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Albums of the Month

Albums of the Month (2023年6月)

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▲厳島神社に行ってきた

どうも、サマソニでBlurとYOASOBIどちらかしか観れないのがイヤでサマソニ行くのやめた私です。


いや、なんか先日Coldplayの11月の東京ドーム公演のゲストがYOASOBIと発表され、それに対してネガティブな反応が多いって話を聞いて。中には「ColdplayとYOASOBIなんてファン層が被らない」みたいなのがあったんだけど…。うーむ、そんなに音楽的に相性悪いと思えないし、両方好きな人もそれなりにいるのでは。ひと昔前なら洋楽至上主義で売れてるJ-POPを毛嫌いするような人も多かっただろうけど、今はサブスクで何でもクロスオーバーでガンガン聴くのが当たり前の時代じゃないですか。しかもゴリゴリのインディー系スタンスのバンドならまだしも、Coldplayよ?これまでもRihannaやJay-Z、BTSなんかをフィーチャーしていて、クリス・マーティンなんて相当なミーハー趣味で知られているんだから、むしろYOASOBIはゲストとして最適解ぐらいに思うけど。


と、ボヤキはこの辺にして今月初聴きした音源まとめ。まずは新譜から。





TM NETWORK / DEVOTION (2023)
★★★★☆
TM NETWORK DEVOTION

私は生粋のFANKSというわけではないけど、88年に出会って以来35年間TMが大好きなので、まずは純粋におよそ9年ぶりのオリジナル・アルバムリリースを喜びたい。特にこの9年の間には小室哲哉の引退宣言などもあり、もうTMの活動も終了なのではと思っていた時期もあっただけに、感慨もひとしおだ。


しかも、実は今回初めてTMのオリジナル・アルバムをリアルタイムで購入した。というのも、最初の10年間の活動期は兄が買ったCDを一緒に聴いていた感じだし(後に買い直しはしたが)、再始動後の『QUIT30』までの4枚に関しても、邦楽をあまり熱心に聴いていない時期だったこともありレンタルで済ませていて。本作はオリコンの週間邦楽アルバムチャートで初登場5位となり、再始動以降の5枚のアルバムの中でも最高位となったのだけど、上位4組は全て男性アイドルグループ。TOP5がキラキラしたイケメンばかりの中で一組だけ、64~65歳のグループが入るの凄くない?その順位に自分も少なからず貢献できていると思うとちょっと嬉しい。


ただ今回のアルバムの評価は少し一筋縄ではいかないところがある。良かったところ、良くなかったところがそれぞれにあり、正直未完成というか、締め切りに何とか間に合わせたような印象を受けた。


■良かったところ
・曲はどれも良い。もはや小室哲哉の手癖みたいな王道メロディも多いけど、逆にそこに安心感がある
・「DEVOTION」は勢いがあってテンションが上がる曲。1曲目を飾るにふさわしい
・過去のリメイク曲の出来が"意外と"良い。特に「WE LOVE THE EARTH」「TIME TO COUNT DOWN」はマイナー・コードに変更されて哀愁感マシマシになっているのが素晴らしい。
・ファンにはお馴染み、「TIMEMACHINE」がついに公式音源化。これも間奏部分のコードに多少アレンジが加えられていて、とても良かった


■良くなかったところ
・過去曲のリメイクが4曲というのは多すぎるし、TMはコンセプト重視で作品を作ってほしい。リメイクが混ざると作品ごとのコンセプトやテーマが薄れる
・リメイクの選曲が王道過ぎるので、非シングル曲中心の選曲の方が良かった
・リメイクが2~5曲目と前半を固めているのが意味不明すぎる
・リメイクだと余計に原曲と比べてしまい、ウツの声の細さ、弱さが気になる。ウツの今の声質をもっと生かせるような選曲にすればよかった
・リメイク以外も、ここ1、2年で発表済みだった曲が多い
・「TIMEMACHINE」はボーナストラック扱いじゃなくても良かった
・インスト「End Theme Of How Do You Crash It?」は歌メロがあって構成も歌モノっぽいのでちゃんと歌を入れてほしかった(何とか間に合わせた?と思う最大の要因)
・基本的にアレンジが小室哲哉主導のEDM~トランス路線なのでビートが古臭い
・葛Gのギターや生ドラムも欲しかった


いろいろ不満も書いてしまったが、本作リリース日に『劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト』のオープニングテーマ「Whatever Comes」のショート・バージョンが公開された。この曲は今回のアルバムに収録されておらず完全な新曲となっていて、とても驚かされた。これまでも彼らは20周年、30周年という節目でアルバムをリリースしているので、もしかして来年もアルバムをリリースする気でいたりする?もしそうであれば、今回の『DEVOTION』がリメイクや既発曲を多く含む「2022~2023年のマテリアルのとりあえずの精算」のように見えてしまう部分も合点がいくのだが…。というわけで来年のデビュー40周年への淡い期待も抱きつつ、一方でその時にはメンバー全員60代後半に突入しているわけで、無理はしないでほしいな。

TM NETWORK 『DEVOTION』全曲試聴




BABYMETAL / THE OTHER ONE (2023)
★★★☆☆
BABYMETAL THE OTHER ONE

2021年にライブ活動を封印、そして2023年にその封印を解いて以来、初となるアルバム。新たな3人体制、SU-METALによる初の作詞、「初のコンセプト・アルバム」という売り文句など「新生BABYMETAL」という気概が伝わってくるけど、作品をリリースするたびにライトな要素(いわゆるJ-POP的なノリ、アイドル的なユーモアさ)が薄れているのは寂しい。確かに1st『BABYMETAL』は合いの手なんかがちょっとキツイ瞬間もあり、そういう要素が徐々に排除されての3rd『METAL GALAXY』は「ライトな要素」と「ガチメタル要素」が私にとってはちょうどイイ塩梅で、その年の年間ベストでも1位に選出したほどだった。

[過去記事]2019年 年間ベスト・アルバムTOP40

「音楽」として普通に聴く分には十分カッコイイし、ライブで観てもとてもカッコイイと思えることは間違いないのだけど、シリアスな路線に振り切ることでBABYMETALしか持ち合わせていなかったせっかくの個性が薄れてしまっているのはもったいない。あと、「コンセプト・アルバム」の要素が全く感じられないのも残念。

BABYMETAL - "Mirror Mirror"




cero / e o (2023)
★★★★☆
cero e o

5年ぶりのアルバム。なんか高城くん、めちゃくちゃ歌上手くなってないか?相変わらず、この5年間この人たちはどんな音楽を聴いてきてこの進化を遂げたのか、全くわからないくらいに音楽的な飛躍が感じられる。

cero - "Angelus Novus アンゲルス・ノーヴス"




のん / PURSUE (2023)
★★★☆☆
non pursue

2ndアルバム。忘れらんねえよ柴田隆浩、元GO!GO!7188のユウとノマアキコ、高橋幸宏らが参加、キリンジ「エイリアンズ」のカバー収録とバラエティに富んだ内容。

のん - "この日々よ歌になれ"




The Aces / I've Loved You for So Long (2023)
★★★★★
the aces

The 1975のアルバムが、リリースを重ねるごとに何だかどんどんつまらなくなっていくなと感じていて。そんな中で、以前から初期The 1975っぽい要素を感じていたThe Acesは、3作目にして会心のアルバムをリリースしたと思う。M6「Suburban Blues」なんかはThe 1975を知るきっかけとなった曲「Sex」を思い出させる疾走感があるし、オープニングを飾る表題曲はマッドチェスターなグルーヴと煌びやかなギターが心地よいミッドテンポ・ナンバーでとても好き。

The Aces - "I've Loved You For So Long"




Jayda G / Guy (2023)
★★★★★
jayda g guy

今年のフジロック、深夜のレッド・マーキーにJayda Gが出演しない意味が分からない。ポップさもありつつ、Ninja Tuneらしいコアなクラブ・ミュージック的側面も強く、それらの絶妙なバランス感は例えるならYaejiのそれに近いものがある。

Jayda G - "Circle Back Around"








以下は旧譜。渋ツタにてレンタル。


Everything But The Girl / Amplified Heart (1994)
★★★★☆
EBTG Amplified Heart

EBTGは今年リリースの新譜『Fuse』が良かったので未聴だった過去作を2枚チョイス。ちょうど彼らがクラブ・ミュージックに傾倒し始めた節目の2作で、Wikipediaではジャンルが「Folk-pop」(個人的にはイージーリスニングの方がしっくりくる)となっている『Amplified Heart』と、「Downtempo / drum and bass / sophisti-pop / techno / trip hop」となっている『Walking Wounded』の比較は面白い。たった2年でここまで変化するってのも凄いな。

Everything But The Girl - "Rollercoaster"




Everything But The Girl / Walking Wounded (1996)
★★★★☆
EBTG Walking Wounded

『Walking Wounded』収録の「Walking Wounded (Omni Trio Remix)」、お、この曲知ってる!と思ったんだけどSUGIZOのラジオで流れてカセットに録音して聴いてた曲だわ。bayFMでSUGIZOがパーソナリティを務めた番組「エレフセリア」なので97年ぐらいだったかな。めちゃくちゃ久しぶりに聴いて、あの頃の記憶が鮮やかに蘇った。

Everything But The Girl - "Walking Wounded (Omni Trio Remix)"




Debbie Gibson / Electric Youth (1989)
★★★★☆
Debbie Gibson Electric Youth

Electric Youthっていうカナダのエレクトロポップ・デュオがいるけど、実は私もかつて音楽作ってた時に同じアーティスト名を名乗ってた時期があって。カナダの方は2008年から活動開始で由来はDebbie Gibsonからではないらしい。私もちょうど2007年か2008年頃だったと思うけど、こちらはまさにこのDebbie Gibsonの楽曲「Electric Youth」から採った。好きだったので。


先日CSの音楽チャンネルで80s特集を観ていたら「Lost in Your Eyes」が流れて。聴いたことあるメロディだけどDebbie Gibsonだったんだ、イイ曲だなーと思って調べたら「Electric Youth」と同じアルバムに収録されていたので借りてみることにした。

Debbie Gibson - "Lost In Your Eyes"




Love and Rockets / Love and Rockets (1989)
★★☆☆☆
Love and Rockets

BUCK-TICK関連のインタビューや解説を読んでいるとDavid BowieやBauhaus、The Cure、沢田研二に次いでかなりの頻度で登場するイギリスのポストパンク・バンドの4作目。想像していたよりもミニマルでおとなしめな曲が多い印象。ちょっと物足りなさもあった。

Love and Rockets - "So Alive"




The Horrors / V (2017)
★★☆☆☆
The Horrors V

いま最も新作リリースを待ちわびているアーティストの一つがThe Horrors。2021年のEP2作『Lout』と『Against the Blade』は正直めちゃくちゃ好みで、次作がこの路線だったら楽しみすぎると期待していたのにそれ以降音沙汰なし。仕方ないので当時あまりピンとこなくてスルーした前作を今さら聴いてみた。もう6年も前なのか…そしてやっぱり、そこまで良いとは思えなかった。

The Horrors - "Machine"




鎌野愛 / HUMAN (2022)
★★★★☆
鎌野愛 HUMAN

去年買いそびれていた、元ハイスイノナサの鎌野愛によるソロ2作目。この人はCorneliusくらいにもっと評価されてよいのでは。

鎌野愛 - "解憶"




坂本美雨 / DAWN PINK (1999)
★★★★★
坂本美雨 DAWN PINK

後で書くけど、今月は映画『怪物』を観た。ラストシーンで聞き覚えのあるメロディが流れてきて、これは後に坂本龍一が98年に発表した「Aqua」と判明したのだけど、私にとっては坂本美雨の本作に収録されている「in aquascape」のメロディとして認知されていた。


といってもほぼ同じタイミングで本作を手にしたのは全くの偶然で、「in aquascape」は2021年に購入した坂本美雨のベスト盤『miusic ~The best of 1997-2012~』の中でも大好きな曲だったし、今年2月に『鉄道員(ぽっぽや)』も観ていたから、その両方を収録(*)したこの1stアルバムを聴くに至ったわけで。その2週間後に劇場でこのメロディを聴くことになるとは思っていなかった。
*『鉄道員(ぽっぽや)』の主題歌となった坂本美雨「鉄道員(TETSUDOIN)」の英語ヴァージョン「CHILD OF SNOW」が本作では収録されている

坂本美雨 - "in aquascape"






■最近の気になる曲
このブログを始めた頃の気持ちを思い出しつつ3月から始まったコーナー。リリースの新旧を問わず最近気になっている曲をメモ代わりに書く。

「劇場版シティーハンター 天使の涙(エンジェルダスト)」本予告90秒


先ほども触れたTMの新曲「Whatever Comes」が少しだけ聴けるが、TMらしくてとても良い!エンディングはお馴染み「Get Wild」。映画もとても楽しみにしている。


なとり - "エウレカ"


先月のこの枠でも「フライデー・ナイト」を取り上げたけど、やはりなとり凄い。今回の新曲はこれまでとはちょっと趣の異なるロック・テイストの曲で、Vaundyとかもだけどロック、ファンク、エレクトロ・ポップを柔軟に咀嚼して大衆的なポップスに仕上げるのが上手い。


その他、2021年のアルバム『swim in the milk』も素晴らしかった、Pavement直径オルタナ・ガールズ・デュオLIGHTERSの新曲、Cody・Lee(李)の大化けした感のある新曲、MAISONdes『ノイジールーム』でその存在を知り歌声に惚れた缶缶、そのMAISONdesの新曲など。

LIGHTERS - "missed"



Cody・Lee(李) - "在夜市再見 feat. タブゾンビ(SOIL&"PIMP"SESSIONS)"



缶缶 - "アリゲータドロップ"



MAISONdes - "けーたいみしてよ [feat. はしメロ, maeshima soshi]"



紫 今 - "凡人様"






■映画(※ネタバレ含む)
先ほども書いたように、是枝裕和監督の『怪物』を観た。大きくは3つのセクションに分かれていて、第一部は「母と子」を母の視点で、第二部は「教師と親」を教師の視点で、第三部は「子と子」を子の視点で描いていて、それぞれが違う角度から交差するような構成になっている。同じ事象でも視点を変えると全く異なって見えるというのはわりとベーシックなテーマながら、構成としてはよくできているなと思った。ただ、第二部以降で次から次へと伏線回収というか種明かしをされて、まるでドヤ顔で「どうですか?さっきのあれ、実はこういうことだったんですよ、上手いでしょう?」みたいに言っているようにも思え、そこにやや辟易したりもした。それでも、ラストで流れる坂本龍一「Aqua」と、おそらくは2人の幻想であろうラストシーンなど、随所に美しさが際立っており、全体としては楽しめた。





■ライブ遠征&旅行
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先月のこの枠で「今月は特にライブには行っていないのだけど」とか大嘘こいてしまったんだけど、BUCK-TICKの全国ツアーの香川公演に行ってて。うどんはめちゃくちゃ美味しいし、栗林公園や丸亀城、瀬戸大橋など素晴らしいスポットにも行くことができた。


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▲高松市にある国の特別名勝・栗林公園


で、今月はBUCK-TICKの広島公演に行ってきた。10代の頃から国内の訪れたいスポット上位だった厳島神社と広島平和記念資料館を遂に訪問することができたし、あなごめし、牡蠣、お好み焼き、揚げもみじなど広島名物を味わうこともできた。香川、広島ともに、観光もグルメも最高でしたよ。





■推し活
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Adoのライブ映像作品としては初となる、「Ado 2nd Live カムパネルラ」Blu-rayが6月21日にリリースされた。2022年8月にさいたまスーパーアリーナで行われたライブを収めたもので、このライブを14列目のほぼセンターで目の当たりにした者として買わない理由はない。早速観たのだがこれが本当に素晴らしくて、あの日の感動を鮮やかに呼び覚ましてくれるものだった。これからは、気分が沈んだ時にはこれ観よう…。


Blu-rayが届いた2日後にはAdo 全国ツアー2023 『マーズ』のグッズも到着。ローズペンライト(3個目買っちまったよ)、ショッパーバッグ、アクスタ、アクキー、ランダムトレカと推し活がはかどり中。


さらにその翌日からの広島旅行中、JR西日本の「ハルタビ/Ado」タイアップキャンペーンで宮島と広島駅ビル内の2ヶ所にAdoの等身大パネルが展示されていたので見に行ったり、デジタルスタンプラリーを全4ヶ所コンプしたり、広島駅でボイスメッセージ聴いたり、ノベルティ配布スポットでクリアファイル(↑の写真の右から2番目)もらえたりと、キャンペーンにガッツリ参加させてもらった。Ado民として充実した6日間だった。

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▲広島駅「ekie」2Fの設置スポット

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▲宮島口旅客ターミナル眺望テラスの設置スポット








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