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【1989年1月~2019年4月】J-POPベスト・ソング100 [50位→1位]

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前回の記事の続きです。

【1989年1月~2019年4月】J-POPベスト・ソング100 [100位→51位]

選定の対象を再掲しておきます。以下コピペ。

「1989年1月~2019年4月までに発売された邦楽シングル、またはリードトラックや、タイアップ付きの楽曲、MVが存在する曲」。なぜシングルに限定したかというと、アルバムの曲も含めてしまうと同じアーティストだらけになってしまうから(好きなアーティストの曲ってほとんど好きだもんね)。ただ、インディ系に多いんですがシングルをリリースしないスタンスのアーティストもいるため、アルバムのリードトラック扱いの曲や、シングルとしてリリースはされていないけどタイアップが付いている曲、アルバムのプロモーションのためにMVが制作された曲といった、「シングル的な立ち位置の曲」全般を対象としました。

また、自分のiTunesライブラリに音源がある曲に絞っています。これは自分のライブラリをもとにリストを作ったためでもあるし、持っていない曲も含めると後から「あ、あれもあったわ」と収拾がつかないためです。まあ好きな曲であれば音源持ってて然るべきですし。

選定基準としては「普遍的な曲の良さ」を重視していて、革新性とかは重視してません。単純に、30年前の曲であれば「今聴いても色褪せていないこと」、最近の曲であれば「数十年後に聴いても色褪せていないであろう」という基準で選びました。



というわけで今回は100位から51位まで。全曲コメント書きました。






No. 50 BUMP OF CHICKEN / 天体観測 (2001)
作詞:藤原基央 作曲:藤原基央
大学生だった90年代末、下北沢のハイラインレコーズにはよく行ったものだった。そこからリリースされた1stシングル『LAMP』や1stアルバム『FLAME VEIN』で彼らを知った者としては、その後の躍進ぶりに驚かされるばかり。00年代のバンド・シーンにおけるNo.1アンセムとも言えるこの曲は、メロディのみならず歌詞やギタープレイも素晴らしいと思う。「さよならナイ」や「オゴマメ」、「ドッキング」といった珍曲(隠しトラック)を間に挟みつつリピートして聴くのがオススメ。


No. 49 X (X JAPAN) / 紅 (1989)
作詞:YOSHIKI 作曲:YOSHIKI
「紅」について書く場所なのに「X」(曲名)の話をして申し訳ないんだけど…。サビの最後の「心燃やせ」の部分って、「くるくる燃やせ」に聞こえませんか?いや、そうとしか聞こえないはず。退廃的な世界観を持つ中二病的独特な歌詞が多い彼らが「くるくる」とかいうワードを使うわけないだろ!って思っていつも笑ってしまう。


No. 48 德永英明 / 壊れかけのRadio (1990)
作詞:徳永英明 作曲:徳永英明
以降、「壊れかけの○○」という汎用性の高いようで低いワードを生み出すことに。彼自身が思春期にミュージシャンを夢見ていた頃、"目標を見失いかけたこともあったけどラジオから流れる名曲たちが励ましてくれた"っていう、先達に対する純粋な感謝の気持ちを歌った曲と解釈している。


No. 47 渡辺美里 / 卒業 (1991)
作詞:渡辺美里 作曲:小室哲哉
妖艶なイントロ、悲しげなAメロ、哀愁漂うBメロ、そして爽やかなサビ、という小室哲哉の見事なソングライティングが光る曲。「花は散るらん」という古語を使っているところも好きなポイント。


No. 46 SOFT BALLET / BODY TO BODY (1989)
作詞:遠藤遼一 作曲:森岡賢
一生に一度だけタイムマシンで時間旅行ができるなら迷わず1994年に行く。この年はTM NETWORKの解散ライブもあったし、伝説のフェス「L.S.B」もあった。「L.S.B」とはLUNA SEA、SOFT BALLET、BUCK-TICKの頭文字を冠したフェスで、3バンドのほかにもTHE MAD CAPSULE MARKETS、DIE IN CRIES、THE YELLOW MONKEY、L'Arc~en~Cielが開催地ごとにサポート出演していた。メンツやばすぎるだろ。どうせなら雷雨だったという福岡公演にタイムトラベルしたい。


No. 45 X (X JAPAN) / Silent Jealousy (1991)
作詞:YOSHIKI 作曲:YOSHIKI
中学の時、クラス替えの直後に自己紹介文を書くというのがあった。好きな曲を書く欄があったのでこの曲を挙げたところ、スレたり尖ったところのない平凡な少年だったからか、担任からは「意外過ぎる!」とめちゃくちゃ驚かれた。


No. 44 hitomi / GO TO THE TOP (1995)
作詞:hitomi 作曲:小室哲哉
小室哲哉と言えばエレクトロニックな音のイメージが強いけど、この曲はバンド・サウンドを全面に押し出している。その後TKプロデュースを離れてからの「LOVE 2000」のヒットでも証明されるように、hitomiの声はどちらかというとバンド・サウンド向きだと思う。歌い手の魅力を最大限に引き出す楽曲プロデュースが出来るのも小室哲哉の凄いところ。


No. 43 N'夙川BOYS / プラネットマジック (2011)
作詞:小山雅史 作曲:小山雅史
「SHOWBIZ COUNTDOWN」のエンディングに使われていて知った曲。以前住んでいた家の近くに、夜中に大声で歌いながら歩くバンドマンがよく出没していたのだけど、この曲のマーヤのパートをシャウトしていたことがあり、迷惑だったけどウケた。


No. 42 JITTERIN'JINN / プレゼント (1990)
作詞:破矢ジンタ 作曲:破矢ジンタ
千葉テレビのローカル番組「サウンドジャンプ」には当時多大なる影響を受けた。まだYouTubeもDVDソフトもなかった時代、ミュージック・ビデオを観れる機会はほぼなかったが、平日の昼間~夕方に放送されていたこの番組はMCもなくひたすらMVを洋邦問わずオンエアするという素晴らしい番組だった。この番組で出会ったアーティストで最も印象深いのがJITTERIN'JINNで、この曲と「にちようび」はロックもスカもわからない自分に「面白くて新しいサウンドとユニークな歌詞」というインパクトを与えた。


No. 41 NOKKO / 人魚 (1994)
作詞:NOKKO 作曲:筒美京平
オリコンの「歴代作曲家総売上ランキング」というのがある。5位は松本孝弘、4位は桑田佳祐、3位は織田哲郎、2位は小室哲哉、そして1位は筒美京平だそうだ。そう来ましたか!と思いつつ確かに納得。そんな筒美京平が手掛けた中で90年代に最も売れたのがこの曲。NOKKOと言えばREBECCA時代はロック・バンドだったし、ソロになってからはガラージ・ハウスなんかもやっていたけど、そこにこのハープとストリングスをメインに据えたアレンジは驚かされた。歌声も最もアブラがのっていた時期で、ちょっと神がかり過ぎている。


No. 40 スピッツ / 渚 (1996)
作詞:草野正宗 作曲:草野正宗
まずドラムとベースがかっこいい。壮大で美しく、U2やColdplayに通じるものがある。


No. 39 森高千里 / 風に吹かれて (1993)
作詞:森高千里 作曲:斉藤英夫
「風に吹かれて」というタイトルにハズレなし。洋楽ではもちろんボブ・ディランの「風に吹かれて(Blowin' in the Wind)」があるが、邦楽ではJUDY AND MARYの「風に吹かれて」、エレファントカシマシの「風に吹かれて」もある。前者はシングルではないのでこのランキングには入らなかったし、後者はこのランキングを150位までやっていたら入っていたと思う。そしていくつかの「風に吹かれて」の中でも屈指の名曲なのがこれ。ほどよいカントリー・アレンジが心地よい。


No. 38 N'夙川BOYS / 全.力.女.子! (2013)
作詞:小山雅史 作曲:小山雅史
N'夙川BOYSは不器用なバンドだったと思う。ロキノン系にもインディ系にも片足ずつ突っ込みながら、結局そのどちらにも属すことはなかった。ドラマに使われたり映画に使われたり、さらには「スマスマ」に出演しながらもくすぶり続けた末の活動休止。いや、くすぶっていたのではなく、彼らは不器用すぎるあまり売れることから逃げていたのではないか。他人の手が入り音質や演奏がクリンナップされることを忌避した結果、ブレイクしない代わりに自分たちのポリシーを守ったのではないか。実際どうだったのかは知らないけどそんなふうに思う。


No. 37 N'夙川BOYS / Hello,999 (2013)
作詞:小山雅史 作曲:小山雅史
そんなN'夙川BOYSは、おそらく80年代後半から90年代前半にかけての第二次バンド・ブーム中に青春時代を過ごした人に刺さりやすいと思う。BARBEE BOYS、REBECCA、JITTERIN'JINN、GO-BANG'Sあたりが好きだった人なら間違いない。


No. 36 神聖かまってちゃん / ロックンロールは鳴り止まないっ (2010)
作詞:の子 作曲:の子
64位のYUIのところでも書いたように、2008年当時、というか2006年~2009年までの約4年間はほとんど邦楽を聞いていなかった。興味もなかったし、何を聴いても引っ掛からなかった。そこに彼らが現れ状況は一変したわけだけど、彼らに対しても最初は「何だこのふざけたバンド名は。どうせ曲もダサいんだろう」「聴いてみたけどなんだこの変な歌い方は」という感想しかなかった。でも「何コレ?」という思いを抱いたまま、なぜかこの曲や「ぺんてる」や「死にたい季節」を何度も繰り返し聴いてしまい、気付いたらハマっていた。奇しくも、この曲の歌詞に描かれたテーマがそのまま自分の感情とリンクしていた。


No. 35 Cocco / 楽園 (2016)
作詞: Cocco 作曲:Cocco
Coccoを初めて知ったのは確か1997年、デビューアルバム『ブーゲンビリア』をリリースした時のbounce(タワレコのフリーマガジン)のインタビュー記事だった。その中で彼女は「うんこ」を連発し、「こっこ、便秘だったから」とか言っていて、変わった人だなという印象だった。その印象が強かったせいで、その後彼女の美しいバラードを聴いても、激しいロックを聴いても、「あざとさ」を感じてしまいイマイチハマれなかったのは事実。それからだいぶ遅れて2017年。フジロックでのパフォーマンスと、リリースからおよそ1年遅れで聴いた『アダンバレエ』(この曲も収録)によって見事に覆された。


No. 34 V2 / 背徳の瞳~Eyes of Venus~ (1992)
作詞:V2 作曲:V2
YOSHIKIと小室哲哉の共演による「迷曲の中の名曲」。いや「名曲中の迷曲」か?どっちでもいいや。双方の良さを消すことなく、それでいてどちらか片方に寄ることもなく、とててバランスの取れたコラボ。小室哲哉のボーカルに拒否反応を示す人も多いかもしれないが、このボーカルだからこそよいと思う。でもBABYMETALとかがこの曲をカバーしてくれたらめちゃくちゃかっこいいだろうな。


No. 33 LUNA SEA / ROSIER (1994)
作詞:LUNA SEA 作曲:LUNA SEA
僕がバンドで初めてライブやったのは高校一年の文化祭。その時にやった曲の一つがこれ。


No. 32 LINDBERG / I MISS YOU (1991)
作詞:渡瀬マキ 作曲:平川達也
この曲や53位のすかんち「恋のロマンティック・ブギ」にも言えることだけど、シャッフル・ビートってなんでこんなに気分が高揚するんだろう。夏休みに図書館で私服姿の「君」と出会って恋をするって。くそぅ、青春だなあ…。


No. 31 SUPERCAR / Lucky (1997)
作詞:石渡淳治 作曲:中村弘二
「Lucky」というタイトルのアンラッキーな曲。なぜなら「もし○○だったらまだラッキーなのにね」って歌ってるから。そんなところがグッとくるポイントだけど、まあそこに限らず全体として歌詞がいい。


No. 30 森高千里 / 渡良瀬橋 (1993)
作詞:森高千里 作曲:斉藤英夫
栃木県にある渡良瀬橋を一躍有名にした曲。橋にはこの曲の歌詞が書かれた歌碑があるそう。39位の「風に吹かれて」と同じく斉藤英夫による作曲だが、こんな名曲を2曲も作れることもすごいし、提供してもらえることもすごい。


No. 29 the brilliant green / angel song -イヴの鐘- (2000)
作詞:川瀬智子 作曲:奥田俊作
Weezerなどの曲にもよくあるように、3連リズムでギターが「ジャジャジャジャジャジャ」って感じの曲にはめっぽう弱い。邦楽でも銀杏BOYZ「惑星基地ベオウルフ」やeastern youth「青すぎる空」、AIR「Today」などあるけど頂点はこの曲。


No. 28 Cocco / 樹海の糸 (1999)
作詞:こっこ 作曲:柴草玲
2017年のフジロックでCoccoを観た。初めて観た。あまりに良くて泣いた。何というか、Coccoという存在そのものがとても美しく感じられた。上質なコンテンポラリー・ダンスやクラシックのコンサートを観たあとのような、魂が浄化されるような感覚。


No. 27 きのこ帝国 / クロノスタシス (2014)
作詞:佐藤 作曲:佐藤
この曲の歌詞、途中で主人公切り替わってるよね。クロノスタシスという現象のことを「時計の針が止まって見える現象のことだよ」と「きみ」に教えられ、今度はその「きみ」が別の「きみ」に「時計の針が止まって見える現象のことらしいよ」と教えている。なのでこの曲は三角関係の曲であると解釈している。「ゆらゆら揺れて どうかしてる」というのも、他の人に気持ちが揺らいでしまっている自分への戸惑いを表しているのだと思う。「怪獣の腕のなか」もDV彼氏への想いを歌っていると解釈できるし、佐藤千亜妃の歌詞は考察のし甲斐がある。


No. 26 乃木坂46 / 君の名は希望 (2013)
作詞:秋元康 作曲:杉山勝彦
2013年のリリースでありながら、2015年の紅白歌合戦に乃木坂46が初出場するにあたり選ばれたのがこの曲。それだけ、広い世代に知ってもらう価値があると判断してのことなのだろう。


No. 25 JUDY AND MARY / Over Drive (1995)
作詞:YUKI 作曲:TAKUYA
大学でバンド系のサークルに入ったけど、あの頃はジュディマリ好きのボーカル志願の女子がとにかく多かった。その子たちの「ジュディマリのコピバンやりたいです!」に応える楽器隊はさぞかしコピるのに苦労したことだろう。そんな中でもこの曲は「有名曲&ジュディマリの中では比較的簡単」ということで、演奏率がかなり高かった。


No. 24 B'z / BE THERE (1990)
作詞:稲葉浩志 作曲:松本孝弘
B'zとて、初めから売れていたわけではなかった。デビューシングルと2ndシングルはオリコンチャート圏外。その後、ミニアルバム収録の「BAD COMMUNICATION」が有線ヒットして僕もようやくB'zと出会うことになる。ほどなくして4thシングルであるこの曲で初のオリコンTOP10入りを果たしたが、出会ったばかりのB'zに対して、他にどんな曲があるんだろう?次はどんな新曲が来るんだろう?というワクワク状態のところにこのかっこよすぎるイントロ。かっこよすぎるスネア音。完全に虜になりました。


No. 23 Cocco / Raining (1998)
作詞:こっこ 作曲:こっこ
確かに2001年頃は、Coccoのパブリック・イメージと言えばこの曲に代表されるような美しいミディアム・テンポ~アコースティック・バラードだったと思う。CDショップでバイトしていた頃にCoccoのベスト盤『ベスト+裏ベスト+未発表曲集』がリリースされ、店内用にサンプルを再生した時に店長(おっさん)が1曲目の「Way Out」、2曲目「カウントダウン」のゴリゴリヘヴィなサウンドに驚愕していたのが面白かった。


No. 22 華原朋美 / I BELIEVE (1995)
作詞:小室哲哉 作曲:小室哲哉
小室哲哉の作曲家としてのヤバさ、ここに極まれり。だってこの曲のBメロだけ聴いたら、どんだけ暗くて怖い曲だよってなる。でも全体のメロディの流れでもってここまでポップに昇華しているのだからすごい。


No. 21 JUDY AND MARY / クラシック (1996)
作詞:Tack and Yukky 作曲:TAKUYA
ジュディマリは再結成することはないだろう。というかしないでほしい。あれはあの年齢の彼らが、あの時代だからこそ輝いた奇跡の存在だったから。


No. 20 L'Arc~en~Ciel / Lies and Truth (1996)
作詞:hyde 作曲:ken
ラルクと言えば「ヴィジュアル系に括ることはタブー」とされているが、当時ヴィジュアル系バンド・ブームが隆盛を極めるなか、「四つ打ちドラム+ストリングス」を前面に押し出したこの曲はかなり異色だった。ラルクが「従来型のヴィジュアル系」の枠を大きく飛び越えたことで、かの「ポップジャム騒動」の彼らの言動にも説得力があったし、その後のヴィジュアル系バンドの枠をぐっと広げるきっかけを作ったとも言える。


No. 19 LUNA SEA / IN MY DREAM (WITH SHIVER) (1993)
作詞:LUNA SEA 作曲:LUNA SEA
90年代初頭のヴィジュアル系の中で最も定番となっていたのは、ダークなメロディを持つアップテンポの激しい曲というものだった。そんな中でこの曲はミディアムテンポで比較的明るい曲調だったので、妙に印象に残った。体育祭で流れていたのを覚えている。


No. 18 銀杏BOYZ / ぽあだむ (2014)
作詞:峯田和伸 作曲:峯田和伸
55位の中森明菜「愛撫」と同様、大サビ(サビっぽいパートの後に本当のサビが来る)のあるパターンの曲。2005年のデビューアルバム『DOOR』『君と僕の第三次世界大戦的恋愛革命』の頃は全く興味がなかったけど、たまたまこの曲を耳にし彼らに大ハマり。3作目の『光のなかに立っていてね』は年間ベスト・アルバムで1位となった。「計画停電」という歌詞が登場するなど、当時のいろんな記憶や感情と結びついている曲。


No. 17 工藤静香 / 激情 (1996)
作詞:中島みゆき 作曲:中島みゆき
小学生の頃「ハイスクール!奇面組」や「夕やけニャンニャン」を観ていたのでおニャン子クラブはとても身近に感じる存在だった。しかしその中で異彩を放つ、抜群に歌がうまいメンバーがいた。彼女の名は工藤静香。特に中島みゆき楽曲との相性は抜群で、哀愁や愁いを感じさせるメロディがとにかく引き立つ歌声だ。そんな中でも頂点と言えるのがこの曲。実はカラオケで歌う頻度が最も高かったりする。


No. 16 B'z / 裸足の女神 (1993)
作詞:稲葉浩志 作曲:松本孝弘
当時の自分はあまり目立った子供ではなかったしスポーツも苦手で、趣味はといえば絵を描くことと音楽を聴くことだった。でも暗くて友達の少ないやつだったかというとそんなことはなく、バスケ部やサッカー部のキャプテンをやっているようなクラスメート10人くらいと毎日のように一緒に下校したり、教室や公園で一緒にB'zを歌ったりしていた。みんなで歌ってるだけなのに、とにかくそれが楽しかったな。


No. 15 L'Arc~en~Ciel / forbidden lover (1998)
作詞:hyde 作曲:ken
自分にとっては初めて生で観るラルクとなった、2017年に行われた25周年記念公演「25th L'Anniversary LIVE」で最も印象に残っているのがこの曲。hydeは海賊っぽい衣装に身を包み、バックの映像は静かに波打つ海。「神の名を」のところでそれが炎に変わるところがかっこよすぎてゾクゾクきた。


No. 14 L'Arc~en~Ciel / 虹 (1997)
作詞:hyde 作曲:ken
今ほどではないが、90年代当時もラルクはそれなりに好きなバンドではあった。メンバーの中でも一番好きだったsakuraが逮捕され脱退してしまい、バンドも活動を休止。その後、復帰第一弾シングルとなったのがこの曲。何といってもタイトルにグッときた。「L'Arc~en~Ciel」とは「虹」を意味するフランス語だからだ。そこに彼らの新たな決意や覚悟のようなものを強く感じた。


No. 13 B'z / BAD COMMUNICATION (1989)
作詞:稲葉浩志 作曲:松本孝弘
B'zと出会った最初の曲。世間的には、B'zの楽曲にはパクリが多いと言われているが、この曲も言ってしまえばドゥービー・ブラザーズとツェッペリンをベースにしている。が、随所にオマージュを感じるものの、その2曲とは全く毛色の異なるユーロビートに仕上げていて、これを「パクリ」と言ってしまったら世の中の音楽全部パクリじゃないかっていう。まあ「憂いのGYPSY」とかは完全にエアロのパクリだが(笑)。


No. 12 TM NETWORK / DIVE INTO YOUR BODY (1989)
作詞:小室みつ子 作曲:小室哲哉
同年に発表された「Get Wild '89」(「Get Wild」のリミックス)と同路線だが、この曲の凄いのは全編においてフックの宝庫なところ。イントロのシンセリフのメロディから「らーらーららーらーららーらーららー」のコーラス、Aメロのちょっと不思議な歌メロ、Bメロにおける想像力を刺激する印象的な歌詞「輝く二つの月 真夜中に上る太陽」、そしてサビではシンセ・リフが主導しつつ、合いの手のように歌が入る。さらには四分(しぶ)で同じキーを叩くシンセ、「You Say Yeah!」のどキャッチーなコーラス、超かっこいいスラップ・シンセベース…などなど、語るべき要素があり過ぎる。


No. 11 篠原涼子 with t.komuro / 恋しさと せつなさと 心強さと (1994)
作詞:小室哲哉 作曲:小室哲哉
TKプロデュース全盛期の口火を切ったのがこの曲。現在では篠原涼子は歌手としてではなく女優として活躍しているため、この曲は「小室ファミリー云々」の文脈以外で言及されることが少ないように感じるが、90年代J-POP史上でもかなりの名曲だと思う。いかにもTKらしいメジャーとマイナーの入り混じるコード進行に、アタックの強いビートとディストーションギターによる強烈なロック感、そして力強く凛とした歌声は、東京パフォーマンスドール時代やバラエティに出演していた頃のちょっとおバカなイメージだった篠原涼子のイメージを覆すのに十分すぎるほど。ドラマではクールな役どころを演じることが多いが、それを決定づけたのはこの曲だと思う。





いよいよTOP10。ここからは画像付けます。

No. 10 きのこ帝国 / 金木犀の夜 (2018)
作詞:佐藤千亜妃 作曲:佐藤千亜妃
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残念ながら先日活動休止となってしまったが、きのこ帝国は名曲がたくさんあるバンドだ。あまりシングルを切らないバンドであるため、本来ならこのランキングに入るべきだったのに入れられなかった曲はたくさんある。そういうこの曲もシングルではないがMVが作られ、目下最新アルバム『タイム・ラプス』のリードトラックとなっている。


No. 9 L'Arc~en~Ciel / 花葬 (1998)
作詞:hyde 作曲:ken
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この曲は「なぁっはーん!」、これに尽きる。あ、あと最後の方のサビにだけ入っている1オクターブ低いコーラスも良い。


No. 8 YUI / CHE.R.RY (2007)
作詞:YUI 作曲:YUI
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女の子らしいラブソングを歌ったかと思えば、そういうベタな恋愛ポップソングを歌うシンガー像を周囲から求められることに対し毒づく曲も歌う。そのアンビバレントさもYUIの魅力の一つ。これはフェティシズムの話になるが、YUIの歌詞にたびたび登場する「~でしょう?」と「~だよ」の「よ」の発音がすごく好きなんだな。


No. 7 米米CLUB / 浪漫飛行 (1990)
作詞:米米CLUB 作曲:米米CLUB
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「航空会社のCMソングとしてオファーが来ないか」と狙って作ったらしい。同じリフを奏でるシンセ・ベースとハイハットのリズムがとてもかっこよくて、特にこの「チッチッチッチッチッチッチッチキチッ」というハットは当時ボールペンのクリップの部分で机の角を叩いてマネするのが流行った(我が家で)。


No. 6 trf (TRF) / BOY MEETS GIRL (1994)
作詞:TETSUYA KOMURO 作曲:TETSUYA KOMURO
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バスクのエレクトロニック・バンドDeloreanの「Stay Close」という曲を聴いたときに真っ先に思い浮かべたのはtrfだった。何で2010年代のインディバンドの曲がtrfパクってるの?それはさておき、この曲のバレアリック感というかリゾートでの野外レイヴ感が好き。印象的な冒頭のサンプリング・ヴォイスは昔trf本人のラジオで、どこかの民族音楽を逆再生したものと聞いたことがある。


No. 5 SUPERCAR / WHITE SURF style 5. (2000)
作詞:石渡淳治 作曲:中村弘二
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自分がミュージシャンをやっていたら一番作ってみたいのはどんな曲?そうだな、王道コードの轟音ギターが鳴らされる中でシンセが1小節分の同じフレーズを繰り返し、途中ブレイクからの倍テンポになる曲が作りたい。つまりこの曲。


No. 4 JUDY AND MARY / ひとつだけ (2000)
作詞:YUKI 作曲:TAKUYA
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中森明菜「愛撫」、銀杏BOYZ「ぽあだむ」に続いて、例の「大サビのある曲」の最高峰。Aメロからサビに向かっていくまでのメロディの高揚のさせ方が秀逸。彼らのラスト・アルバムの最終曲という点でも感慨深い。


No. 3 スピッツ / 楓 (1998)
作詞:草野正宗 作曲:草野正宗
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この曲のメロディの美しさは異常だ。そして日本人にしか作れないメロディだと思う。もし外国の人に「J-POPのメロディ水準の高さ」を力説する機会があれば、まずはこの曲を聴かせたい。


No. 2 B'z / 愛しい人よGood Night... (1990)
作詞:稲葉浩志 作曲:松本孝弘
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だいぶ以前から、自分の中ではB'zで不動の1位を築いている曲。まず『RISKY』というアルバムはドラムの音がかっこよくて好きなんだけど、一見バラードには不向きと思われるこの重厚なドラム音がこの曲にはなぜかしっくりくる。


No. 1 TMN (TM NETWORK) / Nights of The Knife (1994)
作詞:小室みつ子 作曲:小室哲哉
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この曲は自分にとって、平成の最後に聴いた音楽であり、令和の最初に聴いた音楽でもある。「もうすぐ夜明けが訪れるその前に 話しておきたいよ 明日からのことを 新しい何かが始まると」──何かの終わりは何かの始まりでもある。僕に最初に音楽の魅力を教えてくれたこのグループがその活動に終止符を打った時、もちろん喪失感はあったが、この歌詞に込められたメッセージにとても心が救われた。





以上、1989年1月~2019年4月のJ-POPベスト・ソング100でした。1位と2位がTM NETWORKとB'zになったのは「らしい」結果だったかなと思います。この100曲は最終的にこの並びになるまで何度もプレイリストを聴きながら、やっぱこっちの方が上だな、これはこの位置じゃないなみたいな入れ替え作業を何日かかけてやってたんだけど、1位と2位だけは最初から一度もその順位が変わることはなかったです(3位と4位は途中で入れ替わりました)。それほどにここは決定的でした。

TM NETWORKとB'zは僕にとって初めてファンになった&その次にファンになった邦楽アーティストなので、その2組を上位にするといかにも「結局思い入れの強いアーティストの曲が上位になるのか」って感じがするのでできれば避けたかったんだけど、そういう思い入れとか付き合いの長さを抜きに考えても、やっぱり順位は変わらなかったです。

圧倒的に多いのは89年~90年代頃の曲だけど、これも全部が全部「付き合いが長く思い入れが深い曲」なわけではないです。なぜならこの時代はラジオでひと通りヒット曲はチェックしつつも、アルバムとかまで熱心に聴いていたのはTM NETWORKやB'z、UNICORN、trfといったごく少数のアーティストしかおらず、例えばCoccoやCHARA、シャ乱Q、森高千里、MY LITTLE LOVERなんかはここ最近5年くらいの「後追い」です。そういえば90年代に流行ってたあの曲って冷静に考えたら結構良かったよな。ちゃんと聴いてみるか→ちゃんと聴いてハマる、みたいなパターンなんですよね。


さてここで、選外となった35曲も加えた全135曲をいろんな項目で集計してみたいと思います。まずはリリース年別の内訳です。

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やはり。コメント内にも「2006年から2009年までは邦楽をほとんど聴いていなかった」と書いた通り、というか2003年から2009年までが極端に少ないです。しかも2007年と2008年に1曲ずつ入っているのはいずれもYUIなので、YUIがいなかったら2003年から2009年まで1曲も入らない状態でした。この時代は洋楽メインで聴いていたけど、後からこの時代の邦楽をいろいろ掘ってみてもなかなかピンとくるアーティストが見つけられないんですよね…。あと洋楽を本格的に聴き始める97年から減っていくのがわかりやすく表れてます。2003年でパタッとなくなったのも、この頃SUPERCARやNUMBER GIRL、thee michelle gun elephantなどが相次いで解散したからだったりします。

邦楽を結構聴くようになった2010年以降もあまり多くはないけど、やっぱり選出基準の「数十年後に聴いても色褪せていないであろう」っていうのがまだ実証されていないから、ちょっと抑えめに評価せざるをなかったですね。「今の勢い」に流されて高評価下したくないってのがあって。その点、20年前とか30年前の曲はすでに「今聴いても色褪せていないこと」というのが実証されちゃってるから有利でした。あと、そもそも2010年代以降好んで聴いているのがインディ気質なアーティストだったり、最近は傾向としてみんなあまりシングルをバシバシ切らないので最近の曲はちょっと少なめになってしまってるのかなと思います。

続いてアーティスト別のランクイン曲数ランキングです。
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B'z、JUDY AND MARY、L'Arc~en~Ciel、SUPERCARが一番多くて4曲でした。いずれのアーティストもベスト・ソングのTOP10に入ってます。3位まで見ていくと、やっぱりバンド系が多いですね。そしてソロ・アーティストはCocco、工藤静香、森高千里、UA、YUI、川本真琴と全員女性なのが「らしい」結果となってました。

最期に作曲者別ランキング。別名義の同一人物もまとめて集計しています。

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1位は断トツで9曲をランクインさせた小室哲哉でした。僕に多大な影響を与えた人なので当然っちゃ当然ですかね。同率2位のken、TAKUYA、松本孝弘、中村弘二はアーティスト別で上位だったグループのメンバーなのでこれも順当な結果。そんな中で、自身のバンドと他アーティストへの提供によって3位となったはたけと、提供のみの職業作曲家・織田哲郎は特筆すべき点かなと。

最近は自分の中で空前の邦楽ブームが起こっていて、あいみょんや中村佳穂やNOT WONKみたいなイマ勢いのある人たちも面白いし、昔から知っているけどちゃんとは聴いてこなかったアーティストをあらためて聴いてみることでいろんな新しい発見があったりするのも面白いです。邦楽って独自の文化(いわゆるガラパゴスってやつ)だから、「90年代にすでにダブステップやってる!?」とか「この曲のアイデア、もしやVampire Weekendの元ネタなのでは?」とか「当時はJ-POPと思って聴いてたけど、あらためて聴くと完全にポストパンクじゃん」みたいなオーパーツ的な発見もあったり。まあほとんど僕個人のこじつけなんですけど。

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