凪良さんの新刊「ショートケーキの苺にはさわらないで」を読みました。
ストーリーは近未来の
人間とアンドロイドの純愛。
なのでファンタジー色が強いのですが、
生命の定義を考えさせられるような内容でもあり・・・
けっこう深かったです。
大学生の
南里がひょんなことから手に入れたアンドロイドの
シンは
×××目的の美しい裏ドール。
でもドールヲタクの南里はシンを大切に扱って、
本物の恋人同士に発展。
が、ラブラブになった直後に戦争が勃発。
アンドロイドを戦闘要員にするための徴収が始まります。
二人は離れ離れになり、でもその後驚くべき形態で巡り合い、
何度オフ状態になっても
、記憶がゼロにならない絆の深さ。想いの強さと後半の意外な展開に驚きつつも一気読み。
戦争にジワジワ巻き込まれていく、平和ボケした日本人の状態と
ロボットが進歩したら本当にこんな世界になるかもしれないという、
リアルな未来図が面白かった。そして感情が成長するアンドロイドはもはや機械ではなく、
人間との違いは魂があるか無いかというだけで、
でも魂の存在を否定すればほぼ人と同じ。
人間も死んだらロボットのスイッチを切るようにそれで終わりかもしれない。なので1・2世紀後には人工知能の方が人を超えているかも?
と、つらつらそんなことを考えさせられる作品でしたが、
もちろんラブストーリーとしても素晴らしく、シンの可愛さは最高で、
南里の<愛>は賞賛もの。
ドールヲタ仲間も皆イイ奴だし、丸型ロボットは欲しくなるキュートさ♪
キーワードとなるタイトルの使い方が抜群の、泣けるお話でした。