年間/半期ベスト[2021年] |
2021年の好きなアルバムを40作品選びました。
【MYルール】
・2021年1月1日~12月31日にリリースされたアルバム、ミニアルバム、EP、ミックステープ、コンピレーションが対象
・シングルは対象外
・購入(フィジカル/デジタル)あるいはレンタルした作品
・フリーで配布された作品も対象
・Spotify、YouTubeなどストリーミング視聴のみの作品は対象外
2015年以降やっている「for fans of」を今回も記載。似てるとかこれもオススメという意味ではなく「共通の魅力を感じたアーティスト」的なニュアンスで捉えてもらえればと思います。
これらの作品の収録曲で良かった曲は2021年 年間ベスト・ソングTOP50にて紹介しています。
末尾に総括コメントあり。では40位から。
No.40 Ian Sweet / Show Me How You Disappear
for fans of : Japanese Breakfast / The Flaming Lips
No.39 Iceage / Seek Shelter
for fans of : Nick Cave / Shame
No.38 諭吉佳作/men / 放るアソート
for fans of : 中村佳穂 / 崎山蒼志
No.37 工藤静香 / 青い炎
for fans of : 中島みゆき / 鬼束ちひろ
No.36 4s4ki / Castle in Madness
for fans of : SHACHI / uyuni
No.35 The Goon Sax / Mirror II
for fans of : The Go-Betweens / The Vaselines
No.34 Julia Stone / Sixty Summers
for fans of : Charry Glazerr / St. Vincent
No.33 Årabrot / Norwegian Gothic
for fans of : Swans / Chelsea Wolfe
No.32 Danny L Harle / Harlecore
for fans of : Hannah Diamond / The Prodigy
No.31 Lost Horizons / In Quiet Moments
for fans of : Cocteau Twins / Massive Attack
No.30 Porter Robinson / Nurture
for fans of : Madeon / Anamanaguchi
No.29 samayuzame / Plantoid
for fans of : Aimer / AAAMYYY
No.28 Weezer / OK Human
for fans of : The Beach Boys / Carpenters
No.27 Weezer / Van Weezer
for fans of : Van Halen / Ozzy Osbourne
No.26 Night Tempo / Ladies In The City
for fans of : マクロスMACROSS 82-99 / Pizzicato Five
No.25 The Fratellis / Half Drunk Under A Full Moon
for fans of : Christopher Owens / Codeine Velvet Club
No.24 Genghis Tron / Dream Weapon
for fans of : Battles / Mogwai
No.23 坂本美雨 / birds fly
for fans of : 遊佐未森 / 矢野顕子
No.22 Aimer / Walpurgis
for fans of : milet / 宇多田ヒカル
No.21 鈴木真海子 / ms
for fans of : chelmico / iri
No.20 The Killers / Pressure Machine
for fans of : U2 / Future Islands
No.19 Architects / For Those That Wish To Exist
for fans of : Linkin Park / Bring Me the Horizon
No.18 LIGHTERS / swim in the milk
for fans of : DYGL / Pavement
No.17 FRITZ / Pastel
for fans of : Alvvays / Ringo Deathstarr
No.16 前田和花 / 月はおもしろいほど輝く
for fans of : YUI / きのこ帝国
No.15 Cocco / クチナシ
for fans of : 安藤裕子 / Salyu
No.14 カネコアヤノ / よすが
for fans of : Pavement / インナージャーニー
No.13 カネヨリマサル / 突き動かされてく僕たちは、
for fans of : TETORA / Karin.
No.12 Pale Waves / Who Am I?
for fans of : Michelle Branch / Avril Lavigne
No.11 For Tracy Hyde / Ethernity
for fans of : My Lucky Day / The Pains of Being Pure at Heart
No.10 PUFFY / THE PUFFY
for fans of : UNICORN / でんぱ組.inc
No.9 平沢進 / BEACON
for fans of : P-MODEL / Muse
No.8 My Lucky Day / All Shimmer in a Day
for fans of : For Tracy Hyde / 17歳とベルリンの壁
No.7 yama / the meaning of life
for fans of : Ado / にしな
No.6 Bring Me the Horizon / Post Human: Survival Horror
for fans of : BABYMETAL / Architects
No.5 KID FRESINO / 20,Stop it.
for fans of : Vince Staples / Danny Brown
No.4 諭吉佳作/men / からだポータブル
for fans of : 中村佳穂 / 長谷川白紙
No.3 遊佐未森 / 潮騒
for fans of : 坂本美雨 / arca (LUCA & haruka nakamura)
No.2 AAAMYYY / Annihilation
for fans of : 宇多田ヒカル / iri
No.1 Japanese Breakfast / Jubilee
for fans of : Mitski / Soak
一点だけ補足。Bring Me the Horizon『Post Human: Survival Horror』は2020年にデジタル先行でリリースされているが、2021年にリリースされたフィジカル盤を購入したので2021年リリース扱いとした。
以下、総評コメント
■豊作…とは言い難かった2021年
年間ベストを考えながら「今年は豊作だった」と思うことが度々あるけど、今年はそうは思わなかった。だからといって不作というわけではないが、今年はそもそもリリース数が例年よりも少なかったように思う。もちろん、自分がキャッチしうる範囲内での話だが。
もしかしたら自分の情報収集能力の問題かもしれないが、リリース情報はここ数年同じソースを利用しているし、特に今年は邦楽のリリース情報も熱心にチェックするようになったので、むしろ過去イチで新譜チェックをした一年だった。にもかかわらず全体的に少なく感じたし、特に自分が好きだったり注目しているアーティストについてもあまりリリースがなかったと思う。
もし実際にリリース数が少なかったとすれば、おそらくコロナの影響だろう。ツアーやレコーディングがままならない状況では致し方ないことなのかもしれない。
リリースの少なさに比例してか、「上の上」クラスの作品数は例年に比べるとやや少なかったというのが正直な感想だ。その代わり、今年は「上の中」クラスが非常に多くてかなり拮抗していた。5位~20位くらいまでは僅差と言えるのではないだろうか。
■Japanese BreakfastとAAAMYYYの二人勝ち
今年の年間ベストは6月の時点でほぼJapanese Breakfastで決まったようなものだった。もちろん、下半期にもこれを超える作品と出会えたらいいなとは思っていたけど、結局そこに肉薄できたのはAAAMYYYだけで、とにかくこの2作が頭一つ抜けていた。例年だと、この「上の上」クラスはもう2、3枚くらいあるのだが。
そしてこの2作はどことなく似ている。サウンドテクスチュアこそ異なるが、気怠さの中に甘美さがあって、美しく、儚い印象を与える。幸せな夢を見たあとに目が覚め、夢だと気づいたときに感じるせつなさ。少しずつ思い出される現実世界の悩みや鬱屈した気持ち。でもそこは気持ちの良い朝日に包まれていて、布団の中でぬくぬくと小さな幸せを噛みしめている──ともにそんな作品だと思う。
■現れなかった対抗馬、AdoとThe Horrors
下半期、Japanese Breakfastの対抗馬となりそうなものが2作あった。Adoのデビュー・アルバムとThe Horrorsの新作フルアルバムだ。しかし10月末、前者は2022年1月のリリースがアナウンスされ、後者は11月にEP『Against the Blade』のリリースが決まったことで年内のフルアルバムの可能性がなくなり、この時点で今年はJapanese Breakfastだなという確信を持てた。
ただ、2022年の年間ベスト1位がAdoという確信の方が強かったため「2021年よりも先に2022年の年間ベスト・アルバムが決まる」という怪現象が起こった。
■過去最多の邦楽作品
年々邦楽の割合が増えてきているが、今年はこれまで以上に邦楽を聴く機会が多かった。実際にこのブログ始まって以来の年間ベスト・アルバム上位30作品のうち、邦楽の枚数を調べてみた結果がこちら。
2010年 0
2011年 0
2012年 0
2013年 4
2014年 7
2015年 7
2016年 7
2017年 6
2018年 12
2019年 8
2020年 11
2021年 19
特にTOP10内で見てみると、これまでの最多は2018年の6枚で昨年は5枚、そして今年は8枚。洋楽/邦楽のシェアとしては2010年代前半と比べると完全に逆転の様相を呈している。
邦楽の方が多かった理由としてはまず、コロナによる輸入盤CDの供給の不安定さがある。注文したいくつかの洋楽CDは向こうからキャンセルされた。そんな状況下でV系や平沢進やAdoにハマったことで、だんだんと邦楽モードになっていった。
【過去記事】トレンドワードで2021年を振り返る
ロックやポップスにおいて、邦楽と洋楽はかなり異なる特徴を持っていると思う。なのでその時期のモードによって、心に刺さるもの、聴いていて心地良いと思えるものがどちらかに振り切れがちだ。例えば洋楽はAメロ・Bメロ・サビが同じコードで展開するものが多かったり、独特のペタッとしたミックスだったりする。対して邦楽は目まぐるしくコード展開してサビで盛り上がるものが多く、わりとクッキリしたミックスが多いのが特徴だ(あくまで全体傾向の話)。数年前までは同じコード展開の中でいかに歌メロを変えたり音の抜き差しで表情を付けるかの妙に魅力を感じたが、最近は目まぐるしい展開の方が魅力を感じるし、各パートの輪郭がクッキリとした邦楽的ミックスの方が刺激的で心地良かったりする。
洋楽的な面も持ちながら、そこに邦楽的なセンスを加えることでとてもユニークな存在になっているKID FRESINO、My Lucky Day、For Tracy Hyde、カネコアヤノ、鈴木真海子、samayuzame、4s4ki。
「ザ・J-POP」をやることで洋楽にはない新たな刺激を与えてくれるyama、カネヨリマサル、前田和花、Aimer。
もはや洋楽とか邦楽とかいう小さな枠組みで語ることすら無意味に思えてくる諭吉佳作/men、平沢進。
いずれも素晴らしい作品だった。
■なくなっていったもの
私が音楽に求めるものは2つある。一つは「安らぎ」で、これは静かで美しい音楽だったり、昔から好きなルーツ的なもの。もう一つは「刺激」で、激しい音だったりこれまで聴いたことがないようなもの。刺激を求め続けると趣味嗜好は次第に変わっていくが、最近はブラック・ミュージック的なものにあまり食指が動かなくなってきた。Spotifyでアルバムを聴いた中ではArlo Parks、Little Simz、Xenia Rubinosなどが良かったがCDを購入するまでには至らず。そんなわけで洋楽でヒップホップやR&B、ソウル系は今回皆無だった。
洋楽のメインストリーム・ポップも、前述のコード展開の嗜好の変化によりあまり刺さらないようになってきたけど、ダブステップ/チルウェイヴの流れを汲む音もとっくに飽きてしまったなかで、ポップ・パンクが再び脚光を浴びるなど音圧的な部分で徐々に自分好みの方向に向かってきているのは嬉しい。またインディ系も、やはり「音圧」という面では物足りない作品が多かったが、Pale Wavesのように立ち位置はインディでもやっていることが90s後半~00s前半のポップス寄りな方が逆に新鮮で刺激があった。そんな感じだから、前述のようにThe Horrorsの次なるアルバムには大いに期待している。
■東洋の要素
最近特に惹かれているのが「和」や「東洋」の要素。日本古来の民族的な音階や和楽器が効果的に使われているとグッとくる。年間ベスト・ソングTOP40内に5曲を送り込んだJapanese Breakfastも、時折顔をのぞかせるオリエンタリズムが魅力だった。平沢進やCocco、Aimer、samayuzameはその辺の取り入れ方が巧みで、特にAimerの数曲で作曲・プロデュースを手掛ける梶浦由紀は重厚で荘厳、詫び・寂びの利いた音作りが素晴らしく、いま最も信頼を置いているサウンド・プロデューサーだ。「鬼滅の刃」関連でもいい仕事しかしていない。
■女性ヴォーカル
ベスト・トラックの記事でも触れたように、今年は(も)女性ヴォーカル作品が多かった。18位までの中で15作品、全体でも25/40が女性ヴォーカル。特に邦楽×女性ヴォーカルのコンボが強く、邦楽で男性ヴォーカルはKID FRESINOと平沢進のみという結果に。と考えれば、女性ヴォーカルがいつも以上に多くなったのは邦楽の割合が増えたことが関係していると言える。
■新しい音楽との出会い方
昨年までに引き続き、今年も特定のサブジャンルに特化したような音楽メディアの類は全くと言っていいほど見なかった。毎月書いている「新譜リリース情報」はORICONとMetacriticを参考にしているが、そこに掲載されているものは「これ絶対好きじゃないやつだ」と思ったものでも先入観を捨て、すべて音源を試聴した。また、渋谷のTSUTAYAで聴いたこともないアーティストの作品をインスピレーションで選んでレンタルしたりもした。
おかげで今年もいろいろな新しいアーティストを知ることができたし、好みの幅も少しは広げることができたと思う。遊佐未森などは90年代から少し知っていただけに、「だいたいこういう感じだろうな」という先入観で終わっていたかもしれないが、新譜リリース情報の記事作成時に聴いてみたら一気に引き込まれ、結果として年間3位のアルバムとなった。
■惜しくも漏れたアルバムたち
順不同でメモしておきたい。過去作が年間ベスト上位になったことがあるCloud Nothings、Karin.、London Grammarは残念だったなーという感じ。
The Armed / ULTRAPOP
CHAI / WINK
Cloud Nothings / The Shadow I Remember
Fatima Al Qadiri / Medieval Femme
First Aid Kit / Who By Fire
Halsey / If I Can't Have Love, I Want Power
Karin. / solitude ability
London Grammar / Californian Soil
TRZTN / Royal Dagger Ballet
おはようツインテール / 綺羅星
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