うめと愉快な仲間達

うめから始まった、我が家の猫模様。
犬好きな私は、チワワの夢を見ながら、
今日も癖が強めの猫達に振り回される。

命日の夜

2022å¹´10月16æ—¥ | ããã®äº‹

昨日は、

きくの命日だった。

 

おはようございます。

きくが逝って、5年が経った。

せっかくだから、きくの画像を探そうと思ったけれど、

最近の私は、過去を今へ連れてくることに躊躇いがある。

 

今は、目の前の現実しか目に入らないからかもしれない。

かずこさんは金曜日、デイサービスで

「帰りたい」と怒ってキレて、挙句には、施設内で煙草を吸ってしまった。

次の日は、床で酔い潰れていた。

とはいえ、怒りは湧かない。

次週からは、煙草を持たせないよう、持ち物チェックを強化するべきだし、

どうやってベッドにあげるかが課題であり、

ニコパッチ買ってくるかとか、吞み過ぎないよう、どうすべきかとか

そんなことで頭がいっぱいだ。

 

きくとの暮らしも、こんな感じだった。

夜鳴きが酷かったり、他猫との小競り合いは常だったり、

巻き爪との対決したり、

きくのストレスが爆発して自傷行為が出た時は、

居心地の良い安心な場所を作ってやらんと、夜中だって大胆な模様替えをしていた。

押し入れの物を全部放り出して、きくのお部屋を作ったりもした。

何度も繰り返した。

最終的には、他猫ときくを隔離して暮らさせた。

その時は、衝立を用いて、完全な個室を作った。

急いでいたから、寸法は間違えだらけだが、凄まじい速さで個室をこしらえた。

 

私は、きくとの15年間で、ずいぶん鍛えられた気がする。

布団なんて無くても眠れるようになったり、

いつでも動けるよう、立って食うことも覚えた。

なにより、「諦めない、きく」に、諦めないということを教えられた。

 

きくが逝って、やれやれと思うはずの頃、

かずこさんの異変に気付き始めていた。

元々、きくとかずこさんは、よく似ている。

見た目も習性も、驚くほど似ているし、

今、老い痴れたかずこさんは、まさに、きくの終末期とそっくりだ。

すごく、いい笑顔を見せてくれる。

撫ぜるにも注意が必要だった頃のきくとは大違いだ。

終末期のきくは、膝に抱くとゴロゴロと喉を鳴らして笑顔になった。

その姿に、私は泣いた。

昨夜、床に横たわる、かずこさんを抱き起こす時も、

これがなかなか動かない。

それでも、説得しながら何度も抱き起していたら、

かずこさんが不意に素直になって、頑張ってベッドの這い上がった。

「ありがとさん、ありがとさん」と笑いながらだ。

私は、その姿に泣けてきた。

笑い泣きなのか、なんなのか、自分でも分からない。

ただ、その涙さえ、5年前きくを抱きながら流した涙と、

似ているということは間違いない。

 

さて、我が家ののんちゃんは、

頑張って毛繕いをしている。

諦めず、

 

やればやるほど

 

あや「ボロ雑巾みたいになっていくわね。」

ほんと、どんどん毛が絡まっていく。

 

のん太「よち!きれいになった」

 

あや「そんなとこも可愛いわ~。泣けてくるわ~。」


一生のお守り

2022å¹´04月01æ—¥ | ããã®äº‹

ついに私、

アラブの石油王と結婚することに

成功いたしました!

 

おはようございます。

今日は4月1日だから・・・・。

言ってみたい言葉の一つを、叫んでみました。

あっ、ちょっと足らない部分を付け足します。

 

超絶かっこよくて、

とっても優しい紳士的なアラブの石油王と結婚しました。

でもだからって、この日本で暮らします。

というか、お引越しはしないの。

面倒だもん。

この我が家で、いつも通りの愉快な仲間達と暮らすし。

でも預金通帳には、凄い額の生活費が愛する夫から振り込まれます。

今日から私、朝から晩まで、テレビ、み放題です!

 

あぁ、思いのたけを言えた。

感無量です。

 

今日はエイプリルフールであり、

新年度の始まりであり、実は新月でもある。

新しいことを始めるにふさわしい日だそうだが、

私は財布を買い換えました。

入れ替えた中身は、数千円とキャッシュカードと、これ。

このお守り袋には、きくの片牙が入っている。

私は、これを、いつも財布に入れている。

別に、なにがしかのご利益があるとは思わない。

 

ただ

『天下無双のその称号 てっぺん昇って掴むため

なみいる敵を打ち破る 完全無欠我最強也』

と、あまりにも、きくに相応しい口上だから、

これを雑貨屋で見つけた時、ワクワクしたのを覚えている。

 

あの時は、まだ、私ときくは闘っていた。

触るのも気を付けなければならない、

いわゆる家庭内野良状態の猫だったから、

肉球に刺さりそうになった巻き爪を1本切るのに、数日間を要した。

無理に捕まえようとすると、パニックに陥り、

洗濯ネットを試そうと試みたが、やはりパニックに陥り、

それ以来、洗濯ネットを見るだけで、パニックに陥るようになった。

ならばと、寝ている間に切ってやろうとすれば、

きくは隠れて寝るようになった。

ますます、巻き爪は肉球に食い込んでいく。

そうなると、私は、もう、泣きながら土下座した。

すると、どういう訳か、きくは1本だけ切らせてくれた。

両前足の指のうち5~6本が巻き爪だったから、

結局、年中、泣きながら土下座をして巻き爪を切り続けていた。

 

うめ以外の猫らとも仲良く出来ず、

だから、いつも他猫と小競り合いを起こしていた。

そんなきくが、せめて夜は安心して眠れるようにと

私は、いつでもどこでも、きくの居場所の近くで雑魚寝していた。

誰かとトラブルになったら、即出動できるようにだ。

私は夜だって熟睡しない覚悟だったわけだが、

いつでもどこででも雑魚寝で熟睡できてしまう自分を恨んだ。

けれど、さすが、きくだ。

夜中には決まって鳴きわめくきくのおかげで、私は年中寝不足だった。

きくは、昼間はぐっすり眠っていたかもしれないけれど・・・。

 

そして、うめが逝った後は、さらに大変だった。

ただでさえ小柄なキクの体は、極限までやせ細った。

うめを失って絶望したかのように見えるきくが、

うめを失って絶望しかけた私の思いなど、忘れさせた。

「きくも死んでしまう」

そう感じた時、この厄介な三毛猫を、私は切ないくらい愛おしく思えた。

思えたけど、やっぱり、厄介な三毛猫だった。

 

きくの片牙が抜けそうになった時も、

私は、きくを獣医に連れていくことを諦めた。

痛そうにしていた時期もあったけれど、連れてなど行けなかった。

ただ、早く牙が抜けて、きくが楽になればと願い、

「きく、その牙、私にちょうだい」と言って、

ことあるごとに、牙を抜いてやろうと試みたが、

もちろん、毎度きくにめちゃくちゃ怒られた。

だから、きくの口から牙が無くなったと気付いた時、

本当に嬉しくて、思わず抜けた牙を残しておきたいと思ったんだ。

気高いきくの牙だから、入れ物にだって拘って探していた。

 

きくは、本当に、厄介な三毛猫だった。

私は、そんなきくが、大好きだったとは言えない。

そんなに簡単な猫ではなかった。

ただ、きくは、

どうあっても、私のかけがえのない誇りだ。

あっぱれなきく!だった。

 

この片牙は、私の勇気のお守りだ。

気高く己を貫いたきくからのエールだと、私は思っている。

 

そんな我が家のおたまは、

狂犬みたいなきくとも、仲良くしようと試みていたっけね。

まったく、きくへは届かなかったけどな。

案外、優しいんだよな、おたまよ!

 

おい、お前ったら!

お前ったら!!


昨日は、きくの命日だった

2020å¹´10月16æ—¥ | ããã®äº‹

私は、ずいぶんと、

弱気になったものだ。

 

おはようございます。

きくが居なくなって、3年になるだろうか。

私は、ずいぶんと弱気になった気がする。

 

きくと過ごした15年間、

私の人生も、きくとの関係も、決して平坦ではなかった。

気難しくて神経質はきくは、

それでも15年間、目立った病気もしなければ、

最後の最後まで、粗相さえ一度もしなかった。

そして、具合が悪くなったかと思ったら、あっという間に死んだ。

 

手の掛かる狂犬(猫だけど)が居なくなって、

さぞや、気が楽になるだろうと思っていたのに、

私は、すっかり落ち込んで、ずいぶんと弱気になった。

 

ただでさえ神経質なきくは、猫が大嫌いな猫で、

だけど私は、どういう訳か、たまに猫を拾ってしまう。

それに加え、2度も引っ越しをした。

環境が変わる度、きくの苦悩は増して行ったに違いない。

手の掛かる気難しい猫になったのは、私のせいだった。

 

きくを見送った後、

私は、もう決して、猫は拾わないと誓った。

心底、怖くなったんだ。

私じゃ、猫を幸せになどしてやれない。

幸い、残った4匹は、穏やかに暮らしていたから、

せめて、この子達だけは守り抜こうと思った。

 

そして、私は誓った通り、猫は拾わなかった。

ただ、猫が、人を介して運ばれてくるシステムに替わっていた。

きくが居なくなって3年で、5匹運ばれてきた。

うち、2匹は我が家に・・・いる。

きく「ばーかめ!」

ごめん。

 

また、騒がしい我が家に戻っている。

きく「ばかばか、かーばめ!」

かばは、やめて~。

 

そして、

どうして、こんなに弱気になったのか、やっと分かった。

私は、きくという猫を、

最後まで守り抜けるか自信がなくて、

だから強くなっていたのではなく、

きくに守られていたから、強くなれたんだ。

きくが居ないから、弱気になっているという事が、やっと分かったんだよ。

 

決して折れない、断じて曲げない、猫が大っ嫌いな猫は、

15年間、自分を失わず、最期まであっぱれだった。

私を、最期まで信じ、信じさせてくれた猫だった。

 

きく、あたし、頑張るよ。

あんたに、笑われないように、頑張るよ。

 

きく「あぁぁ、極楽では、とっくに皆で爆笑してるけどな!」

なんだとーーー!


きく、極楽から豚ゴリラと叫ぶ(ちょっと修正)

2020å¹´06月01æ—¥ | ããã®äº‹

今日から、6月だ。

ということは、梅雨も来るのかな~?

 

6月は、きくさんだーーー!

きくは、猫が大っ嫌いな猫だったなぁ。

 

おはようございます。

お久しぶりのきくよ。

おい、ぶさいく(おかっぱの事)!

肝心の目力が隠れとるやないか!!

 

そう、あたしは、うめさん以外の猫が大っ嫌いだったわ。

あたしは、うめさんが居れば、それだけで幸せだった。

100歩譲って、よねは居ても悪くないと思っていたけど、

豚ゴリラ(おかっぱの事)のせいで、あたしは大変な一生を過ごしたわ。

母親とはぐれたあたしは、だからって泣かなかったわ。

人間なんかに捕まって、どこに連れていかれるか怖かったけど、

歯を食いしばってた。

連れていかれた家では、ふわふわな大きな猫が居て、

うわっ、やられるって思ったけど、ふわふわは優しくあたしを舐めてくれた。

それが、うめさんよ。

そして、あたしに囁いたの。

「いいかい?あの人間といれば、

お前はもう決して、腹を空かせて泣くことはないんだよ。

何も気を使う必要はないさ。

お前は、ここでお前らしく生きて行けばいいんだ。」

 

だから、あたしは、あたしを貫いたわ。

土気色したカナヅチカッパ(おかっぱの事)は、嫌がらせのように

猫を次から次へと連れてきた。

 

生ける屍(おかっぱの事)は、

その都度、あたしに土下座してたもんだわ。

怒鳴り散らすあたしに、おろおろしちゃってさ。

さすがトンチンカン出っ歯(おかっぱの事)だ。

自業自得だって、何度も言ってやったわ。

 

あたしの事なんて、いつも放ったらかしてさ。

本当は、腹が痛い時だってあったし、体がだるい時だってあった。

歯が痛くって、抜けちゃった時もある。

それでも、おおざっぱ部門無差別級チャンピオン(おかっぱの事)は、

何にも気付かないで、ボケッとしていたわ。

あたしを連れてきたくせに、役立たずめ。

単細胞より単細胞(おかっぱの事)なんかに頼ってられないから、

あたしは自分の事は、自力で乗り切ってきた。

 

でも、

うめさんが居なくなって、あたしは混乱した。

心の支えが無くなってしまった。

泣いたわ。

腹は減らなくても泣けるんだって、初めて知ったわ。

みるみる弱っていくあたしを見て、

細目(おかっぱの事)は、ほっそい目から、ぽろぽろ涙を流してた。

泣くだけで、あたしの事を慰める術も持っていやしなかった。

 

そして、

あたしは、ついに狭い部屋に閉じ込められた。

あの、へっぽこ大臣(おかっぱの事)、ついにあたしから逃げたか!

そう思ったわ。

気持ちは楽になったけど、

なんだか、体はどんどん重くなっていったの。

どうしてだろう?ってあたしとしたことが、ちょっと不安になったわ。

油断して、死にぼくろ(おかっぱの事)に頼ってしまった。

不覚だったわ~。

無理やり、ご飯を食べさせられてさ。

殺すぞーって言っても、聞きゃしないんだもん。

 

ある日、うめさんの声がしたわ。

「きくや、そろそろ、こっちに来るかえ?」って。

そうね、そろそろ行こうかな。

そう思ったけど、あいつ(おかっぱの事)には教えてやらなかった。

その代わりに、一晩添い寝してやったの。

ありがとうなんて、言わないわ。

 

だってさ、あたしの亡骸に、

こんな変なもん、着せるんだもん。

カッコい悪いだろうがって言ったけど、

結局、メス豚ゴリラ(おかっぱの事)は、あたしの声なんて聞きゃしなかった。

まったく大変な一生だったわ。

今でも、あたしの名前呼んでは、泣いていやがる。

もう忘れろって言ってんのに、それも聞きゃしない。

 

今、よそのお家でも、さまざまに、

踏ん張ってる猫さんとそのご家族がいるようだわね。

あたしは、

猫もブサイクおっかさん(おかっぱの事)も大っ嫌いだけどさ、

猫達と人間達に、一言だけ言わせてもらうわ。

頑張れ!

みんな、頑張れ!

 

おかっぱ「二言ですやん?」

黙ってろ!この目くそ鼻くそめ!

〆なのに、ピンぼけとるやないか!!


明日は、きくの2回目の命日だ

2019å¹´10月14æ—¥ | ããã®äº‹

猫は濡れる事を嫌うというが、

不思議と、風呂場を好むものが多い気がする。

 

おはようございます。

湯船に浸かろうと思い立った時には、

すでに風呂場でまどろむ猫が退かせない。

そのおかげで、風呂場のドアは開け放ったまま、

猫が乗っている風呂のふたを、半分だけ開けて、

できた隙間から湯の中へ体を滑り込ませた。

すると今度は、無邪気な子猫らもやってきた。

 

何も知らない子猫らは、

風呂に浸かる私を、

まるで、一人だけ箱に入って遊んでいると思い込んでいるような、

恨めしそうな目でじっと見ている。

私はついに居心地が悪くなり、

風呂の湯を指ではじいて雫を飛ばして見せた。

 

1匹は、咄嗟に、雫に向かって手を出す仕草をした。

私は、目を丸くして待ち構える、その子猫に当たらぬよう、

もう一度、指ではじいて雫を飛ばした。

すると、様子を伺っていた、もう1匹が飛び出して、

きらきら光る雫を掴んだ。

子猫は掴んだ瞬間、今度は驚いた顔で私を見た。

そして、笑う私を、不思議そうに、じっと見ていた。

その瞳は、まるで空中を舞う水の雫のようだった。

 

きくも、雫で遊ぶのが好きな猫だった。

子猫らと、あの時のように遊んでみたら、

貴女の美しい瞳が、もう二度と私に向けられない事を、

今さら、思い知った気がした。

 

あっきくさんだ!

きくさんや。

窓から帰ってきてくれたんか?

 

その鍋敷きに乗って、帰ってきたんか?

 

きく「相変わらずお前ブサイクだしこの家は騒がしいから帰る」

えぇぇ?

もう帰っちゃうの~?