おおお！マイベストランキングの締め切りは昨日だったのですね。
　早めに投票しておいてよかったよ。忘れてたー。


　わたしは↓の５作に投票しました。投票したやつのコピペです。

おなまえ（ハンドルネーム可）：ウイスキーぼんぼん １位：厭魅の如き憑くもの ２位：邪魅の雫 ３位：骸の爪 ４位：翼とざして ５位：九杯目には早すぎる コメント 『厭魅の如き憑くもの』…民俗学的ホラーと本格ミステリの見事なマッシュアップ。文句無しの本年度ベスト。 『邪魅の雫』…京極堂シリーズ８作目はついにここまで来てしまった。操りの極北、探偵小説の究極形態、そしてそこにあるのは愛。 『骸の爪』…奇怪な謎が縦横無尽にはられた伏線によって解決へと導かれていく、とても美しい本格でした。『向日葵の咲かない夏』も同じくらい面白かったです。 『翼とざして』…終盤に犯人から語られる動機があまりにも美しく、その一言のために用意された物語だとも思えました。終盤、幻想で覆われていた物語が本格ミステリへと飛翔した瞬間はとても感動しました。 『九杯目には早すぎる』…どの短編にも何重もの騙しの仕掛けが施されており、１篇１篇がたいへん充実した作品集でした。

　

　まあこのブログだから言うんだけれでもね、面白かったもの上から５作並べたわけじゃあないんです。
　今年はＭＹＳＣＯＮのサイトで、第一四半期と上半期の順位付けが行われたから、その結果を見ながら外した作品が多いんです。『怪盗グリフィン、絶体絶命』や『夏期限定トロピカルパフェ事件』は入れようと思ったけれど、上記のランキングでは１位２位に位置していたので、これは放っておいても上位に来るだろうと思い外しました。こういう投票の仕方は良いとは思わないけど、今回は特に結果の予想がつきやすかったからご勘弁を。本ランキングとマイベストランキングにギャップがあった方が面白いでしょう、ということで。

　そうはいっても投票した５作はすべて傑作だと思うし、なんか世間では評価の低い『邪魅の雫』を２位で投票することに抵抗はありません。民俗学的なミステリが多くなったのは、個人的な好みが表れたという意味で結果的には良かったのかもしれないけれど、昨年で言えば『痙攣的』、一昨年で言えば『大相撲殺人事件』に位置するような、いわゆるバカミスを入れることができなかったのが若干不満かな。『骸の爪』を『向日葵の咲かない夏』に替えてもよかったかも。短編集は毎年入れるようにしているので、『顔のない敵』『少年は探偵を夢見る』『九杯目には早すぎる』の中から悩んだ末『九杯目には早すぎる』を。



　国内は以上。
　で、以下は海外です。
　同じく海外の方も５作並べるとすると

１位：間違いの悲劇 ２位：証拠は眠る ３位：ひよこはなぜ道を渡る ４位：善意の殺人 ５位：オックスフォード連続殺人

　こうなるかな。
　やっぱりクイーンでしょ！シノプシスだったけど面白かったよ。表題作の「間違いの悲劇」ばかり目が行くけど、「動機」もなかなか良い。　ソーンダイク博士ご登場の『証拠は眠る』は論理的謎解き云々より、何か知らないけど感動したので。
　『ひよこはなぜ道を渡る』は『猿来たりなば』のような大傑作ではないものの、ユーモアだけではない、謎解きもしっかりしている素晴らしい作品。
　『善意の殺人』は、オチに期待しすぎてガッカリだ、という声をよくきますが、それでも面白いものだと思うし、事件当時何が起こったかを再現してく過程は緻密で読み応えがあります。
　『オックスフォード連続殺人』は現代ミステリ代表。国内作品ならまだしも、海外それもイギリスやアメリカではない国の作家がこういう作品を書いているのが、なんかうれしい。

　今年は論創社が本格寄りのミステリを多く出版してくれたのも嬉しかった。訳文の問題で色々話題にもなりましたが、そうはいっても良い仕事をしていると思います。論創海外ミステリでは『ローリング邸の殺人』『死の舞踏』が良かった。未読のが多いんで、それらは本ランキングが出たあとに消化する予定。