年間/半期ベスト[2021年] |
2021年を、個人的なトレンド(いわゆるマイブーム的なもの)とともに振り返ってみたいと思う。上の表の通り、音楽関連と映像関連からそれぞれ5つずつトレンドワードを選んでみた。
BUCK-TICK
2021年もやっぱりBUCK-TICKがアツかった。トレンドワードでその年を振り返るのは今年が初めてだが、もし以前からやっていたら昨年も一昨年も真っ先にBUCK-TICKの名を挙げていたと思う。前年に引き続き今年もステイホームを目的として過去のライブ映像アーカイブを大量に無料配信してくれて、そのすべてを自宅で視聴することができた。間もなくBlu-ray&DVDがリリースされるライブ映像作品まで無料配信するという大盤振る舞いもあった。
ニューシングル「Go-Go B-T TRAIN」のリリース、そしてそれに伴うツアーの発表と、ギター・今井寿の骨折による公演中止。私も地方公演含めいくつか参加予定だっただけに残念ではあったが、13週連続の無料配信や、無観客配信ライブ「魅世物小屋が暮れてから~Show After Dark~」、さらには12月29日の武道館公演の開催など、とにかく我々を飽きさせることなくB-Tは全力で(アクシデントはあったものの)駆け抜けてくれた。デビュー35年近いバンドがなかなかできることではない。
V系
今年最もハマった音楽ジャンルと言えばヴィジュアル系(以下「V系」)だろう。これも2019年あたりからBUCK-TICK熱に付随してきたマイブームで、当初はLUNA SEAや黒夢など90年代にリアルタイムで少しかじっていたものを追っていたが、今年は「世代」がより拡張された感じ。
4月の「マツコの知らない世界」でオンエアされたV系特集「ヴィジュアル系バンドの世界」をきっかけに書籍『すべての道はV系に通ず。』を読んだことで興味が広がり、DIE IN CRIES、ZI:KILLといった80年代のV系黎明期のレジェンド、PENICILLIN、SHAZNA、ROUAGE、La'cryma Christiといった、私が90年代のV系全盛期にスルーしてしまっていたバンド、そしてcali≠gari、Plastic Tree、PIERROTといった、私がV系から距離を置くようになった97年以降にメジャーデビューしたバンドなど掘っていくのは非常に楽しかった。2022年は現行のV系バンドをもっと聴いてみたいと思っている。
平沢進
昨年、ポリドール時代の初期楽曲中心のベスト盤でプチハマりしたものの、ものすごく深い沼がそこにある気配がしてそれ以上は近付かないようにしていた平沢進。しかし今年フジロックで目撃したことにより大ハマりし、P-MODEL関連も含めると17枚ものアルバムを購入した。神秘的、幻想的、哲学的、牧歌的、ディストピア的…そんな言葉だけでは形容しきれない唯一無二の世界観に浸ることができる高次元の音楽。2022年2月には初めて単独ライブに参加予定で、ますます目が離せない存在だ。ぜひ「エントロピー!」をかっこよく決めたい。
Ado
2022年の邦楽シーンの顔とも言うべき存在。なんせ我々の親世代でさえ「うっせぇわ」を口ずさめるレベルで浸透しているのだから。
初めてその存在を知ったのは、2月に「バズリズム」に出演する少し前だったから1月中旬くらいと少し出遅れはしたが、歌唱力にインパクトがあり、メロディと歌詞も一発で覚えてしまうほどキャッチーで「これは絶対売れるな」と思った。実際には、そのときに想定していた以上に売れることになったが。
とにかく歌の表現力というか、パートによってさまざまなペルソナを使い分けるが上手く、その後も「レディメイド」、「踊」、「阿修羅ちゃん」などとんでもない楽曲が続々発表されるたびにワクワクした。私はシンガーソングライターが好きなので普段はあまり演奏も作詞作曲もしない「歌い手」には注目しないのだが、ここまで歌が魅力的だとさすがに例外。そしてまさか今年のよりも先に来年の年間ベストアルバムが決まってしまうとは…。2022年1月のデビューアルバム『狂言』が楽しみで仕方ない。
BABYMETAL
現在ライブ活動を封印しているBABYMETALだが、その宣言の直前に行われた10周年記念公演、DOOMSDAY-IX(9日目)の武道館に行ってきた。2019年のアルバム『METAL GALAXY』を年間ベスト1位に選ぶなど楽曲は好きだったのでwowowやCS放送でライブがオンエアされれば観ていて、次第に実際に行ってみたくなったからだ。
ライブはダンス、演奏、歌唱面に加えヴィジュアルや特効などのステージ演出で圧倒させられ、ロック・エンターテインメント・ショーとしても完成された素晴らしいものだった。永らく敬遠していた彼女たちの1stアルバム『BABYMETAL』にも遅ればせながらハマり、今では「ド・キ・ド・キ☆モーニング」をカラオケで歌ったりするほどである。
ほん呪
1999年から20年以上続く「ほんとにあった!呪いのビデオ」シリーズ、通称「ほん呪」。現在までに94巻まで発売され、100巻が目前に迫っている。自分はもともとオカルトの類は好きなので、これまでもCSのファミリー劇場などでオンエアされていたら観ることはあった。ただこれまでは「やってたら観てみる」程度だったのが、今年の6月くらいから「録画してがっつり観る」ように。この半年近くで計44作を視聴した。今年は映画をたくさん観るつもりでいたのにほん呪によってだいぶ時間を奪われてしまったが、これも霊のしわざ、とでもいうのであろうか…。
映画50本
映画ファンにとっては年間50本なんて大した数ではないだろう。でも私は特に映画ファンというわけではなく、例年だと年に5~10本で、15本も観ればかなり多い方だった。ただ今年は1月あたりからたまたまいろんな映画を観る機会があり、観たあとは舞台背景や歴史などをついつい調べてしまうタチなので、そこからあれもこれもと興味が広がっていき、3月までで20本くらいを観た。年間100本行けるのでは?と思ったものの途中で「ほん呪」にハマったことでペースは落ちたが、それでも年間50本以上を観ることができた。
アニメ(鬼滅の刃etc.)
映画の中で特によく観たジャンルのひとつがアニメだ。年明け早々に地上波でオンエアされた『天気の子』がとても面白かったし、画の美しさに今さらながら感銘を受けた。「画の美しさ」と言えば京アニ制作による『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』も、20世紀前半のヨーロッパをモデルにしたと思われる風景や街並みがとても美しかった。そして遅ればせながら『鬼滅の刃』のTV版「竈門炭治郎 立志編」を観始め、伊之助や善逸をはじめとするキャラのかわいらしさにヤラれてハマってしまい、観終わったところで満を持して劇場版の「無限列車編」を4DXで観た。その後も地上波の特別編集版をはさみ、現在は「遊郭編」を毎週楽しみに観ている。
ほか、わりと子供の頃に観るのが一般的な『火垂るの墓』を初めて観たし、ガンダムシリーズの劇場公開作品の興行収入記録を塗り替えた『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』は、近年の劇場版ガンダム作品と比べても圧倒的な画のクオリティに驚愕した。またガンダムシリーズでは、「21世紀のファーストガンダム」と称される『機動戦士ガンダムSEED』を初視聴。まだ途中ではあるが毎回本当に面白い。同じく初見となる「00」や「AGE」のほか、再視聴では「Gレコ」劇場版&TV版、「Z」劇場版&TV版、YouTubeのガンダムチャンネルにて「Vガンダム」「ガンダムZZ」「Gガンダム」「ビルドシリーズ」「 SDガンダムワールド ヒーローズ」と、平日は毎日何かしらのガンダム作品を観て過ごした(リモートワークの恩恵)。また現在放送中のロボットアニメ『境界戦機』も楽しんでいるところだ。
実話映画・歴史映画
アニメ以外の映画ジャンルとしては、特に第二次世界大戦・太平洋戦争関連のものや、近代の事件を扱ったものに興味をひかれた。韓国の民主化運動を描いた『1987、ある闘いの真実』と『タクシー運転手 約束は海を越えて』だったり、八甲田雪中行軍遭難事件を描いた『八甲田山』、ジョン・F・ケネディ大統領暗殺事件を描いた『JFK』、アトランタオリンピックの爆破事件での冤罪を描いた『リチャード・ジュエル』など、近代史の実際の事件を基にした作品は当時の時代背景や世界情勢を知る上でも大変参考になり興味深く、探求心や知的好奇心を大いに刺激された。
昭和/近代史・太平洋戦争
自分にとって戦争はモノクロの世界で、幼少期に亡き祖父から話を聞くことはあったものの、どこか現代と地続きではない「歴史上の出来事」みたいな感覚があった。そんな自分があらためて第二次世界大戦を身近な存在と捉えるきっかけとなったのは意外にも『鬼滅の刃』だった。観る前は江戸時代か明治時代の話だと思っていたが、100年ほど前である大正時代が舞台であることを知り、現在101歳の祖母が生まれた頃の話だと思うととても身近に感じられるようになった。
そこから近代史、とりわけ戦時・戦後の昭和史についてネットでいろいろ調べるようになり、第二次世界大戦がより現実感のある、決して遠い過去のことではない出来事として捉えられるようになった。これは庭田杏珠さんと東京大学大学院 情報学環教授である渡邉英徳さんによる、戦前や戦時中のモノクロ写真をAIによってカラー化する活動も大きく影響している。映画作品としては、昭和の名優・鶴田浩二が主演し神風特攻隊を描いた『あゝ決戦航空隊』や、ポツダム宣言が受諾され玉音放送がなされた日の混乱を描いた『日本のいちばん長い日』の1967年版と2015年のリメイク版、オーストリアで従軍命令に従わず信念を貫いたフランツ・イェーガーシュテッターの生涯を描いた『名もなき生涯』などを鑑賞した。
また最近では、戦後の復興と高度経済成長期、学生運動、バブル景気といった、私の親世代の出来事にも興味・関心を持っている。
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