ライブレポート：KISS@東京ドーム

ライブレポート

ライブレポート：KISS@東京ドーム

3月3日に東京ドームで行われたKISSの来日公演に行ってきました。ももいろクローバーZとのコラボシングル「夢の浮世に咲いてみな」リリースという経緯もあって、事前にももクロがゲスト出演(東京公演のみ)するというアナウンスもあり、パフォーマンス的にも話題性の高い(そしてこれまで観たことのなかった)2組を観ることができ、とても満足度の高いライブでした。以下、ライブレポートです。

東京ドームに着くと、やはりKISSのフェイスペインティングをしているお客さんがちらほら。しかもコンサート中の注意事項のプラカードを持ったスタッフ(キャンギャル)までもポール・スタンレーのフェイスペインティングをし、気軽にお客さんからの撮影に応じている。ちなみにその注意事項には、「スマホや携帯での撮影はOK」との記載が。さすがです。

入り口ではメンバーのお面が配布され、4人のうちどれかは選べないのだけど僕は希望通りジーン・シモンズをゲット。場内は昨年のストーンズの時ほどの満席とまではいかないものの、8割くらいは埋まっていたと思う。

なぜかツェッペリンの「Rock and Roll」を出囃子に、この曲が終わると同時に暗転してKISSのライブでは定番だというMCとともにライブがスタート。1曲目「Detroit Rock City」ではさっそく爆発音とともに火柱が何本も上がり、エンターテインメント性に溢れるロック・ショウの始まりという感じ。いわゆるコテコテのハードロック的演出と演奏ながら、いやそれが実に楽しい。

ジーン・シモンズは長いベロを出しまくり、ギターネックをチロチロと舐めまわしながら演奏。リズミカルに体を前後に揺らしたり、とにかく表情や一挙手一投足がいちいちコミカルでかわいらしい。そしてKISSと言えば、ジーン・シモンズによる火吹きや血吐きや空中浮遊。期待通り、全部やってくれました。

場内が暗くなりオドロオドロしい雰囲気の中、スクリーンには緑のライトに照らされたジーン・シモンズの顔が大映しに。ソロコーナーの始まりである。ニヤニヤと不気味な表情を浮かべながら次第に口から真っ赤な血がドバア。子供が泣き出しそうなくらいに怖い演出だけど、彼のキャラを知っているせいでどう考えても面白い。場内のお客さんも歓喜。

そして次の瞬間、突然彼の体が浮き上がり、ステージの上方の特設ステージでソロ演奏が始まった。スモークも焚かれて足元も見えづらそうだし、かなりの高所。自分なら足がガクガクして演奏どころじゃない…。

終盤にはポール・スタンレーも滑車に乗り、アリーナの中央にある特設ステージへ移動。すでに還暦を越えているというのに、ジーンもポールも元気。体張ってるなあ。

アンコールではスクリーンにKISSとももクロのロゴが交互に映し出され、大量の紙吹雪とともにいよいよ2組のコラボパフォーマンスがスタート。ステージには大きな和太鼓が二つ設置され、コラボ曲「夢の浮世に咲いてみな」を披露した後で、ラストは「Rock and Roll All Nite」で締めた。

正直KISSの演奏や歌は少々覚束なくて、お世辞にも上手とは言えないものではあった(ドームの音響のせいもある)。でも、いくつになっても「オーディエンスを最高に楽しませ、ともにロックする」という姿勢は一貫している。エンターテインメント性に溢れ期待を裏切らないパフォーマンス、ベタな演出、日本のアイドルとのコラボ…、KISSでなかったら批判にさらされてもおかしくないことだけど、彼らがやることで愛され度がさらに増すように思う。まさに真のエンターテイナーであり、真のロック・アイドルと言える、そんな存在だと気付かされたライブだった。