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Albums of the Month

Albums of the Month (2020年5月)

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最近、ドラマ『M 愛すべき人がいて』にハマっている。自分は浜崎あゆみと同世代だが、これまで浜崎あゆみの音楽をしっかりと聴いたことはなかった。もちろんTVなどで耳にしたことはあるので、いくつかの曲のサビのメロディをハミングするくらいはできるが、タイトルとメロディが結びつく曲は一曲もないし、Aメロを思い出すこともできないレベルだ。

ドラマの方も、最初は奥さんが観ているところを片手間でチラ見する程度で、「演出が陳腐だなあ」とか「演技下手だなあ」とか思ってたんだけど、先日第一話の副音声付き(古市憲寿と伊集院光によるコメンタリー)が放送されていて、それを聴いていたらなんだかこのドラマの本当の面白さがわかって。なるほどと思いながら第一話からちゃんと観返すと、めちゃくちゃ面白かった。あえてツッコミながら楽しむという「観る側のユルさ」が必要なのね。全力で大真面目に演じられるコントあるいは再現VTR、そこにあるアンビバレンスを楽しむ、言ってみればこれはドラマ版「全力!脱力タイムズ」だ。面白くないわけがない。

それだけでなく、やはり浜崎あゆみと言えば自分が青春真っただ中だった時代のポップ・アイコンであったことは間違いなく、avex(中学生の頃、僕は将来そこに入社してアーティストをプロデュースする仕事に就くことを夢見ていた)や、小室哲哉をモデルにした人物など、過剰にディフォルメされてはいるが自分に馴染みのある人・モノがストーリーに組み込まれているので、時代背景込みでその世界観にどんどん入り込んでしまう。ハマり過ぎて、小松成美著の原作本まで買ってしまったくらいだ。今度、浜崎あゆみのアルバムをいくつか借りてみようと思っている。

あと、田中みな実の怪演も素晴らしい。本人のキャラとはかけ離れた、あんなにインパクトのあるキャラを、あそこまで突き抜けて演じられる人だったとは。このドラマで彼女の評価も爆上がりした(さすがにこちらは写真集買うまでは至ってないけど)。

ていうわけで5月に初聴きした音源まとめです。


The Strokes / The New Abnormal (2020)
★★★★★
strokes_new_abnormal.jpg

7年ぶりのアルバム。もうそんなに経つか。その間に各メンバーがソロ活動しようと、それらの活動がThe Strokesとは少し違うものだろうと、久々に5人が集まって作品を作れば「これぞストロークス」としか言えないものが出来上がるって素晴らしい。曲数的にはもう1、2曲あっても良かったかな。

The Strokes - "Bad Decisions"




Enter Shikari / Nothing Is True & Everything Is Possible (2020)
★★★★★
Enter Shikari Nothing Is True

6作目ながら、自分がEnter Shikariのアルバムを買うのは2007年のデビュー作以来13年ぶり。去年の年間ベスト・アルバムでBring Me The Horizonの『amo』を2位に選んだけど、Enter Shikariの新曲をたまたまチェックしてみたらBMTHとだいぶ近い感じだったので気になって購入した。

デビューアルバムの頃はハードコア×メタル×レイヴみたいな感じだったけど、今はメタル成分弱めでエレクトロとハードコアをメインストリーム・ポップに落とし込んだみたいなサウンド。マシュー・ヒ―リーに歌わせたらそのまんまThe 1975の曲としてリリースできそうな「Crossing The Rubicon」や、ファンタジー映画のオープニングのような「Elegy For Extinction」など、振り幅も大きい。そんな中で、じゃあ彼らの主軸であるレイヴ色はどうなのかというと、「THE GREAT UNKNOWN」(『ブレードランナー』的サイバーパンクなMVがとてもかっこいい)や「(The Dreamer’s Hotel)」などでこれでもかというほど遺憾なく発揮されていている。

Enter Shikari - "THE GREAT UNKNOWN"




Frances Quinlan / Likewise (2020)
★★★★☆
Frances Quinlan Likewise

Hop Alongのヴォーカリストによるソロ作。といってもHop Alongのアルバムをちゃんと聴いたことはないのだけど…。優しさと力強さを感じさせるややハスキーなヴォーカルはときおりEmmy the Greatを思い起させる瞬間もあるけど、Frances Quinlanの場合はもっと遊び心があり、さりげないながらもさまざまな音が鳴らされていて、アレンジもメロディもひと癖ある。「Went to LA」ではかなり激しめのシャウトも。

Frances Quinlan - "Rare Thing"




Purity Ring / WOMB (2020)
★★★★☆
Purity Ring WOMB

前作から5年を経ての3作目。まだ3作目かあという感じ。本当に若干、前作から変わってはいるんだけど、5年空けたならもっと大胆な変化があっても良かったと思う。彼らの魅力の芯の部分さえブレなければ。

いつもの曲順にうるさいところが出てしまうけど、10曲目ラストの「stardew」は1曲目に挿入して、以降の曲順はそのまま、最後は9曲目「almanac」で締めた方がしっくり来たと思う。

Purity Ring - "stardew"




Lido Pimienta / Miss Colombia (2020)
★★★★☆
Lido Pimienta Miss Colombia

コロンビア生まれ、カナダ育ちの女性シンガーによる3作目。南米の土着的音楽とエレクトロの融合はかなりユニークだが、エレクトロと言ってもエレクトロ・ポップではなくどちらかというとエクスペリメンタル。重低音を効かせたキックやトライバルな打楽器、最小限のウワモノによるバックトラックは、どこかBjörkの楽曲を連想させたりもする。

Lido Pimienta - "No Pude"




Perfume Genius / Set My Heart On Fire Immediately (2020)
★★★★☆
Perfume Genius Set My Heart

5作目。前作はややダークな面もあったけど、繊細さや可憐さはそのままに、今回は明るく力強い曲調も多い。ジャケと同様、少しだけマッチョ感が増した感じだ。

Perfume Genius - "On The Floor"




Yaeji / What We Drew (2020)
★★★★☆
Yaeji What We Drew

『Yaeji EP』『EP 2』を経ての初のフルレンス。とはいえアルバムではなくMIXTAPE扱いらしい。EPの時よりもディープさは後退し、エレクトロ・ポップ然とした曲が多く、そこが少し物足りなかったりもする。「THESE DAYS」みたいなディープな曲がもっとあっても良かったかな。とはいえ、Yaejiの作り出す音や不思議な魅力を放つ脱力ウィスパーヴォーカルは相変わらずクセになる。今後、もっとフロア寄りでもっとぶっ飛んだものを作ってくれることに期待。

Yaeji - Waking Up Down"




今月のB-Tは最後の2枚。これで全オリジナル・アルバムをコンプリート。

BUCK-TICK / ROMANESQUE (1988)
★★★☆☆
B-T ROMANESQUE


BUCK-TICK / SEVENTH HEAVEN (1988)
★★★★☆
B-T SEVENTH HEAVEN

現在と比べてだいぶ粗削りで青臭いところもあるけど、詰め込まれた豊富なアイデアとメロディセンスは、バンド・ブームの中で生まれた同時代のバンドたちの中でも頭一つ抜けている。ただ、『SEVENTH HEAVEN』の方は音(ミックス)と曲順が難点かな。何でその前の『SEXUAL XXXXX!』よりも音が弱くなっているのか。

底抜けに明るい曲とダークな曲が混在しているせいか、少し流れが悪くちぐはぐな印象も否めない。もし自分が曲順を決めるならこんな感じかな…。

1 FRAGILE ARTICLE
2 CAPSULE TEARS-PLASTIC SYNDROME Ⅲ-
3 PHYSICAL NEUROSE
4 CASTLE IN THE AIR
5 DESPERATE GIRL
6 ORIENTAL LOVE STORY
7 MEMORIES…
8 VICTIMS OF LOVE
9 … IN HEAVEN …
10 SEVENTH HEAVEN



坂本美雨 / Waving Flags (2014)
★★★★☆
miu Waving Flags

B-Tのトリビュートアルバム『PARADE Ⅲ』にて「ミウ」をカバーしていた坂本美雨。それきっかけで目下最新作である本作を購入。

歌手デビュー作となった坂本龍一との親子共演作「The Other Side Of Love」以来久々にちゃんと聴くけど、こんなに母・矢野顕子譲りの表現力を身に付けた立派なシンガーに成長してたんだな…。アルバムは蓮沼執太がプロデュースし、純度の高いオーケストラル・ポップに仕上がっている。



THE BOOM / 思春期 (1992)
★★★☆☆
THE BOOM 思春期

先々月、奥さん所有で自宅にあったTHE BOOMの『FACELESS MAN』を初聴きしたけど、その流れで本作を購入。リリース当時、本作収録曲をいくつかラジオからカセットテープにダビングしてよく聴いていたものだ。「みちづれ」はユニコーンの「音楽家と政治家と地球と犬」とかLÄ-PPISCH「RINJIN」に似てるなーと思ってしまったのだけど、この時代ってこういうちょっとくだけたノリのスカが流行ってたのかな。

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