桑原水菜さんの『
犠牲獣』を読みました。
で、先ず注目したのは
<桑原水菜×初BL>という帯のあおり文句。
これを見て
やっぱり「炎の蜃気楼」はBLじゃなかったんだ と妙に感動~。
ミラージュのジャンルは
<炎の蜃気楼>なんだと改めて納得しました。
てな訳で一応お初BLの今回、
一体どんなストーリーが出てくるのかとワクワク読書。
内容は古代マヤ文明をモデルにしたファンタジーで、最強王国の王・
バフラムと
彼に国を滅ぼされた王子・
サクの物語。
サクはバフラムを暗殺するために、自ら生贄となって王に近づきますが
全く歯が立たず、贄となるまでの7日間陵辱され続けます。
なので
「××は格闘技だ!」 という激しさで、甘甘シーンはほとんど無く、
それでも桑原さんお得意の
対立ラブで二人の間に絆が生まれていきます

ラストは生贄の本当の意味を悟るサクと、彼を神に捧げたくないバフラムの葛藤が切なくて
結局サクはバフラムの手によって生贄となったのか??巻末の書下ろしではっきりとした結末を期待しましたが・・
ミラージュと同じく
「その後はご想像におまかせします」的展開

ストーリーの状況上、これが最良だった気がするものの、
今回はBLレーベルな上にたった1冊。薄っすらハッピーエンドを期待してしまいましたぁ。
桑原さんの文章は強烈に引き込まれる心理描写と物語のスケールの大きさが魅力で、
「犠牲獣」も限りある自然や命が様々な犠牲の上に成り立ち、
循環していることを盛り込んでいます。
とはいえ今回も
妙な比喩、珍事、迷言の桑原節(?)が健在。
敵の急所を菊×で引きちぎる訓練って・・
とうもろこしくらいなら簡単にへし折れるって・・サクがそんな練習をしている図を想像してみて下さいっ。
ここは突っ込まずにはいられませんでした~~(笑)。
てな訳で佐々木さんの迫力ある挿絵と、
たまにはラブラブハッピーでないBLを読みたい人にはお薦めの1冊です。
にほんブログ村*台風が来る筈が凄く静か。
早々子供の補習授業が中止になりましたが・・これならできたじゃん!!
娘どもの夏休みは2カ月あるので、なるべく学校に行って欲しい~。