英語中級者の多聴に最適!「NHK WORLD TV」お勧めな7つの理由

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対象:我こそは英語中級者/英語学習に多聴を取り入れたい/洋画・ドラマは字幕がないと厳しい
推奨:TOEIC800点~/英検準1級~ 
読了:約10分(5903字) 
公開:2017-07/28 
更新:2022-07/15 部分的に加筆・修正
関連:多聴多読 - 効果 - 注意点 - NHK WORLD TV - おすすめ番組 / ニュース&読み物サイト
Image by NHK WORLD TV Live

おそらく、英語を勉強していて「NHK WORLD TV」を知らない人はいないと思います。すでに視聴されている方も多いかと。

僕も2010年に英語の勉強を本格的に開始してから、不定期的に視聴してきました。最初の頃は、単語がたまに聞き取れる程度で、「ほとんど何を言っているのか分からない……」という絶望的なリスニング力でした(;´∀`)

あれから7年。「すべての番組を完全に聞き取れるレベル」にはまだまだですが、TOEIC 950点英検準1級を取得したことで、聞き取れる割合がかなり増えてきました。

今のレベルでNHK WORLD TVを観ていると、けっこうメリットが多いことに気づいてきたので、まとめてみることにしました。

ちなみ、お勧めの番組とその詳細・難易度については「NHK WORLDオタクが独断と偏見で選ぶお勧め番組」に引っ越しました。

それでは参りましょう!
 
 

なぜ「多聴」が必要なのか?


このブログで度々ご紹介させていただいている、「字幕なしで観ることのできる映画がかなり増えてきた」というレベルに到達されている、yukoさんは多聴多読を中心に英語を学んでおられます。

この数年、上級者さんたちがどうやって勉強してきたかを調べてきたのですが、皆さん例外なく、多聴多読をされているなと。

【参考】英語「超」上級者は例外なく多聴多読していた件


逆説的に言えば、ネイティブ向けのマテリアル(映画・ドラマ・洋書など)で多聴多読ができるレベル ≒ 上級者と言えるかと。もちろん「かなり理解できるレベルで」です。

ですが、中級者にとっては、字幕なしで映画・ドラマでの多聴はなかなかハードルが高いと思うんですよ。

日本語字幕で観たら効果が低いのは当然ですが、英語字幕で見ていても効果は薄いなと。結局、音声情報よりも、字幕の文字情報で理解できてしまうので、さも聞き取れているかのように錯覚してしまうんですよね。

そんな中で、中級者の多聴に最適だと感じたのが「NHK WORLD TV」です。



「NHK WORLD TV」がお勧めな7つの理由

(1)「英語漬け」の環境を作れる



スマホアプリであれ、PCであれ、NHK WORLD TVを起動しておけば、ニュースを始めさまざまな番組がエンドレスで流れ続けるので、多聴の環境を作りやすいと感じています。

「仕事や学校から帰ってきたら、ついついテレビのスイッチを入れてしまう」「ついスマホを見てしまう」という方は、とりあえず「NHK WORLD TV」をついつい起動してしまうクセをつければ(笑)、英語漬け時間を増やすことができます。

【参考】英語を1万時間勉強したので継続のコツをまとめてみた


(2) 洋画やドラマよりも易しい

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理解しやすい理由を考えてみたのですが、3つあるなと。

1つめは、語彙が易しい点です。

洋画や海外ドラマと比べると、語彙が易しいです。科学系・医療系以外の多くの番組は、専門用語・句動詞・イディオムの割合が少ないなと。


2つめは、話すスピードが全体的にゆっくりな点。

洋画やドラマだと、200~300 wpmくらいのスピードですが、NHK WORLDの多くの番組は150~200 wpm(TOEICや英検準1級のリスニングパート)くらいのレンジなので聞き取りやすいです。

【参考】[英語]音読の効果を爆上げしたいなら速さ(wpm)を意識するべし


3つめは、「日本」に関連する番組が多いことです。詳しくは次で説明します。


(3)「日本」に関する番組が多い

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Image by Core Kyoto

NHK WORLD TV」は、日本食、日本の伝統文化や歴史、ポップカルチャーやファッション、科学・技術・医療をテーマにした番組が多いです。

このメリットは2つあります。

まず、洋画や海外ドラマ、BBCやCNNなどの海外ニュースだと、その国の文化や価値観、国際情勢などを知っていないと理解できないことも多いので、難易度が高いんですよね。

ですが、「日本」に関する話だと、背景知識があるので、それが理解を助けてくれるんです。


2つめ。オンライン英会話を2000回近くやってきましたが、外国人と話していると、日本の食や文化などについて説明を求められることが多々あります。

ところが、TOEICや英検中心の勉強だと、「日本を説明する英語力」は身につきにくいことが分かってきました。

【参考】TOEICに特化して取った900点は「初級」だった件
【参考】TOEICでは身につきにくい、英検で獲得できる6つの英語力


ですが、NHK WORLD TVを見ていると、その日本の食、文化、慣習などを説明するフレーズを学ぶことができるんですよね。

番組によっては、「日本語音声+英語字幕」で描写されることもあり、「なるほど、『競り』は「auction」で表現できるのか」といったように、「日本語の◯◯は、英語では△△と表現する」というのが学びやすいなと。


(4) 記憶に残りやすい

TOEIC対策本や英検の過去問、ポッドキャストなどの音声のみのマテリアルと比べると、「NHK WORLD TV」のような、動画(映像がある)マテリアルは、会話やナレーションの状況がつかみやすいと感じています。

また、語彙やフレーズが映像とともに脳に保存されるので、記憶にも残りやすいなと。

最近、「Netflix」でドラマを見てますが、「なるほど、このフレーズはこういう状況で使うのか」「この文法は、このシチュエーションでも使うだな」というのが、感覚的にスッと入ってくるんですよね。そして忘れにくい。

TOEICや英検でガリ勉して覚えてきた語彙・フレーズ・文法は、動画があるマテリアルで学び直していくことで、より正確に、より速く意味をつかめるようになるなと。

【参考】なぜ2歳児は過去形が使えるのか?英語学習は「視覚」が大事


(5) 会話も学べる

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オンライン英会話を5年やってきたことで、ある程度話せるようにはなってきましたが、「もっとネイティブらしい、自然で正確な英語が話せるようになりたい」と思うようになってきました。

去年、SLA(第二言語習得)に関する本を数冊読みましたが、ネイティブらしいスピーキング力に近づくためにも、多聴は必須のようです。


彼(ロンドン大学のピーター・スキーアン)は……、例外的に思春期をすぎてから成功した学習者に共通する特質は、高い記憶力だという一般化を提案しています。

つまり、大人の学習者がネイティブのように話せるようになるには、ルールを覚えてそれを適用するよりも、膨大な数を覚えて使いこなすことがより重要なようです。

これは、……我々の話すことはかなりの部分が決まり文句からなっている、という現実もあり、このような学習方略が「ネイティブらしさ」につながるのでしょう。(P. 61)

第二言語習得研究の結果わかってきた重要なことは、外国語のメッセージを理解する、すなわちインプットが、言語習得をすすめる上での必須条件だということです。……インプットによって第二言語の音声、語彙、文法の自然な習得がすすむのです。(P.134~135)

十分なインプットなしにアウトプットばかりに重点を置いても言語習得はすすまない(P.150)




白井教授が仰る「インプット」というのは、もちろんリスニングとリーディングです。

スピーキング力を今以上に伸ばしていこうと思うと、【 瞬間英作文 】などのアウトプットに加えて、もっとインプット量を増やす必要があると感じるようになってきたんです。



Output always equals input.
[James Van Fleet]



僕は「カジュアルな会話力を身につけたい」ので、カジュアルな英会話をもっとインプットする必要があるなと。

【参考】多聴多読を100万語やったので効果をまとめてみた


ですが、映像付きで会話が学べ、中級者でも比較的聞き取れる、多聴できるマテリアルって、非常に少ないんですよね。

映画、海外ドラマ、ネイティブYouTuberの動画TEDなどは、中級者にとっては難易度が高いので、精聴するか、ただの娯楽として視聴するしかなく、多聴用のマテリアルにはなりにくいなと。

ですが、「NHK WORLD TV」には、「Dining with the Chef」「Somewhere Street」「Document 72 Hours」「Train Cruise」「Lunch ON!」など、会話中心の番組がけっこうあるんです。


(6) 多くの番組がオンデマンドに(期限付き)

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この数年、多くの番組がオンデマンドでいつでも観られるようになっています。

詳しくは、「Programs | NHK WORLD-JAPAN On Demand」から探せます。


また、YouTubeにもチャンネル「NHK WORLD-JAPAN」があります。YouTubeだと次の3つのメリットがあります。

(1) 「Video Speed Controller」で再生スピードを遅くできる
(2) 英語の自動字幕をつけられる
(3) 「文字起こし」機能で英文スクリプトを確認できる


ただ、どの動画も期限付き古いものから消えていきます。だいたい1週間~1年するとしたら消えてしまうので、気に入った番組があったら、古いものから観ていくことをお勧めします。


(7) 幅広いジャンルの英語が身につく

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「NHK WORLD TV」には、次のような番組があります。


● 食:Dining with the Chef / Trails to Oishii Tokyo / Lunch ON!
● テクノロジー:Japan's Top Inventions / Train Cruise
● ビジネス:BIZ STREAM / RISING
● 科学・医療:Science View / Medical Frontiers / Doctor's Insight
● スポーツ・相撲:J-Arena / GRAND SUMO
● 伝統文化:Core Kyoto / KABUKI KOOL
● 旅番組:Somewhere Street / Journeys in Japan / CYCLE AROUND JAPAN
● 日本紹介:Japanology Plus / Magical Japanese / TOKYO EYE 2020
● アニメ:Anime Supernova
● 生き物:Darwin's Amazing Animals
● アジアの文化:Asia Insight
● ドキュメンタリー・社会問題:Today's Close-Up / NHK Documentary
● プロフェッショナル 仕事の流儀の英語版「The Professionals


消えていく番組もわりと多いので要注意。

個人的にお勧めの番組とその難易度や詳細については「NHK WORLDオタクが独断と偏見で選ぶお勧め番組」をご覧下さい。



「NHK WORLD TV」で多聴するために


英語初心者の方が、いきなりNHK WORLD TVを視聴しても、ほとんど聞き取れないと思います。2010年頃の僕がそうでした(゚Д゚)

そんなわけで、NHK WORLD TVをそこそこ理解して楽しめるようになる方法を挙げておきます。


Step 1:TOEICリスニング400点を取る

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TOEICリスニングで400点を超えてくると、会話がメインの番組であれば、そこそこ聞き取れるようになってきます。

また、ビジネス系の番組「BIZ STREAM」「RISING」との相性もいいです。

僕はL450点を超えるようになってから、150~200 wpmくらいの速さの番組であれば、わりとラクに聞き取れるようになってきました。「頑張って聞き取る」ではなくて、「自然と耳に入ってくる」という感じ。

【参考】TOEIC初心者でも600点獲れる勉強法 / 700~800点 / 900点


ただ、「TOEICに特化して取った900点は「初級」だった件」でお伝えしたように、TOEICで身につく英語力は非常に限定的なんですよね。

TOEICで勉強すると、英語圏で生活したり、仕事したりするのに必要な英語力はそこそこ身につきますが、特にアカデミックな英語力はほとんど身につきません


Step 2:英検準1級を取る

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英検とNHK WORLD TVはけっこう相性がいいと感じています。

英検とTOEICの大きな違いの1つは、英検は、文化・歴史・テクノロジー・科学・医療・環境などのアカデミックな英語の割合が圧倒的に多い点です。

特に英検準1級リスニングPart 2の説明文問題との親和性が高いです。説明文問題の音声でシャドウイング、できれば暗唱もすれば、聞き取れる割合は確実に増えてくるはずです。

英検で獲得できる6つの英語力」という記事にも書きましたが、英検準1級に合格してから、「NHK WORLD TV」のさまざまな番組で聞き取れる割合が増えました。

【参考】英検準1級に合格したので勉強したことをまとめてみた


NHK WORLD TVの勉強のやり方

気に入ったフレーズ・文を覚える

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僕は「NHK WORLD TV」を視聴するときは、常にEvernoteを常に起動させてまして、「このフレーズ(文)、英会話で使えるようになりたい!」というものに出会ったら、速攻でタイプしてメモします。

それをフラッシュカード(単語カード)アプリ「Anki」のカードの表側に「日本語」、裏側に「英語」で登録して、瞬間英作文180~200 wpmくらいでスラスラ言えるまで回しています。

瞬間英作文本」は状況をイメージしにくいという欠点があるのですが、NHK WORLD TVのように、映像と音声があるものからフレーズや英文を拾ってくると、瞬間英作文でトリガー(日本語)を読んだときに、その映像がフラッシュバックするんですね。

その結果、

(1) 瞬間英作文がやりやすい
(2) 記憶にも残りやすい
(3) 英会話でも出てきやすい

と感じています。

【参考】瞬間英作文を超効率化するフラッシュカードアプリ「Anki/AnkiDroid」


なんかもう完全にNHKの回し者になっていますが(笑)、多聴多読ができるようになると、英語に触れる時間を増やせる&「英語で学ぶ」がやりやすくなり、英語がさらに楽しくなってきました(人*´∀`*)

なので、多聴多読ができるレベルになるまで、あきらめずに勉強を続けて下さい! I hope this entry helps.




 
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