建物のLandscape 46
入口上には見事な七福神の彫物が掲げられている。唐破風が安養寺に移築された大黒湯は、キングオブ銭湯と呼ばれていたが、このタカラ湯は日本庭園に臨む立派な縁側があることから、キングオブ縁側という愛称で親しまれているという。「ぬ」の字が「わ」の字の時に来てみよう。
タカラ湯の看板である。ペンギン風呂って、どんな風呂なのだろう。バイブラって、何?
千住大川町、千住公園近くの工場の門柱に気なる物が見える。
「工場縦覧謝絶」「就業中面会謝絶」である。測器を製造している工場で、企業秘密の流出を防ぐための琺瑯看板なのかもしれない。
千住界隈を徘徊した後、墨堤通りの路傍にあるミルクホールを訪ねた。
懐かしい雰囲気が漂う店構えである。
壁の液晶テレビが無ければ、昭和そのものの店内である。
ナポリタンをいただいた。570円也。
小腹を満たした後、北千住までぶらぶら歩いて帰途に就いた。
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神社のLandscape 298
上の銭湯があるブロックの東側に袖摺稲荷神社が鎮座している。縁起によると、諸穀の豊穣を司り、願望を成就せしめ一切の災いを除く故に、参拝の輩は群衆をなし、神籬にそですり通うことから「袖摺稲荷」となったという。
階段を上り参拝する。
袖摺稲荷神社から馬道通りを越えると路地奥に赤い鳥居が見える。
合力稲荷神社である。
一の鳥居と二の鳥居の間に注連縄を回した力石がある。三ノ宮卯之助が持ち上げたもので、「足持石」と刻されている。三ノ宮卯之助はこの大石を足で持ち上げたようだ。
この石の後ろには、越谷市郷土研究会によって「浅草観音境内での三ノ宮卯之助の興行広告」とともに、「三ノ宮卯之助の力石」の説明板が設置されている。
合力稲荷神社から今回の終点とした神社へ向かう途中、花川戸一丁目、浅草小学校の向いに嬉乃森稲荷神社が鎮座していた。これまで路傍学会で報告してきた椙森、柳森、初音森神社などからなる江戸八森の一つである。震災や戦禍を逃れた歴史から、火伏の神として今も信仰を集めている稲荷社である。
ここが今回の浅草の稲荷神社巡りの終点、松屋浅草である。
エレベーターで屋上へ上がる。エレベータホールからスカイツリーとアサヒビールのビルが見える。
広い屋上の一角に出世稲荷神社が鎮座している。昭和6年の浅草駅ビル開業前からこの地に鎮座していた稲荷社を、開業と同時に屋上へ移し奉安するようになったという。
松屋の屋上で浅草の様々な稲荷神社を巡る旅を終えて、浅草駅から帰途に就いた。
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神社のLandscape 297
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建物のLandscape 45
今回、安養院を訪れたのは大黒湯の唐破風の移築が完了したと聞いたからだ。京都の古刹を思わせるような出来栄えである。
4月9日号で報告したように、たまたま安養院の前を通りかかった際に、大黒湯の唐破風の移築が進められていることを知った。この時は向拝虹梁が仮組された状態だった。
5月には覆屋の中で作業が行われており、様子を窺うことはできなかった。
6月、唐破風の曲線が現れてきた。銅板奉納を募っていた。
8月、屋根に銅板が葺かれていた。赤銅色が美しい。路傍学会相談役の細岡氏から銅板を葺いているとの連絡を受け、撮影したものである。
9月、移築工事は完了した。蟇股には大黒天も見える。入湯客を迎えていた大黒天が、これからは参拝者を迎える。
9月23日には完成披露が行われた。内側から撮影してみた。
上がり框にケロリンが置いてある。大黒湯で使われていたものだろうか。
その大黒湯は、4月には工事用のパネル、シートで囲まれ、千鳥破風の一部だけが見える状態だった。
5月に訪れると、解体が進み、パネルの上に煙突だけがぽつんと見えた。
9月には、跡地は更地となり、駐車場になっていた。
これは2018年8月に撮影した大黒湯である。入口屋根が唐破風と千鳥破風の二重破風で、大屋根は千鳥破風を入口側三方に配するという豪壮な造り。キングオブ銭湯と呼ばれた大黒湯は姿を消したが、関係者の熱い思いが実を結び、その入口屋根を移築することができた。皆さまのご労苦に感謝!
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