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フジロック'17 ラインナップ第一弾発表で思ったこと

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2月10日にフジロック'17の出演者ラインナップ第一弾が発表されましたね。ヘッドライナーはAphex TwinとBjörk!!Björkはタイミング的にちょっと謎ですが、いずれも昔から大好きなアーティストであり、これは何とも嬉しい限り。


しかしそれよりも注目なのは二段目、サブ・ヘッドライナークラス。LCD SoundsystemにLordeにThe xxにQueens of the Stone Age、Major Lazerと、海外フェスでもヘッドライナー/準ヘッドライナーを張るメンツが勢ぞろい。正直、第一弾発表時にここまで強力布陣だったことが近年あっただろうか?こんなメンツで、残りひと枠のヘッドライナーは一体誰になるのよ!


それだけじゃなく、残りの枠もなかなか。ÁsgeirにCatfish and the Bottlemen、The Lemon Twigs、Lukas Graham、Sampha、さらにはBonoboのバンドセットと注目アクトがいっぱい。カブリに泣かされそう。







Bonobo Boiler Room London — Live at Alexandra Palace

これはゲロヤバの予感。


Lukas Graham - Mama Said (Live at The iHeartRadio Summer Pool Party)



Lorde - Ribs (Live On Letterman)



そんな第一弾ラインナップ発表、Twitterの僕のタイムラインを見る限り、やはり絶賛というか狂喜乱舞にも近い声がほとんど。


確かにこのメンツを集めたのはすごいけど、僕はラインナップされたアーティストそのものよりもこれに注目しました。それは

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このラインナップ・ポスター(っていうのかな、これ)。ここに並んでるアーティスト名よりも、このポスターそのものにめちゃくちゃ興奮してしまいました。このポスターはとても重要な意味を持つと思うんですよ。


なぜかというと、これまでのフジのラインナップ・ポスターと言えば


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パッと見、日本語表記が目立ったり、背景が会場の写真モチーフだったり、どこまでがヘッドライナーかわかりにくかったり。あとこれは個人的な好みではあるけど、あまり良いデザインセンスとは言えないかなーと。97年のスタート時からあまり変わっていないというか。


今回のポスターは、一言で言うと「海外向け」だと思うんです。海外フェスのものでよく見るのはこういうデザインなイメージ。

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なんとなくですが、デザインセンスはこういった海外フェスのものに寄せている気がします。カラフルだけどガチャガチャしていない。ヘッドライナーもパッと見でわかる。あと、今回も「苗場スキー場」はさすがに日本語表記だけど、それ以外は全部英語ですね。日本語表記のアーティスト、というか日本人アーティストが第一弾発表の中にいないためでもありますが。


おそらく今後邦楽アーティストも多数アナウンスされるはずだし、すでに決まっているものもあるはず。これは僕の憶測なんですが、第一弾発表では敢えて邦楽アーティストを外したんじゃないでしょうか?


そう思ったのも、今年のフジロックは海外からの集客にとても力を入れてるんじゃないかと思ったから。話題性が一番強い第一弾発表で、海外の人からしたら「誰これ?」な邦楽アーティスト並べてもインパクト薄れるだけだしね。その一つが今回のラインナップ・ポスターなんだけど、他にもこんなムービーを公式HPで自動再生させたり



このムービー、どう考えても海外向けだと思うんですよね。ヘタに日本語ナレーションとか入れてないし。


あと、公式HP上部の「English」から英語サイトに遷移すると、結構しっかり作ってますね。

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http://fujirock-eng.com/ticket.html

これは結構前からこんな感じだったのかも。英語版サイト見たのは今回が初めてなのでいつからこうなってたのかは不明です。ちょっと前に、日本のフェスは海外からチケットを買うには不親切すぎるという指摘がされていた記憶があるのでここ数年かも?


ちなみに、気になったのでサマソニのサイトも見てみたけど、英語版サイトのリンクはちょっと発見できませんでした。


あとフジの公式HPで各アーティストの紹介ページ、毎年ちゃんとバイオが書かれていないアーティストが多くてしっかり作れよ~と密かに思ってたんですが、今年は今のところ全アーティスト埋まってますね。


海外向けムービー、海外向けチケット購入サイト、海外アーティストオンリーのラインナップ第一弾発表。これらが示すものは、つまり海外からの集客でしょう。2020年の東京オリンピックに向けて日本を訪れる旅行者が増加傾向にあることも視野に入れているのかも。この豪華なメンツも、もしかしたら国から助成金が出ていたり…いや、さすがにそれはフジのスタンス的になさそうというか断りそうだし、もし受け取っていたとしてもSMASH側はひた隠すでしょうけど。


こんな感じなので、今年こそはちゃんとしたストリーミング配信をするのでは?と思ってます。海外の人に「このフェス行ってみたい!」と思わせるのに、ストリーミングほど有効な手段はないですから。


さて、フジロックも去年20周年を迎え、今年で21年目。おそらくこれまでに築き上げたものとか関係性ってかなりいろいろあると思うんですよ。ラインナップ・ポスターのデザイン発注にしてもそうだし、例えばリストバンドの製造委託先とか、警備会社とか、設営会社とかいろいろ。


ただそうなってくると、だんだんと「惰性」になっていくもんなんですよね、仕事上の付き合いって。「今年もありがとうございました、また来年もよろしくお願いしますね!」って。「今年も去年と同じ感じで作ってください」みたいな。20年やってると、なかなか「今年はちょっと違うところに頼みますわ」とか「今年は今までと違うデザイナーさんでお願いします」とか言えなくなってくるもんです。いわゆるお得意さんというやつ。それがビジネス的には理想的という考えもあるけど。


だから、SMASHがフジ21年目にして、新しい方向性を目指してるっていうことが素直にすごいなーと思いました。だって、海外からお客さんを呼ぶのって日本国内から呼ぶよりも難しいわけで。


海外の人から見ても遜色ないラインナップにするのって、スケジュールの都合とか金銭面でもとても大変なことだと思うけど、現時点でフジはすでに達成できてると思います。


逆に、フジに先立って発表されたサマソニは割と批判の意見を目にしました。ただ、サマソニのラインナップがフジのラインナップよりも劣っているとは思わないですね。Calvin Harrisがヘッドライナーというのもさすがだなと思うし、Charli XCXやPhoenixやRoyal Bloodに加えDua Lipa、Declan McKennaやZara Larssonみたいな気鋭のアーティストも揃っているし。ピコ太郎とかもいるので、海外の人から見たらちょっと奇妙なラインナップには思えるかもしれませんが。


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もしCalvin Harrisを未だに単なるEDMのDJとしか認識していない人がいるなら、それは現行のトレンドを追ってないと思われても仕方がないんじゃないかなと。あと「ロックじゃねえ」みたいな意見は論外で、そもそもサマソニはスタート当初から「ロック・フェス」を名乗っていないわけだし。

Calvin Harris & Disciples - How Deep Is Your Love



話ちょっと変わりますけど、日本の洋楽ガラパゴス化がたまに話題になるじゃないですか。確かにガラパゴス化してるとは思うけど、それって何か問題のある事なんでしょうか?だってUKチャートとUSチャートだって全然中身異なるわけで。アメリカのカントリー・シンガーとか、ほとんどはアメリカ以外の国のチャートに登場しないし。


だから日本で売れてる洋楽アーティストが英米その他の国と全く異なるのは当たり前だし、むしろいいことなんじゃないかと思います。それは日本のこれまでの歴史や文化に基づいてそうなっているわけだから。だから、「フジは海外のトレンドとしっかりリンクしててすごい!サマソニは完全に海外のトレンドに乗り遅れてる!」的な見方はおかしいかなって。


話を戻しますが、今年のフジロックは別に「日本のガラパゴス化した洋楽シーンを少しでも現行の海外シーンに軌道修正しよう!」という目的でこのラインナップにしているわけではないんじゃないかなと。それよりも、海外の人がフジロックをきっかけに日本に興味を持ち、日本を訪れてくれることを考えているのでは?まあ数ヶ月後にSMASH代表の日高氏のインタビューで「日本の洋楽マーケットを現行の海外仕様に近づけたくてさ~」とか語ってたらウケるし、そしたら僕のことを笑い者にしてやってください(笑)。




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