「
聖なる黒夜」の続編「
私立探偵・麻生龍太郎」を読みました。
(「聖黒」感想はここ)で、先ず興奮したのは本の表紙。
男二人 が高架下に立っている~~
向かって右が麻生で左が練??
左がちょっと
角刈りっぽく見えますが・・(笑)
ほんとは奈良・高階・下村さんあたりに表紙を描いて欲しいとこですが・・とりあえず並んでいるのでかなりOK。
しかも帯には
「それでも俺には、お前がいる!」と特大文字がっ!!書店で仰け反りそうになりましたぁ
この作品は4つのお話と書き下ろしエピローグが収録された短編集で、
内容は探偵となった麻生が扱う事件中心。
なので
龍&練の絡みをたくさん期待するとウ~ンですが、
逆に甘甘が多ければ多いほど
後が辛いので・・
この程度でよかったのか??とは言えやはり謎解きは横に置き、二人を中心にレビュってみたいと思います♪
「私立探偵・・」を読んで先ず強く感じたのは
麻生は骨の髄まで警察官である ということ。
練を愛しながらもやはりヤクザな彼を受け入れることができず、
結局この人は冤罪事件を解決しない限り、練と上手く向き合えない・・。
一方練はどんな酷い自分でも麻生に丸ごと受け入れてもらいたいので、
そんな彼はどこまでも可愛くて可哀想っ
電話を麻生に先に切られるのを嫌う練や
「またね」という気軽な別れの言葉すら言えない練がとにかく切ない。
でも、ちょっと可笑しくて最高だったのが
『たまちゃってたんだもーん』これは出所直後、麻生と一戦交えた後の台詞で、
「お前は暴れすぎだ」と言った麻生に返したもの
(一体どんなプレイを?/笑)とにかくこの第1話の名シーン(?)は練の拗ねた態度や
「ただいま」がムチャ可愛くて
もう、もう・・事務所の鍵をかけ忘れる麻生の気持ちが理解できましたっ。
にしても田村の龍・練分析はハンパなく鋭いですね。
この人の言うとーり外国暮らしもあり得るのに、どこまでも
平行線な二人。
「月神の浅き夢」で斉藤が言ったように、
練に復讐心がある限り海外生活は夢なのかもしれません。
「若にとって堅気で生きることは敗北を意味する。
この国の法律や司法に従って生きることは、自分に対して司法組織が与えた
屈辱を認めることになるからだ」 (月神、P.493)そんな訳で
エピローグはメチャメチャ切なくて、激しく身悶え。麻生に返さなかった傘を練はずっと持っていそうな気がします
さて、事件を含めて物語的に1番好きなのは3話目の
DEJA VU。
麻生の人柄のよさや鋭さがよく出ていて、ラストの
「何て遠くに来てしまったんだろう」が
物悲しくて印象的。
一方3話のような無罪を信じる洞察力が、何故「聖黒」では発揮できなかったのか?と残念すぎる。
練の
フェロモンに相当惑わされた証拠ですね・・。
このシリーズはもうこれで終了なのか、それとも「月神の・・」の続きを書く気持ちが柴田さんにあるのか非常~に気になるところですが・・
このままでは
麻生がへタレ過ぎますっ。こんな煮え切らないまま終るのは
イヤだぁ~~っ!!なのでオヤジの甲斐性を見せ付ける、
死ぬも生きるも一緒のラブラブラストを期待します!!