界隈のLandscape 159
近くの左官屋の軒の上では鍾馗様が睨みを利かせている。
歴史ある宿場町らしくあちらこちらに蔵造りの建物がある。
出桁造りの商家も散見することができる。
街道を逸れて「裏小路」と呼ばれる小径を歩くと板塀が続く一画がある。
この旧家の門である。表札は外されている。
「裏小路」を歩いていると茅葺屋根が見えてきた。
路地を入ると遷喬館という藩校がある。埼玉県で保存されている唯一の藩校であるという。
遷喬館の裏手に煉瓦で造られた煙突がある。
明治四年に創業した酒造会社であった。酒造資料館をゆっくりと見学して、岩槻城下をもっと歩きたかったのだが、雷鳴がとどろき出して、にわかに暗くなってきたので、慌てて岩槻駅へ向かった。次の機会にゆっくり訪れるとしよう。
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建物のLandscape 50
レトロな建物を訪ねて銀座一丁目界隈を歩いた。
中央区銀座一丁目、昭和通りの路傍にスクラッチタイル貼りのレトロなビルがあったのだが、黒いネットに覆われている。もしや解体なんてことは・・・・
1階ドアの貼紙には「建築物等の解体等の作業に関するお知らせ」とある。やはり解体か? その下をみると「visvim銀座店店舗新装工事」とある。改修工事が行われているようだ。
2019年9月8日号で報告した「奥野ビル」と同じく昭和7年に竣工したビルである。リニューアル後にまた来てみたい。
改修工事中のギャラリーから銀座柳通りに出て新富町方向に歩くとレトロな建物がある。1階には洒落た飲食店が入っている。
パラペットのレリーフは何をモチーフにしているのだろう。
どうした訳か、3階の中央の窓は付柱の中心からずれた位置にある。
銀座柳通りを進み、都心環状線の手前を左に入ると趣の有るビルが2棟並んでいる。
この鈴木ビルは、馬蹄形の屋根窓があり、建物右側の出窓や建物左側のテラコッタ、茶褐色のスクラッチタイル、1階と2階の間の幾何学模様のタイルなど昭和初期らしいモダンなデザインである。
丸柱はテラコッタで仕上げてある。
これは柱に取り付けられたレリーフである。
昭和4年の竣工で、元々は甲子屋倶楽部と呼ばれ、芝居小屋、稽古場として使われていた建物であったという。東京都選定歴史的建造物に指定されている。
鈴木ビルの右側のビルである。右から書かれた屋号が時代を感じさせる。
3階の4連の半円アーチ窓にある放射状の窓桟が美しい。このスクラッチタイルを纏った建物は昭和3年の竣工で、元は乳製品の問屋だったようだ。
照明も凝った造りである。
消火栓の前には諸車物品を置いてはならぬのである。
日除けの巻き上げ機も年季が入っている。
この後、銀座柳通り歩いて築地方面へ向かった。
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界隈のLandscape 158
4月23日号に続き、日光御成街道を歩く旅である。
前号で報告した薬師堂の北に東宮下の氷川神社が鎮座している。
両部鳥居を潜ると右手に青面金剛が祀られている。
六臂の合掌像だが、表面が削られたのか、細部は不明瞭である。
左下手にショケラを持っている。横を向いたショケラは兎のようにも見える。正徳年間の作である。
向拝虹梁の上の彫刻は、躍動感のある雉である。
拝殿の扁額は石製である。御神灯の間に社号が彫り込まれている。
社殿の右手に塚がある。富士塚かと思ったが、石祠には阿夫利神社の文字があった。
東宮下三丁目で、旧街道は県道65号と分かれる。
県道と分かれた先の路傍に石柱がある。判読が難しいが、江戸道、岩槻道、慈恩寺道、原市道、川口善光寺道などと刻まれているようだ。正徳年間に造立された道標である。
岩槻区加倉一丁目で旧街道は、国道122号に合流する。合流する交差点で、人形の街らしくわらしべ人形が出迎えてくれる。
わらしべ人形の先に久伊豆神社が鎮座している。路傍に建つ幟建石に御大典記念と刻されている。昭和の御大典であった。鳥居の手前、右手に建つ社号標の側面に御即位大典記念とある。こちらは大正の大典であった。
手水鉢の奥に青面金剛が2体祀られている。
2体とも六臂の合掌像である。右は元禄、左は享保年間の作である。
右側の青面金剛である。上手にショケラを持っている。
これは左側の青面金剛である。ショケラは下手で持っている。ショケラを持つ手にも変化があって面白い。
拝殿の扁額である。中央に久伊豆神社、両側に稲荷社、宗像社、籠神社、水神社とあり、いくつもの神様が祀られている。参拝し、次の訪問先へ向かった。
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界隈のLandscape 157
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界隈のLandscape 156
4月12日号の続きである。
春日部市米崎、県道42号の川辺小学校近くの路傍に愛宕神社がある。
参道入口にある国旗掲揚塔は、紀元2600年記念で建てられたものである。
参道脇に庚申塔が建っている。
日輪、月輪の瑞雲のデザインが面白い。万延年間の作。
境内には力石も納められていた。
東武南桜井駅から南へ300m程の春日部市米崎の路傍に地蔵尊と馬頭観音が祀られている。
三面六臂の馬頭観音である。寛保年間の作。
元文年間に造立された地蔵尊は首が折れたが修復されている。
この近くにある新聞店である。スタッフ募集の幟の後ろに埼玉新聞の琺瑯看板があった。
春日部市永沼と水角の境界と九尺排水路の交差部である。道路の左右に石塔が見える。
左側に建つのは地蔵尊であった。元禄年間の造立。後ろに右側たつ青面金剛碑が見える。
地蔵尊と同じ方向を向いているのは、疫病や悪霊が村に入るのを防ぐためだろうか。
上の道を400m程進むと、墓地のはずれにも大型の青面金剛碑が建っている。これは文政年間の作である。
春日部市中心部へ向かう途中、藤塚に路傍祠があった。
中には地蔵尊が祀られている。
右側の柔和なお顔の地蔵尊に見送られて帰途に就いた。
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界隈のLandscape 155
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界隈のLandscape 154
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神社のLandscape 313
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神社のLandscape 312
前号では春日部市東中野の香取神社を報告したが、今号は飯沼の香取神社である。
春日部市飯沼の路傍、少しわかりにくいが、飯沼香取神社の参道入口がある。
入口から直角に曲がった位置に鳥居がある。その鳥居の右手、入口の正面に祠がある。
格子の間から青面金剛が見える。
覗いてみると、剣、ショケラを持つ六臂像であった。
邪鬼は頭を踏み付けられている。安永年間の作である。
社殿前の2本の大木は枯死してしまったようだ。右の大木の「ひこばえ」を見るとシラカシであった。
拝殿前の石段脇に力石が納められている。
社殿の後ろには富士塚がある。塚上には浅間宮の碑が建っている。
富士塚前の石祠の中に祀られている道真公に見送られて次の訪問先へ向かった。
春日部市飯沼と米崎の間にある県道42号の交差点である。横断歩道の先に青面金剛と石柱が建っている。
信号が変わるのを待っている間、ふと横を見ると、飯沼側にも青面金剛碑が建っていた。文化年間の造立である。ここが村境だったのだろう。
米崎側に建つ青面金剛は、六臂の合掌像である。天明年間の作であるが、路傍にあるにもかかわらず傷みが見られず、綺麗な像である。
邪鬼は神妙な面持ちである。
青面金剛の手前に建つ石柱は、川辺村道路原標である。
中葛飾郡川辺村は米崎村、飯沼村、赤碕村、水角村、中野村、米島村、新宿新田が合併して、明治22年に誕生した村である。川辺村は、その後周辺の村々と合併し庄和村となり、さらに合併を重ねて現在は春日部市となっている。
膨張した春日部市をさまよう旅はまだ続く。
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神社のLandscape 311
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