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公開:2014-3/26
更新:2016-06/14 部分的に加筆・修正
当ブログのコンテンツは8割くらいがTOEICだと思うのですが、一番売れている本はTOEIC対策本ではなくて、実はこの「会話できる英文法大特訓」なんです。自分でもビックリw(゚Д゚ )w
(ご購入いただいた方、ありがとうございます。お陰様で何とか今日も生きてます<(_ _)>)
購入を検討されている方も多いのではないかと思ったので、詳しめにレビューしてみることにしました。また、購入していただいた方のために、この本の勉強の進め方も添えてあります。参考になれば幸いです。
そんなわけで、いってみましょう!ヾ(゚Д゚ )
1. この本の概要
種 別 | 文法項目別 |
収録英文数 | 720文(80セクション ✕ 9文) |
音 声 | 音声CD付き 音声だけで瞬間英作文トレーニング可 |
特 徴 | ●ネイティブ著者ではないが英文は自然で実用的 ●英文を隠せるシートが付いてて便利 ●一文一文に解説が付いている ●文法項目の網羅率が高い ●CDが「日本語▶ポーズ▶英語」なので 本ナシでもトレーニングできる ▲文法項目の網羅率が高い分、1文法項目当たりの トレーニングできる英文数が若干少ない |
試し読み | Amazonで「なか見!検索」可 出版社サイト で試聴可 |
おすすめ度 | ★★★★★ |
2. この本との馴れ初め
2012年にTOEIC 910点取得後、自問自答の末、英会話を身につける学習にシフトしました。
TOEICのリスニングセクションのトレーニングでは、瞬間英作文 をよくやっていて、すでにその絶大な効果(誇張ではない)を感じていたので、本格的に再開することに。それに当たって、まずは中学レベルの文法からやり直したいと思っていました。
最初は、途中で頓挫してた「どんどん話すための瞬間英作文トレーニング」をやり直そうと思い、久しぶりにパラパラっとめくってみて「英文がイケてなさすぎる…」と。
TOEICはアメリカのテスト開発機関が制作しているので、英文がとても自然なのですが、そのTOEICの英文に2年くらい慣れ親しんだ自分には、「どんどん」の不自然な英文で勉強する気がおきなかったんです。
(とは言うものの、「どんどん」は語彙がやさしいので、瞬間英作文初心者には悪くない本です)
そこで、理想の瞬間英作文本を求めて、本屋さんに冒険の旅に出ていたときに見つけたのが、この「会話できる英文法大特訓」だったんです。
3. この本のおすすめポイント
●実用的で自然な英文が多い
今まで10冊以上の瞬間英作文本をトライし、本屋さんでかなりたくさんの瞬間英作文ができるタイプの本をチェックしてきて、「文章体でカタイ…」(英会話で使いにくい)
「英文が不自然」(ネイティブチェックが入っていない)
「こんな表現どこで使うねん」(非実用的)
と思うことがよくあるのですが、この「会話できる英文法大特訓」は、実際の会話で使える、実用的自然な英文が多いと感じています。首を傾げるような英文がほとんどない。
●文法項目の網羅率が高い
類書と比べると、扱っている文法項目の網羅(もうら)率がとても高いです。これ1冊で、中学・高校のたいていの文法事項を瞬間英作文形式でトレーニングできます。収録されている文法項目を知りたい方は、「会話できる英文法大特訓 - Jリサーチ出版」やAmazonの「なか見!検索」でチェックできますよ(・∀・)b
●ほぼすべての文に解説がある
※クリックすると大きく開きます
1行だけですが、1文1文に、その英文の使い方、使う状況・場面、注意すべき語句などの説明があるのがいいなと思いました。
語彙・表現・文法って、「どういう状況で使うべき表現なのか?」というのも一緒に覚えないと、実践で使えないですよね。ですので、状況説明があるのはいいなと。
(状況説明があるのは一部ですけどね)
●CD音声だけでトレーニングできる
付属の音声CDは、「和文 → ポーズ → 英文」と収録されているので、テキストなしでトレーニングできます。CD音声については、「会話できる英文法大特訓 - Jリサーチ出版」の「音声視聴」から聴けるので、ぜひ試聴してみて下さい。
音声だけで瞬間英作文できると、
●本を開けにくい満員電車の中でもトレーニングできる
●ポーズがある=制限時間内に英作文しないといけない→ゲームっぽくなる
というメリットがあります。このメリットは非常に大きいです。
●英作文しやすいようにシートが付いてる
このJリサーチ出版さんの「大特訓シリーズ」には、瞬間英作文がしやすいように、英文が隠せるハガキ大サイズのシートが付いてるんです。どこまでかゆいところに手が届く本なんだー!(╯°□°)╯︵ ┻━┻
4. この本の注意点・改善希望点
上述してきたように、個人的にはこの「会話できる英文法大特訓」の完成度は非常に高いと感じています。勉強しやすい。
ただ、いくつか注意点があると感じたので挙げておきます。
●トリガーが意訳されているものが多い
瞬間英作文本を数冊トライされている方は体験的にご存知だと思いますが、トリガーとなる和文(左ページ)が「直訳文」のほうが瞬間英作文はやりやすいです。(ただ、直訳だと、英文によっては意味がイマイチよく分からないという場合もある)
ですので、直訳文が多い「どんどん話すための瞬間英作文トレーニング」と比べると、この「会話できる英文法大特訓」は、意訳されてる割合が多いので、慣れるまでの最初の1~3周目は、おそらく瞬間英作文がちょっとやりにくい可能性はあります。
例えば、次のような文。
後の祭りだ。
The damage is done.
この英文は短いですし、よく使われることわざなので、覚えてしまえばいいだけですが、例えば、意訳されたトリガーの下に「損傷はなされた。」のような直訳文もあったら、もっとトレーニングしやすくなるだろうなと。
僕の場合、TOEICや英検のテキストで、日本語訳が意訳されていて瞬間英作文がやりにくいときは、日本語訳の下に英語の語順で直訳を添えるようにしています。詳しいやり方は次の記事をご覧下さい。
【参考】瞬間英作文 トレーニング快適化 8つのコツ
●網羅率が高い=1項目の英文数は少ない
「文法項目の網羅率が高い」というお話をしましたが、逆に言えば「文法項目の1つ1つに収録されている英文数は少ない」と言えます。この本(720文)に比べると、ほぼ同じ英文数を収録した「どんどん話すための瞬間英作文トレーニング(790文」のほうは網羅率は低いですが、1文法項目の英文数は多いです。
瞬間英作文でスラスラ言えるようになるためには、反復回数も重要ですが、こなした英文数も重要なので、「会話できる英文法大特訓」1冊だけで、中学・高校レベルの文法項目が完璧になったりはしないです。
そういう意味でも「会話できる英文法大特訓 Part 2」はあるといいんじゃないかと。
5. こんな人におすすめ
●学生時代、そこそこ英語を勉強した人
この本は、「どんどん話すための瞬間英作文トレーニング」に比べると、語彙レベルが少し高いので、英語初心者の方にはちょっと厳しいと思います。「私にとっては語彙レベルがちょっと高かったので、もうちょっと英語力を上げてから再挑戦します」という感想をたまにいただきます。
僕はTOEIC 900点超えてからこの本にトライしましたが、少なくとも800点くらいはあったほうがいいかもしれません。800点を超えてくると、基礎文法・語彙はそこそこ身についてくるので、瞬間英作文は確実にやりやすくなります。
一度、書店で英文をチェックしてみて、「知らない単語がいっぱいある…」という方は、1冊目は「瞬間英作文 最新おすすめ本・教材&効果的なやり方」の記事の「文法項目別→入門編」でご紹介している本を選んだほうがいいと思います。
●日常英会話を身につけたい人
日常英会話でよく使う語彙・表現・文法が満載です(・∀・)b(「ought to」とか、ちょっとマイナーなものもあるにはある)
ただ、
「急に海外出張することになったので、瞬間英作文を1冊やっておきたい」
「TOEICライクな瞬間英作文本を、とりあえず1冊だけやっておきたい」
というのであれば、後述する「おすすめ関連書籍」でご紹介している「話せる!!社会人の気づかい英会話―1駅3分集中!通勤解速トレーニング」のほうが、仕事でよく使える英文が圧倒的に多いので、そちらをお薦めします。
6. この本の勉強のやり方
●進め方
「瞬間英作文の効果的なやり方」の記事で詳しく書いていますが、僕の場合、瞬間英作文本は基本的に20周します。僕のやり方が悪いだけかもしれないですが、森沢さんの仰る10周だと、身につくことは身につくのですが、瞬発力がない気がしています。10周だとスラスラと言えない文がわりと残る感じ。よって20周。
次に、この本のように500文以上ある瞬間英作文本(1周するのに1週間以上かかりそうな本)は、2~3のカタマリ(セグメント)に分割します。
「なぜ最後まで通してやらずに分割するのか?」と言いますと、通してやった場合、最後のほうのユニットをやる頃には、最初のほうにやったユニットの英文はほぼ忘れてしまうからです。
1周目をやり始めた日から、遅くとも1週間以内に2周目に入らないと、特に瞬間英作文初心者は、最初のほうの項目はほとんど忘れてしまいます。これは非常に効率が悪いです。
というのも、
忘れてしまうと再度覚えなおさないといけなくなる
=復習に時間がかかる
=1冊終わらせるのに時間がかかる
=1冊を長期間やることになる=ダレやすい・飽きてくる
という症状に陥ります。
ですので、必ず分割したほうがいいです。そして、できれば2ヶ月、長くとも3ヶ月で1冊20周を終わらせるのが理想。
そして、この本は、80ユニット ✕ 9文(全720文)あるので、
●瞬間英作文初心者:30ユニット + 25ユニット + 25ユニット
●初級~中級者:40ユニット + 40ユニット
のような感じで分割するといいと思います。
もし 30+25+25 でやるのなら、
①まず、最初の30ユニットを10周やる
②次に、中盤の25ユニットを10周やる
③そして、後半の25ユニットを10周やる
④全部10周終ったら、1冊通して10周やる
で合計20周になります。
このように、瞬間英作文本は、200~300文くらいを1カタマリにして反復練習するのが効率的だなと感じてます。
詳しい内容は、「瞬間英作文本の効果的&効率的なやり方」をお読み下さい。
●学習・練習のやり方
僕の場合、瞬間英作文本に限らず、1周目は 精読 にかなり時間をかけます。●発音・アクセント・音の変化(連結・消失)
●単語・熟語・句動詞・決まり文句
●文構造・文法・構文・語法
など、不明なものはもちろん、うろ覚えのものまで、「辞書」と「文法書」を使って調べまくり、本に書き込みまくります。こんな感じです⇩
※クリックすると大きく開きます
「なぜ精読に、そんなに時間をかけるのか?」と言いますと、今まで5000時間以上英語を勉強してきて確信していることの1つに、英文の発音や理解があいまいなままだと、いくらトレーニングしても、効果が異常に低いことを痛感しているからです。
土に栄養がない状態だと、いくら水をやっても、あんまり成長しないのと同じ。
精読できちんと英文を理解したら、何度もまわしていきます。
詳しい学習・練習の進め方については、「瞬間英作文本の効果的&効率的なやり方」をお読み下さい。
●「意訳されていてやりづらい!」
というレビューをAmazonで数件見かけました。上述しましたが、僕はTOEICや英検など、意訳されていて瞬間英作文がやりづらいと感じた文は、トリガーとなる和文の下に、英語の語順で直訳を添えるようにしています。
詳しいやり方は、「瞬間英作文 トレーニング快適化 8つのコツ」を参考にしてみて下さい(=゚ω゚)ノ
7. おすすめ関連書籍
Jリサーチ出版さんの「大特訓シリーズ」の中で、個人的にお薦めな瞬間英作文本+αをご紹介。
ちなみに、下記の本はすべて、「瞬間英作文 最新おすすめ本・教材&効果的なやり方」にもう少し詳しいレビューがあるので、そちらもどうぞ(=゚ω゚)ノ
僕が「大特訓シリーズ」で一番最初に買ったのはコチラ。こちらもけっこうお薦め。文法項目別、場面別、よく使う表現別とテンコ盛り。
ただ、トリガーとなる和文の下にすぐヒントがあるので、英作文するときに見えてしまう点がチョッチ残念。「会話できる英文法大特訓」は後発だけあって、その点が改善されてる。
瞬間英作文中級者向け。まだ、未購入なのですが、日常英会話でよく使う動詞・副詞・形容詞、また、ジャンル別によく使う語彙・表現でカテゴライズされた瞬間英作文本。この本もよくまとまってるなと思います。
最近、フラッシュカード(単語帳)ソフト「Anki」で練習してばかりで、「デジタル学習だけでなく、本でアナログ的にも勉強したいな」と感じるようになってきたので、「DUO」でAnkiでのトレーニングが終わったら、これをやろうかと検討中です。本屋でザッと見た感じ、DUOと被る語彙・表現が多いのでDUOの復習的にも良さそうだなと♪
ビジネスパーソン向け瞬間英作文本。仕事でよく使う表現別・場面別にカテゴライズされてあります。
ただ、1冊目にやるのであれば、文法項目別も収録されてある次の「話せる!!社会人の気づかい英会話―1駅3分集中!通勤解速トレーニング」のほうがいいです。
森沢洋介さんのビジネスパーソン向け瞬間英作文本。
この本は前半は、文法項目別になっていて、後半は仕事でよく使う場面別にカテゴライズされています。仕事で使える実用的な英文満載。
● 効果的なやり方 - トレーニング快適化のコツ
● おすすめ瞬間英作文本 (文法編) / (ビジネス編)
└ 会話できる英文法大特訓 / 例解 和文英訳教本
● フラッシュカード「Anki」 - カードの作り方
● オンライン英会話とは? - 準備すべき5つのこと