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公開:2014-07/19
更新:2016-07/18 分かりやすさ向上のため部分的に加筆・修正
この記事では、DUOの具体的な勉強の進め方・やり方や、準備すべきことをまとめています。
DUOのトレーニングの効果、おすすめポイント・注意点などのレビューについては、前編である「DUOで180日間勉強したので長所と短所&使い方をまとめてみた」をご覧下さい。
それではいってみましょう(=゚ω゚)ノ
6. DUOはどう勉強したらいいのか?
目標と到達方法を明確にする
Image by Yak-52
DUOに限らず、「どう勉強したらいいか?」というご相談をよくいただきますが、それに対する僕の返事はだいたい決まっています。
(2) 今の目標は何か?(短期目標でもOK)
(3) どういった英語力を身につけたいか?
そして、理由・目標・身につけたい英語力が判明したら、次の質問です。
これらのセルフクエスチョンで、たいていの方は「どう勉強したらいいか?」の答えは自ずと出てくるはず。
TOEICのスコアを上げたいのであれば、TOEIC対策本を使ったほうが時間対効果は高いですし、英語が話せるようになりたいのであれば、【 瞬間英作文 】で使える語彙・文法を増やしつつ、【 オンライン英会話 】などの毎日話せる環境を作って実戦経験を積んでいく。
「Financial Times」や「The Economist」などの海外誌が読めるようになりたいのであれば、「ニュースで英会話」などの比較的語彙がやさしいニュース記事を精読して何度も読むようにする。
【参考】「ニュースで英会話」をお勧めする5つの理由と勉強のやり方
そういった目標と到達方法を明確にした上で、DUOを使って勉強する場合は、次の質問。
もしリスニング力を上げたいのであれば、【 ディクテーション 】で聞き取れない音を洗い出し、【 オーバーラッピング&シャドウイング 】で毎日トレーニングして音を覚えていく。
スピーキング力を上げたければ瞬間英作文、リーディング力であれば【 精読 】した上で何度も繰り返し読むこと。
全部伸ばしたいのであれば、「その中でもどのスキルが一番伸ばしたいか?」という風に優先順位を明確にして、どんな忙しいときでも、そのトレーニングだけは欠かさず毎日やるようにする → 継続は力なり。
目標と到達方法が、明確かつ具体的であればあるほど、勉強とトレーニングの質、そして集中力も高まり、英語力の上達速度がアップします。
目標は小さくても全然OKなので、まずは目標と到達方法を明確にしましょう(=゚ω゚)ノ
【参考】英語学習者に贈る!目標を見つけるための5つの質問
次は少し具体的に見ていきます。
使えるようになりたい → 瞬間英作文
瞬間英作文|英語上達完全マップ
英語を勉強されている方で「英語は読めればいい。話せる必要はない」という方は、あまりおられないと思うんです。たいていの方は、英語を使える(話せる&書ける)ようになりたいと思っておられるはず。
そして、アクティブ化(使えるように)するためには、瞬間英作文やコピーイング(状況をイメージして暗唱する)などの想起系(思い出して言う)トレーニングをしつつ、【 オンライン英会話 】など英語を使う環境が必須だと感じています。
というわけで、DUOの語彙・表現・英文を、英会話やライティングでも使えるようにしたいのであれば、瞬間英作文でトレーニングしていくことをお薦めします。
ちなみに、瞬間英作文は、前から英文を作っていくことになるので「返り読み」を矯正する効果があり、また、トレーニングの過程で英文を音読することになるので、リーディング力も伸びていきます。
DUOでのトレーニングをやってから、あらゆるジャンルの英文が読みやすくなりました。これは、DUOと被る語彙・表現が多い旺文社の「ダイアローグ1200」も同時進行でやっているお陰でもあります。
【参考】オンライン英会話 スピーキングでアクティブ語彙を増やすアイデア
聞き取れるようになりたい → シャドウイング
2012年10月に900点を超えてから、英会話にスイッチしたのですが、2014年の6月に久しぶりにTOEICを受けたところ、リスニングがボロボロでした(˜∀˜;)理由を考えてみた結果、TOEICのテキストから離れて勉強してきたことも原因の1つだと考えていますが、シャドウイングの時間がかなり少なかったのも大きな原因かなと。
最近は、音を覚えて音を聞き取れるようにするための「プロソディ・シャドウイング」だけでなく、聞き取った音から意味をつかむ(状況をイメージする)ための「コンテンツ・シャドウイング」も大切だと思うようになってきました。
英語初心者の方は、プロソディ・シャドウイングの段階でもかなり難しいので、コンテンツ・シャドウイングをやるのは厳しいと思いますが、TOEICのリスニング400点くらいになってきたら、コンテンツ・シャドウイングもやっていったほうが、リスニングの「意味をつかむチカラ」の向上に有効だと感じています。
また、この1年半のセルフ人体実験の結果から、シャドウイングは少なくとも毎日30分くらいはやったほうが良さそうです。10~15分程度だと、おそらく伸び悩みます。
オーバーラッピングでスラスラ言えるようになったら、早急にシャドウイングに移ってシャドウイングの時間をなるべく多めにしたほうがいいです。
オーバーラッピングでスクリプトを見て声に出している限り、確実に音を覚えられる状態にはならないです。シャドウイングでスラスラ言えるようになって始めて完成します。
【参考】「シャドウイングとオーバーラッピングの違い、効果的な学習方法と注意点」
ちなみに、「聞き流し」は、英語を聞く時間を増やすという意味でプラスにはなりますが、効果が薄いので、声が出せない状況などのシャドウイングできないときの代替案と考えたほうが良さそうです。
「英→日」のトレーニングだけでは効果が薄い
今まで約5500時間英語を勉強してきて痛感していることなのですが、「英文をただ読む」「英語から日本語に訳す」「英単語を見て日本語訳を言う」トレーニングだけでは効果が薄く、実りも少ないです。例えるなら、フランス料理のフルコースを食べに来て、前菜だけ食べて帰るくらいモッタイナイ。
瞬間英作文の効果を知ってしまうと、「英文を精読して読む」トレーニングだけでは、英文を2~3割しか吟味できていない感覚があります。ものすごく不完全な感じ。
7. DUOで瞬間英作文をやる前に
文法項目別の瞬間英作文テキストをやっておく
会話できる英文法大特訓
DUOの英文は、「どんどん話すための瞬間英作文トレーニング」などの中学レベルの文法項目別の瞬間英作文テキストに比べると、語彙・構文のレベルが高く、英文が長めのものが多いです。
そのため、少なくとも中学レベルの文法・構文・語彙で瞬間英作文できる力がないと、DUOでの瞬間英作文は非常に苦しいものになります。ですので、あらかじめ中学レベルの文法項目別のものを中心に、瞬間英作文テキストを数冊やっておくことをお薦めします。
実は、僕は2013年、DUOでの瞬間英作文トレーニングをやろうとしたのですが、英文を見て「今の自分の瞬間英作文レベルでは、かなり骨が折れそうだな」と感じたので、DUOでの瞬間英作文は一旦保留にして、先に中学レベル+αの瞬間英作文テキストを10冊以上(約5000文以上)やりました。
必ずしも10冊やる必要はないかもしれないですが、3~5冊くらいやっておくと、DUOでの瞬間英作文はラクになるはずです。
ちなみに、僕がやった瞬間英作文テキストは、次の記事にまとめてあるので、よろしければ参考にしてみて下さい。
【参考】瞬間英作文 最新おすすめ本・教材&効果的なやり方
聞き取れるようにしたい → CDも手に入れておく
DUOの語彙・表現を、言える・読めるだけでなく、聞き取れるようにもしたいのであれば、シャドウイング用に音声CDも持っておいたほうがいいです。
当ブログの常連さんは耳タコだと思いますが、
= 瞬時に聞き取れる音
だからです。
ただ、「DUOレベルの語彙は聞き取れるが、スピーキングでは使えないものも多いので、瞬間英作文でトレーニングしたい」という方や、「今は別のテキストで、オーバーラッピングやシャドウイングなどの音をつかむトレーニングをやっているので、DUOはとりあえず瞬間英作文だけやりたい」という方は、CDは買わなくてもいいと思います。
最初にお伝えしたように、目標と到達方法から今やるべきことを明確にしましょう(・∀・)b
原本 vs フラッシュカード vs 自作ノート
DUOは、英文がある場所と和訳のある場所が離れているので、そのままでも瞬間英作文はやってやれないことはないです。ただ、DUOは英作文用に作られているわけではないので、日本語訳(トリガー)の意訳率が高いという意味では瞬間英作文がやりにくいんですよね。
それが大変だと感じる人や、僕みたいにストレスを感じる人は、無料フラッシュカード(単語帳)アプリ/ソフト「AnkiDroid/Anki」などを使ったり、
もしくはノートを自作して、「左にトリガー、右に英文」という風に瞬間英作文がやりやすいレイアウトにしつつ、瞬間英作文がやりやすいようにトリガーを改良するといいです。
この辺りは、次の記事に詳しく書いています。
【参考】瞬間英作文が劇的にやりやすくなる自作ノート・Ankiの作り方 (概要編) / (実戦編)
【補足】フラッシュカード派
フラッシュカードを使う場合は、全文が英作文できる状態で、スラスラ言える英文が8~9割になったらいったん卒業でいいと思います。現在の英語力によって前後すると思いますが、僕は約半年かかりました。完璧は永遠にやってこないので、8~9割完成したら、次のテキストに進みましょう。そして数カ月後~1年後に復習的にDUOでトレーニングすることで、以前はうろ覚えだったものの定着度が上がってくるはずです。
【補足】自作ノート派
DUOの英文は、全部で560文と書いてありますが、1センテンスに2~4文あるものもあるので、実質700~800文くらいはあると思います。ですので、いきなり最後までやると、確実に最初にやったところは記憶の彼方に消え去ること間違いなし。
また、中学レベルの瞬間英作文テキストに比べると、DUOの英文は比較的長いものが多いので、3~4セグメントに分けてやったほうがいいと思います。
3セグメントに分けるなら、190文+190文+180文のような分け方がいいかなと。
8. DUOの勉強の進め方
「DUOを使ってどのスキルも向上させたい」という場合の勉強法例を挙げておきます。
Step 1 ディクテーション
よく言われることですが、「読める語彙」が「聞き取れる語彙」とは限らないですよね。
ですので、DUOに収録されている語彙がきちんと聞き取れるのかどうかをチェックするために、DUOの音声を使って、まずは「ディクテーション」することをお薦めします。
ディクテーションの詳細なやり方については、「リスニング苦手な人はディクテーションで道は開ける|効果、やり方」をご覧下さい。
個人的には、ディクテーションは、トレーニングというより、自分が聞き取れない音を把握するための仕分け作業と考えています。
ですので、「聞き取れるまで何度も聞く」ということはしてません。多くても5回聞いてみて、聞き取れなかったら、すぐに答えを見てOKです。その代わり、聞き取れなかったところはきちんとチェックします。
そして、その聞き取れなかった音を中心に、1ヶ月間くらい毎日「オーバーラッピング&シャドウイング」でトレーニングすると、口が慣れてスラスラ言えるようになる=音が聞き取れるようになります。詳しくは後述します。
ちなみに、ディクテーションは1日30分~1時間くらいで進めるところまでやるといいです。
Step 2 精読
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その日やる分量のディクテーションが終わったら、英文を精読していきます。
最近、僕よりも高い英語力をお持ちの方々の勉強法を研究していますが、国内・独学で英検1級以上の英語力を持つ方々は、例外なく、精読する時間を設けているんですよね。
つまり、高い英語力を身につけたければ、精読は必須ということです。
僕もこの2~3年は、ほとんど毎日30分~1時間を精読する時間に充てています。
※僕が4技能の中でリーディングが一番得意と感じるのは、この精読のお陰だと思います。
次に、僕が精読でチェックしている項目は、次の5つです。
(1) 発音・アクセント、音の連結・消失 →リスニング力向上
(2) 語彙の意味・品詞 →英文の理解度の向上
(3) 文構造 →理解速度の向上
(4) 文法・構文 →理解速度の向上
(5) 類語の違い →スピーキングでの使い分け・理解度の向上
精読の詳細なやり方については、「リーディング苦手な人は「精読」で道が開ける!精読の効果、やり方、おすすめ教材」をご覧下さい。
また、面倒臭い人は、テキストに直接書き込んでもいいですが、「オリジナルを汚したくない」人や「瞬間英作文でトレーニングする」人は、無料フラッシュカード(単語帳)アプリ/ソフト「AnkiDroid/Anki」に登録したり、エクセルでノートを作成して印刷したり、リアルノートに例文を書き写していってもOKです。
【参考】瞬間英作文が劇的にやりやすくなる自作ノート・Ankiの作り方 (概要編) / (実戦編)
DUOには見出し語以外に、同義語・反意語がかなりたくさん掲載されていますが、無理に覚えようとせず、ザッと目を通すだけでOKです。時間のある範囲内で気になったものだけ、辞書・文法書で調べ、トレーニングを続けていれば、自ずと語彙力は上がっていきます。
【参考】英語学習で重宝するオンライン辞書&便利サイトまとめ
Step 3-1 オーバーラッピング&シャドウイング
ディクテーションで自分が聞き取れない音を明確にし、精読で英文を正確に理解したら、その聞き取れなかった音に注意して、オーバーラッピングとシャドウイングでトレーニングしていきましょう。DUOの音声は、ネイティブのナチュラルスピードに比べると遅いですが、リスニングが苦手な人にとっては、けっこう速く感じると思います。150~180 wpmはありそう。また、音の連結(リンキング)・消失もそこそこあります。
CD音声通りになめらかにスラスラ言えるようになるまで、1ヶ月くらい毎日30分トレーニングすることをお薦めします。先ほどもお伝えしたように、CD音声通りにスラスラ言える音 = 瞬時に聞き取れる音 になります(・∀・)b
オーバーラッピングでスラスラ言えるようになってきたら、シャドウイングに移行しましょう。シャドウイングだと、テキストがなくてもトレーニングできるようになるので、通勤通学時間や昼休憩などのスキマ時間を活用することができるようになります。DUOで毎日30分以上、半年くらいシャドウイングすれば、リスニング力はかなり向上するはずです。
また、リスニングが苦手な人にとっては、DUOの音声はけっこう速めなので、PCの「Windows Media Player」や「ウォークマン」などで、速度を0.7~0.9倍速を落として、スロースピードから始めることをお薦めします。
僕は今でも、「ちょっと速いな」と感じた場合は、音声なしで何回か音読して、オーバーラッピングをスロースピードから始めます。そして、なめらかに言えるようになってきたら、徐々に速度を上げ、シャドウイングに移行していきます。
オーバーラッピングとシャドウイングの詳細なやり方については、「シャドウイングとオーバーラッピングの違い、効果的な学習方法と注意点」を参照して下さい。
Step 3-2 瞬間英作文
ディクテーションと精読が終わった英文から、オーバーラッピング&シャドウイングのトレーニングと並行して、「瞬間英作文」でトレーニングしていきます。瞬間英作文をやることで、スピーキング・ライティングは当然ですが、リスニング・リーディング時の意味を理解するチカラも向上します。
瞬間英作文の詳細なやり方については、次の記事を参考にしてみて下さい。
【参考】瞬間英作文 効果的なやり方とトレーニング快適化6つのコツ
また、上述してますが、無料フラッシュカード(単語帳)アプリ/ソフト「AnkiDroid/Anki」を使って瞬間英作文をやる方や、ノートを自作する方は、次の記事をご覧下さい。
【参考】瞬間英作文が劇的にやりやすくなる自作ノート・Ankiの作り方 (概要編) / (実戦編)
先ほども触れましたが、DUOの英文は、「どんどん話すための瞬間英作文トレーニング」などの中学レベルの文法項目別の瞬間英作文テキストに比べると、語彙・構文のレベルが高く、英文も長いです。
ですので、2013年の僕のように、「自分の今のレベルでは、DUOでの瞬間英作文は厳しいな」と感じるようであれば、一旦保留にして、中学レベルの瞬間英作文テキストで徹底的に鍛えることをお薦めします。
瞬間英作文は数をこなせばこなすほど、流暢になり、表現力も増えていきます。日常で日本語が聞こえてきた瞬間に、英語でパッと表現できることが増えてきます。そうなると、英会話でも使えるようになってきます。
僕はもうすぐ1万文をトレーニングし終わりますが、まだまだレベルは低いものの、2013年の春頃よりは、表現できることが増え、よく使う表現はかなり流暢に言えるようになってきています。
僕の英語力なんて誰でも到達可能なレベルです。しかも、当ブログの読者さんは、僕の失敗と成功から学べる分、僕よりも早く上達できるので、ガンガン勉強して、僕を追い抜いていっていただきたいです(・∀・)b
Step 4 英会話を日常化する
2013年から、毎日瞬間英作文を続けてきていますが、痛感していることが1つあります。
常時触れていないと片っ端から忘れていく
日本語でも、有名人の名前やことわざなど、以前は知っていてすぐに出てきたのに、しばらく使わない&見かけないうちに、忘れてしまうことってよくありますよね?
英語もこれとまったく同じと気づきました。
今、DUOの英文を瞬間英作文でスラスラ言えたとしても、実際の会話で使ったり、リスニングやリーディングで出会わなければ定着しないんですよね。
少し考えてみれば分かりそうなことなのですが、2013年の僕はこのことに気づいていませんでいた。英会話は週に数回しかしていなかったので、瞬間英作文で覚えた英文もかなりの割合で忘れてしまっています(ノд`)゚・*:.。.
【参考】オンライン英会話を3年やったので勉強の軌跡をさらしてみた
高い英語力を身につけて、英語を強みにして仕事しようと考えておられる方は、毎日英語を話す環境を作ることをオススメします。日常生活で英語を使う機会のない日本人が高い英語力を身につけるのは厳しいと感じています。
近くに英会話喫茶があればそれでもいいですし、「トーストマスターズクラブ(Google 検索)」でもいいです。
僕は値段が手頃で、自宅で好きな時間に受けられるオンライン英会話が性に合っているの続けています。
【参考】オンライン英会話を1000回受けたので効果と注意点をまとめてみた
「勉強法編」は以上になります。DUOを検討中の方、「買ったけど積ん読」中の方、道半ばで挫折された方の参考になれば幸いです(・∀・)b