神社のLandscape 114
台東区蔵前 第六天榊神社

台東区蔵前一丁目の路傍、第六天榊神社である。皇紀2600年記念で建てられた大きな鳥居をくぐると右手に手水舎がある。
井戸の近くにある石である。大鳳石と読むのだろうか。傷んでいるが、力石であろう。
浅草文庫の碑である。浅草文庫は、昌平坂学問所や江戸城内の紅葉山文庫等の書籍を蔵書として明治初期に開設された官立図書館であり、蔵書は明治7年にこの地にあった米蔵に移され、翌年から閲覧に供されたという。
蔵前工業学園の碑である。明治14年に浅草文庫は移転し、その跡地が東京職工学校、後の東京工業大学になった。
当時の様子を示す絵である。広いキャンパスであったことがわかる。関東大震災後、学校は移転し、昭和3年、現在地に第六天榊神社が遷座してきた。幕府の米蔵、官立の図書館、学校そして神社へと、江戸からのダイナミックな土地利用の変遷をトレースできる興味深い場所である。
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青面金剛のLandscape 141
江戸川区篠崎町 五叉路々傍

江戸川区篠崎町四丁目の五叉路の路傍である。ブロック塀に守られて青面金剛が祀られている。
日月、二童子、二邪鬼、三猿、ショケラ持ちの剣人六臂像である。昨年3月16日号で紹介した同じく篠崎町にある無量寺の青面金剛によく似ている。
邪鬼は狛犬のようでもある。三猿の周りに鶏のようにも見える薄い浮彫がある。享保年間の作。今日も綺麗な花が供えられている。
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神社のLandscape 113
新宿区西落合 葛谷御霊神社

新宿区西落合二丁目の路傍、葛谷御霊神社である。
鳥居をくぐると左手の耕地整理記念碑の前に力石が納められている。
かつて農村であったこの地域の祭礼や娯楽などを知る上で大切な民族資料であり、新宿区の文化財に指定されている。
手水鉢である。ガラス玉が2つずつ糸で吊り下げられている。鳥が行水をするのを防ぐためのものであろう。手水鉢の水を清潔に保つためのこのような仕掛けは初めて見た。
大黒天を祀る境内社の前にある賽銭箱の両側には兎の石像が置かれている。狛犬ならぬ狛兎だろうか。因幡の白兎に因むものであろうか。路傍学会の興味は尽きない。
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界隈のLandscape 2
墨田区両国駅北側 横網・亀沢界隈

墨田区横網一丁目の路傍、両国駅である。昭和4年に竣工した駅舎は、昨年11月に新たな複合飲食施設としてリニューアルされた。
これは1983年2月の両国駅前である。まだ、国技館も江戸東京博物館も建っていない。空が広い。
これは駅舎の北側である。このころ国技館が両国貨物駅跡に建設される話を聞き、建設前の様子を残しておこうと撮影したものである。不評で短命に終わったカラーリングの都バスが走っている。
現在の様子である。国技館は上の写真より北側に建てられた。
1985年に竣工した国技館である。太鼓櫓と力士の名を記した大きな幟が並び立つ。1993年には国技館の奥に江戸東京博物館が開館した。昨年秋、この界隈に新たな文化施設がオープンした。
亀沢二丁目、北斎通りの路傍、すみだ北斎美術館である。その名のとおり、葛飾北斎をテーマとする常設美術館である。開館以来予想を上回る来館者で大いに賑わっている。
近くのあられ屋である。北斎に因んだ商品を売っている。
北斎美術館にほど近い野見宿禰神社である。相撲の始祖とされる野見宿禰を祀っている。
境内には歴代横綱の名を刻んだ2基の石碑がある。1基は初代から46代までの名を刻み、もう1基には47代以降の名が刻まれている。稀勢の里の名はまだない。
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地蔵尊のLandscape 27
北区上十条 姥ケ橋延命地蔵

北区上十条四丁目、環七通りの路傍、姥ヶ橋延命地蔵尊である。
右手に錫杖を持つ、優しい顔の地蔵尊である。姥ヶ橋とはかつてここに流れていた川に架かる橋の名である。
台石には石橋供養仏とあり、石橋の安全供養のための地蔵様であることがわかる。
地蔵堂脇の手水鉢は天保年間の奉納であり、この地蔵尊が長い間信仰を集めていることを今に伝えている。環七通りの建設によって川は暗渠となり、橋も無くなったが、地蔵尊への厚い信仰は変わることなく今も続いている。
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青面金剛のLandscape 140
足立区千住 不動院

足立区千住一丁目の路傍、不動院の門前である。2月11日号で報告した慈眼寺に隣接している寺院である。
境内に入ると左手に二基の庚申塔に挟まれた青面金剛が祀られている。
六臂の合掌像である。元禄年間の作。
一邪鬼、二鶏、三猿である。邪鬼は正面を向き、三猿はオーソドックスな元禄パターンである。猿の下には講の人々の名が刻まれていた。
万延年間に建てられた遊女の無縁塔の台石である。世話人として名を連ねているのは、千住宿の旅籠屋である。
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煉瓦のLandscape 5
渋谷区笹塚、新宿区若葉、北区西ヶ原 再利用

渋谷区笹塚二丁目、甲州街道の路傍にある駐車場である。
塀であろうか、煉瓦構造物の解体材を再利用した擁壁である。
新宿区若葉二丁目の路傍、真英寺の横にも不思議なパターンで煉瓦が組み込まれた擁壁がある。これも解体された煉瓦構造物の再利用であろう。
北区西ヶ原三丁目の路傍である。地下に防火水槽が設置され、煉瓦の擁壁で一段高くなったポケットパークのような空間がある。その擁壁を見ていくと・・・
不明瞭だが、何やら刻印のようなものが見える。
これは明瞭である。「上敷免製」と読める。上敷免は深谷市にあった日本煉瓦製造株式会社の所在地であり、この煉瓦が同社製であることを示している。ちなみに、東京駅の煉瓦も同社の製品である。かつて北区内には煉瓦塀を備えた軍の施設が多数あった。ここの煉瓦も塀に使われていたものかもしれない。煉瓦の刻印は興味深いテーマだが、そこには深淵が広がっているようで、当学会のテーマとして一歩踏み出すにはいささか躊躇してしまう。
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門のLandscape 30
足立区千住 慈眼寺

足立区千住一丁目の路傍である。慈眼寺の山門が参道の奥に見える。
山門をくぐり、右手に進むと二基の地蔵菩薩庚申塔が祀られている。
右側の庚申塔の台石である。蓮葉の間に三猿。中々のデザインである。万治年間の作。
左側の地蔵菩薩である。頼りがいのあるお顔である。寛文年間の作。
菩薩が持つ錫杖の石突部である。このような石像の細い部分は欠けてしまうことが多いが、350年を経た今も損なわれていない。この庚申塔が大切にされてきたことの証左であろう。
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神社のLandscape 112
北区赤羽西 稲付香取神社

北区赤羽西二丁目の路傍、稲付香取神社の参道入口である。
石段を登ると、鳥居の前にたどり着く。この神社の本殿はかつて上野東照宮の内陣であったという。一度見てみたいものである。
手水鉢は天保年間に奉納されたもので、この神社の長い信仰の歴史を伝えている。
社殿奥の土留め壁は古い鳥居を再利用したものである。空襲によって損壊したものかもしれない。
社殿の右手奥には力石が納められていた。
その中の五つには、地元の力自慢の小川留五郎の名前が彫られている。これらの力石は往時の風俗、習慣を示す貴重な文化財である。
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地蔵尊のLandscape 26
新宿区西落合 猫地蔵

新宿区西落合一丁目の路傍、猫地蔵で知られる自性院の山門である。
こちらは脇参道の入口である。大きな猫が参拝者を招き入れる。
戦の折、道に迷った太田道灌を救った一匹の猫を供養する猫地蔵が祀られている。毎年、節分の日のみ開帳されているので足を運んでみた。明和年間に奉納されたものと合わせて二体の猫地蔵がある。
地蔵堂前に設けられたテントではお守りが頒布されていた。
無患子がテントの上でたくさんの実を付けていた。
テントでもとめた猫地蔵のお守りである。下に敷いているのは頂戴した手拭である。
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