AWARDS[2023年] |
毎年恒例の企画となっているPUBLIC IMAGE REPUBLIC AWARDSの2023年版。ベスト・アルバムやベスト・ソングとはまた異なる視点で、さまざまな部門において特に素晴らしかったものを独自基準で選出した。
部門は以下の通り。
-ベスト・アーティスト(ソロ部門)
-ベスト・アーティスト(グループ部門)
-ベスト・ニュー・アーティスト
-ベスト・ライブ・パフォーマンス
-ベスト・男性アイコン
-ベスト・女性アイコン
-ベスト・ライブ(フェス/イベント)
-ベスト・ライブ(単独公演)
-ベスト・企画盤(リマスター/リイシュー/コンピレーション)
-ベスト・マイブーム・アーティスト
-ベスト・カバーソング
-ベスト・ミュージックビデオ
-ベスト・ダンス振付 ※新設
-ベスト・アートワーク
-ワースト・アートワーク
-ベスト・パッケージ
-ワースト・アルバム
-ベスト・アーティスト
アルバムの内容、コンセプト、アートワーク、リリース方法のほか、ミュージック・ビデオ、セールス、ライブ・パフォーマンス、話題性などを総合的に評価
▼ソロ部門
#1 Ado
#2 Olivia Rodrigo
#3 ano
Adoは前年と変わらず1位。1月1日のライブ映像初公開から始まり、立て続けの配信シングルリリース、B'zからの楽曲提供、ボカデュオ、アイドルプロデュース、LE SSERAFIM楽曲へのフィーチャリング参加、ギター弾き語り、歌ってみたアルバムのリリース、アパレルブランドとのコラボ、初のTVパフォーマンス、そして紅白初出場と常に話題に事欠かない存在だった。
Olivia Rodrigoはソングライティング能力の高さと2ndアルバム『GUTS』の完成度の高さ、MVのユニークさなどを評価。anoはバラエティタレント「あのちゃん」としても大ブレイクしたが、多忙を極める中でも本業である音楽活動で2枚組のソロ1stアルバムをリリース。そして年末には橋本環奈と「天使と悪魔の最終決戦」を再現し見事に充実の一年を締め括った。アルバム『猫猫吐吐』も、お茶の間の存在になったからといって丸くなることなく、毒気のあるポップさを全開にした快作だった。
▼グループ部門
#1 BUCK-TICK
#2 Stray Kids
#3 aespa
BUCK-TICKは2019年から5年連続の1位。なので櫻井敦司がまだこの世界にいたとしても、同じ結果になっていたと思う。最新アルバム『異空-IZORA-』はメジャー・デビュー35年目、23枚目にして新境地とも集大成とも言える会心の出来だったし、それに伴う全国ツアーも香川と広島公演に参加したが、いずれも「B-Tトレインはまだまだこれからも走り続ける」と言わんばかりのエネルギッシュなものだった。そして「THE CEREMONY-櫻井敦司へ-」、「バクチク現象-2023-」を経て、このバンド(そして運営)の素晴らしさ、偉大さ、真摯さ、結束力の強さをあらためて嚙み締めた。
2022年の段階ではそこまで刺さっていなかったスキズは、傑作アルバム『★★★★★ (5-STAR)』を筆頭に日本盤アルバム『THE SOUND』、LiSAをフィーチャーした日本盤シングル『Social Path』、さらにはミニアルバム『樂-STAR (ROCK-STAR)』と次々リリース。渋谷109をジャックしてのポップアップストアでいろいろグッズを買ってしまうほどの存在となった。
aespaは2023年にリリースされた2枚のミニアルバムの内容の良さに加え、ハコ推ししたくなるほどバランスの取れたハーモニーと最強のビジュアル、圧倒的な歌唱力、ライブパフォーマンスのかっこよさ、グローバルな活動を評価。
-ベスト・ニュー・アーティスト
#1 Beachside talks
#2 紫 今
#3 冨岡 愛
「新人」というよりは、2024年にデビュー・フルアルバムのリリースを期待したいアーティストというニュアンス。Beachside talksも紫 今も2023年にリリースしたミニアルバムの出来が素晴らしく、前者は2024年中にフルアルバムのリリースを目指しているそうで、また後者もソニー・ミュージックからのメジャー・デビューが決まっており非常に楽しみにしている。冨岡 愛は路上ライブで知名度を高めたという点や「グッバイバイ」などの楽曲アレンジから弾き語り系SSWかと思いきや、「愛 need your love」ではThe Killersみたいなアレンジだったりといろんなポテンシャルを感じさせる。ソングライティング力の高さに加え声の良さもあり、近い将来あいみょん級の知名度にもなり得るのではと思っている。
-ベスト・ライブ・パフォーマンス
個人が対象。演奏技術の高さとプレイ姿のかっこよさを評価
#1 Ado
#2 今井寿 (BUCK-TICK)
#3 Karen O (Yeah Yeah Yeahs)
自身のライブはもちろんのこと、TVにおいてもライブと同様の熱量でダンスも歌唱も圧倒的なパフォーマンスを見せてくれたAdo、「バクチク現象-2023-」における「さあ、始めよう。バクチクだ!」のMCが印象的だったBUCK-TICK今井寿、13年ぶりの来日ながら、フジロックにてエネルギッシュなライブを見せてくれたYeah Yeah Yeahsのカレン・Oを選出。
-ベスト・男性アイコン
最もかっこよかった男性アーティスト
#1 フィリックス (Stray Kids)
#2 ミンギ (ATEEZ)
#3 テヨン (NCT)
特別賞:櫻井敦司 (BUCK-TICK)
実は去年3位に入れていたもののアップ直前で外してしまっていたフィリックスが1位に。かわいさとカッコよさが同居するビジュであの低音は反則。ミンギも「Fix On!」を合図に始まる低めのラップが魅力で、韓国マフィアのようなファッションをする時もあるのに実はめちゃくちゃ真面目で怖がりでかわいいキャラというギャップが良い。3位テヨンはとにかく端正な顔立ちで髪色もいつも個性的、ロエベのグローバル・ブランド・アンバサダーとしてモデルもこなすなど大活躍している。
また、2019年以降4年連続でこの部門の1位だった櫻井敦司を今回は特別賞とした。これからも永遠に私のナンバーワンでオンリーワンの存在であり続けるので、所謂「殿堂入り」みたいな感じ。
-ベスト・女性アイコン
最もかっこよかった女性アーティスト
#1 ユンジン (LE SSERAFIM)
#2 レイ (IVE)
#3 ユナ (ITZY)
特別賞:Ado
男性だけでなく女性も全員K-POPグループ所属メンバーとなった。ユンジンはLE SSERAFIMでも一番背が高くて手足も長くスタイル抜群、ダンスも一番上手いと思う。ちょっとハスキーな低音と挑発的な表情も魅力だが、自ら作詞作曲してギター&ボーカルでパフォーマンスするSSWとしても才能に溢れている。IVEのレイはグループ唯一の日本人メンバーだが、一時期のピンクヘアがとても似合っていたし、育ちの良さそうなところが随所からにじみ出ている。K-POPにおけるガール・クラッシュの先鞭たるITZYのマンネ、ユナは大人っぽさとあどけなさのバランスが絶妙。
また、2年連続でこの枠の1位だったAdoは今後も最推しなので、櫻井敦司同様に特別賞扱いとした。イラストレーター/イメージディレクターを務めるORIHARAも、本人の成長をしっかり反映させた作品をクリエイトしていて素晴らしい仕事をしている。
-ベスト・ライブ
演出、セットリスト、ロケーションも含めた全体評価
▼フェス、イベント部門
#1 Yeah Yeah Yeahs (Fuji Rock Festival '23)
#2 ATEEZ (Music Bank Global Festival 2023)
#3 NewJeans (Music Bank Global Festival 2023)
▼単独公演部門
#1 Ado 全国ツアー2023「マーズ」 [9/17 横浜アリーナ]
#2 BUCK-TICK TOUR 2023 異空-IZORA [6/24 上野学園ホール(広島県立文化芸術ホール)]
#3 BUCK-TICK TOUR 2023 異空-IZORA [5/13 ハイスタッフホール 大ホール(観音寺市民会館)]
特別賞:BUCK-TICK バクチク現象-2023- [12/29 日本武道館]
フェス&イベントはフジロックとミューバンに参加。YYYsは、グリーンステージでThe Strokesが始まってからもその場を離れることができず、退場まで圧巻のパフォーマンスを見届けた。最後にマイクを解体しては飛んでった部品を探すなどお茶目な姿も見ることができた。ミューバンではK-POPアーティストたちの完成度の高いダンス&歌唱を生で観ることができ大満足。
単独公演は1位がAdoで、ツアーの最終日となったこの日の公演では朋友・吉乃と弱酸性がゲスト参加という貴重なシーンを観ることができた。BUCK-TICKは2022年の札幌&京都公演に続き、2023年も二度ツアー遠征をした。
BUCK-TICKはさらに特別賞として、年末恒例の日本武道館公演を選んだ。櫻井敦司が実体としては存在しないステージというのは、やはりそれまでの彼らのライブと並列に見ることはできない。ただ、これだけは確実に言える。このライブに参加したことは本当に意義深かったと思うし、一生忘れられない体験となった。ある意味では生涯ベスト・ライブと言えるのかもしれない。様々な感情が渦巻いたあの会場の雰囲気というのは何とも上手く形容できない、今まで味わったことのない特殊なものだった。
-ベスト・企画盤(リマスター/リイシュー/コンピレーション)
該当作品なし
-ベスト・マイブーム・アーティスト
リリースに関係なくマイブームだったアーティスト
#1 BLACKPINK
#2 坂本美雨
#3 Everything But The Girl
アジア人として初のコーチェラのヘッドライナーを務めたBLACKPINKは、配信を観てその堂々としたパフォーマンスに感銘を受け、その後K-POPにハマるきっかけの一つにもなった。坂本美雨は2021年の旧譜ベスト・アルバムの4位にベストアルバム『miusic~The best of 1997-2012~』を選んでいたが、その中でも特に好きな曲が多く収録されている1stアルバムを購入。EBTGは24年ぶりとなるアルバム『Fuse』が良かったので作風の異なる過去作を2作聴くなどハマった。
-ベスト・カバーソング
#1 HAZUKI - "極東より愛を込めて" (BUCK-TICK)
#2 Ado - "Blue Flame" (LE SSERAFIM)
#3 Ado - "飾りじゃないのよ涙は" (中森明菜)
ラルク、Ado、柊キライなどカバーの選曲センスに毎回ニヤついてしまうlynch.の葉月によるカバーシリーズ。原曲のアレンジを大事にしつつさりげない個性も見せるBUCK-TICKのカバーは、文字フォント含めてリスペクトが感じられる。2023年も「歌いました」動画を数多くアップした歌い手・Adoは、これらのアダルティなムードの楽曲もやはりうまい。Adoは他にも「新人類」や「愛して愛して愛して」「ブリキノダンス」などが良かったけど、原曲をもともと知っていたわけではないため対象外とした。
-ベスト・ミュージックビデオ
#1 a子 - "racy"
#2 Billie Eilish - "What Was I Made For?"
#3 TOMORROW X TOGETHER - "Chasing That Feeling"
テナテル(Aruga Utena)、かぶきゅうが手掛けた、90年代初頭くらいの日本のSFアニメ風タッチの「racy」、ビリー自身が監督を手掛けたシアトリカルな「What Was I Made For?」、建造物が回転変形するSF映画のような「Chasing That Feeling」が特にお気に入り。他には、観ててヒヤヒヤするVFXを使用したOlivia Rodrigo「get him back!」や、くだらなすぎて笑える東京妄想地図「隧道建設株式会社」のMVもお気に入り。
-ベスト・ダンス振付
今回から新設の部門。所謂「この振付がスゴイ」ってものを選んだ。
#1 NewJeans - "Super Shy"
#2 LE SSERAFIM - "Eve, Psyche & The Bluebeard's wife"
#3 LE SSERAFIM - "Perfect Night'"
2023年はK-POPにハマり、これまで特に興味を抱いてこなかったダンス動画をよく観るようになった。その中でもついついマネしたくなるキャッチーなポイントダンスを含みながら、めちゃくちゃハードでもあるものは何度も観てしまったが、その最たるものが「Super Shy」。自分もダンスチャレンジしてみたところ(やるなよ)肩がバキバキ言うし、腕をあれだけ高速で振ると体が持ってかれるので、相当体幹を鍛えていないと無理だということがよくわかった。
-ベスト・アートワーク
音源を持っている作品が対象
#1 礼賛 / WHOOPEE
#2 cero / e o
#3 Claud / Supermodels
-ワースト・アートワーク
音源を持っている作品が対象
#1 Ado / Adoの歌ってみたアルバム
#2 Romy / Mid Air
#3 Coach Party / Killjoy
年間ベスト・アルバム1位に選んだRomyをはじめ、いずれもTOP20内にランクインするほど内容的には良かったものばかり。Adoもイラスト自体は素晴らしいだけに、この大きな文字は入れないでほしかった。Romyはクラブっぽい雰囲気は出せているものの、このダサさはわざとだと思いたい…。Coach Partyは、なんだかハードコア・パンク・バンドみたいなアートワークで楽曲のポップな雰囲気と合っていない気がする。
-ベスト・パッケージ
フィジカルで音源を持っている作品が対象
#1 なとり / 劇場(完全生産限定盤)
#2 XG / NEW DNA ("X" Version)
#3 IVE / I'VE MINE (BADDIE Ver.)
1位のなとりは「Overdose」誕生秘話コミック、キタニタツヤとの対談記事、インタビュー、プロフィール帳、セルフ・ライナーノーツと歌詞カード、人生ゲームを含む97ページに及ぶマガジンに加え、キャンバス地の絵画を模したパッケージ、招待状のような封筒入りの「スペシャルチケット」とメッセージカード、トランプ、アナログレコードを模した盤面のCDなど細部にまでこだわりが感じられ、あらためて「フィジカル」としての音源の価値を提示するような内容。
二種あるパッケージのうち「"X" Version」を選んだXGは、ホログラムを組み込んだクリア・パープルのパッケージ越しにCTスキャン画像があしらわれたかっこいいパッケージ。
IVEはパッケージ自体はブック型でシンプルだが、そのフォトブック内容はレーシングゲーム筐体や歯科診療用ユニットといった無機質な「人工物」と、白黒を基調としたストリート系ファッションに身を包んだメンバーのコントラストが非常にかっこよく、どの写真も見応えあり。
-ワースト・アルバム
嫌いとか内容が悪かったというより、期待からの落差が激しかった作品
#1 のん / PURSUE
#2 BABYMETAL / THE OTHER ONE
#3 黒岩あすかと夜 / 夜がくる
ディスるわけではないけど、肩透かしを食らってしまった作品たち。のんは「この日々よ歌になれ」がとても良かったし、元GO!GO!7188の二人の参加、キリンジ「エイリアンズ」のカバーなどトピックとして魅力的だったけど、何曲かはどうしても歌唱力が気になるものがあった。1年以上の"封印"(事実上の活動休止)を経てリリースされた新生BABYMETALは、新しい方向に舵を切ること自体は良いと思うが、どうも「普通」になってしまった感が否めない。黒岩あすかと夜のライブ盤は、小さいライブハウス感は出ているものの音質がちょっと悪すぎたように思う。
-【番外編】ベスト・いろいろ
音楽関係なく。
ベスト・ブック:
別冊 音楽と人 櫻井敦司 (音楽と人 2024年1月号増刊)
ベスト・エキシビション:
ヒグチユウコ展 CIRCUS FINAL END (森アーツセンターギャラリー)
ベスト・舞台:
ジャンポール・ゴルチエ『ファッション・フリーク・ショー』
ベスト・アニメ:
【推しの子】
ベスト・コミック:
【推しの子】(原作:赤坂アカ、作画:横槍メンゴ)
ベスト・男性キャラクター:
グエル・ジェターク(機動戦士ガンダム 水星の魔女)
ベスト・女性キャラクター:
有馬かな(【推しの子】)
ベスト・声優:
潘めぐみ
ベスト・ガンプラ:
HG 1/144 ガンダムキャリバーン
ベスト・フィギュア:
タイトープライズ パワー (チェンソーマン)
※ケースは別売り、鎌は自作です
ベスト・お笑い芸人:
や団
ベスト・ファッションアイテム:
ha | za | ma × Ado 漂う正義のベルベットジャケット
ベスト・推し活グッズ:
LE SSERAFIM ユンジンうちわ
ベスト・ラーメン:
銀座 篝 「鶏白湯Soba」
ベスト・カレー:
下北沢 般゜若 PANNYA CAFE CURRY 「マハーカツカレー」
ベスト・定食:
広島県宮島 牡蠣屋 「牡蠣屋定食」
以上、2023年のPUBLIC IMAGE AWARDSでした。
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