石清水八幡宮は京都府八幡市にある神社。
日本三大八幡宮の一社に数えられる神社です。
毎年2月の節分が近くなると、直前の日曜日に
「鬼やらい神事」が行なわれます。
京都の寺社で行なわれる節分イベントは、節分当日か前日に行われる場合が多いのですが、ここ石清水八幡宮は日曜開催なので参加しやすいのが便利です。
今年平成28年の開催日は1月31日!
わたしも休みが取れたので行ってみることにしました。
石清水八幡宮は男山という山の山頂にあり、ロープウェイを利用するのが便利です。
ここへは以前も一度参拝に来たことがあるのですが、そのときとは違って大勢の参拝客がロープウェイに乗り込んでいました。1年に1度の祭事に皆さん参加するためです。
しかし事前に、人でごった返す、と聞いて用心した割には想定内の人手と言う感じでした。と言っても、神事が行なわれる時刻になると境内には人が集まりだして、拝殿の前は身動きが取れないほど人が溢れかえっていました。
石清水八幡宮 御朱印
「鬼やらい神事」は午後1時と2時の2回行なわれるようで、わたしは1時の回を見物することにします。
それまで少し時間があったので、先に社務所で
御朱印をもらいました。
石清水八幡宮の神使は鳩です。
御朱印の「八」の文字が鳩のイラストにアレンジされていました。
聞くところによると、いつも「八」が鳩になった御朱印をもらえるわけでは無く、書き手によってもらえたりもらえなかったりするそうです。
運が良いことに、わたしが訪れた時は鳩の「八」をもらうことが出来ました。書き手の方は30代~40代の男性の方でした。
拝殿
賽銭箱の横に刺さった巨大な矢は節分のときだけあらわれるものだとか
御朱印をもらって、1回目の鬼やらい神事まで1時間半以上時間があったので、そのへんをぶらぶらしようかと思ったのですが、拝殿の前をよくみると、何やら人が並んでいるようでした。参拝するようでも無さそうで、どうも
すでにこのとき場所取りが始まっているようでした。 1時間半も待つのは億劫だなと思いながらも、どうせなら最前列で見たかったので、わたしも場所取りすることにしました。
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神事が始まる時刻が近づくと、いつの間にかまわりは人が大勢集まっていました。
客層としては高齢の方が多い印象。
最前列は一眼レフカメラを携えたおっさんや年寄りで占められていました。
時間になると、神社の関係者のみなさまが参道を歩いて、拝殿前に整列します。
ボランティアかアルバイトで要請されたと思しき学生さんの姿も見られました。
桃弓を託される「鬼やらい人」
東北・東南・西南・西北の四方と今年の恵方(南南東)を射抜きます
その列の中から、一人の男性が正面に姿をあらわします。
この人物が「鬼やらい神事」における
「鬼やらい人」となるようです。
「鬼やらい人」とは、本神事の主人物で、まず
東北・東南・西南・西北の四方と今年の恵方(南南東)を弓矢で射抜きます。このとき弓矢は、邪気を祓うとされる桃の枝で飾り付けられた
桃弓が使用されます。
桃剣
桃弓で四方と恵方が射抜かれたあとは、同じく桃の枝で作られた
桃剣で
「鬼やろう」の掛け声とともに四方と恵方を打ちます。 桃剣は「剣」のような形をしているわけでは無く、木の枝に近い風貌でした。
鬼の到来を待ちます
桃弓と桃剣による厄払いが終わった後は、お豆の入った枡を持って鬼の到来を待ちます。
あたりからお囃子が聞こえて来て、鬼の到来が近いことを予感させ、なんだかこちらも緊張してきました。
鬼の到着
来ました。遂に鬼がやって来ました!
南総門のあたりから参道をのっそのっそと拝殿前までやって来ます。
幼少の頃は何も考えずに「鬼は外!福は内!」と言って節分をすごしていましたが、よくよく考えるとどこからとも無く鬼がやってきて自陣を侵されるのは恐ろしいことです。最近では『進撃の巨人』や『ジャックと天空の巨人』といった作品が有名ですが、まさにそういった作品で描かれた恐怖が節分にはあったのですねー。テンションが上がってきます。
拝殿前までやって来た鬼は、まずあたりを取り囲んだ参拝客の近くをのっそのっそと歩きます。
最前列にいたわたしは、鬼に食べられてしまうのではないかとヒヤヒヤしながら写真撮影です。
時おり、子供たちに向かって威嚇して、自身の恐怖を見せ付けていました。
おっかないです!
鬼やらいさん!早く助けて!
かかれっ!
参拝客をジロジロみていた鬼さん、ようやく拝殿前の鬼やらい人らの存在に気づきます。
3人の鬼は一気に襲い掛かります!
あぶないっ!
うへっ!
がしかし、「鬼やろう!」の掛け声とともに鬼やらい人の手から豆が放たれた瞬間、鬼はすってんころりん!やつらの勢いが無力化されます。
おりゃぁ~!
うへえ!
鬼も一方的にやられるわけにはいきません。何度も起き上がって鬼やらい人に襲い掛かりますが、そのたびに豆にやられます。
「鬼やろう!」
「鬼やろう!」
まさに吸血鬼に対する銀の弾丸の如し!効果は抜群です!
不屈の精神
しかしやられる
鬼の不屈の精神を見せられる我々参拝客一同。
いつしか鬼の背中がなんだかかっこよく見えてきます。
あまりに一方的な闘いのため、参拝客の中から「鬼がんばれ!」「鬼負けるな!」という応援まで聞こえて来てなんだかよく分からないことになるのでした。
そのうち鬼はあきらめて帰って行き、拝殿前では今度は我々参拝客に向かって豆まきが行なわれました。
鬼を退治した豆は「福豆」として振舞われるのです。
福豆
わたしのいるほうにも福豆が飛んできたので何個かキャッチすることができました。
こういう神社やお寺での節分イベントに参加するのは初めてかもしれません。
御朱印もいただけたし満足です。
【関連リンク】
石清水八幡宮 http://www.iwashimizu.or.jp/top.php