帝国劇場 正面
帝国劇場で只今おこなわれているミュージカルの
『ビューティフル』を観に行きました。
わたしが観たのは8月15日の夜の回です。この回はeプラスの貸切公演です。
水樹奈々ファンクラブ会員に向けたチケットの販売も行われていたのですが、1)当落が分かるまで時間がかかる。2)そもそも当たるか分からない。3)座席の指定が出来ない、という主に3点の理由から今回はファンクラブを利用したチケットの取得は行っていません。
帝国劇場近辺に在住の方は、eプラスに加えてファンクラブ抽選を利用して何回でも行けばいいと思うのですが、大阪からだと流石に経済的ではないのと、あと何より、水樹奈々ファンクラブはステッカーで釣ってチケットを買わせるいつもの悪い癖が今回も出たので、なおさらファンクラブでのチケット取得は考えられませんでした。
この日は
17時30分開場、18時30分開演です。
観劇経験があまりないので勝手が分からず、ひとまず17時頃に帝国劇場の前に行ってみると、なにやら17時30分になるまで劇場自体の扉が閉まっているようです。
17時30分から開演の18時30分までに、お土産を買ったり、トイレに行ったり、軽食を食べたりと、あれこれ準備する必要がありました。
基本的にグッズは公演前か途中の休憩中に買う必要があります。劇が終わってからだと売店が閉まっていました。パンフレットは後でも買えたかな?よく見てませんでしたが、買える時に買っておいたほうが良さそうです。
このミュージカル『ビューティフル』は
水樹奈々さんと平原綾香さんのダブルキャストで話題です。
主演のキャロル・キングの演者が日によって変わります。それ以外の配役はおそらく毎公演同じのようです。
うちわ
光る棒
入館時にチケットをもぎってもらうと、無料配布物をいろいろいただきました。
うちわと
サイリウムです。
サイリウムについては、カーテンコールの時に使用するので、うっかり折らないよう注意してください、と再三館内放送で注意が呼びかけられていました。公演後の水樹奈々さんの挨拶によると、このサイリウムを使った演出は今回のeプラス貸切公演で初めて行われる趣向とのことでした。
水樹奈々さんのサイン
ロビーは見どころいっぱいです。
パネルが置いてあって、そこには水樹奈々さんのサインが書かれてありました。お客さんに大人気のスポットで、みなさん写真撮影に夢中です。
水樹奈々さんのファンクラブ入会案内
ご自由にお取りください、のフリーペーパー置き場には、水樹奈々さんや平原綾香さん関係のチラシもありました。
水樹奈々さんのオフィシャルファンクラブの入会案内には笑いました。
帝国劇場限定サブレ
家族用の
お土産にサブレ(1,200円)を買って、あと観劇記念
にパンフレット(1,800円)を一冊購入しました。
そんなこんなで買ったり撮ったりしていると、早くも座席が開放されます。17時45分くらいにはもう自分の席に着ける感じでした。
オペラグラス
そして忘れてはならないのが
オペラグラスです。保証金と合わせ5,500円で借りられます。劇が終わってきちんと返却すると保証金の5,000円が返ってくるので実質500円のレンタル料です。
わたしは去年に宝塚歌劇を観るにあたっていろいろ調べた際に、
絶対必須のアイテムだと知っていたので迷わずレンタルです。なんか2種類オペラグラスがあったのですが、安い方にしてみました。もう一方のほうは少し高めでした。
今回わたしは
S席で鑑賞したのですが、席が近いからいらないとかそういう問題ではなく、
確実に肉眼よりもアップで演者さんの表情が見れるので、これからビューティフルを観ようと考えられている方はおすすめですよ。
余談ですが、話を聞くと、ヅカファン(宝塚歌劇のファン)などの観劇好きの方は、マイオペラグラスを持っているようで、ステージから自分の座席までの距離によってオペラグラスを使い分けるのだとか。
わたしはそこまで熱心ではないのでレンタルで十分でした。ちなみにレンタルでも性能は問題ありません。眼鏡を付けたままでも利用できます。
座席に着いてあたりを見廻すと、老若男女さまざまなお客さんがいました。eプラス貸し切りのためか、比較的若い方が多かった感じです。男女比は半々くらいでしょうか。
中には立派なお召し物をされた高齢の方や、意外と若い方もいて、いつものライブとは少し違う雰囲気は漂っていました。
どうも個人的に
「観劇を趣味にしている女性は上流階級」という思い込み理論が頭にあって、あちらの女性は芦屋マダムかな?いやいや東京だとシロガネーゼあたりでしょうか、などと妄想を膨らましながら開演を待ちます。
『ビューティフル』の感想です。
難しいことなんか考えずに、面白く、かつ楽しく観れた、というのが正直なところです。
本公演『ビューティフル』は“ミュージカル”です。
パンフレットにて仕入れた情報によると、ミュージカルには、オリジナルの物語に既成曲を合わせた
「物語系」と、アーティストの歩みをその楽曲で綴った
「伝記系」の2タイプがあるそうで、この『ビューティフル』は
キャロル・キングというアメリカのシンガーソング・ライターの紆余曲折としたその歩みを描いた「伝記系」に属します。
軽妙でユーモアを含んだ会話の連続が面白く、客席からもかなりの頻度で笑いが聞こえてきました。
割とこれまでの声優の仕事が役に立っているのか、コミカルな演技が板についている印象です。少し幼く、いじられ役っぽい感じの演技が奈々さんらしいです。これを平原綾香さんがどう演じているのかが逆に興味が湧いてきました。
しかし、ストーリーは楽しいばかりではなく、夫婦間の摩擦や、ミュージシャンとしての行き詰まりなども描かれています。キャロルとジェリー(後に夫となる人物)が、二人並んで仲睦まじくピアノをひいて歌い合うシーンが有る一方で、キャロルが愛人宅に乗り込んで、夫に怒りをぶつけるシーンがあるなど、感情面での振れ幅の大きい展開です。しかし演劇としては演者の様々な表情が見れるため、むしろ見応えがある展開と言えます。
華々しいブロードウェイの世界がある一方、家庭内での子供と夫との暮らしもあり、偉大なアーティストとしてのキャロル・キングにも感情移入はし易いです。キャロルの夫のジェリーに対して、なんだか男性客と女性客の感想が分かれそうな気がします。
このように
「喜び」⇔「怒り」
「仕事」⇔「家庭」
「幼さ」⇔「大人っぽさ」
「結婚」⇔「離婚」
「キャロル夫婦」⇔「シンシア夫婦」
といったような、さまざまなものが対比されていくのも本公演の特徴です。一人のミュージシャン、一人の女性がさまざまな視点で描かれるのが、これこそが「伝記系」のミュージカルとしての面白さなのかもしれません。
ラストシーン
ラストシーンは、水樹奈々さん一人がピアノと共にステージに立ちます。それは
まるで我々がカーネギーホールの客になってキャロル・キングの歌を聴いているような錯覚に陥るような趣向で、水樹奈々さんの、文字通り魂のこもった歌には心打たれました。
本公演で描かれたキャロル・キングの、自身による努力、失敗を恐れずぶつかっていく精神、それらによって着実に歌手としての道をきりひらいてく過程、これらに水樹奈々自身の歌手活動を重ねることもできると思います。そもそも奈々さんがこの「ビューティフル」と出会ったのが本国アメリカでのことらしいですが、その時奈々さん自身もキャロル・キングの半生と自身を重ねたのではないかと想像します。
奈々さんのことばかり書きましたが、脇役も凄まじいほどに演技がうまく、歌もうまい!びっくりしました。
ソニンさんなんかは、もはやカレーライスの女ではなく、なんかむかし歌番組で見た頃よりも輝いてみえました。水樹奈々さんももちろん凄かったのですが、ソニンさんの場合、すこしパワフルでしっかり色気がある演技が、奈々さんと場数が違うところを露骨に見せつけてくれます。そしてさすが歌手あがり、声量があって、歌もめちゃくちゃ上手い。
武田真治さんについてもよくTVで見るのですが、「めちゃイケ」なんかで嫌われ役やっている姿からは想像できないほど凛々しかったです。
サイリウムは予告通り、カーテンコール時に使用しました。
わたしは休憩時間にうっかりポキっと折ってしまったのですが、たぶん発光時間は3時間くらいなので、開演時に誤って折ってしまっていても大丈夫な感じでした。
出演者の方が、ステージにズラッと並んでみんなで歌を歌うのですが、その最中に奈々さんがサイリウムを客席に向かって振り振りしてくれたので、お客さんみんな合点がいきます。サイリウムの色は青や緑など色んな色があって、客席が鮮やかに染まりました。
演劇が終わって、出演者さんが脇に捌けてから、3回くらい奈々さんがステージ上に戻ってきたのですが、そのときには客席からいつものライブのような叫び声が上がっていたのが、「らしい」閉幕の仕方でした。
公式パンフレットより
Q.あなたの中の「ビューティフル」な体験とは? 奈々さん:
私のライブ会場で、たくさんのペンライトが光り輝いている景色以外には考えられないですね! ファンとして嬉しいお言葉ありがとうございます。
初めての帝国劇場、大変満足です。
スペシャルな空間と時間をありがとうございました。
【関連リンク】
帝国劇場 ミュージカル『ビューティフル』
http://www.tohostage.com/beautiful/