季節アルバム |
先日「夏に聴きたいアルバム10選」という記事を書きましたが、だいぶ涼しくなってきたことだし、そろそろサーフポップやチルウェイヴよりもフォーキーで心地よいアコギのアルペジオだったりが聴きたい季節になってきましたので、そんな「秋にピッタリのアルバム」をご紹介します。
僕は音楽を聴く時に、シチュエーションというか季節とか時間とか場所とかを重要視することが多いんですけど、要は浸りたいっていうのがあって。で、浸りながら音楽を聴くのに一番いい季節って秋だなあと思うんですよね。秋ってちょっとノスタルジックな気分になるので、ノスタルジックな音楽を聴きながらいろいろと他愛のないことを考えてのんびり過ごすのが好きです。
というわけで、セレクトはアコギやピアノの音色がふんわりと優しくその空間を包み込んでくれるような、雰囲気のある作品が多くなりました。秋っていうと稲穂の揺れる広々とした草原が、夕日を浴びて黄金色に光ってて、稲穂が揺れて、たんぽぽが飛んでて…っていうイメージなんですが(ロマンチスト気取ってるわけではないですけどね)、そんな景色を思い浮かべながら聴いてみるのも気持ちいいかもしれません。
※秋のイメージ
僕は音楽を聴く時に、シチュエーションというか季節とか時間とか場所とかを重要視することが多いんですけど、要は浸りたいっていうのがあって。で、浸りながら音楽を聴くのに一番いい季節って秋だなあと思うんですよね。秋ってちょっとノスタルジックな気分になるので、ノスタルジックな音楽を聴きながらいろいろと他愛のないことを考えてのんびり過ごすのが好きです。
というわけで、セレクトはアコギやピアノの音色がふんわりと優しくその空間を包み込んでくれるような、雰囲気のある作品が多くなりました。秋っていうと稲穂の揺れる広々とした草原が、夕日を浴びて黄金色に光ってて、稲穂が揺れて、たんぽぽが飛んでて…っていうイメージなんですが(ロマンチスト気取ってるわけではないですけどね)、そんな景色を思い浮かべながら聴いてみるのも気持ちいいかもしれません。
※秋のイメージ
James Iha - Let It Come Down (1998)
"Sound of Love" by James Iha
「秋に聴きたいアルバム」で一番最初に思い浮かんだのがコレでした。スマパンの日系人ギタリスト、イハ君(日本名:井葉 吉伸)のソロアルバムは、スマパンのアルバムにおける轟音ディストーションとは正反対の、穏やかなアコースティックサウンドでした。アートワークの紅葉やら落ち葉やらのイメージと相俟って、曲調も秋にピッタリ。98年リリースの本作が唯一のソロアルバムですが、次のアルバムはいつ出るんだろう・・・(※後日追記:2012年に「Look To The Sky」がリリースされました)。
Miranda Lee Richards - Herethereafter (2001)
"Long Goodbye" by Miranda Lee Richards
Hope Sandoval(Mazzy Star)やHarriet Wheeler(The Sundays)の系譜に連なる、アンニュイで癒し系の、ちょっと舌っ足らずなヴォーカルがキュートな女性SSW。冒頭の「秋のイメージ」の写真はこのアルバムの裏ジャケのものですが、まさに「秋」と聞いて僕が思い浮かべるのはこんな風景なんです。音の方はフォークをベースに、ドリーミーでサイケデリックなサウンド。ストーンズの「Dandelion」をカヴァーしている点もセンスいいです。しかし美人ですな。
Ron Sexsmith / Whereabouts (1999)
"Riverbed" by Ron Sexsmith
こちらもジャケが完全に「秋」な感じで、紅葉した落ち葉を持って物悲しげな表情で座っているという写真。彼はいつでもこんな困り顔をしてるんですが、そんな表情で、やや鼻にかかったシルクのように滑らかな声で優しく歌ってくれます。ミッチェル・フルーム(Mitchell Froom)とチャド・ブレイク(Tchad Blake)のコンビによるプロデュースで、Suzanne Vega(ミッチェルの奥さん)と同様に温もりのあるアコースティックサウンドを聴かせてくれます。
My Autumn Empire / The Village Compass (2010)
"The Playing Fields" by My Autumn Empire
ドリーミーかつ牧歌的なエレクトロニカを奏でるイギリスのデュオ、Epic45の片割れBen Holtonによるソロプロジェクト。まずユニット名に「Autumn」が入ってる点で秋っぽさ全開なんですが、アコギの美しいアルペジオがサウンドの要となっているこの作品は秋の風景にぴったりハマります。全編インストなのもあって、ここまで秋の風景を喚起させることに忠実な作品も少ないのではないでしょうか。さりげないキーボードの音色も、爽やかな味付けになっています。
The Cardigans / Long Gone Before Daylight (2003)
"Communication" by The Cardigans
ここ日本でも「Carnival」や「Love Fool」などのヒットシングルを放ったスウェーデン出身のバンド。それらの曲が収録された2nd、3rd期は特に、春や夏をイメージさせる爽やかで軽快なスウェディッシュ・ポップが中心でしたが、5枚目となる本作では1曲目からキラキラとした壮大なバラード「Communication」で始まり、イントロのアコギの音からして秋らしい「For What It's Worth」のような哀愁漂う曲も多く、完全に秋仕様なアルバム。ヴォーカルのニーナ・パーションのちょいハスキーな歌声が、憂いを感じさせます。
The Carpenters / Twenty Two Hits of The Carpenters (青春の輝き ~ヴェリー・ベスト・オブ・カーペンターズ) (1995)
"We've Only Just Begun" by The Carpenters
日本独自のベスト盤ですが、おそらく日本ではもっとも多くの人が持っているアルバムなのではないでしょうか。カレン・カーペンターの声は大好きですね。女性の声としては低めなんだけど、色気もあるし憂いもあって、でも可憐(ダジャレじゃないですよ)な感じもあるっていう。ビブラートもすごく丁寧でわざとらしくなく、味があるので好きです。ベストアルバムなので当然名曲だらけなんですけど、彼らの曲は全体的に「秋っぽい」曲調が多いなと思います。
Caesars / Paper Tigers (2005)
"Out There" by Caesars
iPodシャッフルのCMに使われたことで、結構なヒットを記録した「Jerk It Out」収録のアルバム。オルガンがフィーチャーされヴィンテージ感あふれるサウンドは、当時流行していたガレージ・ロックンロール・リヴァイヴァルの一部と見做されていたのですが、普遍的な「イイ曲」揃いなので、ブームが去った今でもよく聴いています(が、世間的には忘れられた存在かも)。「Winter Song」なんて曲も入っているのですが、カントリーやフォークの要素も感じさせる曲群からはやっぱりどうしても秋の風景が思い浮かびます。捨て曲一切ナシ、曲順の流れも文句ナシのオールタイム・フェイバリットなアルバム。
The Flaming Lips / Clouds Taste Metallic (1995)
"Evil Will Prevail" by The Flaming Lips
「夏に聴きたいアルバム10選」では、1999年作の「The Soft Bulltin」を選出しましたが、その前々作にあたる本作は秋テイスト。裏ジャケットが夕日に染まるウロコ雲の写真で、そのせいもあって秋のイメージが強いんですけど、曲の方も(彼らにしては)静かでアコースティックな曲が多め。甘酸っぱくて切ないメロディーのオンパレードなのも秋らしいポイントです。中でも大好きな「Evil Will Prevail」は、前半の静かな展開から一転、力強いピアノに導かれて爆裂ドラムとノイジーなギターが入り込む展開が最高。
Ellie Goulding / Bright Lights (2010)
"The Writer" by Ellie Goulding
2010年のBrit Awardsのクリティック・チョイスで見事、最優秀アーティストに選ばれた彼女。ベースはフォークなのですが、そこにエレクトロ・ポップな要素をふんだんに取り込んだサウンドが独創的です。アデルや先述のニーナ・パーションのようにハスキーな声なんだけど、彼女はもう少しキュートな感じ。高揚感のあるキラキラとしたメロディは、秋のまばゆい夕日を連想させます。
Ben Folds / Rockin' The Suburbs (2001)
"The Luckiest" by Ben Folds
ご存じBen Folds Fiveのベンさんが、何と一人で全てのパートを演奏した作品。バンド時代を通しても、ここまで名曲だらけの作品は他にないでしょう。特に冒頭4曲のクオリティがハンパない。美しいメロディと美しいサウンドの教科書のようです。ラストに収録されたこの曲も、ピアノとストリングスと歌のみという構成で非常に切ないメロディながら、歌詞の方はピュアなラヴ・ソング。泣けます。
「隣に住むおじいさんは/もう90歳を過ぎて/ある日眠りながらこの世を去った/おばあさんはその数日後/安らかにその後を追った/変な言い方しかできなくてごめん/だけどこれでわかってもらえる?/僕らもそんなふうになれるさ/わかってるよ/この僕が世界で一番ラッキーな男だってこと」(国内盤歌詞対訳より引用)
うーん、イイ詞ですね!
みなさんにとっての、この秋のサウンドトラックが1枚でも見つかれば嬉しいです。
"Sound of Love" by James Iha
「秋に聴きたいアルバム」で一番最初に思い浮かんだのがコレでした。スマパンの日系人ギタリスト、イハ君(日本名:井葉 吉伸)のソロアルバムは、スマパンのアルバムにおける轟音ディストーションとは正反対の、穏やかなアコースティックサウンドでした。アートワークの紅葉やら落ち葉やらのイメージと相俟って、曲調も秋にピッタリ。98年リリースの本作が唯一のソロアルバムですが、次のアルバムはいつ出るんだろう・・・(※後日追記:2012年に「Look To The Sky」がリリースされました)。
Miranda Lee Richards - Herethereafter (2001)
"Long Goodbye" by Miranda Lee Richards
Hope Sandoval(Mazzy Star)やHarriet Wheeler(The Sundays)の系譜に連なる、アンニュイで癒し系の、ちょっと舌っ足らずなヴォーカルがキュートな女性SSW。冒頭の「秋のイメージ」の写真はこのアルバムの裏ジャケのものですが、まさに「秋」と聞いて僕が思い浮かべるのはこんな風景なんです。音の方はフォークをベースに、ドリーミーでサイケデリックなサウンド。ストーンズの「Dandelion」をカヴァーしている点もセンスいいです。しかし美人ですな。
Ron Sexsmith / Whereabouts (1999)
"Riverbed" by Ron Sexsmith
こちらもジャケが完全に「秋」な感じで、紅葉した落ち葉を持って物悲しげな表情で座っているという写真。彼はいつでもこんな困り顔をしてるんですが、そんな表情で、やや鼻にかかったシルクのように滑らかな声で優しく歌ってくれます。ミッチェル・フルーム(Mitchell Froom)とチャド・ブレイク(Tchad Blake)のコンビによるプロデュースで、Suzanne Vega(ミッチェルの奥さん)と同様に温もりのあるアコースティックサウンドを聴かせてくれます。
My Autumn Empire / The Village Compass (2010)
"The Playing Fields" by My Autumn Empire
ドリーミーかつ牧歌的なエレクトロニカを奏でるイギリスのデュオ、Epic45の片割れBen Holtonによるソロプロジェクト。まずユニット名に「Autumn」が入ってる点で秋っぽさ全開なんですが、アコギの美しいアルペジオがサウンドの要となっているこの作品は秋の風景にぴったりハマります。全編インストなのもあって、ここまで秋の風景を喚起させることに忠実な作品も少ないのではないでしょうか。さりげないキーボードの音色も、爽やかな味付けになっています。
The Cardigans / Long Gone Before Daylight (2003)
"Communication" by The Cardigans
ここ日本でも「Carnival」や「Love Fool」などのヒットシングルを放ったスウェーデン出身のバンド。それらの曲が収録された2nd、3rd期は特に、春や夏をイメージさせる爽やかで軽快なスウェディッシュ・ポップが中心でしたが、5枚目となる本作では1曲目からキラキラとした壮大なバラード「Communication」で始まり、イントロのアコギの音からして秋らしい「For What It's Worth」のような哀愁漂う曲も多く、完全に秋仕様なアルバム。ヴォーカルのニーナ・パーションのちょいハスキーな歌声が、憂いを感じさせます。
The Carpenters / Twenty Two Hits of The Carpenters (青春の輝き ~ヴェリー・ベスト・オブ・カーペンターズ) (1995)
"We've Only Just Begun" by The Carpenters
日本独自のベスト盤ですが、おそらく日本ではもっとも多くの人が持っているアルバムなのではないでしょうか。カレン・カーペンターの声は大好きですね。女性の声としては低めなんだけど、色気もあるし憂いもあって、でも可憐(ダジャレじゃないですよ)な感じもあるっていう。ビブラートもすごく丁寧でわざとらしくなく、味があるので好きです。ベストアルバムなので当然名曲だらけなんですけど、彼らの曲は全体的に「秋っぽい」曲調が多いなと思います。
Caesars / Paper Tigers (2005)
"Out There" by Caesars
iPodシャッフルのCMに使われたことで、結構なヒットを記録した「Jerk It Out」収録のアルバム。オルガンがフィーチャーされヴィンテージ感あふれるサウンドは、当時流行していたガレージ・ロックンロール・リヴァイヴァルの一部と見做されていたのですが、普遍的な「イイ曲」揃いなので、ブームが去った今でもよく聴いています(が、世間的には忘れられた存在かも)。「Winter Song」なんて曲も入っているのですが、カントリーやフォークの要素も感じさせる曲群からはやっぱりどうしても秋の風景が思い浮かびます。捨て曲一切ナシ、曲順の流れも文句ナシのオールタイム・フェイバリットなアルバム。
The Flaming Lips / Clouds Taste Metallic (1995)
"Evil Will Prevail" by The Flaming Lips
「夏に聴きたいアルバム10選」では、1999年作の「The Soft Bulltin」を選出しましたが、その前々作にあたる本作は秋テイスト。裏ジャケットが夕日に染まるウロコ雲の写真で、そのせいもあって秋のイメージが強いんですけど、曲の方も(彼らにしては)静かでアコースティックな曲が多め。甘酸っぱくて切ないメロディーのオンパレードなのも秋らしいポイントです。中でも大好きな「Evil Will Prevail」は、前半の静かな展開から一転、力強いピアノに導かれて爆裂ドラムとノイジーなギターが入り込む展開が最高。
Ellie Goulding / Bright Lights (2010)
"The Writer" by Ellie Goulding
2010年のBrit Awardsのクリティック・チョイスで見事、最優秀アーティストに選ばれた彼女。ベースはフォークなのですが、そこにエレクトロ・ポップな要素をふんだんに取り込んだサウンドが独創的です。アデルや先述のニーナ・パーションのようにハスキーな声なんだけど、彼女はもう少しキュートな感じ。高揚感のあるキラキラとしたメロディは、秋のまばゆい夕日を連想させます。
Ben Folds / Rockin' The Suburbs (2001)
"The Luckiest" by Ben Folds
ご存じBen Folds Fiveのベンさんが、何と一人で全てのパートを演奏した作品。バンド時代を通しても、ここまで名曲だらけの作品は他にないでしょう。特に冒頭4曲のクオリティがハンパない。美しいメロディと美しいサウンドの教科書のようです。ラストに収録されたこの曲も、ピアノとストリングスと歌のみという構成で非常に切ないメロディながら、歌詞の方はピュアなラヴ・ソング。泣けます。
「隣に住むおじいさんは/もう90歳を過ぎて/ある日眠りながらこの世を去った/おばあさんはその数日後/安らかにその後を追った/変な言い方しかできなくてごめん/だけどこれでわかってもらえる?/僕らもそんなふうになれるさ/わかってるよ/この僕が世界で一番ラッキーな男だってこと」(国内盤歌詞対訳より引用)
うーん、イイ詞ですね!
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