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現在、「パン食い競走」の起源については、一般にこう説明される。
この「1874年海軍兵学寮起源説」と「1896年札幌農学校起源説」について検証する。
1874年の海軍兵学寮では、イギリス人のダグラス提督の提案により「競闘遊戯」という日本初の「運動会」が開催された。
そこで実施された競技は詳しく記録されているのだが、そのなかにパン食い競走に類するものは見当たらない。
二年後の1876年にも同様の運動会が開催されたとするが、その内容を伝える『Japan Weekly Mail』の記事を確認しても、やはりパン食い競走はない。
一方の札幌農学校であるが、こちらは1878年から毎年「遊戯会」という名の運動会を行っていた。
これは「大志を抱け」で有名なクラーク博士や、その後継のアメリカ人教師たちの指導のもと、生徒たちにより実施されたものであるという。
『恵迪寮史』によると、1896年の第十五回遊戯会にて「食菓競走」という競技が行われた。
これが「1896年札幌農学校起源説」の根拠になっているのだろう。
また1898年刊行の『札幌農学校』という書籍でも、現今の遊戯会では「菓子喰競走」が行われている、とある。
この「食菓競走」あるいは「菓子喰競走」はパン食い競走と同様の競技だったのだろうか。
1895年に札幌農学校を卒業した松村松年は、『人間学としての体育』という本において、「昔時著者の学生時代に行はれたる競技」として「菓子喰競走―之れは両手を後方に廻はし、口にて途中に吊れる菓子を喰へ行くの競走」と説明している。
1902年(明治35年)の新潟県高田中学校修養会の機関誌では、秋季大運動会の「食菓競走」について「飢えたる狼の如く押開いて突貫して来る一隊。目の前にぶらつくを取り得ぬもどかしさ」と説明している。
1910年(明治43年)の『運動世界』の記事では、早稲田大学春季陸上運動会について「滑稽なのは菓子喰競走で宙にぶら下げた菓子を手を結びて馳け付け下からガブリとやる、それを側に居る係りがワザと動かす、喰い付く動すと云う滑稽もの」と書いている。
これらを勘案すると札幌農学校の「食菓競走」「菓子喰競走」が現在のパン食い競走と同じ形態だった可能性は高く、とりあえずは「1896年札幌農学校起源説」を採用していいのではないかと思う。
というか松村の記述を素直に捉えるなら「菓子喰競走」は1895年以前にも行われていたかもしれない。
ただし松村はいくつかの学校を転々としているので札幌農学校のことである確証はなく、また研究者として農学校に残っているのでそれ以降の記憶と混じっている可能性もある。
当時、こうした競技を指導していたのは、ダグラス提督やクラーク博士といったお雇い外国人教師であった。
たとえばクラーク博士の母校であるマサチューセッツ農科大学では「サイダーミート(Cider Meet)」というイベントがあったらしい。
「サイダー・ミート」と呼ばれる最初の集まりがブレイク・フィールドで開催されたのは1878年10月20日で、’80年卒のクラスと’81年卒のクラスの対決は引き分けに終わった。両クラスは夕方にフィールドに集まり、平和的にサイダーを飲んだ。興味深いのは、800人以上がこの集まりに参加し、その中にはスミス大学の女子学生も多く含まれていたことだ。後の世代には奇妙に思えるかもしれない競技としては、ジャガイモ競走、3マイル競歩、フットボール蹴り、三本脚競走、目隠し手押し車レース、野球ボール投げ、太った男の競走、背負い競走、そして何よりも人気だったのが、油を塗った豚を追いかけるレースだった。
海軍兵学寮の競闘遊戯の種目だった「二人三脚」「背負い競走」「豚追い競走」などが記されているのは興味深い。
また「ジャガイモ競走(Potato Race)」は札幌農学校の遊戯会に「薯拾」として採用されていたようだ。
時系列的に、アマースト大学の「サイダーミート」そのものが、「競闘遊戯」「遊戯会」に直接の影響を与えたわけではないだろう。
しかし、おそらく同種の競技はサイダーミート以前から行われており、それがお雇い外国人教師を通じて日本にも導入されたのではないだろうか。
その線で考えるなら、菓子喰競走も当時のアメリカの大学などで行われていたのではないかと思う。
「いじめがありますか?」と聞いて、「あります」と答える学校は無いに等しいだろう。
「パワハラがありますか?」と聞いて、「あります」と答える職場は無いに等しいだろう。
日本人は本当に「いじめ」「パワハラ」を無くす気があるだろうか。
そもそも日本人は「いじめ」「パワハラ」の要因に触れたがらない。
究極的なことを言えば、学校にせよ職場にせよ、すべての人が「勉強だけしに来ている」「仕事だけしに来ている」のなら、
「いじめ」「パワハラ」は起こらない。あくまでも、個人で完結するものならば。
ただ実際は、一人の力ではどうにもならなかったり、教わったり教えたり、同じ教室や同じ職場の人とのやりとりが前提の事柄もあり、
そんな中で、「上役から現実離れした要求をされていて、現実とのギャップを埋めなければいけない」とか「自分が有利に(気持ちよく)なりたい」という私欲が介在し始めて、
対人関係のアンバランスとは、最近の言い方だと「マウント」に当たる。
「現実とのギャップを埋める」ことは指示だと捉えるのが普通だろうが、現実離れしているものは「マウント」だと私は考えている。
その「マウント」、要は「人を支配する」ことが問題で、日本では伝統的に行われてきたのに、
それを変えようとする姿勢が無い。変える姿勢が無いというより、変えられない仕組みなのである。
「マウント」には、やれ声が大きいだの、上から目線だのといった「小手先」のものから、男尊女卑、フェミニズムといった「人間学的」なものまである。
日本はこういったものに触れたがらない。放置する。そして、「男尊女卑がダメならフェミニズムもダメ」といった両立思考をしない。
「変えられることは変える努力をしましょう。変えられないことはそのまま受け入れましょう。
起きてしまったことを嘆いているよりも、これからできることを皆で一緒に考えましょう」
変えられないのなら、まずその場における「報酬(得られるもの)」と「ストレス」を比較して、どちらが上かを考えよう。
「報酬(得られるもの)」が上なら、「職場(学校)に居る時間だけは仕方ない」と考え方を変えよう。あるいは、割り切ろう。
「ストレス」が上なら、周りに確認しよう。今、自分が感じているストレスを他の人も感じているのか。
そして、これからできることとしては、職場に限った話にはなるが、
求人サイトや求人雑誌などで「応募条件」が書かれている求人を見つけて、そこに書かれている「応募条件」のスキルを身に付けること。
できればそれは「求人数の多い業界」「求人数の多い職種」以外の求人が良い。
ハッキリ言って、職場(学校)としての良し悪し(生産性なり成績なり)をヒューマンリソース(人の力)に依存しているところ、
また、何かを教えたあとで「わからなかったら、聞いてください」と言ってくるところなんて、すべてブラック。
パワハラを繰り返す職場(学校)、ブラックと関わることはやめよう。
残念ながら、今の日本では「事前にわかる仕組み」がほとんどない。
口コミサイトがあるが、掲載する側が審査するので、表現が強いものは載せない傾向がある。
ぐうたら人間学じゃないすか
(4)
転叫院さんの批判に対する宇野さんのレスポンスはなされませんでした。この時、宇野さんは何をしていたか?
406 :名無しさん@ゴーゴーゴーゴー!:2006/09/10(日) 00:11:01 ID:1CS5n8Ba
本業が多少忙しいんだろ
(コーナーの量からしてとてもそんな忙しそうには思えないが)
ライター業の仕事が増え始めて忙しかったみたいです。ウェブで読める「宇野常寛」の仕事はこんな感じ。
ところで転叫院さんがメンバーを抜けてこんな余波が。
429 :名無しさん@ゴーゴーゴーゴー!:2006/09/13(水) 22:09:03 ID:knDGDuU2
あとがきのところで「新訂惑星開発大辞典」を作ることを言明してるな
立ち上げ当初から惑星開発大辞典を全面改稿すると宣言していたのですが、今もそれはなされていません。メンバーズリストによると転叫院さんが新訂大辞典を担当するとなっており、おそらくは転叫院さんの脱退によってお蔵入りになったのでしょう。
ライターとしての宇野さんの仕事が確認できるようになると、某掲示板のスレッドではこんなことが書かれます。
82 名前:名無しさん@ゴーゴーゴーゴー! :2006/11/26(日) 20:55:33 ID:o7u55b6O
つまらないんだよな。
サイゾーの大月Pへのインタビューも、惑星では作品を(エヴァで
なくてナデシコだが)腐したくせに当たり障りの無い阿るような内
容だったな。
まあ、現実社会では無力な宇野が惑星開発委員会のノリで行こうと
思ったら、とたんに干されてしまうだけだろうけど、大月Pのような
95 名前:名無しさん@ゴーゴーゴーゴー! :2006/11/28(火) 10:35:42 ID:xVa/bnZz
「昭和歌謡の復権をもくろむ22歳!イケメン俳優・半田健人の素顔」
「「宇宙的に正しい」世界のためにSUGIZOが届ける愛のメッセージ!」
それに対する某掲示板の反応。
170 名前:名無しさん@ゴーゴーゴーゴー! :2006/12/20(水) 03:36:22 ID:KuoUp39d
171 名前:名無しさん@ゴーゴーゴーゴー! :2006/12/20(水) 12:19:09 ID:MWlXtQcI
172 名前:名無しさん@ゴーゴーゴーゴー! :2006/12/21(木) 04:56:38 ID:TCkkxLa4
ライターって大変なんだなあ
年を開けてから2006年を総括した惑星開発大賞を発表しますが、更新も減りこんな風に書かれます。
45 :名無しさん@ゴーゴーゴーゴー!:2007/03/21(水) 19:04:07 ID:pBOezhAt
昨年からの惑星開発委員会の失速は、客が望んでいない木更津キャッツアイ
3月の更新は「大学生よ、サークル貴族を目指せ!」のみ。サークルクラッシュ人間学なる文章も載せていきますが更新が縮小した感は否めず……。「プライベートが忙しい」とは何なのか? それが明かされるのが2007年5月になります。
「PLANETS」第三号の告知し、そしてついに5月25日発売のSFマガジンで連載「ゼロ年代の想像力」が始まります。この連載によって初めて商業誌での「宇野常寛」の文章に「善良な市民」の名前で展開していたオタク煽り、現状批判などの主張が盛り込まれていきます。この連載は初回から東浩紀批判が繰り広げられており、さっそく東浩紀さんも自身のブログで反応しています。
宇野さんはこの原稿のなかで「東浩紀の劣化コピー」という言葉を使っているのですが、最近の僕はまさに、彼がそう呼んでいるであろうひとたちの言動にウンザリして、批評家としてのエネルギーを失いつつありました。宇野さんの原稿は、そんな僕に久しぶりにやる気を与えてくれました。こういうエントリを書くと、また変な業界読みをするひとがいるかもしれませんが、もはやそんなのもどうでもいい。単純に嬉しいので、ここに記しておきます。
あとは連載を楽しみにしています。