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Albums of the Month

Albums of the Month (2021年1月)

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最近、TVアニメ版『鬼滅の刃』を観始めた。今さら流行りに乗ろうというわけではないが、単純になぜ年齢や性別を問わず多くの人たちにウケたのかということに興味があるからだ。現在は第23話「柱合会議」まで観終わったところで、TV版としては3話を残すのみだが、結構楽しめているのでそのうち劇場版『無限列車編』も観てみたいと思っている。

アニメといえば、年始に地上波で新海誠監督のアニメ映画『天気の子』をやってたので観てみたら、めちゃくちゃ面白かった。ストリートビューでロケ地巡りしてしまったくらいだ。画がキレイなのは勿論だけどストーリーもキャラクターも良かったし、よく知っている場所がシーンに登場したりするのも楽しめた。

それに加えて音楽も良かった、というわけで今月の「Album of the Month」はこちらの作品から。





RADWIMPS / 天気の子 complete version (2019)
★★★★☆
天気の complete

自分は味噌汁'sは聴いたことあるのにRADWIMPSはちゃんと聴いたことがなく、TVなどで自然に耳にする曲をいくつか知っている程度(あとフジロックで少し観た)。『天気の子』のサントラは主題歌・劇伴ともにRADWIMPSが手掛けていて、ややandymori感のある「風たちの声」も良かったが、女優の三浦透子がメインボーカルを務めた2曲、「祝祭」と「グランドエスケープ」が特に素晴らしかった。

RADWIMPS - "祝祭 feat. 三浦透子"


劇中で「グランドエスケープ」が流れてきたとき、佐藤千亜妃(きのこ帝国)や塩塚モエカ(羊文学)のように力強さと儚さと繊細さを併せ持ったエモい歌声でめっちゃ好み!と思ったのだが、調べてみたらドラマで観たことある役者さんだったし、昨年ミニアルバムをリリースしていたことが判明したので早速購入。



三浦透子 / ASTERISK (2020)
★★★★★
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森山直太朗、TENDRE、澤部渡、曽我部恵一、サンタラ、津野米咲が手掛けた楽曲はどれも個性があり素晴らしい曲ばかりだが、それぞれに個性の異なる楽曲をすべて「三浦透子の楽曲」としてモノにしている。去年のうちに聴いていたら年間ベスト・アルバムのTOP5には入ったかもしれない。中でも曽我部恵一が手掛けた「ブルーハワイ」が出色の出来。

三浦透子 - "ブルーハワイ"



少し前に「きのこ帝国ロス…?」という記事を書いたけど、この曲はまさにきのこ帝国不在の喪失感を埋めてくれるような楽曲。歌詞も

「途中のコンビニでちょっと立ち読みして休む」
「高速のサービスエリア ラーメンを食べたのさ ぼくはまずいって言ったけど きみはけっこう美味しいって言った」


という部分がどことなく佐藤千亜妃っぽくない?あ、佐藤千亜妃が曽我部恵一の影響受けてるのか。

そしてもうひとつ。津野米咲(赤い公園)が手掛けた「FISHANDCHIPS」は、あらためて彼女のソングライターとしての類稀な才能に驚嘆したし、と同時に失ったものの大きさを身にしみて感じた。



三浦透子『ASTERISK』がそうだったように、年が明けてから年間ベスト級の名盤に出会ってしまうことは「音楽好きあるある」だが、今月はそんな作品がもうひとつ。

arca (LUCA & haruka nakamura) / 世界 (2020)
★★★★★
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年始に「新譜リリース情報」の記事を書いているときに、本作の国内流通2枚組LPが2月にリリース(CDは昨年リリース済み)されるということで知ったのだが、聴いてみたらめちゃくちゃ良かった。去年のうちに聴いていたらこれもTOP10以内には確実に入っていたと思う。全編を通して美しいアルバム。

arca (LUCA & haruka nakamura) - "SUN DANCE"




坂本美雨 / miusic~The best of 1997-2012~ (2013)
★★★★★
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去年買った2014年作『Waving Flags』(蓮沼執太がプロデューサーを務めた)がとても良かった坂本美雨の、デビュー15周年を記念した2枚組ベスト盤。

先日「小室哲哉のベスト・ソングを考えてみる」という記事を書いたけど、その構想中に小室哲哉の「永遠と名づけてデイドリーム」を坂本美雨がカバーしていたことを知り、その曲目当てで購入。この曲はライブでよく披露されていたそうで、音源化はこのベスト盤が初とのこと。

それにしてもこのカバー、素晴らしすぎる。オリジナルは小室哲哉らしい美メロなバラードで、小室さんの"あの声"で歌われているので「まあ…いいよね」って印象だったんだけど、それが坂本美雨の透明感あふれる伸びやかな美声に置き換わることでこんなに美しさが増すとは。

他にもフランスのシンガー/女優であるElsaの「T'en va pas」のカバー(厳密には、それを大貫妙子による作詞で日本語カバーした原田知世の「哀しみのアダージョ (彼と彼女のソネット)」のカバー)も収録。以前、「T'en va pas」目当てにElsaのベスト盤を買ったことがあるくらいにこの曲が好きなので嬉しい。

坂本美雨 - "永遠と名づけてデイドリーム"




ところで、三浦透子、arca (LUCA & haruka nakamura)、坂本美雨はたまたま同じ日に購入している。購入した時点では全く意識していなかったけど、それぞれに繋がりや共通点があることがあとから判明し、自分でもちょっと驚いた。相関図まとめてみたらこんな感じ。最近のマイブームでもあるBUCK-TICKや沖縄電子少女彩とも繋がっているのが面白い。

miu_toko_arca.png





椎名林檎 / 三毒史 (2019)
★★★☆☆
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奥さんの購入品だが、自分も気になっていたので。というのも、BUCK-TICK櫻井敦司とのコラボ曲「駆け落ち者」が収録されているから。ガバ・ビートを取り入れたスリリングなパンク・チューンでかっこいい。



その他はレンタル。昨年12月にリリースされたメジャーデビュー・アルバム『POWERS』が良かったので、ミニアルバム2枚を借りた。

羊文学 / きらめき (2019)
★★★★☆
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羊文学 / ざわめき (2020)
★★★★☆
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Vo.塩塚モエカは、曲によって歌声に変化を付けるのがとてもうまい。表現力の高いシンガーだなと思う。『ざわめき』には、『POWERS』のシークレット・トラックである「人間だった (acoustic version)」のオリジナルVer.が収録されている。

羊文学 - "人間だった"




Cocco / プランC (2014)
★★★★☆
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Coccoのオリジナル・アルバムも、これで未聴は『きらきら』(2007)を残すのみ。と思ったら来月ニューアルバム『クチナシ』がリリースとのこと。多分買います。

他の作品と比べあまりヘヴィな印象は受けず、「パンダにバナナ」や「スティンガーZ」など、伸び伸びとやりたい放題やってるなという感じ。そこが良かった。

Cocco - "ドロリーナ・ジルゼ"




PRINCESS PRINCESS / THE REBIRTH BEST ~再会~ (2012)
★★★☆☆
pripri_rebirth.jpg

自分の音楽遍歴として、88年~90年頃までは同室だった兄の影響が非常に大きかった。当時まだ自分の音楽プレイヤーを持っていなかったので、兄のラジカセから流れる音楽──B'z、UNICORN、ジュンスカ、JITTERIN'JINNなど──がすべてだった。それらの多くは自分のお気に入りにもなり、数年後自分で音源を買い直したりしたほどだ。しかしその中で、当時から自分にはピンとこなかったものもあった。

具体的にはSOFT BALLETとPRINCESS PRINCESS。SOFT BALLETに関しては3、4年ほど前にようやく良さがわかりアルバムをだいぶ集めたりしたので、プリプリは「最後の砦」みたいな感じだった。

最近CSの音楽系チャンネルでプリプリを耳にする機会がやたらと多く、ようやく「ちょっと聴いてみようかな」という気になって、再結成後にリリースされた最新ベストをレンタル。全33曲だが9割がた聞き覚えがあって自分でも驚いた。当時だってそんなに何回も聴いていたわけではないはずだけど、子供の頃の記憶力ってすごいな。





ということで今月は洋楽なし、新譜なし。例年1月は前年の年間ベスト作品をさらに聴き込むことが多いので、今年も意図せず同様の流れになった。あと、やっぱり女性ボーカルものが多いなーと。今年もフェスの開催は厳しいと思うけど、いろいろ聴いて楽しみたい。




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