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「清五郎石」①

斎藤ワールド
08 /31 2024
埼玉の力石研究者・斎藤氏から、嬉しさいっぱいのメールが届きました。

「今月
(2024年8月)、お盆のお送りのあとにたまたま合社に寄ったら、
ナント、清五郎石が掘り出してあったじゃありませんか!」

「合社」とは、斎藤家の菩提寺・仲蔵院の隣りにある
「八坂香取稲荷合社」
(埼玉県春日部市八丁目1)のこと。

斎藤さんは2005年、この神社で2個の力石を調査。


一つ目はこれ。丸ごと地上に出ていたからすぐわかった。

「奉納 力石□十メ目 延享三年丙寅年三月吉日」

※延享三年は1746年。
石祠の横にあるのが「延享石」
定位置
66×36×25㎝

もう一つは、半分地中に埋まったままの石。
ただの石かと思ったものの、
石が「おーい、気づいてくれよー」とでも言いたげな”電波”を送ってきた。
その電波を、斎藤さんの”体内特殊受信機”がキャッチ。

IMG_6469.jpg

そこで迷うことなく土を掻き出すと、案の定、刻字が現れた。

かろうじて「鈴木清五郎」の名が読み取れた。

IMG_6691.png

しかし、このままでは埋没してしまう。

そこで氏子さんでもある仲蔵院の「護寺会」仲間数人に、
石の掘り出しをお願いしたが、あっさり拒否。


斎藤さん、がっかりして帰ってきたことは言うまでもありません。

それから19年後の今年3月、
春の彼岸に菩提寺へ出かけた斎藤さん、若きご住職と久しぶりに歓談。
そのときご住職がこんなことを言った。

「以前、隣の神社の力石を担ぎたいという人が来たが、
管轄外だから、社殿近くの氏子総代を紹介した。
その後どうなったのか見届けていない」


それを聞いた斎藤さん、
「そういえば、この話以前に神社を訪れた際、
延享石が定位置から動いていたのを見て、
いたずらをされたかと気になっていたが、石担ぎの申し出があったと聞いて、
問題解決。たぶん”さかもっちゃん”だろうと」


さかもっちゃん 越谷市在住の坂本さん。近在の力石に挑戦を続けている。

塀の向こうに屋根だけ見えているのが、斎藤さんの菩提寺「仲蔵院」。
こちら側が「八坂香取稲荷合社」。「延享石」が置かれています。

おおーっ、確かに延享石が石祠の横から転がり出てます。
使ったら元に戻しておくのも力持ちの礼儀ですよ~!

仲蔵院1

さて、
斎藤さんから来た「嬉しさいっぱい」の「清五郎石」にまつわる話、
続きは次回に。


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コメント

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No title

春日部周辺になると香取神社が増えます。
これは利根川水運の流れなのでしょうね。
埋まった力石は、どうなったか。
次回が楽しみです。

たいやきさんへ

ありがとうございます。
斎藤氏とはメールでやりとりなので、私の勘違いもしばしば。
今回も、なので写真の差し替えをしましたので、
改めてご覧いただけたら幸いです。
この神社、八坂、香取、稲荷の三つの神社が一つになったんでしょうか。
それで「合社」かなと。
平等になるようにつけたのかなあなどと思ったりしております。

雨宮清子(ちから姫)

昔の若者たちが力くらべに使った「力石(ちからいし)」の歴史・民俗調査をしています。この消えゆく文化遺産のことをぜひ、知ってください。

ーーー主な著作と入選歴

「東海道ぶらぶら旅日記ー静岡二十二宿」「お母さんの歩いた山道」
「おかあさんは今、山登りに夢中」
「静岡の力石」
週刊金曜日ルポルタージュ大賞 
新日本文学賞 浦安文学賞