路傍学会

　拝殿前には榊、酒とラップに包まれた胡瓜が供えられていた。

　社殿の左にある塚である。

　塚の上には浅間大神の碑が建つ。塚は富士塚であった。

　富士塚の手前に祀られている庚申塔である。

　右の庚申塔の三猿である。揃って右肘を横に張っている。嘉永年間の作。

　社殿の右にある石塔は血盆経湯殿山大権現供養塔である。

　正面に如意輪観音、残りの三面には二体ずつの地蔵菩薩が陽刻されている。

　この供養塔の周りには大きな石が敷き詰めるように埋め込まれている。うーむ、これらの石は力石なのだろうか。この後、武里駅まで歩き、東武に乗って帰途に着いた。

　狛犬の奥には常磐津の浄瑠璃を語る太夫が寄進した御神燈もある。

　御由緒である。写真からは読みにくいが、下から4行目に「この神様にお願いする方は蛸を召上らぬこと」とある。これは猫に生のタコを与えるとビタミンB１欠乏症を招く恐れがあることと関係しているのだろうか。

　青山通りを渡り振り返ると、路傍学会が大好きな和菓子店の右隣に美喜井稲荷神社が見える。この後、豊川稲荷に参拝して帰途に着いた。

　鳥居は裏側から単管パイプで支えられている。

　鳥居をくぐると右手に青面金剛が祀られている。

　きりりとした立ち姿の六臂の合掌像で、傷みの無い、大変綺麗な像である。

　邪鬼はすっかり諦めの顔である。安永年間の作。

　青面金剛の向いにある庚申塔の三猿はちんまりと可愛いらしい。天保年間の作。

　拝殿前の賽銭箱は鋼鉄製で、頑丈な鎖で固定されている。賽銭泥棒もお手上げである。

　邪鬼と三猿の間に二鶏が薄く浮彫りにされている。珍しい配置でないか。

　ここの横の道を北上するとラブホテルの脇に平方女帝神社の参道がある。

　参道の入口近くには国旗掲揚塔がある。昭和13年に地元青年団が建てたものである。

　鳥居には女帝神社の扁額が掛っている。

　手前は滑り台や鉄棒がある公園となっており、奥に神社の境内がある。

　滑り台の奥に石仏が並んでいる。

　鳥居脇にも石仏が並んでいる。

　この中に青面金剛もある。髑髏を頭に頂く、ショケラを持つ剣人像である。天明年間の作。

　この並びにある像である。右側が欠けているが三猿が浮彫りにされ、中央には鉾、その両側に日月がある。これも庚申塔なのだろうか。これまで見たことのない石塔である。

　女帝神社の鳥居と社殿である。女帝神社は、明治45年平方浅間神社に合祀されたものの、凶事が続いたことから合祀を解消し、昭和8年旧社地へ還座して、昭和42年に社殿を再建したという。

　社殿の扁額には十六葉菊家紋に鳩が描かれている。鈴緒が巻き上げられているのはコロナ対策である。

　参拝を終え、寿老人に見送られて帰途に着いた。

　貞享三年に奉納された手水鉢である。随分背が高いプロポーションである。

参拝を終えて県道から見上げれば、天然記念物の巨大銀杏が見送ってくれた。

　水田の稲はまだ小さく、初夏の雲が映っている。