かわい有美子さんの新刊「東方美人」を読みました。
10年近く前に薦められた覚えがありますが、
確かイラストがダメでスルーした本・・(汗)
が、今回は大丈夫で、しかも加筆修正版。
未完の作品が上・下巻できちんと完結するようです♪
「東方美人」という漢字を見るとつい台湾の烏龍茶を思い出しますが・・wここではオリエンタルビューティな受様
エーリク・サエキ を示し、
彼はKGBの情報員なので偽名は
オスカー・シーモア、コードネームは
『伯爵』。
て、中高生の頃夢中になった漫画のキャラ名が次々と~(笑)
エーリクとオスカーは「トーマの心臓」『伯爵』とKGBは「エロイカより愛をこめて」。
てなわけで覚えにくいカタカナ固有名詞もなんとかクリア。
攻の名である
アレクセイ・ヴァシーリヴィチは名字が一生発音できなさそうですが、
普段は名前しか出てこないからOK。
サエキだけが呼ぶ
「アーシャ」という愛称は音が可愛くて気に入りました。
「東方美人」はベルリンの壁があった80年代が舞台。
西側に潜り込んでいるサエキの元に、本部からアレクセイという新人が送りこまれ、
同居しつつスパイ教育を施すことに。
が、アーシャは極めて優秀で人柄がよく、気難しいツンなサエキでも
直ぐにほだされ、彼を自分の思想へ取り込んでしまう。
一方アレクセイも複雑な生い立ちの美しい上官にどんどん魅かれ、
サエキに身も心も抗えない。ストイックで礼儀正しいアーシャがサエキに堕ちる瞬間はドキドキで、
忠誠を誓うシーンは鳥肌ものでした。
この作品はラブと並行してスパイの悲哀や孤独、
西と東の格差、共産主義の限界などがけっこう盛りだくさん。
なので、たとえ
「エロイカ・・」を読んでいても、冷戦時代を知っていても
当時のソビエト事情にへェ~となれる本。
かわいさんの後書きもためになります。
次はベルリンの壁が崩れるところまで描かれるのか?
二人の行く末が少々不安ですが下巻が楽しみっ。