TOEICリスニング満点を取るのに役立った「脳内ディクテーション」

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対象:TOEICリスニング400点以上/英検2級以上/リスニングが苦手な中級者 
読了:約8分(5008字) 
公開:2017-08/04 
関連:発音 / 音変化 / ディクテーション - 脳内ディクテ / シャドウイング / リピーティング / ICレコーダー

お陰様で、2017年05月のTOEICでリスニング満点が取れました

まだ一度だけなので、常にリスニング満点を取得されている方々に比べたら、全然まだまだだと感じています。

実際、TOEIC本試験で聞き取れない箇所は毎回たくさんありますし、英検1級のリスニングパートの素点は16/27くらいしか取れないですし、映画やドラマも部分的にしか聞き取れないので、「リスニングに自信あります!」とは口が裂けても言えない…(ノд`)

ですが、一昨年や去年と比べると、リスニング力が上がってきたのは間違いないです。オンライン英会話でも聞き返す割合が、以前よりも減ったなと。

2016年に勉強のやり方を変えてみた結果、特に効果があったトレーニングが2つありまして、1つは脳内でやるディクテーションで、もう1つは、リスニングで「音は聞き取れるけど、瞬時に意味がつかめなかった英文」をフラッシュカード瞬間英作文でつぶしていくトレーニングです。

この記事では、その脳内ディクテーションの効果とやり方について説明していきます。
 

脳内ディクテーションとは?

そもそも「ディクテーション」って?

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通常の「ディクテーション」というのは、英文スクリプトを見ずに、音声だけを聞いて、その英文を紙に書き取る or タイピングするトレーニングです。

音声がすべてきちんと聞き取れることができていれば、ディクテーションですべてを書き取ることができることになります。もし書き取れない箇所があったら、そこはきちんと聞き取れていない箇所ということになります。

つまり、ディクテーションをやると、自分が聞き取れない原因を明確にできるわけです。

詳しくは「聞き取れない原因が分かるディクテーション!やり方・効果」をお読み下さい。


満点ホルダーが勧めるディクテーション

TOEIC満点を何度も取得しておられるAkiさんも、ブログ記事「聴けているフリはもうやめる」によると、950点を超えてから、満点取得をめざしてディクテーションをされていたようです。


大事なことは、○×で正解不正解、ここに満足することではない 
聴けないポイントを見極めること

いざディクテーション、シャドーイングを始めてみると、いかに自分のリスニング力があいまいで、不安定なものだったかを思い知らされた

……ディクテーションは、聴ける聴けないの見極めをするうってつけのトレーニング


今年の春頃、「ぼちぼち多聴や多解きに入ったほうがいいのかな」と悩んでいたのですが、Akiさんのこのエントリーを読んで、聞き取れない箇所がたくさんある限りは、ディクテーションをメインにしていくことに決めました。


TOEIC満点講師のHUMMERさんも著書で、Part 1・2の勉強法としてディクテーションを勧めておられます。


正解になり得る定番表現と、やや難解な表現をデータベースとして構築するための方法として、本書ではディクテーションを推奨する。

音を正確に認識し、文字として書き出すことにより、本当にその表現が身に付いているかどうかが一目瞭然となるからだ。(P. 15)




800点を超えてきたら、多解きをすることで、リスニングパートによく出る問題パターン、会話・トークのパターン、言い換えパターンが身につき、【 先読み 】に慣れてくるので、ある程度スコアは伸びると思います。

ですが、多解きオンリーで、問題を解いた後に聞き取れなかった箇所を放置したままにしていると、結局、リスニング力自体はほとんど伸びないんですよね。

満点ホルダーのAkiさんとHUMMERさんのアドバイスのお陰で、やはりリスニングは聞き取れないものを1つ1つつぶしていく壮大な作業だと再確認できました。


中級者は「脳内」ディクテーションで

とは言え、ディクテーションって、紙に書き取るにしても、PCでタイピングするにしても、時間がかかるんですよね。

シャドウイング派の人がよく「ディクテーションは時間がかかるので非効率」と言っていますが、ある程度聞き取れるレベルに到達して、ディクテーションで8~9割くらい書き取れるようになってくると、確かに非効率だと感じます。

そこで、僕がやっているのが、脳内でのディクテーションです。

頭の中でやることで、紙に書き取ったり、PCでタイピングする必要がないので、時間がかからないんです。

音声を流して、紙には書き取らずに、聞こえてきた音声を頭の中で文字に起こしていく感じです。

この勉強法を「精聴」と言う人もいると思います。

ただ、「ディクテーションのように、音声をきちんと1つ1つ聞き取れるかどうか、また、聞こえてきた音声から意味をつかめるかを確かめる」という意味で、このブログではあえて「脳内ディクテーション」と呼ぶことにします。



脳内ディクテーションがお勧めな人

TOEIC リスニング400点以上/英検準1級以上

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1つの目安ですが、おそらくTOEICのリスニングで400点以上/英検準1級以上はあったほうがいいと思います。

もしくは、紙に書き取る or PCでタイピングする【 通常のディクテーション 】で、8~9割は書き取れるリスニング力は合ったほうがいいかなと。

それよりも低いと、発音音の連結・消失のストックがまだまだ少ないので、繰り返し聞いても聞き取れないところがたくさん出てくると思うんです。

その状態で、紙に書き出さなかった場合(or PCでタイピングしなかった場合)、自分が聞き取れなかったところがよく分からなくなってしまう可能性が高いです。

なので、聞き取れない箇所が多いと感じる人は、【 通常のディクテーション 】をお勧めします。

通常のディクテーションの効果ややり方が分かってきて、「紙に書き取らなくても大丈夫だな」と思えてきたら、脳内ディクテーションに移行してもいいと思います。


「読めるけど聞き取れない」で悩んでる中級者

脳内ディクテーションは、「英文スクリプトを読むと簡単な英語なのに、聞き取れない」という症状を抱えている人にもお勧めです。

以前の僕もそうだったのですが、この症状の人は、リスニングのトレーニング時に、英文スクリプトを見ている時間が多い可能性があります。

「聞いて理解できる割合」を増やしたければ、「英文スクリプトを見ずに、聞いて理解できるまで繰り返し聞く」時間を増やす必要があります。

例えばもし、中級者でリスニングが苦手という場合、単純に英語を聞く時間が少ないか、【 オーバーラッピング 】する時間が多い人は、英文スクリプトを見ている時間が多い可能性が考えられます。

その場合は、脳内ディクテーション、リピーティングシャドウイングなどの、英文スクリプトを見ないでやるトレーニングの時間を増やしたほうがいいです。



脳内ディクテーションのやり方


TOEICや英検で勉強されている方は、問題を解いた後に、脳内ディクテーションに入って下さい。ヒロ前田先生の仰る「3回チャレンジ法」の2回目に相当します。

Step 1:音声を流して脳内でディクテーション

まず、CD(MP3)音声を流して、スクリプトを一切見ずに聞いていきます。

聞き取れない箇所が出てくると思うので、その場合はStep 2へ。


Step 2:音的に聞き取れない箇所 → リピーティング


発音的に、一発で聞き取れなかった箇所は、「音声をいったん止めて、聞こえてきた音声を自分で再現して音読」して下さい。いわゆる「リピーティング」です。

【参考】リスニング上達速度を加速するリピーティングのコツ・効果・やり方


ちなみに、ICレコーダーを使うと、ボタン一発で3秒前に戻れるので重宝しますよ♪

リスニング中級者の人は、何度か繰り返し聞いたり、発音したりすれば、音的には理解できるようになるはずです。

ただ、数回繰り返し聞いても、音的に聞き取れなかった箇所は、自分にとって未習得の発音音の連結・消失ということになります。

その場合、その箇所だけ英文スクリプトを見てチェックしてもOKですが、その結果、その先の箇所の英文も見えてしまう可能性が高いので、諸刃の剣なんですよね(;´∀`)

僕は本に挟む「しおり」を使って、先の英文は隠すようにしていますが、それでも見えてしまうときがあります。

TOEICのPart 1・2・3や、英検のPart 1のように、短文やダイアローグ(会話)で構成されているパートは、しおりで隠しやすいですが、TOEIC Part 4や、英検のPart 2・3・4は、英文が区切られておらず、ずっと続いているので、「しおり技」はちょっとやりづらいです。


Step 3:精読(発音・単語・文構造・文法のチェック)

1つの会話やトークの脳内ディクテーション(+聞き取れなかった箇所のリピーティング)が終わったら、英文を精読していきます。

精読では、繰り返し聞いても、音的に聞き取れなかった箇所や、音は聞き取れたけど意味がつかめなかった箇所を重点的にチェックしていきます。

この精読の作業をやらず、いい加減な理解度のままStep 4に移っても効果は低いです。


(1) 発音・アクセント、音の連結・消失
(2) 語彙の意味・品詞
(3) 文構造(特に主語と動詞、そして目的語・補語・修飾句など)
(4) 文法・構文
(5) 類語の違い・使い分け


詳しくは、TOEICkerは「TOEIC スコアもリーディング力も向上するPart 7「精読」勉強法」を、英検erは「英検準1級 読解で8~9割取るための対策と勉強法」を参考にしてみて下さい。


Step 4:仕上げの脳内ディクテーション

Step 1~4が終わったら、再度総仕上げとして、もう一度脳内ディクテーションをやっていきます。

リピーティングや精読もきちんとやった上だと、たいていはスムーズにできると思いますが、「今やったとこなのに、すでに忘れていてきちんと聞き取れない…orz」という箇所がいくつか残るからです。

この仕上げの脳内ディクテーションをやったほうが、翌日における定着度が高いと感じています。


10~20日同じトレーニングを続ける

その日から10~20日間くらいは連続で、Step 1~4までのトレーニングを続けて下さい。

なぜかと言うと「人は悲しいぐらい忘れてゆく生き物昨日勉強したことでさえも」だからです。

「昨日やったとこなのに、もうすでに聞き取れない or 意味がつかめない」ということが起きるんですよね(ノд`)゚・*:.。.

僕は10~20日間くらいやると、音を完全に覚えられるようになりますが、この日数は、英語力によって、マテリアルの難易度によって変えたほうがいいので、ご自身で調整してみて下さい。

ちなみに、1日目に精読でチェックしたことを書き込んでおくと、2日目以降は、Step 3の精読は不要になります。



脳内ディクテーションの注意点

どうしても聞き取れない箇所はスクリプトを見る

「なるべく英文スクリプトは見ない」とお伝えしましたが、繰り返し聞いても聞き取れない箇所は、むしろスクリプトを見る必要があります。

正確に何と発音されているのかを理解した上で、音読・リピーティングしないと、正確な音を覚えることができないからです。


意味がつかめない箇所は瞬間英作文か暗唱

数日間、脳内ディクテーション&リピーティングをやると、「発音が聞き取れない」という箇所はほとんどなくなってくると思います。

ですが、「発音は聞き取れるようになったけど、意味がスッと入ってこないなぁ」「そもそも、英文スクリプトを読んでも、イマイチ理解できていない気がする」という箇所がいくつか残るはずです。

そういう箇所は、僕はフラッシュカード瞬間英作文でつぶしていっています。

「Anki」や「Quizlet」などのフラッシュカード(単語カード)アプリの、カードの表側に和訳、裏側に英文を書いて、【 瞬間英作文 】で数日間、スラスラ言えるまで回します。そうすると、意味がつかみやすくなるんですよね。

なぜかと言うと、「自分が瞬時に作れる英文 = 瞬時に意味がつかめる英文」になるからです。

【参考】瞬間英作文を超効率化するアプリ「Anki」「Quizlet」


瞬間英作文が合わない人は、【 暗唱 】するといいです。意味がつかめない箇所が多い場合や、英検のリスニングPart 2(説明文問題)のように、英文の難易度が高いマテリアルは、暗唱のほうが効率的な気もしています。

いずれにせよ、瞬間英作文や暗唱のような想起系(思い出して言う系)のトレーニングをすると、100%確実に即効でというわけではないですが、意味をつかみやすくなると感じています。


脳内ディクテーションについては、以上となります。I hope this helps! (=゚ω゚)ノ




 
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