うめと愉快な仲間達

うめから始まった、我が家の猫模様。
犬好きな私は、チワワの夢を見ながら、
今日も癖が強めの猫達に振り回される。

君からの花束

2024å¹´06月03æ—¥ | ãƒãƒ£ãƒ¼åŠã®ã“と

いやはや、

もう6月になっていたんですね。

 

おはようございます。

そんな、あっという間に6月は、

チャー坊に花束を。

ままん、ありがとうございます。

 

3月、君はまだ外で生きていた。

器にきれいな水を用意してやったって、

君はいつも、水溜りの水を飲んでいた。

出会って1か月、私はとっくに、

君を失うことを怖れていた。

毎日、私は君に、

「チャー坊、また明日。絶対どこへも行かないで。」

と真剣に伝えていた。

伝えながら、私は考えていた。

この先、私達はどうやって別れてしまうんだろうか?

ある日突然、君は居なくなってしまうのかもしれない。

 

そして、本当に、ある日突然、居なくなった。

いつもの時間、いつもの場所に君がいない。

この日の前日から、君は一切の食べ物を受け付けないくらい、

具合が悪そうだった。

ご飯も食べたくない君にとって、

私との約束を守る必要など、もう無くなったってことか。

そう思ったが、私は震えながら、

「チャー坊!チャー坊!」

と大きな声で叫んだ。まるで悲鳴のようだった。

すると、君は物陰から駆け寄って来るじゃないか。

前足を痛そうに引きずりながら、それでも足を止めない。

弱った猫にとって、外での暮らしは危険が多すぎる。

君はどこかに身を潜めていたのだろう。

それでも、君は私との約束を守るために待っていた。

 

保護をすると言っても、

抱き上げることも難しい野良猫を、どうやって保護するのか。

で、結局、一思いに洗濯ネットに押し込んだ。

今思えば、それは必要なかった気がする。

そんなこと、君には必要なかった。

そのおかげで、突然変な袋に入れられて、

車に乗せられたもんだから、君は助手席のシートに失禁をしてしまった。

今でも、私の愛車の助手席には、君の跡が残されている。

だから私は、まだまだ当面、車を買い替える気はない。

 

3月20日から、君の飼い猫生活が始まった。

絶望からの始まりだった。

猫エイズに猫白血病のダブルキャリアで、

しかも、もうすでに発症しボロボロの状態だと

絶望的な表情で獣医に言われた。

だけど私は、まるで花束を抱えているような、

そんな気持ちで君と暮らした。

 

君は、初めてだらけの経験を、立派にこなしていく。

4月、毎日のように通院して注射も点滴もした。

君は一度も、それを拒むことはしなかった。

投薬も、まったく嫌がることなく飲んできれた。

どうぜ、すぐに死んでしまうだろう君に、

私は随分、頑張らせてしまった。

そして、「また明日。絶対よ。」の約束も続いた。

5月君は、窓の外を眺めることを覚えて、

 

ババと仲良しになって、

 

ジジと、ちょっとだけ仲良しになった。

 

抱っこも好きになったね。

 

6月からは、君の快進撃が見られた。

ど根性で、生きた。

それは、また別の機会に書こうと思います。

さあ、6月だ。

私は、君との花束みたいな思い出を胸に生きて行こう。


会社の猫事情

2024å¹´05月01æ—¥ | ãƒãƒ£ãƒ¼åŠã®ã“と

知らぬ間に、

5月になっていた。

 

なんと!!

チャー坊が実家猫になって、初めて踏ん張った時の写真だ。

おめでたい、記念すべき日に相応しい背景だなぁ。

ままん、ありがとうございます。

 

チャー坊がまだ、野良猫だった頃、

私はどうあっても、最後まで世話をすると決めた。

そう周囲に宣言をすれば、待ってましたと言うように続々と苦情が入る。

「駐車場で、猫の糞を踏んじまった。」

「最近、この辺が臭い。多分、うろうろしてる、あの茶色の猫の尿だ。」

「カラスが増えた。猫の残飯目当てだ。」

などだ。

そこで私は、チャー坊が居ついた車庫を、徹底的に掃除し、

ついでに模様替えもした。

見た目のレイアウトを替えてしまうことで、少しでも印象をよくしたかった。

糞尿被害については、コソコソ調査をしてみると、

糞も尿も、おそらくチャー坊の物じゃない。

チャー坊は酷い下痢だったし、

そもそも被害現場は、チャー坊が排泄すると決めた場所では無かった。

チャー坊の排泄場所は、しっかりと決められていたのだ。

ならばと思い、私はチャー坊の排泄場所に、

それはそれは、これ見よがしの人工猫トイレを設置した。

チャー坊のトイレはここですよ~。

ここで、やってますよ~。

と言い続けた。

 

これで苦情への対応はしやすくなった。

「猫のうんこ、また踏んじまった。」

と言う人とともに現場へ行き、

「ああ、これは犬だね。散歩中の大型犬のフンだ。」

と断言をしたし、

「俺のタイヤに猫がシッコ掛けてやがる。くっせー」

と言う人のタイヤの匂いを確認して、

「ああ、この匂いはね、ここら辺のボスの匂いだ。

キジトラのデッカイ、あいつのだ!」

と断言した。そして毎度、

「だって、チャー坊は猫トイレで済ませてるし。」

を忘れずに付け足した。

 

実は嘘だ。

清々しいほどの大噓だ。

糞は、本当にチャー坊の物じゃないだろうが、

大型犬のものかは定かじゃないし、

私が、猫のマーキング尿を嗅ぎ分けられる訳がない。

当のチャー坊は、このトイレで排泄したことは一度もなかった。

その横でしていた。

マーキングの有無は分からなかった。

チャー坊は去勢済みだったとはいえ、

外で生きてきた猫だ。

マーキングが治まったとは言い難いと考えていた。

それでも、嘘を言い続けながら、周辺の糞尿探索と掃除を続けた。

何の負担も感じなかった。

嘘を付くのも掃除して回るのも、

首を傾げたまま、私の後を歩いて付いてくるチャー坊との楽しい時間だった。

 

私達は、自由だった。

バカみたいな嘘も、人目をはばからず不審者みたいな見回りも、

チャー坊と居れば、それは『自由』に感じた。

2月はまだ風は冷たい。

タンポポの咲く陽だまりを探し当て、

枯れ草の上に、躊躇うことなく腰を下ろし、

チャー坊と並んでいると、

「チャー坊、あたしね、

今なら、なんにでもなれる気がするの。」

そんな気分になれたのだった。

 

それがどうだ。

実家へ保護した途端、

チャー坊は、見事に人工猫トイレにしゃがんだのだ。

そして彼は死ぬまで、一度も粗相しなかったし、

嘔吐さえ、猫トイレに駆け込んで吐いた。

これは、紛れもない事実だ。

断じて、嘘なんかじゃない。

私は、

「チャー坊、凄い、偉い、天才!」

と褒めたが、心の中に小さな切なさが芽生えたのを覚えている。

私達の自由が、終わっちゃう・・・

そんな気がした。

 

さて、そんな今、

チャー坊が居ついた弊社にやって来る、ママちゃんは、

昨夜・・・

会えたー!

来たーーー!!

餌の袋を揺すって音を立てたら、駆け寄ってきてくれた。

3メートル以内には来ないけれど。

 

いいのさ、いい。

これで少しは、

「美人のお姉さん」を認識できただろう?

ママちゃん「なに見てんの?へっぽこ不細工雌豚ゴリラめ!」

ああ~、なんか聞いた事あるお言葉~!


タンポポを咲かせた猫

2024å¹´03月01æ—¥ | ãƒãƒ£ãƒ¼åŠã®ã“と

去年の今ごろは、

タンポポが咲いていたのに。

 

おはようございます。

今年はまだ、タンポポが咲かない。

それは、チャー坊がいないせいかもしれない。

去年の今頃は、今年より寒かった気がするが、

道端には、ちらほらとタンポポが咲いていた。

 

3月は、タンポポとチャー坊だ。

 

風が冷たすぎる日、

私とチャー坊は太陽の光が集まる場所を探し回った。

「ああ、ここならあったかいな、チャー坊?」

太陽の光が集まる場所には、いつだってタンポポが咲いていた。

野良暮らしが長いチャー坊は、そんなこと知っていたのだろう。

君は、数え切れないたくさんのことを知っていたのでしょう?

 

チャー坊には、

厳しさと苦しさと孤独を引き換えに得た、命を繋ぐ智慧が

ぱんぱんに詰まっていた。

体はボロボロだったくせに、智慧で生き抜いてきたチャー坊は、

私が出会った猫の中で、もっとも堂々と立っていた。

そして、それと同じだけ優しかった。

その強さと優しさは息を吐くたび広がり、辺りを清らかに癒した。

タンポポさえ、チャー坊が咲かせたのかもしれない。

そう思わせる猫だった。

 

そんな猫のくせに、チャー坊は私に何かを問うてきた。

まるで命がけの強い意志を感じた。

それが何かが、私には分からなくて、

だから私は、必死でそれを探していたんだ。

太陽が集まる場所がどこなのかさえ知らない私に、

君ほどの猫に、どんな答えを出せるのだろうか。

 

私は今でも、それを考えている。

私は、チャー坊の問いに答えられたのか分からない。

ただ、君の知らなかっただろうことを一つだけ、

伝えてやれたと思う。

チャー坊、抱っこする?

 


思い出振り返る。

2024å¹´01月15æ—¥ | ãƒãƒ£ãƒ¼åŠã®ã“と

来た!

来た来た来た!!

ポンまま作うちの子カレンダー。

今年は、愉快な仲間達ではなく、

チャー坊とたれ蔵のカレンダーを作って頂いた。

1月は、チャー坊だぁ。

 

私がチャー坊と出会ったのは、寒い2月だった。

彼は、枯れた草の上で寝ていた。

「チャー坊!」

名前を呼ぶと駆け寄ってくる彼は、まるで飼い猫みたいだった。

そのくせ、被毛は酷く汚れ、体中傷だらけだ。

さぞや危険な状況に置かれてきただろうに、

彼はいつだって悠然としていた。

そんな野良猫に、私は毎日、

「ねえ、チャー坊?

どこへも行かないで、お願いよ。また、明日!」

と縋るように約束をするようになった。

 

そして、私はついに、彼の家を会社の車庫内に作った。

車庫の奥に捨てられていた段ボール箱だ。

「こんな箱に入ってくれるだろうか?」

私は気後れしたが、彼はスルッと入り、嬉しそうに私を見た。

それなのに、私が立ち去ろうとすると、彼は急いで箱から出てきた。

「寒いんだから、中に入っておいで。また明日来るから。」

毎日、私が立ち去る度、彼は私を途中まで追いかけた。

私がくるっと車庫へ戻ると、彼は踊りながら箱へ誘った。

私と彼は毎日、何度も踊りながら箱へ戻った。

 

チャー坊は淋しいという感情を持っていた。

猫には淋しいという感情が無いと聞くが、

「そんなの嘘だ。」

彼は、私と共に生きることを望んでいた。

それを痛感しながらも、私は彼を車に乗せて連れ去ることを躊躇っていた。

「チャー坊、家の中ってね、

貴方が大好きな陽だまりの草むらも、爪を研ぐお気に入りの木もないのよ。

香しい風も、果てしない青空も、自由に歩く道も無いんだよ。

飼い猫になるってことは、そういうことなのよ。」

 

2023年、3月19日、この日は日曜日だった。

チャー坊は、車庫にはいなかった。

私は嫌な予感がした。

数日前から、彼は食欲を失っていた。

まさかと思い、私は大きな声で叫んだ。

「チャー坊!どこ?チャー坊!!」

彼は、車庫から逆の方向からゆっくり歩いてきた。

けれどこの時は、

悠然とではなく、必死に足を引きずるように歩いてきた。

もうご飯など食べられる状態ではなかった。

それでも彼は、「また、明日」の約束を守った。

「チャー坊、明日まで待って。準備するから。

いいかい、チャー坊?貴方の生活がガラッと変わっちゃうからね。」

 

次の日、

彼の生活は、本当に一変した。

 

テレビにビビりながら、

それでもやっぱり、「チャー坊!」と呼べば、

彼は籠城するソファーの下から出てきて、踊っってくれた。

これがなんと、飼い猫初日のことだった。

私は、まだまだチャー坊に驚かされていく。


サクッと大型連休

2023å¹´12月29æ—¥ | ãƒãƒ£ãƒ¼åŠã®ã“と

サクッと、入りました!

 

おはようございます。

毎年恒例の大型連休に入りました。

今日から10日間、私はいっさい家から出ません。

 

という訳にはいかない。

せっかくの大型連休中、私は毎日、出社することになる。

下手すると、朝晩2度の出社だ。

訳を知らない人に見つかったら、

「おまっ、どんだけ会社が好きなんだよ?!変態か?」

と思われちゃう。どうしよう・・・。

だからといって、その人に訳を言うのも憚る。

野良猫に餌をやりに行く訳だから、ちょっと言いづらい。

 

弊社の、あるドライバーが、ここ最近、

「あいつ、やっと馴れてきた。俺の帰りを待ってるし、

おい、ご飯食べるか?って言うと、にゃって返事するようになってきたもん。」

と浮かれていた。

あいつとは、この界隈で生きる生粋の野良猫だ。

ボランティア団体の中では周知の『ママちゃん』だ。

警戒心が非常に強く、日常の行動さえ把握が難しい雌猫がゆえ、

TNR(地域猫化する)の網に、どうやっても引っかからない。

そんなママちゃんに一目ぼれした、一人の男がいる。

それが、弊社のドライバーだ。

苦節1年で、ようやく、ご飯を差し出すことを

ママちゃんから許されたという訳だ。

 

けれど、大型連休に入る2週間前から、ドライバーは、

「連休中、あいつのこと、どうしよう。

でもさ、来てやらないと可哀想だよね?

てか、俺が気になって仕方ないし。通うか・・・来れん日どうしよ?」

と、いちいち私に聞こえる音量で呟くようになり、

1週間前から、

「おかっぱさんも気になるでしょ?気になっちゃうよね?」

と、言葉を投げかけるようになり、

最終日、

「さぁ、おかっぱさん?連休中、一緒に頑張ろう!

ちなみに明日は俺、ゴルフだから来れんじゃんね。」

と、言いやがった。

ちなみに、私とママちゃんの関係性は、いわゆる赤の他人だ。

ママちゃんからすれば、知らぬ人間のカテゴリーだろう。

ただ救いは、餌場が固定されている点だ。

弊社の車庫内に餌場を設けているから、

馴れない人間でも、こそっと置き餌してやればママちゃんは後で食べる。

 

ちょっと待って!

凄く切ない餌やりじゃん?

あたし、あの野郎の影武者かよ?!

 

という訳で、私は今日から毎日、出社することと相成った。

あんの野郎めが来る来ない関係なく、ママちゃんには餌を置いてやろう。

ああ、あのコンチクショウに言い忘れた。

「餌があっても、ちゃんと会いに来てやんなよ。

ママちゃん、あんたを待っているんだからさ。」

そう書いて、伝言板でも置いておこうか。

 

弊社の車庫は、チャー坊も住んでいた場所だ。

そして、実はチャー坊が弊社に住むようになったキッカケを作ったのは、

ママちゃんなのだ。

ママちゃんがチャー坊を連れてきた。

体にハンディのあるチャー坊は、ママちゃんと共にいることで、

生き延びていたのだと思う。

ママちゃんは、いわばチャー坊の恩人ならぬ恩猫なのだ。

 

そういえば、

私がチャー坊をさらった次の日、

畑を歩くママちゃんを偶然見つけて、私は叫んだ。

「ママちゃん、チャー坊、うちにいるから。大丈夫だからね。」と。

そして、チャー坊が逝った次の日も、

なかなか出くわさないはずのママちゃんと、また出くわし、

その時は、静かに声を掛けた。

「ママちゃん、チャー坊逝ったよ。」

 

この連休中、

ママちゃんとチャー坊の思い出話ができたらいいなぁ。