メルクマール

そこが”行き止まり”なのか、”ゴール”なのかは、気持ちの持ち方一つだというのが、今回のメッセージでしょう。そこに希望がなければ”行き止まり”だし、希望や幸せがあるならば”ゴール”なのです。

リオは、母親が不幸だったと思っており、それゆえに父親を恨んでいました。でもマダムの言葉で、母は父を愛して幸せだったのかもしれない、と気づいたようです。あの家は行き止まりではなかったのだと。

それによって、父親を許せる気持ちになり、要請に答えて旅立つことを決めたのでしょう。”自分にもできることがある”と知ったことで、砦はリオにとって”行き止まり”では無くなったわけです。

でも、ここにはリオの仲間がいて、何より”音”と通じて心を通わせたカナタがいます。音が響く限り、いつかまた会えると信じているので、彼女たちはサヨナラは言わずに別れました。ここはリオの”ゴール”であるはずだから。

敵国は『正統ローマ』というらしい。ローマと名がついているからといって、イタリアとは限りません。たとえば10～19世紀まで存在した『神聖ローマ帝国』は、ローマは含んでおらず、ドイツやオーストリアを含む連合国家が勝手に『ローマ帝国』と称しているだけでした。この『正統ローマ』も、ローマ帝国の後継者だと自称しているだけ、ということはありえます。

あるいは、『神聖ローマ帝国』の流れを汲んでいるのかも。この世界は歴史が違っていて、神聖ローマがナポレオンの侵攻によって崩壊せず、20世紀になっても残っているのかもしれません。『ヘルベチア』はスイスの古い国名ですが、スイスは常に神聖ローマ帝国の影響下にあり、支配されたり、独立したりしています。その対立構図が続いているというのはありそう。

神聖ローマのほうがずっと大きい国ですが、大きいだけに動きが鈍く、一方でスイスは小さいけれど、兵が強いので互角に戦えたという歴史があります。この世界も、そういう構図なのかもしれません。

そんなわけで、歴史のうねりが砦の乙女たちを巻き込もうとしていますが、彼女たちはその中でどう生きるのか。ここまでの展開は規定路線ですが（伏線がたくさんあったので）、ここからは分からないので楽しみにしています。残り話数が少ないのが気がかりですが。

ポチッとして頂けると励みになります！↓