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Fuji Rock & Summer Sonic

15 Most Memorable Moments of Fuji Rock (フジロックの「忘れられない瞬間」15選)

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今年で18回目を迎えたフジロックフェスティバルですが、僕にとっては初めて参加した98年、そして2001年から2014年までは14年連続参加ということで、今年は記念すべき15回目のフジロックでした。

そこで15回目にちなみ、これまでにフジロックで観た中で最も印象的だった15のシーンを挙げたいと思います。これはパフォーマンス全編を通しての「ベストアクト」ではなく例えば「あの曲をやったとき」のように、最も鮮烈に焼き付いている瞬間という観点でピックアップしました。ランキング形式ではなく、年代順となります。





#1 "ビョークが生身の人間であり、確かにこの世に存在するということが確認できた瞬間"
(Björk, 1998 - GREEN STAGE)

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僕にとってはコンサート自体、初めての経験となった98年の豊洲。当時最も好きなアーティストだったBjörkは、どうしても自分と同じ「人間」であるとは信じがたいほどに神秘的な存在だった。彼女は本当にこの世に存在するんだろうか?そもそも「人間」なんだろうか?と。「Vísur Vatnsenda-Rósu」が流れるとともに、扇状のものが袖に付いた真っ白な衣装を着ておでこを白塗りにしたBjörkがステージに現れ、次の「Hunter」が始まった瞬間、彼女がいま自分の目の前で歌っているという紛れもない事実が、とても信じられない奇跡のように思えた。



#2 "せっかくだからよ、倒れてるヤツはちゃんと起こしてやろうぜ"
(thee michelle gun elephant, 1998 - GREEN STAGE)



本当に暑い日だった。ちょうどこの前日にリリースされたシングル「G.W.D」が鳴らされ、僕は前へ前へとなだれ込んだ。それも自分の意志とは関係なく。中断されても危険だとかは全く考えず、かえって興奮した。数分の中断のあと、チバユウスケが「ロックンロールを一曲」と叫んで再び「G.W.D」が始まり、また激しいモッシュの波に飲み込まれていった。当時のミッシェルが醸し出していた「ヤバさ」がよくわかる伝説のパフォーマンス。



#3 "豊洲が揺れた瞬間"
(Prodigy, 1998 - GREEN STAGE)



豊洲は埋め立て地。僕はこれまで、地震以外で地面が揺れるのを体験したことがなかった。でも彼らのライブ中は、ずっと地面が震度4くらいで縦に揺れていた。その時「このままこの島は沈むんじゃないか」と考えていたかは覚えていないけど、「まるで悪魔の儀式のような、とてつもないものを観ている」という感覚は確かに覚えている。確かにこの映像を観ても、ヨダレを垂らすキース・フリントは悪魔にしか見えない。



#4 "There's a beautiful view from the top of the mountain"
(Björk, 2003 - GREEN STAGE)

Björk_at_Fuji_Rock,_2003



アンコールで鳴らされた「Hyperballad」では何本もの火柱が立ち、花火が打ち上げられ、そしてBjörkは無邪気に飛び跳ねていた。これまでのフジロックで僕が最も多くの涙を流したのはこの時だった。



#5 "白い幕に浮かび上がったシルエットから轟音が鳴らされた瞬間"
(Sigur Rós, 2005 - WHITE STAGE)

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こちらのブログから画像お借りしました

ホワイトステージに掛けられた白いレースの幕。後方からの光によって、幕に4人のシルエットが浮かび上がる。幕が下りたまま「Takk...」から「Glósóli」へ。この曲の後半の轟音に包まれた後、幕が下ろされて4人が姿を見せた瞬間がドラマティックで鮮烈に印象に残っている。



#6 "十字架を掲げた深夜3時の大熱狂パーティ"
(Justice, 2007 - RED MARQUEE)



Justiceのステージの数時間前に行われたSpace Cowboyのパフォーマンスは機材トラブルで最悪だった。その後Simian Mobile Disco、石野卓球に続いて登場したJusticeの2人は、光る十字架を卓の中央に掲げてハードかつファンキーなエレクトロをプレイ。日本の00年代エレクトロ・ムーブメントにおけるハイライトのひとつであり、ラストの「We Are Your Friends」~「Waters of Nazareth」の流れは圧巻だった。



#7 "ノイズだけが支配した20分間"
(My Bloody Valentine, 2008 - GREEN STAGE)

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マイブラを知ったのは2000年になってからだけど、それ以降『Loveless』は最も好きなアルバムだったし、マイブラは二度と観られることのない(そして二度と新作が出ることのない)伝説のバンドという存在だった。嘘のような再結成に嘘のような来日、楽しみというよりは頭がパニックになりそうだったものの、1曲目「To Here Knows When」から音響最高でただただ歓喜。ラスト、「You Made Me Realize」でおなじみのホロコースト・セクション(ノイズ・ビット)は約20分だったようだけど、その時の僕には40分くらいあるように感じられたし、このまま終わらないでほしいとも思った。



#8 "You and I must fight for our rights, You and I must fight to survive"
(Muse, 2010 - GREEN STAGE)



Museは『Origin of Symmetry』以降は心が離れてしまい、以降の作品は聴いていなかった。でもせっかくフジロックで観れるしということで海外のフェス映像を観たら大ハマリ。特にド迫力の「Knights of Cydonia」があまりにかっこよすぎた。後半で、歌詞の文字が迫ってくるスクリーン映像(このYouTubeの5:05~)が強く印象に残っている。



#9 "光の滴がキラキラと舞った瞬間"
(Coldplay, 2011 - GREEN STAGE)



「Every Teardrop Is A Waterfall」。ただでさえ美しいキラキラのダンスナンバーなのにレーザー使いの演出は正直ズルイ。でもそれだけじゃなかった。当時、霧雨がパラパラと降っていたのだけど、レーザーに照らされた雨がキラキラと乱反射して見事なイルミネーションを作り出していた。奇跡的とも言えるこの偶然の演出に、ひたすら雨に感謝した。



#10 "Are you ready to testify!!!!!!!"
(Atari Teenage Riot, 2011 - RED MARQUEE)



開演前からいくつものフラッグが振られ、雄たけびが響き、これは革命前夜の決起集会!?な物々しい雰囲気。 1曲目の「Activate」からオーディエンスのテンションはヤバかった。僕の隣にいた40代後半と思しきおばちゃんまでヘッドバンギングしていたのだから。アレックがMCで触れた福島原発のこと、そして何度も叫んだ「Are you ready to testify!!!!!!」が心に強く残っている。ステージ割発表当初は「さすがにレッドはねーだろ、死者出るぞ」と思ったけど、レッドマーキーだったからこそ生まれたあの密室感、集会感にはゾクゾクした。



#11 "まったりウトウトから突然目を覚まさせられた瞬間"
(Wilco, 2011 - WHITE STAGE)



2011年のフジロック3日目は、僕にとってフジロック史上最高のラインナップだった。Ringo Deathstarr、Glasvegas、Warpaint、No Age、Beach House、Mogwai、Atari Teenage Riotと、「ノイズ」を共通項にしたアーティストがずらっと並んでいた。夜になり疲れた体と耳を休めようと、あまりよく知らないWilcoの演奏を座ってまったりと聴いていた。…と、突然ゆるいフォークロックにドラムの爆音連打が重なり、Wilcoの曲をほとんど知らなかった僕は「何が起こった?」と驚いて立ち上がった。するとまた何事もなかったかのように、のほほんとしたフォークロックに戻った。思わず爆笑。「Via Chicago」を知っているファンはもちろん歓喜していた。



#12 "アンコールをやらなかった4人の思いを知った瞬間"
(The Music, 2011 - GREEN STAGE)



今や伝説となっている2002年のレッドマーキーでの大熱狂ライブを体験することが出来なくて、僕はすごく悔んでいた。でもそんな気持ちも、この日の"マジヤバイ"ラストライブを観た感動で吹き飛んだ。ラストの「The People」が終わり、メンバーがステージから去った後も鳴り止まなかったアンコール。もちろん僕も声が枯れるほどに叫んだ。でも彼らは再びステージに現れることはなかった。代わりに現れたスタッフが説明してくれた「みんなの声援を聞き、裏で4人が号泣してしまっているので出られない」という言葉を聞き、こちらまでもらい泣き。



#13 "緊急事態発生、裸の巨漢が暴れています!!"
(Fucked Up, 2012 - WHITE STAGE)

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1曲目「Queen of Hearts」が始まるや、ボーカルのダミアン(ハゲデブ)は早速帽子を取り、Tシャツを脱ぎ、短パンも脱いでパンツ一丁で客席へ飛び込んだ。揉みくちゃになりながらもフレンドリーに接するダミアン。オーディエンスの帽子を集めて全部重ねて被って、一人ひとりに丁寧に返却。オーディエンス(男性)とキス。やりたい放題でハードコア然としているのに、キャッチーなメロディとダミアンのキャラも相まってとてもピースフルで楽しいライブだった。



#14 "3人のシルエットから爆音が鳴らされた瞬間"
(Death Grips, 2013 - RED MARQUEE)



電子ノイズをまき散らしながら3人がステージに登場するも、バックの強烈な光により3人の姿はシルエットでしか見えない。するとドラムのザック・ヒルはいきなり服を脱ぎ始め、パンツ一丁になって高速ドラム連打。これが噂の「千手観音ドラム」か…。光のせいでめちゃくちゃ細く見えるMCライドの動きがめちゃくちゃ気持ち悪くて、めちゃくちゃかっこよかった。



#15 "あの世とこの世の交信"
(Arcade Fire, 2014 - GREEN STAGE)

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屈指の名曲「Afterlife」が終わると、レジーヌはステージを降りてPAブース前のサブステージへ移動。背後に死神が迫りくる中で、メインステージ上のウィンと向き合って歌う「It's Never Over (Oh Orpheus)」。レジーヌと死神の姿は、幻のようなエフェクトがかけられた状態でウィンの後ろのスクリーンに映し出されている。生き別れた夫婦があの世とこの世で思いを伝えあう、しかし死神がそれを邪魔しようとする(だから「Afterlife」の次に演奏されたのだと推測している)。生と死をモチーフにしたこのシチュエーション、そして映像があまりにドラマティックで感動的だった。


以上15シーンでした。開催年は少し偏りましたが、やはり初回ということで98年が多く、あとは個人的に過去最高ラインナップだった2011年が最多の4シーンでした。




上記からは漏れたけど、他にこんな名シーンもありました。

New Order, 2001 - WHITE STAGE
なんとサポートギターとしてスマパンのビリー・コーガンが登場。「Turn My Way」泣けた。


The Raveonettes, 2003 - RED MARQUEE
日本で彼らを観たことがあるのは当日あの場所にいた数百人のみというのもあるし、「Noisy Summer」の時にスーン・ローズ・ワグナーが超高速ピッキングで出してたフィードバックノイズが凄まじくて、鼓膜破けるかと思った。それくらい印象深かった。

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Ash, 2004 - RED MARQUEE
ちょうど『Meltdown』がリリースされた時で、ティムが燃えるギターを掲げて登場。かっこよかった。


These Charming Men, 2004 - GREEN STAGE
当時は全然The Smithsのことを知らなかったので、てっきり本当にあれがモリッシーだと思って聴いていた。あの時聴いた「The Last of the Famous International Playboys」(のカバー)が耳にこびりついて離れなかった。


Foo Fighters, 2005 - GREEN STAGE
雷雨の中、デイヴ・グロールが走ってPAのやぐらに登った光景は忘れられない。


Lily Allen, 2009 - GREEN STAGE
ラスト、Britney Spearsの「Womanizer」をカバー。リリーがテルミン(?)みたいなのをいじりまわして暴れている姿が爽快だった。「Littlest Thing」でステージに腰掛けて煙草をふかしながら歌っていたのもキュート。


Oasis, 2009 - GREEN STAGE
もちろん全曲大合唱だったけど、アンコールでノエル弾き語りでのDon't Look Back In Anger」はもの凄かった。まさかこの数ヶ月後に解散するとは…。




Jimmy Eat World, 2009 - GREEN STAGE
それまで陽が出ていたのにセッティング中に雲行きが怪しくなり、一曲目「Bleed American」の演奏開始と全く同じという奇跡のタイミングで雨が降った。


Ed Sheeran, 2012 - GREEN STAGE
広いステージにたった一人で現れ、小さなギターをつま弾く姿はとてもかっこよかった。オーディエンスを左右に分けてみんなでコーラスを歌った「Give Me Love」が強く印象に残っている。




Skrillex, 2013 - WHITE STAGE
でかい戦闘機のDJブースに、ジェットスモーク噴射にレーザー。ド派手なセットで興奮させられっぱなしだった。

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2002年以降集めているパンフレット。
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