今更ですが、木原さんの名作「
箱の中・檻の外」の感想です。
最近手に取りたい本が枯渇して、
BL日照りも甚だしい毎日。
でも先日フォロワーさんと交流するうちに、
避けていた作品に意欲がわいて古本ゲット。
スーパー攻様も受様も存在しない、
癒し微量で人間くさい木原世界にダイブ~。
で、
うあぁ ウェエエとなりながら
文章の上手さにやめられない止まらない読書。
ラストは泣ける締めくくりで、
これだから嫌なんだよ、この作家さんは・・と、脳裏に焼きつく内容でした
「箱の中」は痴漢の誤認逮捕で実刑とのなった
堂野と
同じ雑居房の
喜多川の物語。
真面目でお人よしな堂野は屈辱的な囚人生活に発狂寸前。
が、強面の喜多川と交流するうちに、無知で純粋な人柄に情がわき、
流されるまま犯されてしまう。
なので出所後はあっさり妻子をもってしまう堂野ですが、
喜多川は6年の歳月をかけて堂野を捜索。
吊り橋効果的感情だった堂野と
生きる意味=堂野 な喜多川には温度差があり、
一途さは涙ものでも、かなり
ゾゾ。
二人の葛藤に先が見えないうちに、娘に事件が発生。
これがきっかけで再燃するのが少々腑に落ちませんが・・終わってみれば30年近い時が流れる人生ドラマ。
特に後半は喜多川の人としての成長が感じられて
救いがありました。
箱と檻はともに後半部分が第三者視点で描かれているため、
メリハリがあって飽きのこない面白さ。
箱の
「脆弱な詐欺師」は堂野を探す探偵、
檻の
「なつやすみ」は息子の
尚で、
探偵は脆弱だけに、いい気味な顛末。
同じ雑居房にいた
芝さんがカッコイイ。
そして「なつやすみ」はラストが涙もので・・
でも二人の穏やかな生活が垣間見れて感動的でした。
ところで<痴漢>と間違われ、
無実を主張し続けると実刑を喰らうというのは本当なのか??
まあ間違うことはほぼないとは思いますが・・
冤罪を生まないために混んでる路線は
全車両男女別にしたらいかがなものか(笑)。
安心・安全・清々した気分で通勤通学できると思う。
- 関連記事
-