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公開:2015-07/31
更新:2017-01/16 タイトル変更
今日は僕の持ってる英語書籍ベスト10に入るであろう本をご紹介します。
【 瞬間英作文 】や英会話などをやっていて、少しずつ話せる&書けるようになってきた人で、より正確な文法・表現を身につけたい人に最適な本だと思います(・∀・)b
それではいってみましょう!٩(ˊーˋ*)و
1. この本の概要
第1章 時 制
第2章 助動詞
第3章 準動詞
第4章 冠 詞
第5章 文 体
第6章 対 比
第7章 比 較
【参考】「例解 和文英訳教本《文法矯正編》」詳細|語学出版書プレイス
例文数は、課題文と途中の例文も入れると約300文くらいになりました。課題文が長いものは2つに分けたものもあります。
2. この本との馴れ初め
2012年10月にTOEIC 910点を取得してから、会話力の向上に注力することにし、【 瞬間英作文 】をメインに勉強することにしました。
ところが『瞬間英作文本』って、ただひたすら「日本語文 → 英文」に訳していくだけで解説のない本が多いんですよね。
それで、瞬間英作文本をこなせばこなすほど、
「なぜこの文は、現在進行形ではなくて現在形なんだろう?」
「さっきは『a』だったのに、なぜここでは『the』なんだろう?」
「さっきの『旅』は『trip』だったのに、なぜここでは『travel』なんだろう?」
「They decided on the plan. と They've decided on the plan. はどう違うんだろう?」
「most students と most of the students はどう違うんだろう?」
という疑問が湧いてきたんです。
『一億人の英文法』などの大西泰斗先生の文法書で、リスニング・リーディング時においては謎が解けた文法事項も、スピーキング(≒和文英訳)するとなると「?」になってしまうことが多かったんです。
そこで、「もっと文法の解説の丁寧な英作文本はないだろうか?」と本屋さんを探していて、受験参考書のコーナーで見つけたのが、この「例解 和文英訳教本<文法矯正編>」なんです。
3. この本のおすすめポイント5つ
(1) 文法の正確な使い方が学べる
※クリックすると大きく開きます
例えば、時制の「現在形」については、次のように書かれてあります。
現在形についてだが、次の文はどう訳せばよいか考えていただきたい。
My father writes novels.
次のような訳が最初に思いついた人が多いと思う。
「父は小説を書く」
もちろん間違いではないが、日常生活での日本語の会話としては、この日本語は不自然ではないか。write に3人称単数現在を表す -s が付いているので、この文は現在形で書かれていると分かる。現在形とは半永久的なことを表すので、この文を直訳すれば、
「父は半永久的に小説を書く」
である。「半永久的に小説を書く」とは、すなわち「父の職業が小説を書くこと」ということであるから、きれいな日本語は次のようになるであろう。
「父は小説家(or 物書き)である」
人間が半永久的にやることと言えば、ふつうは職業と考えられる。
この「現在形とは半永久的なことを表す」という説明といくつかの課題文のお陰で、スピーキング時に、現在形・進行形・現在完了形を使うかで悩むことがかなり減りました。
他にも次のような文法項目が学べます。
助動詞の使い分け
準動詞(to不定詞・動名詞の使い分け、分詞構文)
冠詞(定冠詞・無冠詞、可算・不可算、複数形、機能語の使い分け)
文体(倒置構文、there is 構文、受動態、無生物主語構文、二重否定)
対比(関係詞、語順)
比較(比較級、最上級)
出版社サイトの「例解 和文英訳教本《文法矯正編》」の「項目一覧」(PDFファイル)で、目次の詳しい内容が見られますよ(`・ω・´)b
(2) 語彙・表現の正確な使い方も学べる
※クリックすると大きく開きます
例えば、『DUO』をやり込んだ人は、「be apt to do」と「tend to do」はともに「~する傾向がある、~しがちである」として覚えていると思います。
ですが、この2つには次のような違いがあるのをご存知でしょうか?
●~する傾向がある
tend to do ~ は良い傾向、悪い傾向ともに使えるが、be apt to do ~ は良くない傾向のみに使い…
こういう類義語・類似表現の使い分けやニュアンスの違いは、大量の英文を読んだり、聞いたりすることで徐々に分かってくるものなのですが、こういった本であらかじめ使い分けやニュアンスの違いを知識として知っておくと、定着スピードが早くなると感じています。
※なので、最近「使い分け」系の本を買い漁っています。いずれレビューします♪
出版社サイトの「例解 和文英訳教本《文法矯正編》」で、けっこう中身が見られるので、ぜひチェックしてみて下さい。
(3) 会話で使えること(口語体)を重視
日本人の英語って、海外では「堅苦しい」って言われるらしいんですよね。「ナンデダロウ?」とずっと思っていたのですが、最近その原因が少し分かってきた気がしています。日本で出版されている英語書籍や辞書って、口語体なのか文章体なのかの区別がない本が圧倒的に多いんです。だから、本来は文章体で使うべき語彙を、会話で使ってしまっていることが多いんだなと。
TOEICの場合、Part 2・Part 3は口語体の表現が多く、リーディングパートは文章体の表現が多いのですが、「この表現は非常にフォーマルで…」といった説明をしてくれているTOEIC対策本ってあんまりないんですよね。
ですが、この本は口語体なのか文章体なのかの解説が非常に多いんです。
例えば、to不定詞の項目。
『DUO』をやり込んだ人なら、「~するために」と聞いたら、「in order to do ~ / so as to do ~」はすぐに出てくると思います。
to不定詞の副詞的用法でいちばよく使うのが、<目的>を表す「~するために」「~するように」の用法である。
これは口語体でも文語体でも使えるが、to不定詞にはいろいろな意味があり、誤解されないように<目的>の意味だとことをはっきり示すべく、in order to do ~ や so as to do ~ という形で書く場合もある。
しかし、この2つは文語体であるという意識はあるだろうか。
…(中略)…
そこで、この口語体に当たる表現はというと、so (that) S wil [can] do ~ である。
例解 和文英訳教本<文法矯正編>P.413「第3章 準動詞」
このことを知ってから、「in order to do ~」が使われている文脈を意識するようになったのですが、確かにTOEIC Part 3(会話)でお目にかかることは少ないなと。
ただ、ゼロではないですね。TOEICは「店員→お客さん」への対応が丁寧なので、フォーマルな表現になることがあるからかなと。
Part 4では「in order to do ~」が出てくることはあるんですが、公式発表とか、公共アナウンスやスピーチのような、やはりフォーマルな場面が多いんですよね。だから「in order to do ~」にはそういうフォーマルな響きがあるのかなと。
「so as to do ~」は受験参考書やDUOでも出てきますが、TOEICではまず見かけたことがないです。
そして「so (that) S wil [can] do ~」に関しては、TOEICでめっちゃ出てきます。Part 1以外ならどのパートでも出てきます。英会話でもよく聞くし、ニュース記事でも海外ドラマでも見かけます。
ただ、この構文は主語と助動詞を補わないといけない=面倒臭いので、<目的>を強調したいときは、「in order to do ~」を使っています(笑)
著者の小倉弘先生曰く、「口語体で使える表現は原則として文語体でも使える」ということで、この『和文英訳教本』は、口語体で表現することを重視している本なんですよね。
(4) ネイティブが使う自然な英語を重視
この本の英文校閲をされているのは、クリストファー・バーナードさんという方です。カリブ海セント・ルシア出身。英国で学び、ケンブリッジ大学を卒業後、米国コーネル大学で言語学の修士号、テンプル大学で教育博士号を取得した。
【参考】クリストファ・バーナード講師の経歴
セント・ルシアというのは、カリブ海にある島で、イギリス連邦加盟国らしいです。英国で学んだ後に、米国の大学で修士号を取得されているので、英語はもちろん、米語にも精通されている方だと。
特に受験参考書では、ネイティブチェックが入ってる本ってほとんどないんですよね。だから、和文英訳系の本では貴重だなと。
(5) 英米の使い分けも学べる
イギリス英語とアメリカ英語で違う言葉になってるものって多いですよね。その辺りも、<英>・<米>と分けて説明してくれています。ご存じの方も多いと思いますが、アメリカ英語では「携帯電話」は「cell phone」ですよね。イギリスでは「mobile phone」が一般的。
ちなみに、TOEICはアメリカの団体が作ってますが、TOEICの世界では「mobile phone」が使われます。TOEICはグローバルな英語をめざしている(らしい)ので、TOEIC的には「mobile phone」がグローバルなのかなと。
また、イギリスの人気ドラマの「SHERLOCK」で、「そう言えば、あの男、cell phoneって言ってたな。そっかアメリカ人か!」という推理のヒントになる場面がありました。
日本人の多くは「体育座り」と呼称するみたいですが、関西人は「三角座り」と言います。もし近くに「三角座り」と言う人がいたら、その人はきっと関西人です。
英語をやっていると、アメリカ人以外にもいろんな人と話す機会が出てくると思います。ですので、アメリカ英語とイギリス英語の違いもやはり知っておいたほうがいいと感じています。
4. この本の注意点・改善希望点
正直、ほとんど不満はないです。このブログで1記事割いて紹介している本=個人的に使ってみてすごくいいと感じた本です(`・ω・´)b
文が非常に長いものがある
この本の一番の売りは、「日本語で◯◯は、英語で□□と表現する」というのが学べる点だと思うのですが、大学受験の和文英訳にありがちな、課題文(日本語文)にすごく長いものもあるんですよね。瞬間英作文的には、文があまりに長いとしんどいです。日本語で30文字以上ある文は、瞬間英作文がしんどかったです。短い文を高速でガンガン作るほうがスピーキング(瞬間英作文)には向いてるんですよね。
5. こんな人におすすめ
そこそこ英語を勉強した人
英語初心者向けの本ではないです。上述したように、本来は大学受験用に作られたテキストなので、それなりに英語力・文法力がないと打ちのめされます。TOEICで勉強されている方は、リーディング400点以上はあったほうがいいかと。また、『瞬間英作文本』も3冊くらいやって、とりあえず何とか英文は作れるレベルにしておくと進めやすいと思います。
あと、『DUO』『ダイアローグ1200』などの本で語彙力も高めておくと心強いです。【 暗唱 】や【 瞬間英作文 】でやっておくと even better。
出版社サイトの「例解 和文英訳教本《文法矯正編》」や、本屋さんでこの本をチェックしてみて「あー知らない単語だらけだ」「文法が難しすぎる」というレベルであれば、中学レベルの瞬間英作文本から初めたほうがいいです。
【参考】瞬間英作文 最新おすすめ本・教材
正確な文法・表現で話せる&書けるようになりたい人
とりあえず何とか話せる&書ける人で、「より正確な文法で話せる&書けるようになりたい」「表現力を磨きたい」「スピーキングで使えるレベルのボキャブラリーを増やしたい」という人に最適な本だと思います(・∀・)bちなみに、もし「表現力よりも流暢さを上げたい」のであれば、『瞬間英作文本』を毎日1時間やりながら、格安オンライン英会話を毎日受けたほうがいいです。
2015年1月から約半年間、毎日約1時間~1時間半、『公式問題集』のリスニングパートの英文と和訳を使って瞬間英作文をやりながら、毎日1時間英会話を並行してやったところ、話すのがかなりラクになり、流暢さが上がってきました。
【参考】オンライン英会話を500回受けたので効果と注意点をまとめてみた
英検やTOEFLを受ける人
ここまでお読みいただくと、何となくお分かりいただけると思いますが、英検やTOEFLのスピーキング・ライティング対策にもいいです。6. この本の勉強のやり方
Step 1:通読する&文法書で再確認
まずは、各ページの課題文を和文英訳しながら、最初から最後まで通読することをお薦めします。不明な文法事項が出てきたら、『一億人の英文法・Forest』などの文法書でも調べるようにしましょう。苦手分野をなくすことが上級者への道のりです。
また、1回読んだだけではイマイチ頭に入らなかったので、僕は2回通読しました。
ちなみに、蛍光ペンでの引き心地がいい紙質なので、マーカー引くのが好きな人は線引くのが楽しい本です٩(ˊーˋ*)و
Step 2:瞬間英作文
通読して理解しただけでは、すぐさま英会話やライティングで使えるレベルにはなりません。トレーニングが必要です。東大生は「理解する → 繰り返し反復トレーニング」を重視しているそうですよ。僕はこの本に記載されているほぼすべての英文(約300文)を、無料フラッシュカード(単語帳)アプリ/ソフト「AnkiDroid/Anki」に登録して、トリガー(日本語訳)も入れて、瞬間英作文でスラスラ言えるようになるまでトレーニングしました。
【参考】英会話の上達に効果抜群の独学勉強法「瞬間英作文」
Step 3:英文をカスタマイズする
英会話を身につけたい人に1つ覚えておいていただきたいことがあります。どれだけ覚えたとしても、使わない英語は片っ端から忘れていき、使えなくなってしまうんです。
2013年、僕は瞬間英作文を毎日3時間くらいやってましたが、当時は英会話は毎日やっていなかったので、せっかく瞬間英作文で覚えた語彙・表現・文法も片っ端から忘れていきました。
その失敗に気づいてから、2014年からは瞬間英作文と並行して、英会話も毎日するようになったんです。それからようやく会話力がグググッと上がってきました。
では、瞬間英作文で学んだものを、実際の英会話で使えるようにするためにはどうしたらいいか?
こ本に記載された課題文で、瞬間英作文がある程度スラスラ言えるようになってきたら、自分が使いやすいカタチで英文を登録していくと、英会話ですぐに使える=長期記憶に定着しやすくなります。
【参考】瞬間英作文が劇的にやりやすくなる自作ノート・Ankiの作り方
例えば、この本の最初の課題文に、
春になると、わが家にたくさんのバラが咲きます。
というのがあるのですが、例えば、
春になると、家の近くの公園ではたくさんのサクラが咲きます。
のほうが、多くの日本人にとっては実用的ではないかと。もちろん、庭にキンモクセイがあるのなら、「秋になると、わが家にたくさんのキンモクセイが咲きます」とアレンジするといいですね。
とにかく自分にとって使いやすいカタチでフラッシュカードアプリに登録して、毎日トレーニングし、オンライン英会話でどんどん使っていって、使い慣れていく。
そうすると確実に定着していきますよ(・∀・)b
Why don't you check it out?
7. おすすめ関連書籍
<文法矯正編>が終わった方のための「おかわり」であり、復習編・発展編的な本で、文法よりも表現の仕方に重点を置いている感じです。
第1部は<文法矯正編>の復習で(でも課題文は違う)、第2部はテーマ別(トピック別)の和文英訳になっています。第1部は全体の5分の1程度で、第2部が圧倒的に多いです。
この本も出版社サイトの「「例解 和文英訳教本《公式運用編》」詳細」で中身が閲覧できますよ(・∀・)b
こちらも購入はしましたが、まだ手を付けていません。英検の勉強としてやろうと思っているので、早くても来年辺りになりそうです(^_^ゞ
● 効果的なやり方 - トレーニング快適化のコツ
● おすすめ瞬間英作文本 (文法編) / (ビジネス編)
└ 会話できる英文法大特訓 / 例解 和文英訳教本
● フラッシュカード「Anki」 - カードの作り方
● オンライン英会話とは? - 準備すべき5つのこと