、立て籠もっていたっけ。

それが、いつの頃からか、

本当の姉のように、おたまの世話を焼くようになった。

あの頃のあやは、

寝る時は必ず、おたまの場所を開けて、待っていた。

美しい愛を感じる、1枚だ。

 

あれから3年・・・

あや「なーに見てんのよ!」

 

あや「シャーッ、やるかー!やるのんかー!!」

 

おたま「え?え?違うし・・・」

 

おたま「別にやらないし、通るだけだし・・・」

 

あや「いつでも、こいやー!」

 

おたま「行かねーし、全然違うし・・・」

 

おたま「ね、ねらってないし・・・」

 

おたま「おらは、無害です」

 

おたま「おらは、ただ通っただけです、ごめんなさ~い」

 

あや「ふっふっふ!」

鏡に映る、おかっぱも、悪い顔で笑ってら~。

なんて、見苦しい姉弟喧嘩なんだろう・・・


猫の手を、借りてみた

2017å¹´04月28æ—¥ | æ—¥è¨˜

去年の暮れ、

長い間掛けていた、生命保険が満期を迎えて以来、

我が家には、生保レディーが、たまにやってくる。

 

おはようございます。

以前、お越しになったお姉さんは、

無類の猫好きだった。

いや、ムツゴロウさんレベルに動物を飼っていた。

もちろん、猫もだが、

うさぎ・サル・フェレット・犬・鳥・トカゲ・・・・もう覚えられない。

とにかく、保険の話など、そっちのけだった。

2時間近く、盛り上がったなぁ、動物の話で。

 

そしてまた昨日、保険会社からのオファーの電話が来た。

残念ながら、ムツゴロウお姉さんからでは無かった。

「今から伺ってよろしいでしょうか?」と。

電話越しの、その声は、

声だけでも、みなぎるヤル気が、伝わって来る。

 

こわい・・・

 

もちろん、保険は掛けておくに越した事はないのだろうが、

今は、まだ、入る気になれないのだ。

しかし、今から来る生保レディーは、ちょっと違う。

おそらく、ベテランでやり手のレディーだろう。

勝てるか、おかっぱ?

 

あれこれと思いを巡らせていると、

ついに玄関のチャイムが鳴った。

濃い!濃すぎる!

勝てる気がしねー

 

こうして、ベテランお姉さんの、弾丸セールスが始まる。

もう、相づちを打つ隙さえ、見当たらない。

助けて。

誰かー誰か助けてーーーお母さ~ん!

そう思っていると・・・

うんこが、参戦。

 

どうやら、

お姉さんが持っているパンフレットが気になって仕方ないようだ。

パンフレットを咬もうとする、うんこに、

一歩も引かない、お姉さん。

さすが、ベテランお姉さんだ。

 

やっぱりダメかと諦めかけた、その時・・・

ん?うふふふ?

 

やっと隙を見せたお姉さんに、

「猫、大丈夫ですか?」と聞いてみると、

お姉さんは、話し出した。

 

大好きよ。

この子くらい、大きな子だったの。

去年、見送ったわ。

急だったものだから、本当に落ち込んじゃってね。

あっそうそう。

昔は、真っ白な猫も飼っていたの。

21歳まで、頑張ってくれたのよ。

本当に、猫が大好きなんです。

でもね、もう飼えないわ。

あの子を最後にって決めていたから。

こう見えて、

私ね、お婆ちゃんなのよ。

 

その後は、ご想像通り。

おたまを抱いて、猫の思い出話で盛り上がり、

ご自分のお歳まで耳元で囁いて下さり、

私は、のけ反ったりもした。

そして

図らずも、

勝った・・・

 

君たちよ、ありがとうありがとう。

うんこ「でも、おやつもくれないのよ、ケチ母さんは」

 

おたま「ほんとに、ケチだ」

 

うんこ・おたま「ケチだ~、ケチケチ、腹黒・・・ブサイク・・・」

ふっ、なんとでも、言うがいい!


記録の意味

2017å¹´04月26æ—¥ | æ—¥è¨˜

先ほど、

我が家のお転婆猫あやが、

熟睡中のおじさんの腹の上に、

朝食を吐き戻していたんですが、

そっと拭いてやった方が、いいのでしょうか?

 

おはようございます。

どっしよかな~放っとこっかな~・・・

そんなこんな毎日ですが、

実はこのブログ、とっくに2年を経過しておりました。

こうして続けられるのも、

ひとえに、お越し下さる皆様のおかげです。

まことに、ありがとうございます。

 

いつも、おおかた、「下品!」「ばかーん!」「くっだらーん!」

という記事を書き続けて、はや2年と1か月と数日。

振り返ってみれば、これでも記録という役割も、

たまには果たしてくれました。

 

そんな私の家には、数冊の記録簿が残っている。

子猫を拾った時の育児日記や、猫の闘病記録だ。

だいたいは、その役割を終えたら捨ててしまうのだが、

捨て忘れた数冊が、残っているという訳だ。

これは、ひとえに、掃除を怠っている私の功績だ。

 

せっかくだから、ちょっと覗いてみよう。

 

「ォ タマの成長日記」ー2014年

<10/24> 

朝:わたぼん保護 (体重300g)

10時:レトルトを食べさせるが下手。排尿させる。

12時:ごはん。排尿。

15時:ごはん。ミルクの方がいいのか?この子、ぶきっちょか?

18時:病院にて、詰まっている便をかき出すも、砂利だらけ。

21時:ミルクに切り替える。

哺乳瓶を攻撃するも飲むから、しばらくミルク。

うんち、ちっこ、介助にて出す。

ん~、野良っけ、つえー!

 

<10/29>

ジジーの強制改名によって、おたまとなった途端に、

祝、自力排尿に成功!

 

<11/4>

離乳、自力排泄安定したので、ジジババ保育園デビュー。

昼間の記録は、ジジーに託す。

 

<11/5>

11時:ジジとごはん

12時:ジジにべったり。

13時:ジジの足の間にいる

14時:ジジと遊ぶ

 

このように、その後、

昼間の記録は、ジジとおたまのライブ中継と化した。

 

来る日も・・・

9時:ジジの足元で寝る

 

来る日も・・・

14時:ジジの足元にベッタリ寝る

 

また来る日も・・・

10時:ジジと遊ぶ

 

10時半:ジジと~

もう、ええわい!!

 

日記の最終頁

<11/14>

自己主張ができ、体調安定したと判断し、記録を終了。

まだ、カンシャクは完全にはおさまらず。

トラウマが強いのか、ただの性格か、判断不能・・・。

 

次は、

「3兄妹保護日記」-2015年

<8/3>

白かーさん死去により、子猫保護

1号 240g

2号 230g

クロ 270g

 

<8/18>

5時:トイレにうんちアリ 誰?

7時:トイレにうんちアリ どれ?

9時:トイレにうんちアリ いや、どの子なのー?

 

<8/30>

3兄妹、終の棲家への旅立ちにより終了。

結局、今日も、どの子のうんちだったは、不明・・・。

 

そして、最後は、

「うめの闘病記録」

これは、2013年から2015年まで続いた。

排泄の時間、ご飯の事、投薬や通院と

あらゆる記録を取っていた。そして・・・

 

<11/10>

6時:a/d完食

7時:尿をもらす

15時:尿をもらす

17時半:あかん、動かん。病院へ

18時15分:永眠

 

<最終頁>

うめ、私達、頑張ったよね。

本当に、ありがとう。

おかっぱは、もうしばらく、がんばります。

これからも、どうぞ よろち・・・く・・・びーーー! うふふ


掃除機を買いました

2017å¹´04月24æ—¥ | æ—¥è¨˜

アマゾンさん、ごめんなさい。

私・・・

今回ばかりは、この耳で確かめて、

決めたかったの。

 

おはようございます。

困った時は、まずアマゾン!

これを胸に歩んできた、我が人生であったが、

この度、10年以上も共に戦った掃除機との別れを経験し、

新しい掃除機との出会いは、実際会って決めたかったのだ。

もちろん、品定めのためには、アマゾンさんは欠かせない。

レビューってんですか?

読み漁って、これ!という掃除機に定まった。

音が凄く小さい、紙パック仕様の掃除機だ。

もう名前も付けた。

「シャンペン」だ。

 

シャンペンに決めた最大のポイントは、紙パック式という点だ。

実は、古い掃除機がいかれた、記念すべきその日に、

アマゾンさんから、大量の紙パックが届いたからだ。

そうなると、

是が非でも、紙パック仕様の掃除機を買わなければならない。

そんな自分を納得させるために、

本当は、ちょっと気になる、サイクロンの欠点ばかりを探す日々だった。

確かにサイクロンは、吸引力は絶大だと書かれていたが、

それらと比べると、シャンペンは、とにかく音が小さいらしい。

その情報によって、自分を納得させる事に成功したのだった。

 

そして、昨日、

シャンペンの正式名称を書いたメモを手に、

ついに電気屋さんへ向かった。

 

掃除機ブースに行ってみると、一人の男性店員が立っていた。

「あのー、掃除機が欲しいのですが」

と声を掛けてみると、男性店員は、

「あちゃー、あちゃちゃちゃちゃー。お任せください」

と、なんか変な動きを加えて、言ってきた。

 

その第一印象の時点で、

なんか、やばい匂いが漂ってきたが、

やるっきゃないと思い、話を続けた。

 

私が、「紙パック式のなんですが」と言った途端、

店員は、

「あっあっ、でもでもでもサイクロンも~、凄いんですよ!」と、

手をヒラヒラさせながら、話の腰を折ってくる。

 

ジッとしろ!っと思いながら、話を続けた。

「でも、音が大きいでしょ?」

 

「お知り合いが、サイクロンを使っていて、

音がちょっと気になるって、言ってたんですが」

 

ここで、店員は、畳みかけてくる。

「大きい訳では無いんです。ちょっと聞きなれない音っていうのかな~?

ちょっと気になる音っていうのかな~?

高い音なの、プイーンって高い音がね、聞きなれないだけなんですよ」

 

この説明で、私の心が揺れた。

だか、あの大量の紙パックを無駄にするのか?

いーや、無駄になんてさせねーと思い直し、

私は、攻めた。

「高い音・・・嫌い」

ひるんだ店員に、

私は、チャンスだと言わんばかりに、シャンペンを指さして、

「この子の音を聞かせてください」とお願いをして、

その音色に、しばし2人で耳を傾けた。

「ん~、とっても静かな音ですね」

「ですね」

 

さすがに諦めたかと思いきや、

店員は、店内で最高額のサイクロンを手に、

「これも、実際、聞いてみましょう」と。

彼は、必死だ。

 

負けたよ。

あんたの気迫とキャラに負けた。

じゃ、聞いてみよう。

「ん~、さっきの子の方が、静かね」

「ですね」

 

そんな激しい攻防に勝利した私は、

シャンペンの箱を手に、ニッコニコで店を後にした。

が・・・・

これ、私が頼んだのと違う掃除機やないかー!

この期に及んで、ちょっとした隙間を軽く吸うための

シャンペン色のハンディー掃除機、要るかー!

あいつめー、

どうりで、私と同じ匂いがしてた訳だ。

やっぱり、おっちょこちょい・・・だったか・・・

 

さて、再び店へ戻って、取り換えてっと。

今度こそ、シャンペンとのお手合わせだぞ~。

うんこさん?

うんこ「ふむふむ」

退いてくれ

 

うんこ「あら、静かなお方ね」

退いてくれ

 

うんこ「ご挨拶を・・・」

退いてくれ

 

うんこ「よろちくびー、うんちゃんよ」

 

ご覧ください。

この通り、消音なシャンペンさんは、

猫にも好かれる、逸品なのです。

成功だ。

この買い物は、大成功だ。

 

そうだろ、おたま?

お前は、そもそも、掃除機の音など気にしないもんな、もんな・・・

おい、コラ。

いつもみたいに、掃除機と戯れろやー!

自信が揺らぐわー!!


ボクという犬

2017å¹´04月22æ—¥ | çœŸé¢ç›®ãªæ—¥è¨˜

私は、子供の頃から、あまり本を読まない。

自慢じゃないが、生粋のテレビっ子だ。

そんな私でも、時には本を読んで、

学んだり、笑ったり、泣いたり、感動したりするんだ。

 

そして、今回、読んだ本は、

ポンままさんに薦めていただいた、

「旅猫リポート」

号泣でした。ままん、号泣でした。

とっても、感動しました。

 

内容について書くと、絶対ネタバレしちゃう私なので、

そこには触れないかわりに、

この小説を読んで、どうしても被ってしまう自分の事を

書こうと思うんです。

もちろん、この小説のような感動はありません。

ごめんなさい。

 

私は、1度だけ、

共に暮らす猫達を手放そうと考えた時期があった。

 

当時、私は念願の自分の店を開業させた。

アロマテラピーとカイロプラクティックの店だ。

とても小さな店だったが、私独りで切り盛りする店だ。

これくらいが丁度いいと思った。

その店で、私は、たくさんの素敵なお客様と出会い、

毎日が充実していた。

人生の中で、これ程、生きていて楽しいと思える時期はなかった。

そろそろ、一周年記念の企画をと考えていた、4月のある日、

私は、突然、酷い頭痛に襲われ、意識を失った。

 

手術は成功し、めでたく生還はできたが、

私の脳内は混乱していた。

退院した私は、ご迷惑をお掛けした関係者各位に

知らせのメールを打とうとしたが、

文字が全く浮かばない。

メールの打ち方が、さっぱり解らない。

数字すら、ろくに数える事ができない。

その事に気づき、私は愕然とした。

 

主治医に聞けば、

「術後の後遺症だと思われますが、リハビリで、

ある程度取り戻せる事もあるから、焦らず過ごしましょう」

と言われ、私は焦りに焦った。

 

店へ行かなくては。

そう思っても、店への道も解らなくなっていた。

自分が情けなくなってしまい、店を手放す事にした。

 

数か月が経ち、

症状は、日常生活を送るに支障のない程度に回復した。

といっても、残念な事に、

私の元来生まれ持ってきた、おっちょこちょいな性格や、

すっとこどっこいな部分、ケチは、そのままだった。

 

回復に安堵するはずが、

私は、ますます不安に苛まれていく。

人間なんて、いつ、どうなるか、わかりゃしないんだ。

本当に、私が死んだら、どうするんだ、と。

そんな思いで、

呑気に昼寝をしている猫達を見ていたら、

膝の上のうめさんが、私をじっと見上げていた事に気づき、

私は、うめさんに話しかけた。

 

よねは、誰にだって可愛がってもらえる、大人しい猫だし、

きくは、ここなんかより、もっと居心地の良い場所があるかもしれない。

うんこは、何処へ行ったって大丈夫。きっと可愛がってもらえるはず。

ねぇ、うめさん?

私さ、あんた達が死ぬまで、守り抜く自信が無くなっちゃったんだよ。

 

私は、さっそく、顔が広い友人に連絡を取ってみた。

「うちの猫を貰ってくれる人、いないかな?

せめて、一番若い猫はどうだろう?」と聞いてみると、

友人は、

「はっはっは。あんなドデカい猫、欲しい人なんて居ないって」

と笑った。

笑うな、うんこを笑うな。

あんな良い猫は、どこ探したって、いないんだ。

こいつじゃ、話にならんと思い、帰った。

 

実家に行き、軽い感じで、

「ねぇ、きく、要る?」と聞いてみた。

母さんは、軽い感じで、

「要らん」と答えた。

ばっかだな~、

損したな~母さんは。

 

次は、別れた亭主を思い付いた。

そういえば、別れ際のあいつの最後の言葉は、

「せめて、よねを置いて行って」だった。

それを思い出し、携帯電話に掛けてみた。

電話番号が・・・変わっていた。

バッキャロー!

 

そして、里親サイトにアクセスしてみると、

まず注意事項が案内された。

「里親詐欺に、気を付けてください」と。

悪いヤツも居るのかと気を引き締めて、

とりあえず、募集中の猫達を見ていたら、

皆、素敵な人に出会えよ~がんばれよ~っと、

願う事に気をとられ、

うちの猫達の募集記事は、いつまで経っても作れなかった。

 

そんな、悶々とした日々を過ごす中、

ある日、実家で父が古い1枚の写真を見せてきた。

子犬と、幼い少女が映った白黒写真だった。

 

その写真を手にした瞬間、心臓がドクンと鳴り、

その拍子に、脳内で、映像がまるでフィルムが早送りするように

激しく、ぐるぐる回り始めた。

その激しさに、めまいを覚え、ぐっと体に力を入れていると、

めまぐるしく回っていた映像が、あるコマで、ピタッと止まった。

そのコマは、遠くで立ち尽くす1匹の犬の姿だった。

そして、今度は、ゆっくりとフィルムが回り始めた。

 

私が、うんと幼い頃、父は会社を経営しており、

その会社で、犬を飼い始めた。

当時、母も会社を手伝っており、

幼い私は、知り合いに預けられる事も多かったが、

預けられるより、会社で犬と過ごす方が好きだった。

昔、この地方は、まだ野良犬も当たり前のように居て、

飼い犬であっても、リードで繋がれず、自由に暮らす犬も珍しくなかった。

会社の犬も、自由な飼い犬だった。

だから、私達は、いつでも自由に、

一緒にいろんな所へ冒険をしに出かけた。

時には、その冒険の途中、犬が500円札を発見して、

それを咥えて、会社へ戻った。

皆に褒められる犬を見て、私はとても誇らしかった。

どんな冒険も、私は不安に感じた事なんて1度もなかった。

犬と一緒なら、どこへ行ったって、楽しかったんだ。

 

しかし、ある時、父の会社は、倒産した。

そして、父は、「犬は、ここへ置いて行く」と言った。

「近所の人が世話してくれるから」と。

その言葉を聞いて、私は、父に何も言えなかった。

せめて、どんな人が飼ってくれるのかくらい、聞けばいいものを、

私は、そんな事さえ言えずに、ただ茫然としていた。

 

その数日後、父の運転する車で、

たまたま倒産した会社の前を通り過ぎた時だった。

後部座席から、後ろを振り返った私は、

その時、犬が必死に追いかけてくる姿を見た。

必死に追いかけて、追いかけて、それでも追い付けず、

犬はついに、足を止めた。

犬の姿が、どんどん小さくなっていき、

とうとう見えなくなった。

 

その立ち尽くす姿が、犬を見た最後の記憶だった。

私は、そこまでを思い出し、ようやく、

忘れるはずのない犬の記憶を、

長い間、脳のどこかにしまいこんでいた事に、気付いた。

 

この写真に写っている犬と少女は、ボクと私だ・・・。

 

記憶と共に、

あの時に感じた、すべての感情が甦り、

私は写真を見る事ができなくなった。

泣きそうな自分を両親に悟られたくなくて、

急な用を思い出したと言いながら、

急いで写真をカバンに入れ、実家を飛び出した。

 

家に戻ると、いつものように、うめが玄関で待っていてくれた。

私は、靴も脱がずに、跪いて、うめに何度も謝った。

涙が、うめの頭にポタポタ落ちて、

それを何度も両手で拭きながら、謝り続けた。

 

自信なんて無くたって、私は生きてる。

生きている限り、私はボクに謝り続けなければならない。

そんな、もう今となっては、どうにもならない事を、

せめて、やり続ける責任が、私にはあるんだ。

私は、一日でも長く生きて、ボクに謝り続けていく。

そして、この猫達を、絶対に守り抜いてみせる。

 

そう思い、猫達の里親探しを止めた。