うめと愉快な仲間達

うめから始まった、我が家の猫模様。
犬好きな私は、チワワの夢を見ながら、
今日も癖が強めの猫達に振り回される。

黒猫の奇跡

2024å¹´07月01æ—¥ | ã»ãã‚ãŸã‚Œè”µã®äº‹

嘘みたいだけど、

もう7月なんですって?!

 

おはようございます。

7月は、たれ蔵だ!

綺麗な空だね、たれ蔵。

 

たれ蔵と初めて過ごした7月は、

たれ蔵にとっても私にとっても、激動だった。

たれ蔵は、ようやく2か月歳になり、

その頃のたれ蔵は、黒猫じゃなく灰色の猫というよりコウモリみたいで、

「この子は、どんな成猫になるんだろうね?」

と、母ちゃんはすっごく楽しみだった。

 

ところが、

突然6匹の生後間もない子猫を保護する羽目となった。

生まれて約9時間歳の子猫らだった。

それを弊社の熟女さんと手分けして、3匹ずつ育てる事になり、

私はそれが本気で嫌だった。

ただでさえ、たれ蔵を保護した時は、よねの終末期で、

たれ蔵にばかり手を掛けてやれなかった。

だから、

よねを見送った後は、大いにたれ蔵を甘やかしてやろうと思っていた。

 

生後2か月のたれ蔵は、それはそれは元気で素直で食いしん坊な子猫になった。

私とおじさんは、いつも笑っていた。

たれ蔵も笑っていたよな?

だから、今更また子猫を育てるなんて、本当に嫌だったんだ。

たれ蔵に、また淋しい思いをさせることが、苦しかった。

 

ところが、

たれ蔵は赤ちゃん達を見て、すごく楽しそうだった。

なんだか突然、お兄ちゃんみたいな顔になって、

赤ちゃんの世話をする素振りをみせた。

「あれ?あれれ?」

私は驚いたが、それと同時に救われた。

元気いっぱいの生後2か月の男の子のくせに、

どこもかしこも柔らかい赤ちゃん猫を繊細に舐めてやる姿は、

実に頼もしかった。

気付けば、嫌だ嫌だという思いはすっ飛んでいた。

「たれ蔵は寝てていいんだよ。付き添ってくれるの?」

と、たれ蔵と一緒に深夜の授乳を乗り切れた。

 

そんな中、コチョウが死んだ。

生後23日でのことだ。

たれ蔵と同じ、黒猫だった。

共通点は、黒い被毛だけのはずだが、

私は、小さなコチョウを両手で覆い泣きながら、

一瞬、たれ蔵の未来が見えた気がしてハッとした。

『本来なら、たれ蔵も生きてはいないのかもしれない。』

そんな錯覚に囚われたのだ。

あれから私は、たれ蔵にいつも、

「たれ蔵、長生きしておくれよ?ずっと私の側にいるんだよ?」

と言い聞かせ続けた。

 

結局、のん太は我が家に残留した。

たれ蔵とのん太は、まるで本当の兄弟みたいだった。

もはやセットで、たれのんと呼んでいた。

とはいえ、性格は全く正反対で、

優等生のたれ蔵と、癖の強いのん太だ。

この癖強の軟弱なくせに偉そうなのん太が、

我が家の他猫にどういう訳か愛されるのは、

間違いなく、たれ蔵のおかげだ。

気難しいおたまとの間で、いつだってたれ蔵が上手く繋いでくれた。

 

たった4年のたれ蔵との暮らしは、

私のみならず、我が家の皆の奇跡の4年だった。

ありがとうとしか表しようがない。

それだけが、実は私の後悔だ。

ありがとうと言わなくて済む私でいられれば、良かったのになあ。

もっと、すんばらしい母ちゃんでいてやりたかった。

 

さぁ、

軟弱なくせに偉そうな、のん太!

のん太「ここは、のんの陣地らぞ!」

 

あや「うえーーい」

ビビる、のん太

 

もはや、ビビって出られなくなっている、のん太

 

なんだかんだ、兄と姉に甘やかされているな、のん太は。

 

だったらさぁ

おたま「おらも、やってみるだ!」

と言ってる、兄をさぁ

 

おたま「あれ?あや姉と白いの、どこ行っただ?」

放っておくのやめてあげて~!


猫と月と滝の涙

2024å¹´05月08æ—¥ | ã»ãã‚ãŸã‚Œè”µã®äº‹

気付けば、4月なんて、とっくに過ぎている。

 

おはようございます。

このブログの端っこのプロフィールは

毎年、4月に更新することにしている。

産まれた月は、それぞれバラバラだが、

ざっくり4月から、歳を1歳プラスする。

そして、居なくなった者は、プロフィールから外す。

ようやく、書き直す気になった。

 

ある夜、私は猫らを遊んでやろうと、

おもちゃ箱をまさぐっていた。

おもちゃ箱に頭を突っ込む猫を制しながら、

「あやさん、遊びたいな。待て待て!」

と声を掛けた。

最近は、何かと忙しくて、あまり猫らと遊んでやれていない。

罪滅ぼしのためだから、とっておきのおもちゃで遊んでやろうと思い、

箱の奥から新品の猫じゃらしを引っ張り出した。

その時、黒くて長い被毛の塊が綿毛のようにふわりと宙に舞った。

ゆっくりと空中を下降する被毛を目で追い、

床に落ちた瞬間、一気に涙が溢れ出した。

ポロリポロリなんてもんじゃない。

目頭から目尻の幅分の涙が、はやい速度でとめどなく流れ落ちていく。

それはまるで、ナイアガラの滝だった。

「たれ蔵・・・」

そう絞り出したが最後、

私はしばらく、たれ蔵を呼びながら泣いていた。

何度も何度も呼びながら。

 

失うということは悲しく切ない。

それは痛みとも言えよう。

愛しい君との記憶が、滝のごとく、この身を打ち付けるのだ。

痛いのは嫌なのに、忘れたくない君との過去だ。

これはどうしたらいいのだろう。

私は戸惑う。

涙を流し続けるべきか、せき止めようと試みるべきか。

 

ふと我に返ると、はしゃいでいた猫らが、

私を囲んで静かに座っている。

手に猫じゃらしを持ったまま、窓の外に目をやると、

おぼろ月が、流れる靄の隙間から、いたずらっぽく覗いていた。

その月は、まるで、あの子の瞳だった。

 

私は、おぼろ月を見上げたまま、

「遊ぼう!遊ぼう、たれ蔵。」

と呟いた。

結局、私は涙をせき止めることも忘れ、

ナイアガラの滝の涙は流れるまま、夢中になって猫らと遊んだ。

 

楽しかったね、たれ蔵。

 


美しい君へ

2024å¹´02月02æ—¥ | ã»ãã‚ãŸã‚Œè”µã®äº‹

たれ蔵が逝ったのは、

11月26日・・・

 

おはようございます。

2月は、たれ蔵さん。

ああ、やっぱり美しいねぇ、君は。

 

あれから、ようやく2か月が過ぎた。

たった2か月だ。

けれど、私は不思議なくらい、たれ蔵を思い出さない。

あまりに思い出さないから、

わざわざ、記憶の引き出しから、たれ蔵を引っ張り出している。

そして、

「たれちゃん、たれ蔵」とあえて声を出す。

そうしないと、居たということさえ、幻になってしまいやしないか、

私はそれが不安で、あえて声を出す。

 

たれ蔵が生きた4年間、彼はいつでも美しかった。

どこも汚れたところのない子だった。

大きな鼻くそを付けていたって、彼は美しかった。

あまりに美しいから、私は怖かった。

こんな美しい生き物が、

長い年月、この世に形を保っていられる気がしなかったんだ。

だから私は、必死だった。

どこもかしこも健全に見える彼を、私は誰よりも心配した。

呪文のように、

「たれ蔵、ずっと私の側にいるんだよ。」

と唱え続けた。

 

たれ蔵が生きた4年間、私はいつでも、たれ蔵に救われていた。

この4年間は、私個人にとってなかなか困難が多くて、

私は、いつ逃げ出したって可笑しくない心境だった。

けれど、悩み事や困り事が起こる度、

何かの拍子に、たれ蔵の行動にハッと気づかされた。

それはまるで、たれ蔵からのメッセージみたいだった。

そんな時、私は思わず、

「たれ蔵は、私を助けに来てくれたの?」

と、たれ蔵に問いかけた。

 

たれ蔵が逝った去年を過ごすうち、

私はたれ蔵に、

「私にはまだ、たれ蔵が必要なんだからね。

私はほんと、ダメな母ちゃんなんだから、

だから私と居てちょうだいよ。」

と言うようになっていた。

まだ、たれ蔵が元気な頃だったのに、

どうしても嫌な予感が過り、私はその度たれ蔵に縋った。

 

けれど、その予感が的中した、あの時、

私はたれ蔵の死を、とても素直に受け入れられてしまった。

「たれ蔵、やっぱり君は凄いな。

あたし、今、大丈夫なんだもん。」

チャー坊を亡くして悲しみに暮れていた頃だ。

あの時、たれ蔵は最後の命がけのメッセージをくれた気がした。

立て続けに猫を見送るのだから、悲しさが2倍になるかと思いきや、

そうではなかった。

たれ蔵が生きた4年間、

うんと小さな頃から、ずっと一緒に生きて来られたことが、

どれほど有難く、どれほど幸せなことなのか、

あのボロボロの老猫との4か月を経験したからこそ、

納得せざるを得なかったんだ。だから、

「たれちゃん、ありがとう。」

それしか思いつかない別れだった。

 

気付かないうちに、私は4年前より少しばかり強くなっていた。

いや多分、強くなったわけじゃない。

たれ蔵が伝え続けてくれたメッセージが、

私の心の成分に浸透しているからだろう。

 

たれ蔵、母ちゃんは、とこっとん頑張ってみるよ。

君みたいに美しくはなれない。

けれど、ぐちゃぐちゃに、ドロドロになっても、

君の美しさが、私の目指すゴールだ。

 

さあ、3バカ兄弟の白担当よ。

何をしているんだい?

おたま「この白い手が気に入らないだ!」

君も白いけどね。

 

おたま「白いやつに、やり返すだ!」

君の手も、そうとう白いけどね。

 

のん太「むぅ、なんら、このちろいのは?!」

いや、君も白いよ?

 

のん太「まったく、ちろくて邪魔ら!」

シロの攻防、永遠なれ!


蕾と猫

2023å¹´12月13æ—¥ | ã»ãã‚ãŸã‚Œè”µã®äº‹

こんな季節に、

胡蝶蘭が花芽を伸ばしている。

 

おはようございます。

会社で世話をしている3鉢の胡蝶蘭のうちで、

一度も花芽を伸ばしたことのない鉢だ。

弊社のお祝い事で頂いたのは9年前だったろうか。

あれ以来、3株をそれぞれの鉢に分けて世話を続けている。

そのうちの2鉢は何度か花を咲かせて来た。

とはいえ、一度も花を咲かせない鉢を残念に思ったことは無い。

花芽を出す2鉢は、それはそれで手が掛かるし、

咲くか咲かないかと、気を揉む。

その点、咲かない鉢は、

「いいんだよ。あなたは今のままでいい。

葉っぱが活き活きとしていて、それもいいじゃない?」

控えめだけど、葉っぱは2鉢よりもうんと美しくって、

私は、それで充分だと思っていたのに、

ついに、今、花芽を伸ばしている。

 

胡蝶蘭の花芽が伸びる正しい時期は、6月だ。

夏の花だ。

冬の間は休眠をする。

だからきっと、咲かないだろう。

小さな蕾は、きっと咲けない。

本来ならば、その花芽の茎を切ってやった方がいい。

無駄に体力を使わせるより、花芽を切って休めてやった方がいいのだ。

けれど、私は日々伸びていく茎を切ることが出来ない。

「だってもう、小さな蕾が付いているじゃないか。」

それを見つめていたら、自分の目に涙が浮かぶのを感じた。

その時、どういう訳か、たれ蔵が重なって見えた。

 

4年前の5月、

この手に乗せた小さな子猫は、キンキンに冷えていた。

初動を間違えれば、すぎさま死んでしまう危うさだった。

そのせいか、たれ蔵はしばらく下痢に悩まされた。

下痢をするたび、ピーピー泣いて甘え、

おねしょもよくする子だったから、その際もべそかいて甘えた。

「甘ったれのたれ蔵ちゃん。」

ほくろと名付けたはずが、いつしか、そう呼んでいた。

 

そんな甘ったれのたれ蔵が、独りで達者にトイレで用を足した時、

あの時を私は、はっきりと覚えている。

「たれちゃん、偉いねぇ。ひとりで出来たねぇ。」

私が大げさに褒めてやると、たれ蔵は

「なにが?」

といった風に不思議そうな顔で、私を見上げた。

ああ、手放す時がきたのか・・・

記念すべき時に、じわりと湧き出た涙の成分は、

嬉しさより不安の方が濃かった。

「これからは、いろんなことを自分で頑張らんといかんのよ、たれちゃん?」

それが、とても不安で心配で、そして淋しかった。

 

何の因果か、たれ蔵の最後も、下痢に悩まされた。

そう、下痢に始まり、下痢で終わった。

「もう手放してやらなければいけない。」

やせ細りゴツゴツした骨ばった、たれ蔵の尻を拭きながら、

私は何度もそうつぶやいていた。

逝く前日、尻を拭きながら、またそう呟こうとしたのに、

たれ蔵が小さな声で、

「ぴー」と泣くものだから、

「甘ったれのたれ蔵ちゃん」と呼び掛けてしまった。

その時に、じわりと湧いた涙は、どういう訳か、

悲しみの成分よりも、安らぎの成分の方が遥かに濃かった。

「たれちゃんは、もう頑張らなくっていいんだよ。」

それが、何よりも安らいだのだ。

 

私は、健気に伸ばす花芽にも、

「頑張らなくってもいいんだよ。」

と、ひっそり声を掛け、だけど茎は切らずに見守ろうと決心をした。

 

 


たれ蔵の中間報告 入院編

2023å¹´11月11æ—¥ | ã»ãã‚ãŸã‚Œè”µã®äº‹

昨日は、

うめさんの命日だった。

 

おはようございます。

そんな日に、たれ蔵が入院をした。

 

今週に入り、下痢も吐き気も落ち着いてきたのに、

たれ蔵は、一向に自力で食べようとはしない。

強制給餌をしても、体重は維持さえできない。

「下痢も嘔吐も無いのに、どんどん痩せていく。」

動物病院で体重を測ってみても、3日間で300グラム減っている。

獣医は再度、

「洗い直したい!」ということで、

血液検査とレントゲン、エコーの検査をした。

「胃も腸もまったく動いていない。

血液検査にも動きが出てきた。よし、内視鏡の検査をしましょう。」

ただし・・・

「このままでは全身麻酔は難しいくらい衰弱してるから、

とにかく、まずはこちらに預からせてほしい。

今すぐからでも点滴を入れないと、低蛋白血症になってしまう。」

(体内のタンパクが著しく減ると、血栓や腹水など

命に関わる重篤な症状が起こる可能性がある。)

 

たれ蔵が体調を崩し始めてから、3週間が経った。

そろそろなんだ。

実は、皮肉な話だが、この『そろそろ』を私は待っていた。

おそらく、獣医師もそれを待っていたと思う。

 

たれ蔵は、重度の胃腸炎のような症状を出している。

単純な胃腸炎としての投薬への反応がイマイチだ。

とはいえ、下痢止め薬は下痢を止める効果はある。

実際、たれ蔵の下痢は止まっているが投薬を休むと、すぐ緩くなる。

そして何より、胃腸はまったく動かない。

なのに、血液検査をしても、飢餓を示す数値が悪化するだけで、

他の数値は目立って悪くなってこない。

悪くなって来ないことを観察して、獣医師は

「そろそろ、確定診断しないといけない時期だな。」

と言った。

猫の胃腸炎というのは、単純な胃腸炎に見えて、

実はリンパ腫やFIP、炎症性腸疾患などの確定診断が難しい疾病が

隠れていることがある。

これが、なんともややこしいのだ。

一応、それぞれ病名は付いていても、症状は多岐にわたり、

診断方法も単純明快とはいかず、実にあやふやな診断となる場合もある。

もちろん、誤診も少なくない。

だから、診断を下すまでに、投薬での反応を見たり、

進行の状態を観察しながら、

考え得る病名の可能性を除去していくのも重要なプロセスという訳だ。

 

今、たれ蔵を診てくれている獣医師は、なんとなく出来る男だ、多分。

いつだって、目が笑ってないもん。

口調は穏やかだけど、時々、私を理詰めで追い込んでくるし。

そんな獣医でも、

「猫の病気はね、本当に不思議なんですよ。

理屈が通用しない時があるもんだから難しい。」

と、ちょっと弱気な本音を呟いていた。

 

たれ蔵は、今日の状態が良ければ内視鏡検査に入る。

気になる箇所を採取して生体検査をする。

そこで、うまい具合に悪い細胞を採取できていれば確定診断の材料になる。

そう、これも一つの材料でしかない。

「それでダメなら、腸を一部ちょん切って検査する。」

と、獣医は軽い口調で、いやもはや、楽しそうに教えてくれた。

「ヒーーーッ!」

と、私が思わず悲鳴を上げた時だけ、

獣医の目が本気で笑った気がする・・・・。

私は、この3週間で一つだけ、分かったことがある。

この医者、ドSのサイコパスだな!!

ということだ。

 

今は、ただただ、たれ蔵が側に居ない事が心配だ。

だけど、そんな私にも、ドS先生は、

「えっ、慣れたスタッフが給餌も貴女より上手にやるし、

点滴繋げっぱなしで安定させるから、家に居るより全然安全だけど?」

と、しれっと半笑いで言う。

 

いや、そういうことじゃねーわ!

たれ蔵、たれ蔵、早く帰ってこーい!!

そんな訳で、

たれ蔵は、とても安全な場所で、今も頑張っています。

(ちなみに、お世話してくれる看護師さんは、とっても優しい女性達だし、

ドSは腕は確かだと思うたぶん。)

ご心配して下さる皆様、いつもありがとうございます。

どうぞ、安心してください。

引き続き、コメントへのお返事が出来ませんが、

大変申し訳ありません。